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Trademark Appeal Case

商標不使用取消の成否

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2019−300490(T2019−300490/J2)
審判種別取消
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第4169226号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲に示すとおりの構成よりなり、平成4年7月22日に登録出願、「洋服」を含む第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同10年7月24日に設定登録されたものである。

そして、本件審判の請求の登録日は、令和元年7月8日である。

第2 請求人の主張

請求人は、商標法第50条第1項の規定により、本件商標について登録を取り消す、審判費用は、被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由として、本件商標は、その指定商品について、継続して3年以上日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである旨主張し、証拠方法として甲第1号証及び甲第2号証を提出した。

なお、請求人は、被請求人の答弁に対し、何ら意見を述べていない。

第3 被請求人の答弁

被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、答弁書において、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第7号証を提出した。

1 使用者

(1)被請求人は、ボーイロンドン香港リミテッド(以下「ボーイロンドン香港」という。)に本件商標を含む日本の「BOY LONDON」関連商標について、使用を許諾している(乙1)。

被請求人は、ボーイロンドン香港が日本に輸出した「BOY LONDON関連商品」が、日本国内の小売業者を通じて、日本の一般需要者に販売されることを明確に理解し、意図、予定した上で、ボーイロンドン香港に、本件商標の使用を許諾し、輸出、販売活動を行うことを許諾していたものである。

なお、被請求人の資本の過半数はボーイロンドン香港によって所有されており、ボーイロンドン香港と被請求人は、いわゆる親子関係に当たる。

(2)本件審判の請求の登録前3年以内(以下「要証期間」という。)に、ボーイロンドン香港が主として取引を行っていた小売、卸売業者は、株式会社クラウド(以下「クラウド」という。)及び株式会社アイゴールド(以下、両者をまとめていうときは「クラウド等」という。)であった。

ボーイロンドン香港より「BOY LONDON関連商品」を購入したクラウド等は、被請求人の正規代理店として、店舗を通じて、また、自社にて設けた公式オンライン通販サイトにて、当該商品の販売を行っていたほか、公式サイトの運営を行っていた。

2 被請求人による「洋服」の輸出・販売

(1)ボーイロンドン香港がクラウドに対して2017年6月3日付けで発行した請求書の写し(乙2)によれば、ボーイロンドン香港がクラウドに対して「B172NC400902」の販売を行っていた事実を確認することができる。

上記請求書と同日付けで発行されたパッキングリストの写し(乙3)には、ボーイロンドン香港がクラウドに宛てて納品した商品のリストが記載されており、品目は上記請求書の内容と合致する。また、当該パッキングリストには、納品された商品の画像写真が貼付されており、「B172ND200812」及び「B172NC400902」の画像を確認することができる。

乙第4号証は、クラウドが2017年6月1日付けでボーイロンドン香港に対して行った商品の発注書の写しである。乙第2号証ないし乙第4号証に記載の商品番号及び数量が一致していることからクラウドの発注に基づき、ボーイロンドン香港が商品の納品を行ったことが確認できる。なお、クラウドからボーイロンドン香港に宛てたメール(乙5)にある添付書類と上記発注書とのタイトルが一致する。

(2)以上より、日本の販売店であるクラウドが、2017年6月1日付けメールにて、ボーイロンドン香港に対して、「B172ND200812」の品番が付いたパンツ及び「B172NC400902」の品番が付いたティーシャツを発注し、ボーイロンドン香港が「B172ND200812」、「B172NC400902」の商品を、2017年6月3日付けにて発送・納品するとともに請求書を発行していた事実を確認することができる。

3 登録商標と使用標章の同一性

本件商標は、両翼を左右に広げ、右に顔を向けた鷲の図形と「BOY」、「LONDON」の文字を上下三段に組み合わせた構成よりなる。

「B172ND200812」という品番の商品「パンツ」には、商品全体に、両翼を左右に広げ、右に顔を向けた鷲の図形と「BOY」、「LONDON」の文字を上下三段に組み合わせたモチーフが繰り返し配され、また、「B172NC400902」の品番の「ティーシャツ」の裏面には、翼を左右に広げ顔を右に向けた鷲の図形と「BOY」、「LONDON」の欧文字を上下三段に書した構成よりなる図形が施されている(乙3、4、6、7)。

本件商標とこれらの使用標章を対比すれば、使用標章が、本件商標と社会通念上同一の標章であることは明らかである。

4 まとめ

上述のとおり、被請求人は、要証期間内に、本件商標の使用権者であるボーイロンドン香港を通じて日本国内にて本件商標を「洋服」に付して販売しており、「洋服」に付された商標は本件商標と社会通念上同一のものである。

第4 当審の判断

1 被請求人の提出に係る乙各号証及び同人主張の全趣旨を総合すれば、以下の事実が認められる。

(1)ア 被請求人は、その資本の過半数をボーイロンドン香港に所有されており、当該者の子会社にあたる(乙1)。

イ ボーイロンドン香港は、2013年の設立以降、日本における「BOY LONDON」事業(「BOY LONDON」ブランドに係る商品の販売及び商標の使用を含む。)を担っている(乙1)。

(2)ア 「SALES INVOICE」と題する、ボーイロンドン香港がクラウドに対して発行した書面(写し)(乙2)には、「INVOICE No.」の欄に「023」、「DATE」の欄に「3−Jun−17」の表示があり、また、「DESCRIPTION/STYLE No/SIZE」の欄に「B172NC400902」、これに対応する「COLOUR」の欄に「BLACK/GREEN」との表示があり、その他、数量等が表示されている。

