sokuhyo

Trademark Appeal Case

YouTubeとの商標類否

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2019−900252(T2019−900252/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第6152443号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第6152443号商標(以下「本件商標」という。)は,「SpoTuber TV」の欧文字と「スポチューバーTV」の文字を上下二段に横書きしてなり,平成30年7月19日に登録出願,第41類「技芸・スポーツ又は知識の教授,通信ネットワークを利用した動画の提供,動画の制作」を指定役務として,同31年4月26日に登録査定,令和元年6月14日に設定登録されたものである。

2 登録異議申立人が引用する商標

登録異議申立人(以下「申立人」という。)が登録異議の申立てに引用する商標は,以下のとおりである。

(1)登録第4999382号商標(以下「引用商標1」という。)

商標の構成:YouTube(標準文字)

登録出願日:平成18年7月28日

優先権主張:2006年(平成18年)1月30日 アメリカ合衆国

設定登録日:平成18年10月27日

更新登録日:平成28年5月17日

指定役務:第41類「インターネットその他の通信網により電子媒体・電子情報を提供する教育及び娯楽の提供,当せん金付証票の発売,技芸・スポーツ又は知識の教授,献体に関する情報の提供,献体の手配,セミナーの企画・運営又は開催,動物の調教,植物の供覧,動物の供覧,電子出版物の提供,図書及び記録の供覧,美術品の展示,庭園の供覧,洞窟の供覧,書籍の制作,映画・演芸・演劇又は音楽の演奏の興行の企画又は運営,映画の上映・制作又は配給,演芸の上演,演劇の演出又は上演,音楽の演奏,放送番組の制作,教育・文化・娯楽・スポーツ用ビデオの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く。),放送番組の制作における演出,映像機器・音声機器等の機器であって放送番組の制作のために使用されるものの操作,スポーツの興行の企画・運営又は開催,興行の企画・運営又は開催(映画・演芸・演劇・音楽の演奏の興行及びスポーツ・競馬・競輪・競艇・小型自動車競走の興行に関するものを除く。),競馬の企画・運営又は開催,競輪の企画・運営又は開催,競艇の企画・運営又は開催,小型自動車競走の企画・運営又は開催,音響用又は映像用のスタジオの提供,運動施設の提供,娯楽施設の提供,映画・演芸・演劇・音楽又は教育研修のための施設の提供,興行場の座席の手配,映画機械器具の貸与,映写フィルムの貸与,楽器の貸与,運動用具の貸与,テレビジョン受信機の貸与,ラジオ受信機の貸与,図書の貸与,レコード又は録音済み磁気テープの貸与,録画済み磁気テープの貸与,ネガフィルムの貸与,ポジフィルムの貸与,おもちゃの貸与,遊園地用機械器具の貸与,遊戯用器具の貸与,書画の貸与,写真の撮影,通訳,翻訳,カメラの貸与,光学機械器具の貸与」及び第38類並びに第42類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務

(2)登録第4999383号商標(以下「引用商標2」という。)

商標の構成:別掲1のとおり

登録出願日:平成18年7月28日

優先権主張:2006年(平成18年)1月30日 アメリカ合衆国

設定登録日:平成18年10月27日

更新登録日:平成28年5月17日

指定役務:第41類「インターネットその他の通信網により電子媒体・電子情報を提供する教育及び娯楽の提供,当せん金付証票の発売,技芸・スポーツ又は知識の教授,献体に関する情報の提供,献体の手配,セミナーの企画・運営又は開催,動物の調教,植物の供覧,動物の供覧,電子出版物の提供,図書及び記録の供覧,美術品の展示,庭園の供覧,洞窟の供覧,書籍の制作,映画・演芸・演劇又は音楽の演奏の興行の企画又は運営,映画の上映・制作又は配給,演芸の上演,演劇の演出又は上演,音楽の演奏,放送番組の制作,教育・文化・娯楽・スポーツ用ビデオの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く。),放送番組の制作における演出,映像機器・音声機器等の機器であって放送番組の制作のために使用されるものの操作,スポーツの興行の企画・運営又は開催,興行の企画・運営又は開催(映画・演芸・演劇・音楽の演奏の興行及びスポーツ・競馬・競輪・競艇・小型自動車競走の興行に関するものを除く。),競馬の企画・運営又は開催,競輪の企画・運営又は開催,競艇の企画・運営又は開催,小型自動車競走の企画・運営又は開催,音響用又は映像用のスタジオの提供,運動施設の提供,娯楽施設の提供,映画・演芸・演劇・音楽又は教育研修のための施設の提供,興行場の座席の手配,映画機械器具の貸与,映写フィルムの貸与,楽器の貸与,運動用具の貸与,テレビジョン受信機の貸与,ラジオ受信機の貸与,図書の貸与,レコード又は録音済み磁気テープの貸与,録画済み磁気テープの貸与,ネガフィルムの貸与,ポジフィルムの貸与,おもちゃの貸与,遊園地用機械器具の貸与,遊戯用器具の貸与,書画の貸与,写真の撮影,通訳,翻訳,カメラの貸与,光学機械器具の貸与」及び第38類並びに第42類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務

