Trademark Appeal Case
記述的商標の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2019−13886(T2019−13886/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、別掲1のとおりの構成からなり、第36類「建物の管理,建物の貸借の代理又は媒介,建物の貸与,建物の売買,建物の売買の代理又は媒介,建物又は土地の鑑定評価,建物又は土地の情報の提供,土地の管理,土地の貸借の代理又は媒介,土地の貸与,土地の売買,土地の売買の代理又は媒介」及び第37類「建設工事,建築工事に関する助言」を指定役務として、平成30年4月26日に登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、家の形状を簡略的に表した略五角形の枠内に、『魔法びん』及び『住宅』の文字を上下二段に横書きで表してなるところ、その構成中、『魔法びん』の文字は、『中に入れた液体の温度を長時間保つようにした瓶。内外2層のガラスまたはステンレスの間を真空にし、熱の伝導・対流・放射の程度を少なくしたもの。ジャー。ポット。』の、『住宅』の文字は、『人が住むための家。』の意味を有する語であり、『魔法瓶住宅』の語は、近時、指定役務と関係の深い住宅・建設業界において、『魔法瓶のように保温・保冷性の優れた家』を表示する語として一般に使用されている状況が認められる。そうすると、本願商標は、略五角形の枠が家の形状を簡略的に表していることと相まって、これをその指定役務に使用しても、取引者、需要者は、魔法瓶のように保温・保冷性の優れた家に関する役務であると理解又は認識するに止まり、自他役務の識別標識としての機能を果たし得ないというのが相当であって、何人かの業務に係る役務であるかを認識することができないものである。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審における審尋及び請求人の回答
審判長は、請求人に対し、別掲2ないし4に係る証拠を示して、本願商標が商標法第3条第1項第6号に該当する旨の審尋を発し意見を求めたが、請求人からは、何ら応答がなかった。
4 当審の判断
(1)本願商標の商標法第3条第1項第6号該当性について
本願商標は、別掲1のとおり、灰色で表した、ホームベースの形状の尖った部分を上にし、右下及び左下の角をやや丸めた輪郭図形(以下「本願ホームベース状図形」という。)の中に、「魔法びん」及び「住宅」の文字(以下「本願文字部分」という。)をゴシック体の書体で二段に配した構成よりなるところ、本願文字部分を構成する「魔法びん」の文字部分からは、一般に広く知られた「魔法瓶」を想起するのが自然といえるから「保温または保冷に用いる容器」の意味合いを認識するものであり(「大辞泉第二版」小学館)、「住宅」の文字は、「人が住むための家。」の意味を有するものである(「広辞苑第七版」岩波書店)。
そして、本願の指定役務を取り扱う業界において、その役務の取り扱いに係る「住宅」について、原審で示した証拠及び別掲2のように、高い断熱性と気密性があって、室内の暖かさや冷たさが持続する魔法瓶のような特性を有する住宅を、「魔法瓶住宅(まほうびん住宅、魔法びん住宅)」、「魔法瓶の家」及び「魔法瓶(びん)のような家」のように指称している事実が認められる。
さらに、別掲3のように、本願の指定役務を取り扱う業界においては、その役務の取り扱いに係る「住宅」を簡略化して表すものとして、一般に広くホームベース状図形が使用されているだけでなく、別掲4のように、「魔法瓶のような特性の住宅」を簡略化して表すものとしても、ホームベース状図形が使用されている実情が認められる。
そうすると、本願の指定役務との関係においては、本願文字部分は、全体として「魔法瓶のように保温・保冷性の優れた家」を理解させるものであるから、役務の質等を表示したものと認識され、本願ホームベース状図形も、役務に係る「住宅」の形状を簡略化して表すものとしてありふれた(輪郭)図形の一類型にすぎないといえるから、本願文字部分と相まって、役務の質等を視覚的に訴求すべくありふれた輪郭図形を施して表したものと看取、理解されるとみるのが相当である。
以上を踏まえると、本願商標は、その指定役務について使用しても、これに接する取引者、需要者は、指定役務を取り扱う業界の、「魔法びん住宅」と同様の語及びホームベース状図形の使用に関する取引の実情よりすれば、役務の質の表示に、それを視覚的に訴求すべくありふれた輪郭図形を施したものと認識するにとどまり、自他役務を識別するための標識として認識することはないというべきである。
したがって、本願商標は、自他役務の識別標識としての機能を持たない、需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができない商標というべきであるから、商標法第3条第1項第6号に該当する。
(2)請求人の主張について
請求人は、「『魔法びん住宅』が、住宅・建設業界において、取引上、普通に使用されているという事実は見いだせない点、及び略五角形の図形全体がデザイン化された形状であって、単に家の形状を簡略的に表したものとは異なる点、などを考慮すれば、図形部分の中に『魔法びん住宅』の文字がまとまりよく納まることによって、両者がまとまりよく結合し、全体として不可分一体の識別標識としての機能を備えた構成態様である」旨、主張している。
しかしながら、前記(1)のとおり、本願の指定役務を取り扱う業界において、高い断熱性と気密性があって、室内の暖かさや冷たさが持続する魔法瓶のような特性を有する住宅を、「魔法瓶住宅(まほうびん住宅、魔法びん住宅)」、「魔法瓶の家」及び「魔法瓶(びん)のような家」のように指称している事実が認められ、その役務の取り扱いに係る「住宅」を簡略化して表すものとして、一般に広くホームベース状図形(頂点を曲線状に丸くしたものも含む。)が使用されている実情が認められることよりすれば、その主張を採用することはできない。
また、請求人は、「出願人により、本願商標が継続的かつ頻繁に、さまざまな方法・手段により、繰り返し使用されている事実は明らかであり、このことからも本願商標が識別力を有していることは明白である。」旨を主張し、証拠方法として甲第4号証ないし甲第16号証を提出している。
しかしながら、提出に係る各証拠によれば、請求人が本願商標と同一の商標を使用していることは認められるものの、新聞及びテレビ広告は山梨県に限られており、使用数量が多いともいえず、使用役務の使用開始時期、使用期間、使用実績及び使用地域はいずれも不明であるから、本願商標は、これが使用された結果、需要者が、何人かの業務に係る役務であることを認識することができるものとはいえず、換言すれば、本願商標が、本願の指定役務について使用されても、出所表示機能を有するものとは認めることができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
次の一手につながるサービス
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。