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Trademark Appeal Case

称呼の類似性: 音の近似

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号無効2019−890071(T2019−890071/J3)
審判種別無効
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第6175164号商標(以下「本件商標」という。)は,「sleepon」の欧文字を横書きしてなり,平成30年9月10日に登録出願,第9類「磁気コードを利用した識別用腕輪,コンピュータ操作用プログラム(記憶されたもの),ダウンロード可能なコンピュータソフトウエア,カウンター,ヘムマーカー,インダクター(電気用のもの),情報送信装置,マイクロプロセッサ,歩数計,脳に音刺激を与えることにより集中力を高めるための音声周波機械器具,大気中の加熱・換気・空調及び冷却状態を検知し・測定し及び分析する装置,集音器,無線受信器,無線周波数送信機,二酸化炭素探知器」を含む第9類,第10類及び第35類に属する商標登録原簿に記載の商品及び役務を指定商品及び指定役務として,令和元年7月25日に登録査定され,同年8月30日に設定登録されたものである。

2 引用商標

請求人が引用する商標は次のとおりであり(以下,これらをまとめて「引用商標」という。),いずれの商標権も現に有効に存続しているものである。

(1)登録第5814756号商標(以下「引用商標1」という。)

商標の態様 Dr.Sleepion

指定商品 第9類に属する商標登録原簿に記載の商品

登録出願日 平成27年7月15日

設定登録日 平成27年12月18日

(2)登録第5814757号商標(以下「引用商標2」という。)

商標の態様 Sleepion

指定商品 第9類に属する商標登録原簿に記載の商品

登録出願日 平成27年7月15日

設定登録日 平成27年12月18日

(3)登録第5862723号商標(以下「引用商標3」という。)

商標の態様 スリーピオン

指定商品 第9類及び第10類に属する商標登録原簿に記載の商品

登録出願日 平成27年12月11日

設定登録日 平成28年7月1日

(4)登録第5871401号商標(以下「引用商標4」という。)

商標の態様 Sleepion

指定商品 第10類に属する商標登録原簿に記載の商品

登録出願日 平成27年9月29日

設定登録日 平成28年8月5日

(5)登録第5907942号商標(以下「引用商標5」という。)

商標の態様 別掲のとおり

指定商品 第9類及び第10類に属する商標登録原簿に記載の商品

登録出願日 平成28年5月30日

設定登録日 平成28年12月22日

(6)登録第6070488号商標(以下「引用商標6」という。)

商標の態様 Sleepion 深い眠りへ

指定商品 第9類及び第10類に属する商標登録原簿に記載の商品

登録出願日 平成29年10月17日

設定登録日 平成30年8月10日

3 請求人の主張

請求人は,本件商標の指定商品中,第9類「磁気コードを利用した識別用腕輪,コンピュータ操作用プログラム(記憶されたもの),ダウンロード可能なコンピュータソフトウエア,カウンター,ヘムマーカー,インダクター(電気用のもの),情報送信装置,マイクロプロセッサ,歩数計,脳に音刺激を与えることにより集中力を高めるための音声周波機械器具,大気中の加熱・換気・空調及び冷却状態を検知し・測定し及び分析する装置,集音器,無線受信器,無線周波数送信機,二酸化炭素探知器」及び第10類「全指定商品」についての登録を無効とする,審判費用は被請求人の負担とする,との審決を求め,その理由を要旨次のように述べ,証拠方法として甲第1号証ないし甲第11号証を提出した。

(1)請求の理由

本件商標は,その指定商品及び指定役務中,本件審判請求に係る指定商品については商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから,同法第46条第1項第1号により,その登録は無効にすべきものである。

(2)具体的な理由

ア 商標の類否について

(ア)本件商標について

本件商標は「sleepon」の欧文字からなる商標であり,その構成から「スリーポン」の称呼のほか,その構成文字が英語の「sleep」と「on」の単語を一連一体に表示した造語と容易に理解され,それぞれの単語の発音「スリープ」と「オン」を連続的に称呼した「スリープオン」の自然な称呼を生じる(甲1,甲2)。

(イ)引用商標について

引用商標は「Sleepion」又は「スリーピオン」の文字を含むものであって,その文字部分からは「スリーピオン」の称呼が生じる(甲3〜甲8)。

(ウ)称呼の類否について

本件商標の称呼「スリープオン」と引用商標の称呼「スリーピオン」とは,共に構成音数が6音(長音を含む。)であるところ,4音目において「プ」音と「ピ」音の相違がある。

この「プ」音と「ピ」音は共に半濁音で無声子音「P」を共通にする近似の音であり,わずかに母音「u」と「i」に差異を有するにすぎない。

さらには,2音目の「リ」音が長音を伴うことで強く響き,「リー」音に続く「プ」音と「ピ」音は強く響く「リー」音に吸収されて明瞭に発音されず聴別が困難となる。

したがって,「スリープオン」と「スリーピオン」の両称呼を一連に称呼した場合には,語韻語調が極めてよく似ているものであり,両称呼は称呼上相紛れるものである。

(エ)外観の類否について

本件商標と,引用商標2及び引用商標4ないし引用商標6の「Sleepion」の文字部分については,いずれも造語であり,比較的長いつづりの欧文字の7文字と8文字とからなり,視覚上看者の注意が比較的届き難い中間において「i」の文字を有するか否かの差異を有するのみであり,他の文字のつづりは共通している。

したがって,本件商標と引用商標2及び引用商標4ないし引用商標6とは外観においても酷似している。

(オ)過去の事例について

上記のような,中間音における「プ」音と「ピ」音との相違による両称呼の聴別に与える影響と,中間における「i」の文字の有無による外観の類否については,次の審決においても似通った判断がされている。

a 異議2010―900239号(甲9)

