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Trademark Appeal Case

商標類似と不正目的

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2020−900063(T2020−900063/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第6211725号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第6211725号商標(以下「本件商標」という。)は,「FOSITAN」の文字を標準文字で表してなり,令和元年9月7日に登録出願,第9類「写真撮影の背景用スクリーン及びその付属品,トレイルカメラ及びその付属品」を指定商品として,同年11月28日に登録査定され,同年12月27日に設定登録されたものである。

第2 引用商標

登録異議申立人(以下「申立人」という。)が,登録異議の申立ての理由に該当するとして引用する商標は,やや図案化された「FOSITAN」の欧文字からなり(以下「引用商標」という。)(甲2),申立人の業務に係る商品「カメラ,カメラ用三脚,カメラ用レンズ,写真機械器具,カメラ及び写真機械器具用バッグ,写真用暗室ランプ,バッテリーチャージャー,カメラ用フラッシュランプ,写真用フィルター,可搬式写真用暗室」を表示するものとして需要者の間に広く認識されているとするものである。

第3 登録異議の申立ての理由

申立人は,本件商標は商標法第4条第1項第10号及び同項第19号に該当するものであるから,商標法第43条の2第1号によって取り消されるべきものであるとして,その理由を要旨次のように述べ,証拠方法として甲第1号証ないし甲第5号証を提出した。

1 商標法第4条第1項第10号について

本件商標と引用商標とは,「FOSITAN」の文字を共通とし,本件商標の指定商品中「写真撮影の背景用スクリーン及びその付属品」は,引用商標の指定商品と類似のものである。

また,本件商標の指定商品中「トレイルカメラ及びその付属品」は,同一営業主の製造又は販売に係る商品と誤認されるおそれがあるか否かにより判断すること(昭和33年(オ)第1104号判決)に鑑みれば,「トレイルカメラ及びその付属品」は,「カメラ,カメラ用三脚,写真機械器具」と類似するものである。

そして,申立人は,本件商標の出願前から日本国で,引用商標を使用した申立人の業務に係る商品(以下「申立人商品」という。)を,AMAZONにおいて,1日4商品販売した(甲3)ことから,引用商標は,申立人商品を表示するものとして知られていた。

したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第10号に該当する。

2 商標法第4条第1項第19号について

申立人は,欧米において,本件商標の出願前から引用商標の商標権者であった(甲4,甲5)。

また,引用商標の構成文字である「FOSITAN」という単語は存在せず,本件商標と引用商標とが偶然に類似したとは考え難い。

本件商標は,申立人が引用商標に化体させた信用にフリーライドする不正の目的をもって使用するものであることは明らかであり,引用商標が我が国において登録されていないことを奇貨として先取り的に出願し,不正の目的をもって使用することは明らかである。

したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第19号に該当する。

第4 当審の判断

1 引用商標の周知性について

(1)申立人提出の甲各号証及び同人の主張によれば,以下の事実を認めることができる。

ア 申立人が,やや図案化された「FOSITAN」の文字からなる引用商標を「写真撮影用照明器具」と思しき商品に使用したことは推認できる(甲3)。

イ 申立人は,「写真撮影用照明器具」と思しき商品に,引用商標を付し,「Amazon.co.jp」のウェブサイトにて,2018年1月以降,我が国において,販売していることが推認できる(甲3)。

ウ 申立人により提出された「Amazon.co.jp」のウェブサイトの注文状況を示す「注文管理」の項目の提出された証拠は,文字が鮮明ではなく,詳細を明確に把握することができないものであるが,引用商標を含む文字が使用された申立人商品の注文履歴が15件表示され,また,同ウェブサイトの「商品別詳細ページ売上」の項目(2018年1月から2020年1月分)において,引用商標を含む申立人の業務に係る各商品の「注文された商品点数」が,最も少ないもので91点,最も多いもので1756点と,点数の記載があるように見受けられる。また,同項目に,「注文商品売上」が,最も少ないもので約39万円,最も多いもので約1千3百万円と,売上げの記載があるように見受けられる(甲3)。

エ 米国特許商標庁において,申立人の英語表記であると推認されるShenzhen Fusitai Network Technology Co., Ltdが,商標「FOSITAN」を,指定商品「第9類 Bags for cameras and photographic equipment; Batteries, electric; Camera filters; Cases especially made for photographic apparatus and instruments; Chargers for electric batteries; Cinematographic cameras; Close-up lenses; Flashlights for use in photography; Lens hoods; Lens shutters; Optical condensers; Photographic cameras; Photographic flashbulbs; Photography darkroom lamps; Rechargeable batteries; Shutter releases; Stands for photographic apparatus; Tripods for cameras.」について,2018年(平成30年)9月11日に商標登録した(甲4)。

