結論テキスト
本件登録異議の申立てに係るその余の指定商品についての商標登録を維持する。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 異議2019−900013(T2019−900013/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第6091469号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの態様からなり、平成30年2月27日に登録出願、第29類「ギリシャ国産ヨーグルト,ギリシャ風ヨーグルト,ギリシャ国の伝統製法によるヨーグルト,ギリシャ由来の製法により製造されたヨーグルト,主としてギリシャ料理に用いられるヨーグルト」を指定商品として、同年10月4日に登録査定、同月19日に設定登録されたものである。
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標は、その指定商品中「ギリシャ風ヨーグルト,ギリシャ国の伝統製法によるヨーグルト,ギリシャ由来の製法により製造されたヨーグルト,主としてギリシャ料理に用いられるヨーグルト」(以下「本件申立商品」という。)について、商標法第4条第1項第16号に該当するものであるから、同法第43条の2第1号により、その登録は取り消されるべきであると申立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第9号証(枝番号を含む。)を提出した。
本件商標は、「THE GREEK」の文字が殊更大きく書されていることから、ギリシャの、という地名、すなわち本件商標の指定商品であるヨーグルトの原産地を示すことは明らかであるので、他の商品に用いることは、需要者に誤認を生じさせる。
また、「GREEK YOGURT」については、水切りヨーグルトの市場規模が国内市場の2.5%しかなく、濃厚でクリーミーな質感の水切りヨーグルトであることすら認知されているとはいえず、仮に、認知が進んだところで、依然としてギリシャで製造されたものとして、需要者に原産地を誤認させるおそれが生じる。
したがって、本件商標を本件申立商品に用いることは、商標法第4条第1項第16号に該当する。
審判長は、令和元年12月5日付け取消理由通知書をもって、本件商標の商標権者(以下「本件商標権者」という。)に対し、本件商標の登録は、その指定商品中、第29類「ギリシャ風ヨーグルト,主としてギリシャ料理に用いられるヨーグルト」について、商標法第4条第1項第16号に違反してされたものである旨通知し、相当の期間を指定して、意見書を提出する機会を与えた。
本件商標権者は、上記3の取消理由に対し、指定した期間を経過するも何ら意見を述べていない。
(1)本件商標構成中の「GREEKYOGURT」及び「グリークヨーグルト」、並びに「ギリシャヨーグルト」に関する取引の実情について
当審において、商品「ヨーグルト」を取り扱う業界における上記各文字との関係について、職権による調査を行ったところ、以下の事実が認められる。
ア 「アテナ ギリシャヨーグルト」と称するウェブサイトにおいて、「ギリシャヨーグルト(1kg)」の見出しのもと、「特徴 (略)サーモフィラス菌(ACA‐DC0029 TM)※を使用。※アテネ農業大学乳製品研究所が認めた、ギリシャの伝統的な菌株」と記載されている。
(http://greek-yogurt.co.jp/products/greek_yogurt_1kg.html)
イ 「ギリシャヨーグルト パルテノ」と称するウェブサイトにおいて、「ギリシャヨーグルトは、カラダを想う健康食品です」の見出しのもと、「ギリシャヨーグルトの特徴は、何といっても濃厚でクリーミーな食感。それは、ギリシャ伝統の「水切り製法」を用いてつくり、(略)」の記載とともに(https://partheno-gy.jp/about/history/)、「ギリシャの知恵とやさしさがつまった 濃密なヨーグルト『パルテノ』」の見出しのもと、「『ギリシャヨーグルト パルテノ』は、ギリシャの知恵とやさしさをヒントにして生まれた、ヨーグルト。」と記載されている。
(https://partheno-gy.jp/)
ウ 「FRIEND FOOD」と称するウェブサイトにおいて、「Total グリークヨーグルト(乳脂肪分10%・0%)」の見出しのもと、「【水切りヨーグルト】Totalは特別製のヨーグルトです。伝統的なギリシャ式製法によって作られているためです。」と記載されている。
(http://www.friendfood.jp/sozai/top/0905-greekyogurt.htm)
エ 「ダノンジャパン株式会社」のプレスリリース資料において、「100kcal未満・脂肪ゼロ・満足感のギリシャヨーグルト“小腹を黙らせるヨーグルト”『ダノンオイコス』 季節限定フレーバー パンプキン&さつまいも発売 2016年9月6日より出荷開始」の見出しのもと、「ギリシャヨーグルトは、乳脂肪、または増粘剤などの食品添加物を加えること無く、ヨーグルトから一部のホエー成分を取り除く、水切り製法により作られています。」と記載されている。