(3)国際登録第991364号商標(以下「引用商標3」という。)

商標の構成:別掲2のとおり

国際登録日:2008年(平成20年)10月16日

設定登録日:2010年(平成22年)7月16日

更新登録日:平成30年11月12日

指定商品及び指定役務:第41類「Entertainment and educational services featuring electronic media, multimedia content, videos, movies, pictures, images, text, photos, user-generated content, audio content, and related information via the Internet and other communications networks; provision of information via blogs featuring information in the field of electronic media, multimedia content, videos, movies, pictures, images, text, photos, user-generated content, audio content, and related information; digital video, audio and multimedia entertainment publishing services; online digital publishing services; entertainment services, namely, conducting contests.」及び第9類,第35類,第38類並びに第42類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務

(4)「YouTuber」及び「ユーチューバー」の文字よりなり,申立人及び申立人が提供する動画共有ウェブサイト「YouTube」に継続的に動画を投稿する者が「電子媒体又は情報をインターネット上又は他の通信ネットワーク上でアップロード・ホスティング・発表・表示・タグ付け・ブログ・共有又は他の提供を可能にするコンピュータソフトウェア」,「広告及び販売促進(他人のためのこと),販売促進,すなわちオンラインによる娯楽・オンラインによる教育経由による他人の商品の販売促進及び役務の普及促進」,「インターネットその他の通信網により電子媒体・電子情報をアップロード・投稿・展示・掲示・付加・ブログ・共有その他の方法で提供する放送,電気通信」,「インターネットその他の通信網により電子媒体・電子情報を提供する教育及び娯楽の提供,電子媒体・マルチメディアコンテンツ・ビデオ・映画・写真・画像・テキスト・写真・ユーザーが作成したコンテンツ・オーディオコンテンツ及び関連情報の提供」,「電子メディア・マルチメディアコンテンツ・ビデオ・映画・絵柄・画像・テキスト・写真・ユーザーが作成したコンテンツ・オーディオコンテンツ及び情報のアップロード・取得・ポスティング・発表・表示・タグ付け・ブログ・共有・操作・配信・制作・複製又は他の作業の提供をインターネット及び他の通信ネットワーク経由により可能にするダウンロードできないソフトウェアの一時的な使用の提供」に使用して周知・著名であると主張する標章(以下「引用未登録標章」という。)

以下,上記の引用商標1ないし引用商標3は,登録商標として現に有効に存続しているものであり,これらを合わせて「引用登録商標」といい,引用登録商標と引用未登録標章を合わせて「引用商標」という。

3 登録異議の申立ての理由

申立人は,本件商標は,商標法第4条第1項第10号,同第11号及び同第15号に該当するものであるから,同法第43条の2第1号により,その登録は取り消されるべきであると申立て,その理由を要旨以下のように述べ,証拠方法として甲第1号証ないし甲第55号証(枝番号を含む。)を提出した。

(1)商標法第4条第1項第11号該当性

本件商標は,引用登録商標と同一又は類似であって,その指定商品又は指定役務と同一又は類似の商品又は役務について使用されるものである。

(2)商標法第4条第1項第10号該当性

本件商標は,申立人が提供する動画共有ウェブサイト「YouTube」において使用される役務表示として周知である引用登録商標,又は,「YouTube」に継続的に動画を投稿し,人気やその結果の広告収入を得ている人たちを示す引用未登録標章に類似し,その商品・役務と同一又は類似の役務に使用されるものである。

(3)商標法第4条第1項第15号該当性

本件商標は,申立人が提供する動画共有ウェブサイト「YouTube」において使用し,広く一般に知られている引用登録商標,又は,「YouTube」に継続的に動画を投稿し,人気やその結果の広告収入を得ている人たちを示す引用未登録標章と同一又は類似であるので,申立人の周知商標を想起若しくは連想させるものである。

また,本件商標の指定役務と引用商標の指定商品又は役務とは,互いに同一・類似であるか,又は,非常に高い関連性を有しているので,本件商標がその指定役務に使用された場合,あたかも申立人若しくは申立人と何らかの関係がある者の業務に係る役務であるかのごとく,役務の出所について混同を生ずるおそれがある。