イ 「PACKING LIST」と題する、ボーイロンドン香港がクラウドに対して発行した書面(写し)(乙3)には、「NO.:023」、「Date:03 Jun.2017」の表示があり、また、「Style No.」の欄に「B172NC400902」、これに対応する「Colour」の欄に「BLACK/GREEN」との表示、「Image」の欄に黒色のティーシャツの画像の掲載があり、その他、数量等が表示されている。そして、上記画像にあるティーシャツは、その細部が不明瞭であるものの、乙第7号証に示された品番を「B172NC400902」とする商品と同じデザインからなるものと見られるものであり、当該ティーシャツ(以下「使用商品」という。)の背面には、翼を広げその顔を向かって右側に横向きにした鷲を表した図形と、当該図形の下に構成中の「O」の文字が上記図形の足下と接するように配された「BOY」の文字、及びその下に段を変えて配された「LONDON」の文字とからなる商標(以下「使用商標」という。)が表示されている。

ウ 「BOYLONDON ORDER20170601」と題する一覧表(乙4)には、「STYLE NAME」の欄に「B172NC400902」、これに対応する「COLOR」の欄に「BLACK/GREEN」との表示、「IMAGE」の欄に黒色のティーシャツの画像の掲載があり、その他、数量等が表示されている。そして、上記画像にあるティーシャツは、その細部が不明瞭であるものの、乙第7号証に示された品番を「B172NC400902」とする商品と同じデザインからなるものと見られるものであり、使用商標が表示されている。また、クラウドは、上記一覧表の表題と同一のファイル名からなる電子データを電子メールに添付し、2017年6月1日に送信した(乙5)。

エ 上記の乙第2号証と乙第3号証とにそれぞれ表示された番号、日付、品目の種類、カラー、数量等は、互いに齟齬がないものである。さらに、上記乙号証に係るクラウドからの発注書とされるもの(乙4)についても、不自然な点はない。

2 前記1において認定した事実によれば、以下のとおり判断できる。

(1)使用商標について

本件商標は、前記第1(別掲)のとおり、上段から順に、翼を広げその顔を向かって右側に横向きにした鷲を表した図形、「BOY」の文字(当該「O」の上部が、上段の鷲の図形の足下と接している。)及び「LONDON」の文字を配してなるものである。

これに対し、使用商標は、上段から順に、翼を広げその顔を向かって右側に横向きにした鷲を表した図形、当該鷲の図形の足下に構成中の「O」の文字の上部が接するように配された「BOY」の文字、及び「LONDON」の文字を配してなるものである。

そして、本件商標と使用商標とは、上段に大きく表された鷲の図形は、いずれも翼を広げその顔を向かって右側に横向きにした構成からなるものであって、外観において同視されるものであり、当該図形並びにその直下に配された欧文字「BOY」及び「LONDON」についても、両者の文字の大きさに相違があるものの、構成及び配置について共通するものである。

また、両商標の文字部分は、いずれも「BOY」及び「LONDON」からなるものであり、当該文字部分から「ボーイ」及び「ロンドン」の称呼並びに「少年」及び「ロンドン」の観念を生じるものである。

そうすると、使用商標は、本件商標との比較において、外観において同視される図形並びにつづり、称呼及び観念を共通にする文字からなるものであるから、本件商標と社会通念上同一と認められる商標というべきである。

(2)使用商品について

使用商品は、前記1(2)の認定事実から「ティーシャツ」といえるところ、これは、提出に係る証拠からすれば、本件商標の指定商品中「洋服」の範ちゅうに属する「ティーシャツ」と認められる。

(3)使用時期について

前記1(1)イ及び(2)の認定事実からすれば、ボーイロンドン香港は、日本における「BOY LONDON」ブランドに係る商品の販売事業の一環として、平成29(2017)年6月1日に、クラウドから使用商標を付した使用商品の注文を受け、同月3日に香港から日本に向けて発送(輸出)したものであって、少なくとも要証期間(平成28(2016)年7月8日〜令和元(2019)年7月7日)内である平成29(2017)年6月3日頃に、クラウドがこれを日本国内で受領したと認めることができる。

そうすると、クラウドは、要証期間内である平成29(2017)年6月3日頃に、使用商標を付した使用商品をボーイロンドン香港から輸入したということができる。

そして、ボーイロンドン香港とクラウドとの取引に係る使用商品に付された使用商標は、ボーイロンドン香港を出所として識別される標章として使用されていたものというのが相当である。

そうすると、当該輸入行為は、ボーイロンドン香港がクラウドを通じて行ったというのが相当である。

してみると、ボーイロンドン香港は、要証期間内である平成29(2017)年6月3日頃に、使用商標を付した使用商品をクラウドを通じて日本国内に輸入したということができる。

(4)使用者について

前記1(1)の事実からすれば、ボーイロンドン香港は、被請求人(商標権者)の親会社であって、両者は緊密な関係にあるものと認められ、被請求人自らがボーイロンドン香港に対し本件商標の使用を許可していたことが認められる。他方、ボーイロンドン香港による本件商標の使用に関して、被請求人が異議を述べたとの事実は何ら確認できない。そうすると、被請求人は、ボーイロンドン香港に対して本件商標を使用する黙示の許諾を与えていたものと認めて差し支えない。

したがって、ボーイロンドン香港は、本件商標の通常使用権者であるといえる。

(5)小括

以上によれば、本件商標の通常使用権者であるボーイロンドン香港がクラウドを通じて、要証期間内に、本件商標と社会通念上同一の商標と認められる使用商標を付した使用商品を輸入したと認めることができる。

そして、この行為は、商標法第2条第3項第2号にいう使用行為に該当する。

3 まとめ

以上のとおり、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、通常使用権者が、本件審判の請求に係る指定商品に含まれる商品について、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を使用していたことを証明したということができる。

したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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