Trademark Appeal Case
品質表示と普通名称の結合の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2020−3769(T2020−3769/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、別掲1のとおりの構成よりなり、第21類「ストロー」を指定商品として、平成30年10月23日に登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、『バイオマスストロー』及び『BIOMASS STRAW』の文字を二段に横書きしてなるところ、その構成中『バイオマス』及び『BIOMASS』の文字は、『生物体をエネルギー源または工業原料として利用すること。また、その生物体。』の意味を有し、近時、プラスチック製品の原料を植物由来のバイオマスプラスチックに切り替える動きが広がっており、バイオマスを使用したストローの開発・販売が広く行われている実情があるから、『バイオマス(BIOMASS)』及び『ストロー(STRAW)』の2語を結合した本願商標の構成文字全体からは、『バイオマスを使用したストロー』ほどの意味合いを認識させる。そうすると、本願商標をその指定商品に使用しても、これに接する需要者は、前記意味合いを認識するにとどまるから、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号該当性について
本願商標は、前記1のとおり、「バイオマスストロー」の片仮名及び「BIOMASS STRAW」の欧文字を上下二段に横書きしてなるところ、その構成中「バイオマス」及び「BIOMASS」の文字は、「生物体をエネルギー源または工業原料として利用すること。」を意味する語として一般に広く親しまれている語であり、また、「ストロー」及び「STRAW」の文字は、「飲み物を吸い飲むための、麦わら・ビニール製の細長いくだ。」(いずれも「広辞苑第七版」岩波書店)を意味する語として一般に広く親しまれている語であって、本願指定商品との関係においては、商品の普通名称を表すものである。
そして、原審説示及び別掲2のとおり、環境汚染の要因の一つとされる使い捨てプラスチック製品について、世界で使用をやめる動きが広がる中、プラスチック製品の原料を植物由来のバイオマスプラスチックに切り替える動きが広がっており、バイオマス素材を使用したストローの開発・販売が広く行われているところ、別掲3のとおり、バイオマス素材を使用した商品を表示するものとして、「バイオマスレジ袋」、「バイオマスプラカップ」、「バイオマスファイル」等のように当該商品の普通名称に「バイオマス」の文字(語)を冠した「バイオマス○○」の語が広く一般に使用されていることが認められるものである。
さらに、「BIOMASS STRAW」の欧文字は、「バイオマスストロー」の英語表記であると無理なく理解できるものである。
そうすると、「バイオマスストロー」及び「BIOMASS STRAW」の文字からなる本願商標を、その指定商品に使用するときは、取引者、需要者をして、「バイオマス素材を使用したストロー」であることを認識、理解されるというのが相当であるから、本願商標は、単に商品の品質等を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標に該当する。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。
(2)請求人の主張について
請求人は、「バイオマスストロー」の商標を使用しているのは、指定商品を取り扱う業界において請求人だけであり、第三者は「バイオストロー」、「エコストロー」等の言葉を「バイオマスを応用して製造されたストロー」の品質を表示する言葉として使用しているから、本願商標が品質表示語として使用される蓋然性がなく、取引者、需要者が商品の品質を示すものとして認識し得る商標ではない旨を、主張している。
しかしながら、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するというためには、本願商標がその指定商品との関係で商品の品質を記述するものとして取引に際し必要適切な表示であり、本願商標の需要者、取引者によって本願商標がその指定商品に使用された場合に、将来を含め、商品の品質を表示したものと一般に認識されるものであれば足り、それが一般に用いられていた実情があったことまでを必要とするものではないと解されるところ、前記(1)のとおり、商品の普通名称に「バイオマス」の文字(語)を冠した「バイオマス○○」の語が広く一般に使用されている事実があることに鑑みれば、本願商標を、その指定商品に使用したときは、「バイオマス素材を使用したストロー」を表したものと容易に認識され、取引者、需要者は商品の品質を表示するものとして認識するというべきである。
そして、仮に第三者が「バイオストロー」、「エコストロー」等を「バイオマスを応用して製造されたストロー」の意味を表示する語として使用しているとしても、そのことをもって、本願商標が品質表示であることの認定を妨げるものではなく、また、本願商標が品質表示として使用され得ることについては、別掲4のとおり、複数の者によってバイオマス素材を使用したストローに「バイオマスストロー」の語が使用されている事実があることからも裏付けられる。
したがって、請求人の主張は、採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
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