Trademark Appeal Case
「これ一台」の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成11年審判第12193号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「これ一台」の文字を書してなり、第12類「電球類及び照明用器具,あんどん,ガスランプ,石油ランプ,ちょうちん,ほや,工業用炉,原子炉,火鉢類,ボイラー,ガス湯沸かし器,調理台,流し台,加熱器,業務用揚物器,業務用食器乾燥機,業務用炊飯器,業務用煮炊釜,業務用焼物器,業務用レンジ,冷凍機械器具,アイスボックス,氷冷蔵庫,飼料乾燥装置,牛乳殺菌機,乾燥装置,換熱器,蒸煮装置,蒸発装置,蒸留装置,熱交換器,暖冷房装置,便所ユニット,浴室ユニット,美容院用又は理髪店用の機械器具(いすを除く。),太陽熱利用温水器,浄水装置,家庭用電熱用品類,浴槽類,家庭用浄水器,水道蛇口用座金,水道蛇口用ワッシャー,水道用栓,タンク用水位制御弁,パイプライン用栓,汚水浄化槽,家庭用汚水浄化槽,家庭用し尿処理槽,ごみ焼却炉,し尿処理,洗浄機能槽付き便座,洗面所用消毒剤ディスペンサー,便器,和式便器用いす,あんか,かいろ,かいろ灰,化学物質を充てんした保温保冷具,湯たんぽ」を指定商品として、平成9年7月7日に登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶の理由
原査定は、「本願商標は、『これ一台』の文字を書してなるものであるが『これ一台あれば機能・効果等すべてに対応できる』程度の意味合いを直ちに認識させるにすぎず、つまりは商品の品質を誇張した販売促進用の広告のキャッチフレーズの類のものであり、これをその指定商品に使用しても需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標であると認められる。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。」との理由で本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は前記したように、「これ一台」の文字を書してなるところ、これよりは、「ここにある一つの機械器具」程の意味合いを理解させ、当該機械器具類を主体的対象として、それを強調する場合などに使用されることがある語といえるものである。
しかして、近時、本願指定商品を含む機械器具類や家庭用品類などにおいて、一台で複数の機能を有する機械器具が存在するところであり、その至便性、優位性を強調するために「○○から△△までこれ一台」のごとく「これ一台」の語が使用されている実情が存するところである。
このことは、例えば、以下の新聞記事データベース情報、インターネット情報においても認められるものである。
(1)「第3部米市場に見る新潮流「2」業務処理もネット利用(企業情報システム覇権求めて)」との見出しのもと「『受発注も
これ一台
』。ヒューレット・パッカード(HP)の担当者がノート型パソコンを取り出す。同社のネットワークは、複数の企業間でネットワークを一つのイントラネットのように扱える『エクストラネット』に進化している。エクストラネットを使えば、自社の情報だけでなく得意先の情報画面にもアクセスできる。相手先企業の人事や財務など様々な情報も引き出せ、さらに一部部品の受発注もできる。」(1996年12月17日付日経産業新聞記事に係るデータベース情報より抽出)
(2)「液晶テレビ付蛍光灯ランタン」について「見る、聞く、照らすが
これ一台
。」との用法(インターネット情報 http://www.topworld.ne.jp/tw/victory/tb001/tbrist05/kt62/tb2005.htm)
(3)「充電ドリルドライバー」について「小物づくりから修理までネジしめ、穴あけ
これ一台
。」との用法(インターネット情報 http://www.seiden.co.jp/shopping/slist/67.html)
(4)「デジタル画像処理機械」について「スキャニングから画像処理、プリントまで
これ一台
。」との用法(インターネット情報 http://www.fujifilm.co.jp/psd400/)
してみれば、本願商標をその指定商品中、複数の機能を有する商品(例えば「業務用オーブンレンジ、暖冷房装置」など)に使用するときには、当該商品が、複数の機能を有するものであること、すなわち、その至便性、優位性を強調するための語と理解させるに止まり、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標というべきである。
なお、請求人は登録例を示して、本願商標が自他商品識別機能を有する旨主張しているが、提示の事例は本願と商標の態様を異にするものであるから請求人の主張は採用できない。
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第6号に該当するとした原査定は妥当なものであって、これを取り消す限りではない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
次の一手につながるサービス
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。