商標「Sopirani」と商標「SOPRANI」

b 昭和54年審判第3263号(甲10)

商標「HIPPIRON/ヒピロン」と商標「HIPPURON/ヒプロン」

c 昭和57年審判第17205号(甲11)

商標「アプカル/APCA L」と商標「図形+APICAL/N2」

(カ)小括

上述のことから,本件商標と引用商標とは称呼上類似するものである。

また,本件商標と引用商標2及び引用商標4ないし引用商標6とは外観上類似するものである。

イ 商品の類似関係について

本件商標の本件審判請求に係る指定商品と引用商標の指定商品とは,類似群コード「10C01」,「10D01」,「11A01」,「11B01」及び「11C01」を共通にする類似商品である。

ウ 結論

上述のことから,本件商標と引用商標とは称呼上類似するものであり,また,本件商標と引用商標2及び引用商標4ないし引用商標6とは外観上類似するものである。

そして,本件商標の本件審判請求に係る指定商品は,引用商標の指定商品と同一又は類似の商品である。

したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に該当する。

4 被請求人の答弁

被請求人は,請求人の主張に対し何ら答弁していない。

5 当審の判断

請求人が本件審判を請求する利害関係を有することについては,当事者間に争いがなく,また,当審は請求人が本件審判を請求する利害関係を有するものと認める。

以下,本案に入って審理する。

(1)本件商標

本件商標は,上記1のとおり,「sleepon」の欧文字からなり,その構成文字に相応し「スリープオン」,「スリーポン」の称呼を生じ,特定の観念を生じないものである。

(2)引用商標

引用商標1は,上記2(1)のとおり「Dr.Sleepion」の文字からなり,その構成文字に相応し「ドクタースリーピオン」の称呼を生じ,特定の観念を生じないものである。

引用商標2及び引用商標4は,上記2(2)及び(4)のとおり「Sleepion」の文字からなり,引用商標3は上記2(3)のとおり「スリーピオン」の文字からなり,いずれもそれらの構成文字に相応し「スリーピオン」の称呼を生じ,特定の観念を生じないものである。

引用商標5は,別掲のとおり音符のような図形とやや図案化した「sleepion」の文字からなり,その構成文字に相応し「スリーピオン」の称呼を生じ,特定の観念を生じないものである。

引用商標6は,上記2(6)のとおり「Sleepion 深い眠りへ」の文字からなり,その構成文字に相応し「スリーピオンフカイネムリエ」の称呼を生じるほか,その構成対応などから「スリーピオン」及び「フカイネムリエ」の称呼も生じるものであって,特定の観念を生じないものである。

(3)本件商標と引用商標の類否

本件商標と引用商標の類否を検討すると,まず,本件商標「sleepon」と引用商標2及び引用商標4「Sleepion」との比較において,両者は外観において,両者の1文字目の小文字と大文字の表記の差異を有し,さらに,後者の6文字目の「i」の文字の有無という差異を有するものであって,この差異が7文字と8文字という比較的短い文字構成である両者の外観全体から受ける視覚的印象に与える影響は少なくなく,両者を離隔的に観察しても,相紛れるおそれのないものと判断するのが相当である。

次に,称呼についてみると,本件商標から生じる「スリープオン」と引用商標2及び引用商標4から生じる「スリーピオン」の称呼を比較すると,両者は第4音において「プ」と「ピ」の音の差異を有し,この差異音は子音「p」を共通にするものの,明瞭に発音される破裂音であるから,この差異が共に長音を含む6音という比較的短い音構成からなる両称呼全体に及ぼす影響は少なくなく,両者をそれぞれ一連に称呼しても,かれこれ聞き誤るおそれのないものと判断するのが相当である。

また,本件商標から生じる「スリーポン」と引用商標2及び引用商標4から生じる「スリーピオン」とは,語調語感が異なり,相紛れるおそれのないものといえる。

さらに,観念においては,両者は共に特定の観念を生じないものであるから比較することができない。

そうすると,本件商標と引用商標2及び引用商標4とは,外観,称呼において相紛れるおそれがなく,観念において比較できないものであるから,両者の外観,観念及び称呼等によって取引者,需要者に与える印象,記憶及び連想等を総合して全体的に考察すれば,両者は相紛れるおそれのない非類似の商標というべきものである。

そして,上記のとおり,本件商標「sleepon」と「Sleepion」の文字からなる引用商標2及び引用商標4とが非類似の商標というべきものであることからすれば,本件商標と「Dr.Sleepion」の文字からなる引用商標1,「スリーピオン」の文字からなる引用商標3,図形とやや図案化した「sleepion」の文字からなる引用商標5及び「Sleepion 深い眠りへ」の文字からなる引用商標6は,両者の構成態様などから非類似の商標ということができる。

したがって,本件商標は,引用商標のいずれとも非類似の商標である。

その他,本件商標と引用商標とが類似するというべき事情は見いだせない。

(4)むすび

以上のとおり,本件商標は,引用商標と非類似のものであるから,本件商標の指定商品及び指定役務中の本件審判請求に係る指定商品と引用商標の指定商品が同一又は類似するとしても,商標法第4条第1項第11号に該当するものといえない。

したがって,本件商標の指定商品及び指定役務中,本件審判請求に係る指定商品についての登録は,商標法第4条第1項第11号に違反してされたものではないから,同法第46条第1項の規定に基づき,その登録を無効にすべきでない。

よって,結論のとおり審決する。

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