オ 欧州連合知的財産庁において,申立人の英語表記であると推認されるShenzhen Fusitai Network Technology Co., Ltdが,商標「FOSITAN」を,指定商品「第9類 close-up lenses; cinematographic cameras; shutter releases [photography]; cameras [photography]; flash-bulbs [photography]; cases especially made for photographic apparatus and instruments; darkroom lamps [photography]; stands for photographic apparatus; optical condensers; tripods for cameras; electrified rails for mounting spot lights; flashlights [photography]; lens hoods; Bags for cameras and photographic equipment; chargers for electric batteries; batteries, electric; Rechargeable batteries; Lens shutters; Camera filters.」について,2018年(平成30年)2月6日に商標登録した(甲5)。

カ 申立人が,登録異議の申立ての理由に該当すると主張する申立人商品に対して引用商標を使用したことが推認できる証拠は提出されていない。

(2)上記(1)の事実によれば,申立人は,我が国において,やや図案化された引用商標「FOSITAN」の文字を付した「写真撮影用照明器具」と思しき商品を,遅くとも2018年(平成30年)1月頃以降現在まで継続して取り扱っていることが推認できる。

しかしながら,上記(1)ウのとおり引用商標が使用された商品の「注文された商品点数」及び「注文商品売上」の金額の記載は見受けられるものの,申立人商品の市場におけるシェア,広告宣伝の実績・規模及び広告費は客観的に明らかではなく,また,同業他社の同一又は類似商品の販売実績等を裏付ける証拠は提出されておらず,職権により調査するも,これについて,明らかではないことから,当該「注文された商品点数」及び「注文商品売上」の金額の多寡を判断することができない。

その他,引用商標が,本件商標の登録出願時及び登録査定時において,我が国及び外国の需要者の間において広く認識されていたことを示す具体的な証拠はない。

そうすると,引用商標は,本件商標の登録出願前に,申立人によって,「写真撮影用照明器具」と思しき商品に付して使用されていたとしても,申立人の業務に係る商品を表示するものとして,我が国及び外国の需要者の間に広く認識されていたものと認めることはできない。

2 商標法第4条第1項第10号の該当性について

(1)本件商標と引用商標との類否について

本件商標と引用商標は,構成文字を同一にするものである。

そして,「FOSITAN」の文字は,辞書類に載録された既成語とは認められないものであるから,特定の意味合いを想起させるものではなく,一種の造語として理解されるものであるところ,特定の意味を有しない欧文字は一般に,我が国において親しまれた英語読み又はローマ字読みに倣って称呼されることから,その文字部分に相応して,両商標はいずれも「フォシタン」の称呼を生じ,特定の観念は生じない。

そうすると,本件商標と引用商標とは,観念において比較できないとしても,外観において類似するものであり,称呼を共通にするものであるから,相紛れるおそれのある類似の商標というべきである。

(2)本件商標の指定商品と申立人が使用する商品との類否について

申立人は,引用商標を,「写真撮影用照明器具」と思しき商品に使用しているところ,これは,光をあてて明るくすること等を目的とする照明用器具の一種であるが,本件商標の指定商品「第9類 写真撮影の背景用スクリーン及びその付属品,トレイルカメラ及びその付属品」とは,完成品と部品の関係になく,生産部門,販売部門,原材料及び品質,用途等が一致するものとはいえないことから,申立人が使用する商品と本件商標の指定商品は,同一又は類似であると認めることができない。

(3)小括

以上によれば,本件商標が引用商標と類似する商標であっても,引用商標は,上記1のとおり,本件商標の登録出願時及び登録査定時において,申立人商品を表示するものとして,我が国の需要者の間に広く認識されていたものとは認めることができず,また,本件商標の指定商品と申立人が使用する商品が同一又は類似であるとも認めることができないことから,商標法第4条第1項第10号の要件を欠くものである。

したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第10号に該当しない。

3 商標法第4条第1項第19号該当性について

引用商標は,上記2のとおり,本件商標と類似する商標であるとしても,上記1のとおり,本件商標の登録出願時及び登録査定時において,申立人が使用する商品を表示するものとして,日本国内又は外国における需要者の間に広く認識されていたものと認めることができず,また,申立人は,本件商標の出願前から「FOSITAN」の商標権者であった証拠(甲4,甲5)を提出するのみであって,他に,本件商標が不正の利益を得る目的,他人に損害を加える目的その他の不正の目的をもって,本件商標の商標権者が,本件商標を出願し,登録を受けたと認めるに足りる具体的事実は見いだせない。

したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第19号に該当しない。

4 まとめ

以上のとおり,本件商標の登録は,商標法第4条第1項第10号及び同項第19号に違反して登録されたものとはいえず,ほかに同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから,同法第43条の3第4項の規定に基づき,その登録を維持すべきものである。

よって,結論のとおり決定する。

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