4 当審の判断

(1)引用商標の周知・著名性について

ア 申立人の主張及び提出に係る証拠によれば,以下の事実が認められる。

(ア)「YouTube」は,2005年の立ち上げ以来,動画共有・配信ウェブサイトとして親しまれ,また,2006年の申立人によるユーチューブ社の買収後には,全世界で何十億人ものユーザーが,自ら作成した動画をアップロードし,共有し,再生することができる場として,世界のユーザーが繋がり,情報を交換できる動画配信サービスの先駆けとなり,短期間に世界中で広く知られるようになった(甲3〜甲8)。

我が国においても,株式会社インプレスによる「INTERNET WATCH」のウェブサイトにおいて,「読者が選ぶ2006年のインターネット10大ニュース」に「YouTube」が第3位に取り上げられ(甲9),株式会社マイナビによる「マイナビニュース」のウェブサイトにおいて,「2007年2月のインターネット利用動向調査」の結果として,「YouTube」の利用者数が,サービス開始から14か月で1,000万人を超えた旨記載されている(甲10)。

また,「YouTube」は,広告・宣伝的活用法が着目され,民放各社が専用チャンネルを開設し(甲15〜甲18),当該チャンネルのホームページ上部には,引用商標2が付されている(甲15,甲16,甲18)。 そして,株式会社ジェー・ピー・シーによる「JPC」のウェブサイトにおいて,「YouTube」は,日本国内において,動画サイトの利用者数第1位となった旨(甲32),トラベルボイス株式会社による「トラベルボイス」のウェブサイトにおいて,申立人が2016年におけるパソコン経由の動画ストリーミングの閲覧数が多い企業となっている旨が記載されている(甲33)。

(イ)「YouTuber(ユーチューバー)」は,「動画共有・配信ウェブサイト『YouTube』に頻繁に動画を投稿し,人気やその結果の広告収入を得ている人たち」を示す語(「現代用語の基礎知識2016」自由国民社)として,本件商標の登録出願時及び登録査定時には,広く知られているといえる(甲36〜甲38,甲42)。

しかしながら,引用未登録標章が,申立人の業務に係る商品及び役務について使用され,申立人の業務に係る商品及び役務を表すものとして,広く知られていたといい得る証左を見いだすことはできない(甲35〜甲42)。 イ 上記アによれば,「YouTube」に係る役務は,2005年の立ち上げ以来,また,2006年の申立人によるユーチューブ社の買収後において,世界中に多数のユーザーを有し,我が国においても利用者が多く,引用登録商標は,申立人の提供する「YouTube」を表すものとして,周知・著名なものであるというのが相当である。

そして,上記動画共有・配信ウェブサイトにおいて,引用登録商標は,本件商標の登録出願前から,申立人の業務に係る「通信ネットワークを利用した音声・音楽・静止画・動画の提供」(以下「申立人役務」という。)等に使用されていたといえる。

しかしながら,引用未登録標章は,「『YouTube』に頻繁に動画を投稿し,人気やその結果の広告収入を得ている人たち」を表す語と理解されているということはできるものの,申立人の業務に係る商品又は役務を表すものとして使用され,広く知られていたといい得る証拠を見いだすことはできないから,引用未登録標章が,本件商標の登録出願時及び登録査定時において,申立人の業務に係る商品及び役務を表示するものとして,周知・著名であったということはできない。

(2)商標法第4条第1項第11号該当性について

ア 本件商標

本件商標は,上記1のとおり,「SpoTuber TV」の欧文字と「スポチューバーTV」の文字を上下二段に同一の書体をもって,外観上まとまりよく表されているところ,その構成文字全体から生じる「スポチューバーティーブイ」の称呼もよどみなく一連に称呼し得るものである。

また,本件商標の構成中いずれかの文字が,取引者,需要者に対し役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものというべき事情は見いだせない。

そして,「SpoTuberTV」及び「スポチューバーTV」の文字は,いずれも辞書等に採録のないものであるから,特定の観念を生ずることのない一種の造語として認識されるものというべきである。

してみれば,本件商標は,その構成文字全体をもって,一体不可分の造語を表したものとして認識されるとみるのが相当であり,その構成文字に相応して「スポチューバーティーブイ」の称呼が生じ,特定の観念は生じないものである。

