Trademark Appeal Case
「超吸収」の品質表示該当性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2019−8601(T2019−8601/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
第1 本願商標
本願商標は、「超吸収」の文字を標準文字で表してなり、第21類「愛玩動物用排泄物処理材」を指定商品として、平成29年12月13日に登録出願されたものである。
第2 原査定の拒絶の理由の要点
本願商標は、「超吸収」の文字を普通に用いられる方法(標準文字)で表示してなるところ、その構成中「超」の文字は「程度が特に普通以上であること」の意味で広く親しまれており、「吸収」の文字(語)は「外部にあるものを内部に吸いとること」の意味を有するものとして知られていることからすると、本願商標は、全体として「極めて(普通以上に)吸収性がよい」程度の意味合いを容易に認識し得るものである。また、「超吸収」の文字(語)が、「極めて(普通以上に)吸収性がよい商品」を指称するものとして一般に使用されていることが認められる。そうすると、本願商標をその指定商品に使用するときは、当該商品が「極めて(普通以上に)吸収性がよい商品」であると、需要者が認識するにとどまるものである。してみれば、本願商標は、商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなるものである。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。
第3 当審における証拠調べ通知及び請求人の回答
当審において、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べを実施し、その結果を同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき、請求人に対し、相当の期間を指定して令和2年4月9日付けで別掲1及び2のとおりの証拠調べの結果を通知して、これに対する回答を求めたが、請求人からは、何ら応答はなかった。
第4 当審の判断
本願商標は、「超吸収」の文字を標準文字により表示してなるところ、その構成中、「超」の文字は「程度一杯をさらに超える意を表す。」(広辞苑第七版)の意味を有するものとして広く親しまれており、「吸収」の文字(語)は「外部にあるものを内部に吸いとること。」(同掲書)の意味を有する語として広く知られているものである。
そうすると、本願商標は、全体として「通常の程度を更に超えて吸収する」程度の意味合いを容易に認識させるものである。
また、別掲1によれば、本願の指定商品を取り扱う業界においては、「超吸収」の語が、「通常の程度を更に越えて吸収性に優れていること」といった商品の品質を表すものとして一般に使用されていることが認められる。さらに、別掲2によれば、本願の指定商品を取り扱う業界以外の分野においても、同様に、「通常の程度を更に越えて吸収性に優れていること」といった商品の品質を表すものとして一般に使用されていることが認められる。
そうすると、本願商標をその指定商品に使用するときは、当該商品が「通常の程度を更に越えて吸収性に優れている」ものであると、需要者、取引者が認識するにとどまるものである。
してみれば、本願商標は、商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなるものである。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。
第5 請求人の主張について
1 請求人は、本願商標である「超吸収」の文字は、せいぜい「吸収の程度が特に普通以上であること」程度の意味合いを暗示するにとどまり、商品の品質を直接的かつ具体的に表示するものではないこと、また、本願の指定商品においては、「吸収の程度が特に普通以上である」と一口に言っても、その意味としては、排泄物を内部に取り込める量(取込量)が多いこと、排泄物を内部に取り込む速度(取込速度)が高いこと、内部に取り込んだ排泄物を保持する力(保持力)が大きい(当該排泄物が外部に戻りにくい)こと、内部に取り込んだ排泄物を保持できる時間(保持時間)が長いこと等、様々な可能性が考えられるから、取込量の多さ、取込速度の高さ、保持力の大きさ、保持時間の長さの何れが優れて(劣って)いるのかは、愛玩動物用排泄物処理材の需要者にとって重要な要素であって、単に「吸収の程度が特に普通以上である」というのは、愛玩動物用排泄物処理材の品質を漠然と評価するものにすぎず、当該商品の品質を具体的に表したことにはならない旨主張する。
しかしながら、仮に、本願の指定商品において、「通常の程度を更に越えて吸収性に優れている」ことについては、その意味するところに、取込量の多さ、取込速度の高さ、保持力の大きさ、保持時間の長さなどの要素が含まれるものであったとしても、そもそも、「商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標」に該当するというためには、指定商品に関する需要者、取引者が当該商標に接した場合、これをどのように認識し理解するかが重要であるから、需要者、取引者が、商品の品質を表示したものと一般に認識することをもって足りるのであって、それ以上に、その品質の具体的な内容まで表示した場合に限るということはできない。そして、本願の指定商品の需要者、取引者が、本願商標「超吸収」を、「通常の程度を更に越えて吸収性に優れていること」といった商品の品質を表すものと一般に認識することは、上記第4のとおりである。
2 請求人は、本願商標は、「超吸収」という短くかつ連続的な文字列からなるものであり、外観上まとまりよく一体に表現されていること、これより生ずる「チョーキューシュー」の称呼も格別冗長なものではないことから、その構成全体をもって一体不可分の造語として認識されるものである旨主張する。
しかしながら、本願商標が、短くかつ連続的な文字列からなるものであり、外観上まとまりよく一体に表現されているとしても、本願商標は、その構成からすると、一般に親しまれた語である「超」及び「吸収」の文字(語)を結合してなるものと容易に認識、理解されるものであって、商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなるものであること、上記第4のとおりである。
3 請求人は、「超吸収」の文字が、本願の指定商品を取り扱う業界において、商品の品質を表示するものとして、取引上普通に使用されているという事実はない旨、原審で示した証左においては、「超吸収」の文字が使用されているが、商標の一部として使用されているものであるから、これらの証左は、「超吸収」の文字が「極めて(普通以上に)吸収性がよい商品」を指称するものとして一般に使用されていることを示すものではない旨、及び上記各証左において「超吸収」がこれらの特徴記載部分と同義で用いられているのか否かすら明らかでなく、「超吸収」が如何なる文脈で用いられているのか不明である旨などを述べ、これらの証左は、「超吸収」の文字が「極めて(普通以上に)吸収性がよい商品」を指称するものとして一般に使用されていることを示すものではない旨主張する。
しかしながら、別掲1は、本願の指定商品を取り扱う業界において、「超吸収」の文字が、「通常の程度をさらに越えて吸収性に優れていること」といった商品の品質を表すものとして一般に使用されていることを示す例であるから、取引上普通に使用されているという事実はないという請求人の主張は失当である。なお、これらの例において、「超吸収」の文字が商標中に用いられているか否かは、上記第4の判断を左右するものではない。
4 よって、請求人の上記主張は、いずれも採用できない。
第6 まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものであるから、登録することはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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