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Trademark Appeal Case

植物名「ビデンス」の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2019−900339(T2019−900339/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第6174971号商標の指定商品及び指定役務中,第31類「化粧品の原材料用センダングサ属植物,センダングサ属植物,種子類,ドライフラワー,苗,苗木,花」についての商標登録を取り消す。
本件登録異議の申立てに係るその余の指定商品及び指定役務についての商標登録を維持する。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第6174971号商標(以下「本件商標」という。)は,「ビデンス」の片仮名と「Bidens」の欧文字を2段に横書きしてなり,平成29年12月8日に登録出願,第31類「化粧品の原材料用センダングサ属植物,センダングサ属植物,野菜,果実,麦芽,あわ,きび,ごま,そば,とうもろこし,ひえ,麦,籾米,もろこし,飼料,種子類,木,草,芝,ドライフラワー,苗,苗木,花,牧草,盆栽」並びに第3類,第5類,第29類及び第35類に属する商標登録原簿に記載の商品及び役務を指定商品及び指定役務として,令和元年8月8日に登録査定,同月30日に設定登録されたものである。

第2 登録異議の申立ての理由

登録異議申立人(以下「申立人」という。)は,本件商標は商標法第3条第1項第1号及び同項第3号並びに同法第4条第1項第16号に該当するものであるから,その登録は取り消されるべきである旨申し立て,その理由を要旨以下のように述べ,証拠方法として甲第1号証ないし甲第14号証を提出した。

本件商標は,「ビデンス」と「Bidens」の片仮名及び欧文字を二段に普通に用いられる方法で表示したにすぎないから,これをその指定商品中,第31類「化粧品の原材料用センダングサ属植物の内のビデンス」及び「ビデンスの種子類,ビデンスのドライフラワー,ビデンスの苗,ビデンスの苗木,ビデンスの花」について使用するときは,商品の普通名称を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標にすぎないから,商標法第3条第1項第1号に該当する。また,その指定商品中,「センダングサ属植物の内のビデンスを原材料とする商品」について使用するときは,その商品の品質,原材料,特徴等を表示するにすぎず,「センダングサ属植物の内のビデンスを原材料とする商品(飲食料品)の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」について使用するときは,その役務の質を表示するにすぎないから,商標法第3条第1項第3号に該当する。さらに,本件商標を上記商品又は役務以外の商品又は役務について使用するときは,商品の品質又は役務の質について誤認を生じさせるおそれがあるから,商標法第4条第1項第16号に該当する。

第3 取消理由の通知

当審において,本件商標権者に対し,「本件商標は,その指定商品及び指定役務中,第31類『化粧品の原材料用センダングサ属植物,センダングサ属植物,種子類,ドライフラワー,苗,苗木,花』について商標法第3条第1項第3号に違反して登録されたものであるから,同法第43条の3第2項の規定により,その登録を取り消すべきものである。」旨の取消理由を令和2年4月2日付けで通知した。

第4 取消理由に対する商標権者の意見

本件商標権者は,上記3の取消理由に対して,指定した期間内に意見を述べなかった。

第5 当審の判断

1 「ビデンス」及び「Bidens」の語(文字)について

(1)申立人提出の甲各号証及び職権調査によれば,次のとおりである。

ア 「ビデンス」の語が,本件商標の登録査定の日前に発行された書籍に,キク科(センダングサ属)の草花の名称として,その写真,説明とともに掲載されている(甲7,甲8,甲11,甲12)。

また,それら書籍には,当該草花「ビデンス」の別名が「ウィンターコスモス」である旨記載されているものがある(甲8,甲11,甲12)。

イ 「ビデンス」の語が,本件商標の登録査定の日前に発行された書籍に,キク科の草花「ウィンターコスモス」の別名である旨記載されている(甲9,甲10)。

ウ 「ビデンス」の語が,本件商標の登録査定日前に掲載されたウェブページに,キク科センダングサ属の草花の名称「ビデンス(ウィンターコスモス)」として,その写真,説明とともに掲載されている(甲2。なお,甲第2号証は掲載日が確認できないが,これと内容を同じくする書面が本件商標に係る審査段階において,令和元年5月16日付け刊行物等提出書の甲第2号証によって提出されている。)。

