sokuhyo

Trademark Appeal Case

周知商標との混同

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2018−900210(T2018−900210/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第6040628号商標の指定商品中、第33類「泡盛,合成清酒,焼酎,白酒,清酒,直し,みりん」についての商標登録を取り消す。
本件登録異議の申立てに係るその余の指定商品についての商標登録を維持する。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第6040628商標(以下「本件商標」という。)は、後掲1のとおり、「車坂」の漢字を行書体筆書き風に縦書きしてなり、平成29年4月1日に登録出願、第33類「泡盛,合成清酒,焼酎,白酒,清酒,直し,みりん,洋酒,果実酒,薬味酒」を指定商品として、同30年4月3日に登録査定、同年5月11日に設定登録されたものである。

第2 引用標章

登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標に対する登録異議申立ての理由(商標法第4条第1項第10号に違反して登録されたもの)に関し、後掲2のとおりの標章を引用している(以下、当該標章を「引用標章」という。)。

第3 登録異議の申立ての理由(要旨)

申立人は、本件商標について、商標法第4条第1項第10号に違反して登録されたものであるから、同法43条の2第1号により、その登録は取り消されるべきであるとして、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第11号証(枝番号を含む。)を提出した。

本件商標は、申立人が12年以上にわたって「清酒」について使用してきた引用標章と同一の漢字及びロゴからなるものであり、また、引用標章は、甲各号証から明らかなとおり、その使用に係る「清酒」が全国的に広く販売され、販売数量も膨大であるため、需要者の間で広く認識されている商標であるから、本件商標をその指定商品に使用するときは、引用標章と混同するので、本件商標の登録は認められない。

第4 本件商標に対する取消理由

審判長は、令和2年1月24日付け取消理由通知書をもって、本件商標の商標権者(以下「本件商標権者」という。)に対し、引用標章との関係において、本件商標の登録は、その指定商品中、第33類「泡盛,合成清酒,焼酎,白酒,清酒,直し,みりん」について、商標法第4条第1項第10号に違反して登録されたものである旨通知し、相当の期間を指定して、意見書を提出する機会を与えた。

第5 本件商標権者の意見

本件商標権者は、前記第4の取消理由に対し、指定した期間を経過するも何ら意見を述べていない。

第6 当審の判断

1 引用標章の周知性について

(1)申立人の主張及び同人の提出した証拠並びに当審における職権調査によれば、引用標章の使用については、以下のとおりである。

ア 申立人は、大正4年創業、昭和30年に設立された酒造会社であって、「日本城」、「鉄砲隊」及び「車坂」(清酒)並びに「黒潮波」(焼酎)等の製造、販売を行っており、そのうち、「車坂」については、平成16年からスタートしたとされる(甲11の1)。

(https://www.nihonsyu-nihonjyou.co.jp/company.html)

(https://www.hyotan.co.jp/cnt/sake/kurumazaka-html.html)

イ 申立人に係る「車坂」には、例えば、「車坂 純米大吟醸酒」、「車坂 純米吟醸酒」、「車坂 魚に合う吟醸酒」、「車坂 純米酒(おふくろ純米)」、「車坂 山廃純米大吟醸酒」、「車坂 純米生原酒」、「車坂 純米大吟醸うすにごり」、「車坂 涼の純米酒」等のように様々な種類があり、それぞれに応じたラベルが用いられているものの、その全てにおいて引用標章が使用されている(甲2の1〜甲2の69、甲11の1)。

(https://www.hyotan.co.jp/cnt/sake/kurumazaka-html.html)

ウ 申立人に係る「車坂」は、遅くとも平成18年4月以降、近畿地方(特に、申立人が所在する和歌山県、大阪府)や関東地方(特に、東京都)を中心に、全国的に販売されているほか、ドイツにおいても販売されている(甲3、甲4の1〜甲4の6、甲5)。

(http://www.asahiyasaketen.com/nihonnsyu--wakayama.html)

(https://www.kagataya.net/shopbrand/sake267/)

(http://isego.net/nihonnshu/)

(http://blog.livedoor.jp/isego/archives/38313076.html)

(https://www.imaday.jp/shopbrand/nct01-12-30-01/)

(https://wakayama.keizai.biz/headline/456/)

(http://kanko-iwade.com/img/kankoupanfu1.pdf)

(https://www.jizakenokoyama.co.jp/item/index/61)

(http://www.iisake.net/shopbrand/032/X/)

(https://www.umai-sakeya.com/SHOP/list.php?Search=%E8%BB%8A%E5%9D%82&FROM_ENCODING=U)

(http://turanukimaru.blogspot.com/2012/12/blog-post_5.html)

(https://www.hyotan.co.jp/cnt/sake/kurumazaka-html.html)

エ 申立人は、「車坂」について、その新商品の発売時等にプレスリリースを行っており、また、「車坂」は、各種新聞や雑誌において紹介等されている。

なお、申立人は、自己の所在する和歌山県岩出市に清酒等の直売所(「酒のねごろっく」)を設けているところ、当該直売所は、岩出市観光協会発行のガイドブックに「車坂」の写真とともに掲載されており、新聞においても紹介されている。