イ 引用登録商標

引用商標1は,上記2のとおり,「YouTube」の欧文字を標準文字で表してなり,引用商標2及び引用商標3は,別掲1及び別掲2のとおり,「YouTube」の欧文字及び「You」の欧文字の右側に白抜きの「Tube」の欧文字を表した赤色又は黒色の隅丸四角形を配した構成からなるところ,当該構成文字に相応して,いずれも「ユーチューブ」の称呼を生じ,上記(1)イのとおり,引用登録商標は,申立人の提供する「動画共有・配信ウェブサイト」を表すものとして,周知・著名なものであるから,「申立人の業務に係る動画共有・配信ウェブサイト」の観念を生じるものである。

ウ 本件商標と引用登録商標との類否

本件商標と引用登録商標は,それぞれ上記のとおりの構成よりなるものであるから,外観においては,構成態様及び構成文字の相違から判然と区別できるものである。

また,称呼においては,本件商標から生じる「スポチューバーティーブイ」の称呼と,引用登録商標から生じる「ユーチューブ」の称呼とは,中間に位置する「チュー」の音を共通にするとしても,構成音数も異なり,語頭における「スポ」と「ユー」の音が相違し,語尾における「バーティーブイ」と「ブ」の音にも明らかな差異を有していることにより,それぞれを全体として称呼した場合においても,その語調・語感が著しく異なり,明瞭に聴別し得るものである。

さらに,本件商標は,特定の観念を有しないものであるのに対し,引用登録商標は,「申立人の業務に係る動画共有・配信ウェブサイト」の観念を生じるから,観念において紛れるおそれはない。

そうすると,本件商標と引用登録商標とは,外観及び称呼において明確に異なるものであり,観念においても紛れるおそれはないから,これらを総合して判断すれば,互いに相紛れるおそれのない非類似の商標である。

その他,本件商標と引用登録商標が類似するというべき特段の事情も見いだせない。

エ 小括

以上のとおり,本件商標は,引用登録商標とは非類似の商標であるから,役務の類否について判断するまでもなく,商標法第4条第1項第11号に該当しない。

(3)商標法第4条第1項第10号該当性について

ア 引用商標の周知・著名性について

(ア)引用登録商標の周知・著名性

引用登録商標は,上記(1)イのとおり,本件商標の登録出願前から,申立人が申立人役務に使用し,周知・著名であったといえるものである。

(イ)引用未登録標章の周知・著名性

引用未登録標章は,上記(1)イのとおり,本件商標の登録出願時及び登録査定時において,申立人の業務に係る商品及び役務を表示するものとして,周知・著名であったということはできない。

イ 本件商標と引用商標との類否

(ア)本件商標と引用登録商標との類否

本件商標は,上記(2)ウのとおり,引用登録商標とは,非類似の商標である。

(イ)本件商標と引用未登録標章との類否

本件商標は,上記1のとおり,「SpoTuber TV」の欧文字と「スポチューバーTV」の文字を上下二段に横書きしてなるものであり,引用未登録標章は,上記2(4)のとおり,「YouTuber」及び「ユーチューバー」の文字よりなるものである。

そして,本件商標は,上記(2)アのとおり,「スポチューバーティーブイ」の称呼を生じ,特定の観念を生じないものである。

一方,引用未登録標章は,上記(1)ア(イ)のとおり,「『YouTube』に頻繁に動画を投稿し,人気やその結果の広告収入を得ている人たち」を表す語として一般に知られている語であるから,その構成文字に相応して,「ユーチューバー」の称呼が生じ,「『YouTube』に頻繁に動画を投稿し,人気やその結果の広告収入を得ている人たち」の観念を生じるものである。

そうすると,本件商標と引用未登録標章とは,外観において,「Tuber」及び「チューバー」の文字部分が共通するとしても,語頭において,「Spo」及び「スポ」の文字と「You」及び「ユー」の文字が異なること,及び語尾において「TV」の文字の有無において異なることからすれば,外観上,判然と区別できるものである。

次に,両者は,称呼において,その識別上重要な要素を占める語頭音における「スポ」の音と「ユー」の音の相違があり,また,語尾における「ティーブイ」の音の有無という明らかな相違があることから,これらの差異が,両商標の称呼全体に及ぼす影響は決して小さいものとはいえず,それぞれを全体として称呼するときには,その語調,語感が明らかに異なり,称呼上,互いに聞き誤るおそれはないものといえる。

さらに,観念については,本件商標からは,特定の観念が生じないのに対し,引用未登録標章からは,「『YouTube』に頻繁に動画を投稿し,人気やその結果の広告収入を得ている人たち」の観念を生じるから,両者は,観念上,紛れるおそれはない。

そうすると,本件商標と引用未登録標章とは,外観及び称呼において明確に異なるものであり,観念においても紛れるおそれはないから,これらを総合して判断すれば,互いに相紛れるおそれのない非類似の商標である。 その他,本件商標と引用未登録標章が類似するというべき特段の事情も見いだせない。

