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Trademark Appeal Case

「マーキング臭」の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2020−8166(T2020−8166/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「マーキング臭」の文字を標準文字で表してなり、第3類「動物用消臭剤」及び第5類「薬剤,動物のふん尿用消臭剤,消臭剤(工業用・身体用及び動物用消臭剤並びに口臭用消臭剤を除く。)」を指定商品として、平成30年9月6日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由(要旨)

本願商標は、「マーキング臭」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中「マーキング」の文字は「動物が尿などで自分のなわばりを示すこと」の意味を、「臭」の文字は「におい。特に、悪いにおい。」の意味を有する語だから、全体として「マーキングにより付されたにおい」程の意味合いを認識させる。

そして、本願商標の指定商品を取り扱う業界において、「マーキングにより付されたにおいを消す効果のある商品」が製造、販売されている実情があり、そのような商品説明の際に「マーキング臭」の文字が上記意味合いで使用されている事実もある。

そうすると、本願商標をその指定商品中「マーキングにより付されたにおいを消す効果のある商品」に使用した場合、これに接する取引者、需要者は、単に商品の品質又は効能を普通に用いられる方法で表示したものと認識する。

したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、「マーキングにより付されたにおいを消す効果のある商品」以外の商品に使用するときは、同法第4条第1項第16号に該当する。

3 当審の判断

(1)本願商標について

ア 本願商標は、「マーキング臭」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中「マーキング」の文字は「動物が尿などで自分のなわばりを示すこと」(「広辞苑 第7版」岩波書店)の意味を有し、「臭」の文字は「におい。特に、悪いにおい。」(前掲書)を表す語であるため、構成文字全体として「マーキングのにおい」程度の意味合いを容易に認識、理解させる。

イ そして、消臭剤や動物忌避剤などと関連して、別掲のとおり、例えば「・・・猫の尿臭やオス猫のマーキング臭を強力に消臭・・・」、「ペットのマーキング臭をしっかり消臭!」、「おしっこの臭いやマーキング臭を特殊な香り成分が包み込みながら中和消臭」などと紹介されるような、「マーキング臭」(又は動物の尿のにおい)に対して効能(消臭効果)のある商品や、「マーキング臭」の消臭を用途とする商品が「マーキング臭用」の商品として製造、販売されている実情がある。

ウ そうすると、本願商標は、「マーキング(動物の尿)のにおい」程度の意味合いを容易に認識させるもので、その指定商品に係る需要者及び取引者をして、単に商品の品質、効能又は用途を表示するものと直ちに認識、理解されるものであるから、商標法第3条第1項第3号に該当する。

また、本願商標は、前記意味合いに相応しない商品に使用されるときは、商品の品質について誤認を生ずるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。

(2)請求人の主張に対し

請求人の主張は、以下で詳述するとおり、いずれも採択できない。

ア 請求人は、本願商標から「マーキングにより付されたにおい」程の意味合いを認識させるとしても、商品の品質又は特徴等を漠然と婉曲的に表してなるにとどまり、これに接する消費者は一種の造語と認識、把握する旨を主張する。

しかしながら、本願商標は、上記(1)アのとおり、「マーキングのにおい」程度の意味合いを容易に認識、理解させるもので、上記(1)イのとおり、「マーキング臭」に対して効能(消臭効果)のある商品が一般に流通している実情もあることを踏まえると、その指定商品に係る需要者及び取引者は、商品の品質、効能又は用途を具体的に表示するものであると直ちに認識、理解するというべきである。

イ 請求人は、過去の審決例や登録例を掲げて、本願商標も登録されるべきである旨を主張する。

しかしながら、請求人の援用する審決例や登録例は、本願商標とはその構成が異なる商標に関する事例であって事案を異にするばかりか、商標登録出願された商標の登録適格性は、個別の商標や取引の実情を踏まえた上で判断すべきであるから、請求人の援用する過去の審決例や登録例は、本願商標の登録適格性に係る判断に影響しない。

ウ 請求人は、原審が指摘する別掲の「マーキング臭」の使用例のあるウェブサイトは3件にとどまり、しかも他の文字と一体的、記述的に使用するにすぎない一方で、「マーキング臭」の文字は辞書等に掲載のない語であることに鑑みれば、識別力を有しないとはいえない旨を主張する。

しかしながら、別掲の事例は「マーキング臭」の使用例を限定的に示すものではなく、あくまで例示するにすぎないものであるが、別掲の事例を参酌するだけでも、消臭剤や動物忌避剤などと関連して、用途を「マーキング臭用」と明示する商品を含めて、「マーキング臭」に対して効能(消臭効果)がある商品が一般的に流通している実情があることを把握できるから、当該取引の実情を踏まえればなお、本願商標は自他商品の識別力を欠くというべきである。

(3)まとめ

以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するため、登録することができない。

よって、結論のとおり審決する。

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