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Trademark Appeal Case

同一商標と商品混同

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2019−300375(T2019−300375/J2)
審判種別取消
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第6102671号商標(以下「本件商標」という。)は、「Brodio」の文字を横書きしてなり、平成30年2月26日に登録出願、第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として、同年11月30日に設定登録されたものである。

第2 請求人の主張

請求人は、商標法第51条第1項の規定により、本件商標の登録を取り消す、審判費用は、被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第4号証を提出した。

1 取消事由

本件商標は、その商標権者が、故意に、指定商品又は指定商品に類似する商品についての登録商標(後述)と類似する商標として使用し、商品の品質の誤認又は他人の業務にかかる商品と混同を生ぜしめたものとして、取消されるべきものである。

2 取消原因

(1)指定商品又は指定商品に類似する商品についての登録商標

登録第6099494号商標(以下「請求人商標」という。)

商標の構成 「Brodio」(標準文字)

指定商品 第10類「猫背矯正ベルト,姿勢矯正ベルト,医療用骨盤矯正ベルト,医療用矯正ベルト,医療用ひじ用サポーター,医療用手首用サポーター,医療用ひざ用サポーター,医療用首用サポーター,医療用サポーター」

登録出願日 平成30年2月6日

設定登録日 平成30年11月16日

商標権者 請求人

(2)商品混同

請求人商標は、遅くとも平成30年11月16日から現在に至るまで、インターネットサイトAmazonにおいて、猫背矯正ベルトの販売にあたって用いられている(甲1)。

一方、本件商標は、請求人商標と同一の商標である上、遅くとも平成30年11月16日以降(甲2)、被請求人によって、指定商品とは異なるものであるにもかかわらず、同じくインターネットサイトAmazonにおいて、猫背矯正ベルトの販売にあたって用いられていた(甲2〜4)。

よって、被請求人による本件商標の使用によって、請求人商標の使用された商品との混同を生ぜしめている。

(3)被請求人の故意

被請求人は、本件商標を用いて猫背矯正ベルトを販売する時点で、請求人商標の存在を認識していたことを自認しており(甲2)、その上で自身も猫背矯正ベルトを販売することで請求人商標と混同が生じるおそれがあることも明確に認識していたものといえる。

よって、被請求人には不正使用の故意があったといえる。

第3 被請求人の答弁

被請求人は、本件審判請求はこれを却下又は成り立たない、との審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べた。

1 本件商標について

本件商標は、特定の意味を有しない造語として認識されるものであるから、その構成文字に相応して「ブロディオ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。

そうとすると、本件商標は、本件指定商品との関係において商品の品質を表示するものとして認識されるものではない。

2 本件使用商標と請求人商標との対比

請求人商標は、「Brodio」(標準文字)であり、本件商標と構成文字が同じであるから、外観上類似しているものということができる。

しかしながら、請求人商標は、指定商品が第10類「猫背矯正ベルト,姿勢矯正ベルト,医療用骨盤矯正ベルト,医療用矯正ベルト,医療用ひじ用サポーター,医療用手首用サポーター,医療用ひざ用サポーター,医療用首用サポーター,医療用サポーター」であり、本件商標は、指定商品が第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」であるから、請求人商標と本件商標の指定商品は、同一又は類似する商品とは認められない。

また、請求人が提出するインターネットサイト(甲1、3)は、商品説明欄に「※本製品は医療用を目的とした矯正ベルトではありません。」と表記されているから、商品区分第10類に分類することはできない。

3 請求人使用商標の周知性について

請求人商標に係る商品区分第10類としての商品の販売時期、販売場所・地域、販売数量、売上金額、市場占有率、上記カタログの配布状況、その他の宣伝広告の状況などについての立証はなされていないことから、請求人商標の使用の具体的事実は認められず、「Brodio」という商標が請求人の業務に係る商品を表示するものとして、取引者、需要者の間に広く認識されているとまではいうことができない。

仮に請求人商標が周知性を有していたとしても、本件商標と請求人商標とは特許庁において非類似の商標であると判断されたものであるから、請求人商標の周知性の有無が本件商標に関する判断に影響を及ぼすものではない。

4 故意について

被請求人は本件商標の商品区分第25類と請求人商標の商品区分第10類は住み分けるべきとの見解を示しており(甲2)、被請求人が請求人商標の商品区分第10類を故意に使用したとは認められない。むしろ、スポーツ用品として商品区分第25類である本件商標を使用したと認められる。本件商標をその指定商品に使用しても請求人の業務に係る商品と混同を生じさせるおそれはなく、さらに請求人提出の全証拠によっても、被請求人が、請求人の業務に係る商品と混同を生じさせることを認識していたといえる事情は見いだせない。