(ア)プレスリリース

(http://www.nihonsyu-nihonjyou.co.jp/press/0709/index.html)

(http://www.nihonsyu-nihonjyou.co.jp/press/0803/index.html)

(http://www.nihonsyu-nihonjyou.co.jp/press/0810/index.html)

(http://www.nihonsyu-nihonjyou.co.jp/press/0811/index.html)

(http://www.nihonsyu-nihonjyou.co.jp/press/1002/index.html)

(http://www.nihonsyu-nihonjyou.co.jp/press/1004/index.html)

(http://www.nihonsyu-nihonjyou.co.jp/press/1004-2/index.html)

(http://www.nihonsyu-nihonjyou.co.jp/press/1101/index.html)

(http://www.nihonsyu-nihonjyou.co.jp/press/1201/index.html)

(http://www.nihonsyu-nihonjyou.co.jp/press/1404/index.html)

(http://www.nihonsyu-nihonjyou.co.jp/press/1409/index.html)

(http://www.nihonsyu-nihonjyou.co.jp/press/1501/index.html)

(http://www.nihonsyu-nihonjyou.co.jp/press/1503/index.html)

(http://www.nihonsyu-nihonjyou.co.jp/press/1602/index.html)

(http://www.nihonsyu-nihonjyou.co.jp/press/1702/index.html)

(http://www.nihonsyu-nihonjyou.co.jp/press/1703/index.html)

(イ)新聞における紹介等

a 2008年(平成20年)12月18日付け「大阪読売新聞」(朝刊、30ページ)における「新宮、岩出の醸造元が古道の酵母で日本酒 地元産米と水にこだわり=和歌山」の見出しに係る記事。

b 2013年(平成25年)1月29日付け「朝日新聞」(朝刊、28ページ)における「(新・週刊食べある紀の国)熊野古道ゆかりの日本酒 新宮市 山道の酵母/和歌山県」の見出しに係る記事。

c 2013年(平成25年)10月9日付け「スポーツ報知」(19ページ)における「[酒井記者・酒の魚]『魚専用酒』で旨さ引き立つ」の見出しに係る記事。

d 2016年(平成28年)6月29日付け「スポーツニッポン」(12ページ)における「女性杜氏・藤田さんの想いがつまった『車坂』」の見出しに係る記事(甲9の1)。

e 2017年(平成29年)3月28日付け「毎日新聞」(地方版、27ページ)における「特別会席:一夜限り 神戸メリケンパークオリエンタルH、来月21日/兵庫」の見出しに係る記事。

f 2018年(平成30年)6月21日付け「産経新聞」(21ページ)における「ひとの『和』わかやま/『懐の深いお酒 造りたい』」の見出しに係る記事(甲9の2)。

g 2019年(平成31年)3月27日付け「神戸新聞」(朝刊、6ページ)における「<青空主義>兵庫おでかけ情報 グルメ 天空で一献 ほんのりサクラ色 来月14日、ミント神戸で『日本酒フェス』」の見出しに係る記事。

h 2019年(平成31年)4月13日付け「中部読売新聞」(朝刊、26ページ)における「世界が認めた日本酒 献納 伊勢神宮へ72本=三重」の見出しに係る記事。

i 2019年(令和元年)6月6日付け「東京新聞」(朝刊、22ページ)における「ほっとなび 情報の道しるべ 街角あらかると 12日から『そばと日本酒の博覧会』 日本三大そば ずらり」の見出しに係る記事。

j 2019年(令和元年)10月17日付け「朝日新聞」(朝刊、23ページ)における「県の地酒に酔いしれて ぶらくり丁で酒フェスタ、日本酒10蔵を記者『踏破』/和歌山県」の見出しに係る記事。

(ウ)雑誌における紹介等

a 「酒の肴360」(2008年(平成20年)3月発売)における長期熟成古酒に係る記事。

(http://www.nihonsyu-nihonjyou.co.jp/press/0803/index.html)

b 「つゆから教える おつまみレシピ」(2009年(平成21年)12月発売)における「知っておきたい日本酒のはなし」の見出しに係る記事。

(http://www.nihonsyu-nihonjyou.co.jp/press/1002/index.html)

c 「日本酒の教科書」(2010年(平成22年)2月発売)における紹介記事。

(http://www.nihonsyu-nihonjyou.co.jp/press/1004-2/index.html)

d 「純米主義」(2010年(平成22年)3月発売)における「米と水だけで醸す58種の日本酒ストーリー」の1種に選ばれた旨の記事。

(http://www.nihonsyu-nihonjyou.co.jp/press/1004/index.html)

e 「日本酒の選び方」(2010年(平成22年)4月10日発行)における「個性を感じさせるこだわりの日常酒たち」の見出しに係る記事(甲7)。

f 「初歩からわかる日本酒入門」(2010年(平成22年)12月発売)における「きき酒師が本気で選んだ、本当においしい日本酒82種」の1種に選ばれた旨の記事。

(http://www.nihonsyu-nihonjyou.co.jp/press/1101/index.html)