エ 「Bidens」及びこれと同一のつづりの「bidens」の語が,本件商標の登録査定日前に発行された書籍又は掲載されたウェブページに,キク科(センダングサ属)の草花「ビデンス」の学名などとして併記されている(甲2,甲11,甲12)。

オ 「ビデンス」の語が,本件商標の登録査定日前に掲載(更新)されたウェブページに,キク科センダングサ属の草花の名称「Bidens(ビデンス)(ウィンターコスモス)」として,その写真,説明とともに掲載されている(http://www.zoezoe.biz/2010_syokubutu/ka_1_ka/213_kiku/bidens/cv_yellow_cup

id.html)。

(2)上記(1)のとおり,「ビデンス」及び「Bidens(bidens)」の語が,本件商標の登録査定日前に発行された書籍又は掲載されたウェブページにおいて用いられていることに加え,それら書籍及びウェブページが専門的又は学術的なものではなく,一般の読者(需要者)を対象とするものと認められることを併せみれば,「ビデンス」及び「Bidens(bidens)」の語(文字)は,本件商標の登録査定時において,いずれもキク科センダングサ属の草花の一種(ビデンス又はウィンターコスモス)の名称又は別名を表すものとして,草花に係る取引者,需要者に認識されているものと判断するのが相当である。

2 商標法第3条第1項第3号該当性について

本件商標は,上記1のとおり,「ビデンス」の片仮名と「Bidens」の欧文字を2段に横書きしてなり,その構成態様は普通に用いられる方法で表示されていると認められるものであって,第3類,第5類,第29類,第31類及び第35類に属する商標登録原簿に記載の商品及び役務を指定商品及び指定役務とするものである。

また,上記1のとおり,「ビデンス」と「Bidens」の語(文字)は,本件商標の登録査定時において,キク科センダングサ属の草花の一種の名称又は別名を表すものとして,草花に係る取引者,需要者に認識されているものである。

そうすると,「ビデンス」の片仮名と「Bidens」の欧文字を2段に普通に用いられる方法で表示されている本件商標は,これをその指定商品及び指定役務中,キク科センダングサ属の草花そのものが含まれる指定商品,第31類「化粧品の原材料用センダングサ属植物,センダングサ属植物,種子類,ドライフラワー,苗,苗木,花」について使用しても,これに接する取引者,需要者は,「キク科センダングサ属の草花の一種(ビデンス又はウィンターコスモス)の名称又は別名」を表示したもの,すなわち商品の品質を表示したものと認識するにすぎないというべきである。

また,本件商標は,当該「キク科センダングサ属の草花(ビデンス又はウィンターコスモス)」の取引に際し何人もその使用を欲するものであって,特定人による独占使用を認めることは公益上適当でないとともに独占適応性を欠くものと判断するのが相当である。

したがって,本件商標は,その登録査定時において,これをその指定商品及び指定役務中,第31類「化粧品の原材料用センダングサ属植物,センダングサ属植物,種子類,ドライフラワー,苗,苗木,花」について使用するときは,その商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標というべきであるから,商標法第3条第1項第3号に該当する。

また,上記指定商品以外の指定商品及び指定役務については,商標法第3条第1項第1号及び同法第4条第1項第16号に違反して登録されたものと認めるに足りる証拠は見いだせないし,他に取り消すべき理由があるものとも認められない。

3 まとめ

以上のとおり,本件商標は,その指定商品及び指定役務中,第31類「化粧品の原材料用センダングサ属植物,センダングサ属植物,種子類,ドライフラワー,苗,苗木,花」について,商標法第3条第1項第3号に違反して登録されたものであるから,同法第43条の3第2項の規定により,その登録を取り消すべきものとし,本件登録異議の申立てに係るその余の指定商品及び指定役務については,取り消すべき理由がないから,同法第43条の第4項の規定により,その登録を維持すべきものとする。

よって,結論のとおり決定する。

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