Trademark Appeal Case
ドライブレコーダーの記述性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成11年審判第18059号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、後掲に示すとおり「ドライブレコーダー」の片仮名文字を書してなり、第12類に属する商品を指定商品として、平成10年6月3日登録出願、その後、指定商品については、原審において、平成11年8月23日付手続補正書をもって「船舶並びにその部品及び附属品,航空機並びにその部品及び附属品,鉄道車両並びにその部品及び附属品,自動車並びにその部品及び附属品,二輪自動車・自転車並びにそれらの部品及び附属品」と補正されたものである。
2 原査定の拒絶の理由
原査定は、「本願商標は、運輸省や国内自動車メーカーが車載標準化を目指し、一部のドイツ車においてはすでに搭載されている運転記録装置を意味する『ドライブレコーダー』の文字を書してなるものであるから、これを本願指定商品中『運転記録装置搭載の自動車』に使用したときは、商品の品質(機構)を表示するにすぎないものと認める。したがって、この商標登録出願に係る商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、後掲に示すとおり「ドライブレコーダー」の文字を書してなるものであるところ、これを構成する「ドライブ」及び「レコーダー」の各文字部分は、それぞれ一般に「運転、運転すること」及び「録音機、記録装置」等の意味合いで、ともに世上親しまれている平易な外来語であって、全体として「運転の記録装置」の如き意味合いを容易に看取し得るものと認められる。
ところで、該文字(語)は、財団法人日本自動車研究会のいわゆるインターネット情報「ドライブレコーダーとは」によれば(http://business1.plala.or.jp/drive/recorder.htm)、航空機に搭載されているフライトレコーダーの自動車版で、自動車(乗用車やトラックなど)が事故またはニアミス(急ハンドル、急ブレーキなど)をした場合、車両の速度、ハンドルやブレーキの操作などの危険な状態を記録することができる装置を表すものであることが認められる。そして、該装置についての運輸省による研究がすでに始められているとともに、該装置に関するホームページを開設し一般からの意見や要望を募集していることは新聞等により報道されており、また、運輸省の後押しによる先進安全自動車(Advanced Safety Vehicle)(略語「ASV」)計画の一環として自動車関連各社において研究、開発が進められていることは、例えば、以下のような新聞記事情報や自動車関連分野におけるインターネットホームページ情報によりその状況の一端を知ることができる。
(ア)車の事故原因解明へドライブレコーダー 運輸省が研究開始.........自動車事故の原因究明に使われるフライトレコーダーの自動車版「ドライブレコーダー」で、集めたデータを車両の改善に役立てる。(1999.02.18付 朝日新聞東京朝刊)
(イ)居眠り運転者に警報や振動 衝突しそうなら自動停止 トヨタが開発.........・・・トヨタ自動車が、居眠り運転警報システムなど五つの安全技術を開発した。・・・このほか、飛行機のフライトレコーダーのように、事故前後の速度、ハンドルさばきやブレーキのかかりかたなどを記録、再現できる「ドライブレコーダー」などを搭載する技術も開発した。(1993.08.10付 同紙)
(ウ)自動車事故のデータ生かせ 運転記録装置、実用化へ 運輸省や警察庁が注目.........◆安全教育にも活用・・・一つ一つの事故の教訓が十分に生かされてるとは言い難い。そこで、自動車に運転記録装置(ドライブレコーダー)を積んで、事故前後のデータを記録、原因解析や安全教育に役立てる研究も進められている。・・・運輸省では、1998年度の自動車検査登録特別会計で、1億円を計上、運転記録装置の開発に着手する。・・・海外では、ドイツのメーカーが数年前から一部の車に導入しはじめたが、国内でもトヨタ自動車が、一昨年、国やメーカーが協力して進める先進安全実験車(ASV)の第1期計画で試作した。(1998.03.26付 読売新聞東京夕刊)
(エ)交通事故死5百人削減を 2010年目標に運技審 安全対策推進を答申.........・・・事故の分析方法は、車の速度やハンドル、アクセル、ブレーキなどの運転操作状況を刻々と記録できる「ドライブレコーダー」を普及させ、原因調査に役立てることを要望。(1999.06.14付 共同通信)
(オ)運輸省、7−8月をめど営業車両でドライブレコーダー評価実験に着手(1999.07.01付 日刊工業新聞)
(カ)東京海上リスクとデータテック、コンサルティング会社を設立。自動車の挙動を解析.........データ・テックが開発した自動車の事故分析、運行管理が可能な車載装置「セイフティレコーダ」を使い、自動車事故軽減や自動車維持コスト低減を・・・セイフティレコーダはフライトレコーダーの自動車版で、現在のドライブレコーダーをベースに大幅に機能を向上させた。(1998.12.29付 同紙)
(キ)ユニコなど異業種4社、車載型の録画装置を試作。事故前のデータを保持.........ユニコなど異業種四社が取り組んでいる自動車搭載型映像録画システム「ドライブレコーダーシステム」の試作機が三月末にも完成するめどをつけた。(1994.03.10付 同紙)
(ク)【エレクトロニクスショー’99 vol.2】日産がITS実験車を展示.........エレクトロニクスショー’99(10月5日〜9日)において日産自動車はITS実験車の実車を展示した。・・・ドライブレコーダーも搭載。・・・(http://auto.ascii24.com/auto24/issue/1999/1018/08miv_hk1009_02.html)
以上によれば、「ドライブレコーダー」の文字(語)は、特に自動車関連業界において、より安全性の高い車両構造・装置の改善に役立つデータ収集を行うために車両に搭載される「運転記録装置」を指称するものとして容易に認識し、理解されるものであり、かつ、該意味合いの装置として普通一般に通用し得るものとみるのが相当である。
そうとすれば、本願商標を、その指定商品中の自動車並びにその部品及び付属品について使用した場合、これに接する取引者、需要者は、前記事情よりして、「運転記録装置が搭載された自動車」であること、すなわち、該商品の品質(構造・機能)を表示したものとして理解するに止まり、自他商品の識別標識とは認識し得ないものというべきであり、かつ、前記以外の自動車並びにその部品及び付属品について使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるものといわなければならない。
してみれば、本願商標は商標法第3条第1項第3号および同法第4条第1項第16号に該当するものといわざるを得ないから、これを理由に本願を拒絶した原査定は、妥当であって取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
次の一手につながるサービス
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。