g 「あまから手帖」(2011年(平成23年)1月号)における「初呑みきり・蔵開き」に係る記事。

(http://www.nihonsyu-nihonjyou.co.jp/press/1101/index.html)

h 「ほろよい手帖『TARU』」(2011年(平成23年)1月号)における申立人に係る記事。

(http://www.nihonsyu-nihonjyou.co.jp/press/1101/index.html)

i 「いなか暮らしの本」(2012年(平成24年)9月3日発行)における日本酒紹介に係る記事(甲8)。

j 「ぴあMOOK 新しい日本酒。」(2016年(平成28年)4月30日発行)における「水にこだわりあり!/酒蔵の声を集めました」の見出しに係る記事(甲6)。

k 「danchu」(2017年(平成29年)2月発売)における「魚に合う日本酒19種類」の1種に選ばれた旨の記事。

(http://www.nihonsyu-nihonjyou.co.jp/press/1702/index.html)

(エ)申立人の直売所(「酒のねごろっく」)の紹介等

a 岩出市観光協会発行のガイドブック

(http://kanko-iwade.com/img/kankoupanfu1.pdf)

b 2015年(平成27年)8月28日付け「和歌山経済新聞」

(https://wakayama.keizai.biz/headline/456/)

オ 申立人に係る「車坂」は、2018年(平成30年)10月の11日ないし13日に三重県で開催された「ブリュッセル国際コンクール」(世界的に注目を集めるワインコンクール。ベルギー連邦政府経財省後援。)の日本酒部門「SAKE selection」において、「車坂 山廃 純米大吟醸」が純米大吟醸酒部門(エントリー数:177)のトロフィー賞(最高位賞)に選出され、また、「車坂 山廃純米酒」が純米酒部門(エントリー数:134)のシルバー賞に選出された。

(https://sakeselection.jp/)

(https://sakeselection.jp/2018/10/30/sake-selection-2018-10-10/)

(https://sakeselection.jp/award_cat/award-twenty-eighteen/)

(https://www.jizake.com/fs/sanoya/ns440001c00)

(2)上記(1)によれば、申立人は、平成16年から自己の製造、販売する清酒の一について引用標章を使用し始めており、その使用に係る清酒には、細分化された様々な種類ごとのラベルが付されているものの、そのいずれのラベルにおいても、引用標章が統一的かつ継続的に使用されている。

また、引用標章の使用に係る清酒は、遅くとも平成18年4月以降、申立人が所在する和歌山県のみならず、大きな商圏たる大阪府や東京都を中心に、全国的に販売されている。

さらに、引用標章の使用に係る清酒は、本件商標の登録出願日前から各種新聞の記事として取り上げられているほか、清酒に関する雑誌や料理雑誌においても取り上げられており、そのような状況は、2018年(平成30年)10月開催の「ブリュッセル国際コンクール・SAKE selection」でのトロフィー賞(最高位賞)受賞を含め、本件商標の登録査定後に至るまで継続していたといえる。

加えて、当審において職権をもって調査するも、少なくとも、本件商標権者が、上記申立人による引用標章の使用とは別個に、本件商標をその指定商品について使用していると認めるに足る事実は発見できなかった。

上記したことを総合勘案すれば、引用標章は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の業務に係る商品(清酒)を表示する商標として、取引者、需要者の間に広く認識されていたとみるのが相当である。

2 本件商標の商標法第4条第1項第10号該当性について

本件商標は、後掲1のとおり、「車坂」の漢字を行書体筆書き風に縦書きしてなるものであるところ、その構成態様は、後掲2に示す引用標章と実質的に同一といえるものである。

また、本件商標の指定商品は、前記第1のとおり、第33類「泡盛,合成清酒,焼酎,白酒,清酒,直し,みりん,洋酒,果実酒,薬味酒」であるところ、そのうちの「泡盛,合成清酒,焼酎,白酒,清酒,直し,みりん」は、その生産及び販売部門、原材料及び品質、用途、需要者の範囲等を総合的に考慮すれば、引用標章の使用に係る商品(清酒)と同一又は類似する商品というべきである。

そして、引用標章は、上記1のとおり、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の業務に係る商品(清酒)を表示する商標として、取引者、需要者の間に広く認識されていたものである。

してみれば、本件商標は、その登録出願時及び登録査定時において、申立人の業務に係る商品を表示する商標として需要者の間に広く認識されている引用標章と同一の商標であって、その商品と同一又は類似する商品について使用をするものというべきである。

したがって、本件商標の登録は、その指定商品中、第33類「泡盛,合成清酒,焼酎,白酒,清酒,直し,みりん」について、商標法第4条第1項第10号に違反してされたものである。

3 むすび

以上のとおり、本件商標の登録は、その指定商品中、結論掲記の指定商品について、商標法第4条第1項第10号に違反してされたものであるから、同法第43条の3第2項の規定により、取り消すべきものである。

しかし、本件登録異議の申立てに係るその余の指定商品については、取り消すべき理由が認められないから、商標法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

Next Action

次の一手につながるサービス

類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。

次の一歩へ

商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。