ウ 判断

本号は,「他人の業務に係る商品若しくは役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されている商標又はこれに類似する商標であつて,その商品若しくは役務又はこれらに類似する商品若しくは役務について使用をするもの」と規定されている。

そして,引用登録商標は,本件商標の登録出願前から,申立人が申立人役務に使用し,周知・著名であったといえるものであるとしても,本件商標と引用登録商標は,非類似の商標であり,引用未登録標章は,上記(1)イのとおり,本件商標の登録出願時及び登録査定時において,申立人の業務に係る商品及び役務を表示するものとして,需要者の間に広く認識されているということはできないものである上,本件商標と引用未登録商標は,非類似の商標であるから,それぞれの役務の類否について判断するまでもなく,本件商標は,商標法第4条第1項第10号に該当しない。

エ 小括

したがって,本件商標は,いずれの引用商標との関係においても,商標法第4条第1項第10号に該当しない。

(4)商標法第4条第1項第15号該当性について

ア 引用商標の周知・著名性について

(ア)引用登録商標の周知・著名性

引用登録商標は,上記(1)イのとおり,本件商標の登録出願前から,申立人が申立人役務に使用し,周知・著名であったといえるものである。

(イ)引用未登録標章の周知・著名性

一方,引用未登録標章は,上記(1)イのとおり,本件商標の登録出願時及び登録査定時において,申立人の業務に係る商品及び役務を表示する商標として周知・著名であったということはできない。

イ 本件商標と引用商標との類似性について

(ア)本件商標と引用登録商標との類似性

本件商標は,上記(2)ウのとおり,引用登録商標とは,非類似の商標であって,両者の類似性の程度は低いものであり,全く別異の商標というべきものである。

(イ)本件商標と引用未登録標章との類似性

本件商標と引用未登録標章とは,「Tuber」及び「チューバー」の文字部分を共通にするとしても,上記(3)イ(イ)のとおり,非類似の商標であるから,両者の類似性の程度が高いとはいえない。

ウ 役務の関連性及び需要者の共通性について

引用登録商標は,申立人役務である「通信ネットワークを利用した音声・音楽・静止画・動画の提供」について周知・著名であるところ,本件商標の指定役務には,申立人役務と同一又は類似の役務である「通信ネットワークを利用した動画の提供,動画の制作」が含まれているから,これらの役務について関連性があり,またその需要者の範囲も共通する場合があるものといえる。

しかしながら,本件商標の指定役務中「技芸・スポーツ又は知識の教授」と申立人提供役務とは,その提供の目的・手段及び役務の提供者が異なり関連性が高いとはいえず,また,需要者の範囲も一致しないものである。

エ 判断

以上を総合して判断するに,引用登録商標が申立人役務を表すものとして周知・著名であり,申立人役務と本件商標の指定役務の一部に関連性があり,その需要者の範囲が共通することがあるとしても,本件商標と引用登録商標は,類似性の程度は低いものであり,全く別異の商標というべきものであること,また,申立人役務と本件商標の指定役務「技芸・スポーツ又は知識の教授」は,提供の目的・手段及び役務の提供者が異なり,需要者の範囲も一致しないものであることからすれば,本件商標は,商標権者がこれをその指定役務について使用しても,これに接する取引者,需要者をして,引用登録商標を連想,想起することはなく,当該役務が申立人又は同人と組織的若しくは経済的に何らかの関係を有する者の業務に係る役務であるかのように,その役務の出所について混同を生ずるおそれはないものというべきである。

加えて,本件商標と引用未登録標章とは,「Tuber」及び「チューバー」の文字部分を共通にすることから,仮に本件商標から引用未登録標章を想起する場合があるとしても,引用未登録標章は,「『YouTube』に頻繁に動画を投稿し,人気やその結果の広告収入を得ている人たち」を意味し,そのように理解されているものであって,特定の者を指称するものではないから,これより申立人又は特定の第三者を想起するとはいい難く,役務の出所について混同するおそれはないというのが相当である。

その他,本件商標と引用商標とが,取引者,需要者において混同を生じさせるおそれがあるというような事情は見いだせない。

オ 小括

したがって,本件商標は,いずれの引用商標との関係においても,商標法第4条第1項第15号に該当しない。

(5)まとめ

以上のとおり,本件商標は,商標法第4条第1項第11号,同第10号及び同第15号のいずれにも該当するものでなく,その登録は,同条第1項の規定に違反してされたものではないから,同法第43条の3第4項の規定に基づき,維持すべきである。

よって,結論のとおり決定する。

Next Action

次の一手につながるサービス

類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。

次の一歩へ

商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。