したがって、被請求人による本件使用商標「Brodio」の使用について、商標法第51条第1項所定の「故意」を認めることはできないというべきである。

5 むすび

被請求人は、単に自己の登録商標と同一性を有する商標を使用しているにすぎず、故意に他人の商品と混同を生じる行為を行っているものではない。

第4 当審の判断

商標法第51条第1項は、「商標権者が故意に指定商品若しくは指定役務についての登録商標に類似する商標の使用又は指定商品若しくは指定役務に類似する商品若しくは役務についての登録商標若しくはこれに類似する商標の使用であつて商品の品質若しくは役務の質の誤認又は他人の業務に係る商品若しくは役務と混同を生ずるものをしたときは、何人も、その商標登録を取り消すことについて審判を請求することができる。」と規定している。

そこで、請求人が主張する「Brodio」の文字からなる商標(以下「本件使用商標」という。)の使用行為(甲3)が、上記規定に該当するものであるか否かについて、以下検討する。

1 本件商標と本件使用商標の類否

(1)本件商標について

ア 本件商標は、セリフ体で横書きされた「Brodio」の文字からなる商標であるところ、該構成文字が特定の意味を有する語として辞書等に載録されている、又は一般に親しまれた語であるといえる証左は見いだせないから、特定の観念を生じないものであって、その構成文字に相応して「ブロディオ」の称呼を生じるものである。

イ 本件商標の指定商品は、前記第1のとおりであって、第25類に属する「被服,ガーター,バンド,ベルト,運動用特殊衣服」等である。

(2)本件使用商標及びその使用に係る商品について

ア 本件使用商標は、サンセリフ体で横書きされた「Brodio」の文字からなる商標であるところ(甲3)、前記(1)アと同じ理由により、特定の観念を生じないものであって、「ブロディオ」の称呼を生じるものである。

イ 本件使用商標の使用に係る商品(以下「本件使用商品」という。)は、「猫背矯正ベルト」と称される商品である(甲3)。

そして、上記商品は、甲第3号証において、「※本製品は医療用を目的とした矯正ベルトではありません。」と記載されていることからすれば、専ら病院などで使用される医療機器とは異なるものと理解し得るものの、他方で、表題に「猫背矯正ベルト」と並んで「背筋補正」とも記載されていること、掲載された写真から、肩から背中、腰までを覆うように幅広のベルトを装着する使用形態が見てとれること、商品の説明として、例えば「姿勢サポーター」との記載があることなどからすれば、身体を装うために用いるベルトの一種とはみることができない。また、専らスポーツをする際に限って使用する特殊な衣服の一種であるとか、専ら運動用具として使用されるサポーターの一種であるということができるような記載は、見てとることができない。

ウ なお、本件使用商品は、「有限会社備徳」、ストア名「K2s Store JAPAN」によって販売され、その販売責任者を被請求人とするものである(甲3、4)。

(3)本件商標と本件使用商標及び本件商標の指定商品と本件使用商品との類否について

ア 前記(1)ア及び(2)アからすれば、本件商標と本件使用商標とは、書体が異なるものの、文字のつづりが同一であって、共に「ブロディオ」の称呼を生じ、特定の観念は生じないから、類似する商標といえる。

イ 前記(1)イ及び(2)イからすれば、本件商標の指定商品が第25類に属する「被服,ガーター,バンド,ベルト,運動用特殊衣服」等であるのに対し、本件使用商品は「猫背矯正ベルト」であって、本件商標の指定商品に含まれる商品のように身体を装うために用いるベルトの一種、又は専らスポーツをする際に限って使用する特殊な衣服の一種であると認めることはできず、その他、専ら運動用具として使用されるサポーターの一種であるとも認めることができないものであるから、結局、身体を装うための商品又は運動専用の商品に類する商品であるとはいい難いものである。

そうすると、本件商標の指定商品と本件使用商品とは、同一又は類似する商品ということはできない。

ウ 以上より、本件使用商品について本件使用商標を使用することは、「指定商品についての登録商標に類似する商標の使用又は指定商品に類似する商品についての登録商標若しくはこれに類似する商標の使用」に当たらない。

2 結び

以上のとおり、本件使用商標の使用は、「指定商品についての登録商標に類似する商標の使用又は指定商品に類似する商品についての登録商標若しくはこれに類似する商標の使用」をしたものと認めることはできない。

したがって、本件使用商標の使用は、商標法第51条第1項の要件を具備するものということができないから、本件商標の登録は、取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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