Trademark Appeal Case
図形部分の要部抽出
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2019−5954(T2019−5954/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、別掲1のとおりの構成からなり、第3類「化粧品,せっけん類,歯磨き,香料,薫料,つけづめ,つけまつ毛,口臭用消臭剤,動物用防臭剤」を指定商品として、平成29年1月16日に登録出願された商願2017−002878に係る商標法第10条第1項の規定による商標登録出願として、同年8月4日に登録出願されたものである。
2 引用商標
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録商標は、以下のとおりであり、現に有効に存続しているものである。
登録第5939662号商標(以下「引用商標」という。)
商標の構成 別掲2のとおり
指定商品 第3類「せっけん類,歯磨き,化粧品,香料」
登録出願日 平成28年6月7日
設定登録日 平成29年4月14日
3 当審の判断
(1) 本願商標の商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 本願商標について
本願商標は、別掲1のとおり、左側に、赤色で太さの異なる線を下位置で交差させた縦長ループを二つ、輪の部分を一部重ねるとともにループの左右の線の先端同士を接して横に並べた図形(以下「図形部分」という。)を配し、その右側には、「THANKS」の欧文字(「HANKS」は「T」よりやや低い。また、「N」及び「K」の文字は文字の一部を共有している。以下同じ。)、赤色で多少図案化された「AI」の欧文字及び「HANKS」の欧文字の上に小さく「Related to Heart」の欧文字(以下、「THANKS」、「AI」及び「Related to Heart」をまとめて「文字部分」という。)を配してなるものである。
そして、本願商標を構成する図形部分と文字部分については、両者はほぼ同じ高さに配置された構成ではあるものの、図形部分は赤色、文字部分は黒色及び赤色と色彩が異なり、明らかに一体的に結合しているものではないから、両者は視覚上、分離して看取され得るものである。
また、図形部分は、我が国において特定の事物を表したもの、又は何らかの意味合いを表すものとして認識され、親しまれているというべき事情は認められないから、図形部分からは、特定の称呼及び観念は生じないものである。
一方、文字部分は、「THANKS」、「AI」及び「Related to Heart」の欧文字からなるところ、「THANKS」の部分は「感謝」などの意味を有する平易な英語「thank」の複数形であり、「AI」は「人工知能」を意味する略語であり、「Related to Heart」は「心に関連のある」といった意味合いを看取させる英語であって、いずれも我が国において比較的親しまれた英語や略語からなるものであるから、それぞれの欧文字に相応して「サンクス」「エーアイ」及び「リレイテッドトゥーハート」の称呼を生じ、また、それぞれの欧文字は上記意味合いを理解させるとしても、全体としては特定の観念を生じないものである。
そうすると、本願商標の構成中、図形部分は、特定の称呼及び観念を生じないものであって、文字部分とは、称呼及び観念上の関連性を有さないものである。
以上によると、本願商標において、図形部分と文字部分は、視覚上、分離して看取されるものであって、称呼上及び観念上も関連性を有するものではないことからすると、これらは分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているとはいえないものである。
そして、図形部分と文字部分とは、本願の指定商品との関係において、ともに出所識別機能を有するものであるから、それぞれが独立して自他商品の識別標識として機能するというのが相当である。
そうすると、本願商標の構成中、文字部分は、いずれも我が国において比較的親しまれた英語であることに比して、図形部分は、一見して何を表すものかを認識させることのない図形であることから、図形部分は見る者の注意をひき、看者に強く支配的な印象を与える部分といえるものである。
してみれば、本願商標に接する取引者、需要者は、本願商標の構成中、図形部分をその記憶にとどめ、その外観をもって取引にあたる場合も決して少なくないものといえるから、本願商標から図形部分を要部として分離、抽出し、他人の商標と比較することも許されるものといえる。
なお、請求人は、本願商標は、全体として一連一体で不可分的に結合されているロゴであり、また、図形部分は、文字で表現するのに適切な用語が見当たらないような図形であるから、出所識別機能を果たす称呼、観念は生じ得ず、要部となり得ないものである旨主張する。
しかしながら、本願商標の構成中の図形部分は、見る者の注意をひき、看者に強く支配的な印象を与える部分であって、これを要部として認定し得ること、上記のとおりであるから、請求人の主張は採用することができない。
イ 引用商標について
引用商標は、別掲2のとおり、太さの異なる線を下位置で交差させた縦長ループを二つ、輪の部分を一部重ねるとともにループの左右の線の先端同士を接して横に並べた図形からなるところ、これよりは特定の称呼及び観念は生じないものである。
ウ 本願商標と引用商標との類否について
本願商標は、上記アのとおり、引用商標は、上記イのとおりの構成からなるところ、両商標は、その全体の構成を異にするものの、本願商標の構成中の図形部分と引用商標との比較においては、色彩の違いはあるものの、構成の軌を一にする図形であるから、外観上、相紛らわしいものといえる。
また、本願商標の構成中の図形部分と引用商標は、ともに特定の称呼及び観念を生じるものではないから、称呼及び観念において、比較することができない。
そうすると、本願商標の構成中の図形部分と引用商標とは、称呼及び観念において比較することはできないものの、外観において紛らわしいものであるから、これらを総合勘案すれば、本願商標と引用商標とは、相紛れるおそれのある類似の商標というべきである。
エ 本願の指定商品と引用商標の指定商品との類否
本願の指定商品中、第3類「化粧品,せっけん類,歯磨き,香料」は、引用商標の指定商品である第3類「せっけん類,歯磨き,化粧品,香料」と同一又は類似の商品である。
オ 小括
上記アないしエのとおり、本願商標は、引用商標と類似する商標であり、かつ、引用商標の指定商品と同一又は類似する商品について使用するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
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