(http://www.atpress.ne.jp/news/111319)
(2)商標法第4条第1項第16号該当性について
本件商標は別掲のとおり、商標の構成中にひときわ大きく「THE」及び「GREEK」の文字を二段に、その下に小さく「YOGURT」の文字をそれぞれ表し、上段の「THE」の左側に「明治」の文字を、また右側に「ザ グリーク」及び「ヨーグルト」の文字を二段に、それぞれ大きさを変えて配し、構成全体がおおよそ三段に表されてなるものである。
ところで、当審において行った上記(1)における職権による調査によれば、「GREEK YOGURT」及びその表音である「グリークヨーグルト」の各文字は、商品「ヨーグルト」を取り扱う業界において、「ギリシャヨーグルト」に通じるとともに、それらの各文字は、ギリシャの伝統的な菌株を使用したり、「水切り製法」といった「ギリシャの伝統的な製法などにより製造されたヨーグルト」を指称するものとして、広く使用されている実情にあることからすれば、これより、需要者は一般に上記意味合いを認識するものといわざるを得ない。
そして、本件商標の登録査定時においても、ギリシャヨーグルトが市場において取引、販売されていたことからすれば、当時の需要者の認識も、現在と同様であったといわざるを得ず、異なった認識をするとみなければならない事情は見いだせない。
そうすると、「GREEK YOGURT」及び「グリークヨーグルト」の各文字を構成中に含む本件商標は、その登録査定時において、「ギリシャの伝統的な製法などにより製造されたヨーグルト」、すなわち「ギリシャ国の伝統製法によるヨーグルト,ギリシャ由来の製法により製造されたヨーグルト」であることを需要者に一般に認識させるものであったというべきである。
以上よりすれば、本件商標は、その登録査定時において、本件申立商品中、「ギリシャ国の伝統製法によるヨーグルト,ギリシャ由来の製法により製造されたヨーグルト」以外の「ギリシャ風ヨーグルト,主としてギリシャ料理に用いられるヨーグルト」に使用するときには、当該商品があたかも「ギリシャ国の伝統製法によるヨーグルト,ギリシャ由来の製法により製造されたヨーグルト」であるかのごとく、商品の品質について誤認を生ずるおそれがあったものと判断するのが相当である。
(3)小括
したがって、本件商標は、本件申立商品中「ギリシャ風ヨーグルト,主としてギリシャ料理に用いられるヨーグルト」については、商標法第4条第1項第16号に該当する。
(4)申立人の主張について
申立人は、本件商標は、その構成中に大きく書された「THE GREEK」の文字がヨーグルトの原産地がギリシャであることを示し、また、「GREEK YOGURT」の文字は、水切りヨーグルトであることすら認知されず、仮に、認知が進んだところで、依然としてギリシャで製造されたものとして、需要者に原産地を誤認させるおそれが生ずる旨主張している。
しかしながら、本件商標の構成中、「GREEK」の文字が「ギリシアの」(ベーシックジーニアス英和辞典、初版第7刷、株式会社大修館書店)等の意味を有し、「THE GREEK」の文字が大きく表されているため、看者の注意を惹く場合があることは否定し得ないとしても、その下に「YOGURT」の文字が、上段の「THE」の文字幅とほぼ同じ幅で表されていること、「THE GREEK YOGURT」の欧文字部分の一連の表音である「ザ グリークヨーグルト」の片仮名が付されていることからすれば、本件商標の構成から、「THE GREEK YOGURT(ザ グリークヨーグルト)」をも看取、把握させるというべきである。
そして、本件商標の構成中の「(THE)GREEK YOGURT」及び「(ザ)グリークヨーグルト」の各文字は、上記(2)のとおり、「ギリシャ国の伝統製法によるヨーグルト,ギリシャ由来の製法により製造されたヨーグルト」を認識させると判断するのが相当であるから、「THE GREEK」の文字が、ヨーグルトの原産地のみを認識させるとはいい難いものである。
したがって、申立人の上記主張を採用することはできない。
(5)結語
以上のとおり、本件商標は、本件申立商品中、「ギリシャ風ヨーグルト,主としてギリシャ料理に用いられるヨーグルト」についての登録は、商標法第4条第1項第16号に違反してされたものであるから、同法第43条の3第2項の規定により、その登録を取り消すべきものである。
しかしながら、本件登録異議の申立てに係るその余の指定商品については、その登録を取り消す理由がないから,商標法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持するべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
Next Action
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