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Trademark Appeal Case

商標不使用取消

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2017−300698(T2017−300698/J2)
審判種別取消
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第4787379号商標(以下「本件商標」という。)は、「AZRUN」の文字を標準文字で表してなり、平成15年11月28日に登録出願、第3類「家庭用帯電防止剤,家庭用脱脂剤,さび除去剤,染み抜きベンジン,洗濯用柔軟剤,洗濯用漂白剤,かつら装着用接着剤,つけまつ毛用接着剤,洗濯用でん粉のり,洗濯用ふのり,塗料用剥離剤,靴クリーム,靴墨,つや出し剤,せっけん類,愛玩動物用シャンプー,洗い粉,洗いぬか,髪洗い粉,ガラス用洗浄剤,クレンザー,化粧せっけん,工業用せっけん,シャンプー,石油系合成洗剤,洗濯せっけん,ドライクリーニング剤,ハンドクリーナー,便器洗浄剤,磨き粉,水せっけん,薬用せっけん,歯磨き,固形歯磨き,粉歯磨き,潤製歯磨き,練り歯磨き,水歯磨き,化粧品,おしろい,紙おしろい,クリームおしろい,固形おしろい,粉おしろい,練りおしろい,水おしろい,化粧水,一般化粧水,オーデコロン,スキンローション,乳液,粘液性化粧水,ハンドローション,ひげそり用化粧水,薬用化粧水,クリーム,クレンジングクリーム,コールドクリーム,ハイゼニッククリーム,バニシングクリーム,ハンドクリーム,ひげそり用クリーム,日焼けクリーム,日焼け止めクリーム,漂白クリーム,ファンデーションクリーム,薬用クリーム,リップクリーム,紅,口紅,練り紅,ほお紅,頭髪用化粧品,髪油,カラーリンス,コールドパーマ用液,すき油,セッティングローション,染毛剤,チック,パーマネント用液,びん付け油,ヘアークリーム,ヘアースプレー,ヘアートニック,ヘアーフィクサー,ヘアーラッカー,ヘアーリンス,ベーラム,ポマード,香水類,香水,固形香水,練り香,粉末香水,その他の化粧品,アイシャドー,あぶらとり紙,脱毛剤,タルカムパウダー,ネイルエナメル,ネイルエナメル除去液,バスオイル,バスソルト,パック用化粧料,ベビーオイル,ベビーパウダー,マスカラ,まゆ墨,毛髪脱色剤,香料類,植物性天然香料,ジャスミン油,ちょうじ油,はっか油,バニラ,ばら油,ベルガモット油,ラベンダー油,動物性天然香料,じゃ香,りゅうぜん香,合成香料,ゲラニオール,人造じゃ香,バニリン,ヘリオトロピン,調合香料,精油からなる食品香料,薫料,吸香,薫香,線香,におい袋,研磨紙,研磨布,研磨用砂,人造軽石,つや出し紙,つや出し布,つけづめ,つけまつ毛」を指定商品として、同16年7月16日に設定登録されたものである。

そして、本件審判の請求の登録日は、平成29年9月27日であり、この登録前3年以内の期間を以下「要証期間」という。

第2 請求人の主張

請求人は、本件商標についての登録を取り消す、審判費用は、被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第3号証を提出した。

なお、被請求人の提出に係る乙各号証については、第3に記載のとおり、「乙第1−1号証」は「乙第1号証の1」、「検乙第3−1号証」は「検乙第3号証の1」のように、本審決においては読み替えることとする。

1 請求の理由

本件商標は、継続して3年以上日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれによっても、その指定商品につき使用されていないものであるから、商標法第50条第1項の規定に基づき、その登録は取り消されるべきである。

2 弁駁の要旨

(1)配送用ダンボール箱に標章を付して配送する行為について

ア 被請求人は、「配送する行為」は、商標法第2条第3項第2号にいう「商品の包装に標章を付したものを譲渡し、・・・行為」には該当しないことは認める、として、「配送する行為」は、譲渡にも当たらなければ、引き渡しにも当たらないと自ら主張する。

しかしながら、乙第1号証の1の宣誓書において、「顧客の元へ配送したことに間違いありません。」と宣誓されていること、更には、「配送」が「配達と発送。送りとどけること。」を意味する言葉であることからすると、商品は顧客に納品され、譲渡又は引き渡されていることになる、にもかかわらず、被請求人は、「配送する行為」は、譲渡にも当たらなければ、引き渡しにも当たらないと主張しているのである。

その一方、乙第2号証に示されるダンボールに商品を収納して顧客に納品する行為を、商標法第2条第3項第2号に規定する「商品の包装に標章を付したものを引き渡す行為」に該当すると主張しており、被請求人の主張は論理一貫性がなく矛盾するものである。

イ 乙第3号証に示す商品を乙第2号証に示すダンボールに収納する行為について

証拠説明書によれば、乙第2号証及び乙第3号証の写真の作成日は平成29年11月19日であり、要証期間外であって、これらは、要証期間内に本件商標が指定商品に使用されたことを示すものではない。また、乙第1号証の1及び2の宣誓書中の「『AZRUN』の文字を付した配送用ダンボール」及び「『AZRUN』を印刷した配送用ダンボール」が、乙第2号証に示されるダンボールと同一であることを示す証拠についても何ら提出されていない。さらに、乙第1号証の宣誓書に記載されているのは「株式会社AZRUN」であって、本件商標の権利者である「株式会社アゼラン」とは別異の会社である。

よって、要証期間内に、乙第2号証に示されるダンボールが被請求人によって使用された事実は証明されておらず、乙第1号証ないし乙第3号証によっては、本件商標が指定商品について、商標法第2条第3項第1号の「使用」がされたとはいえない。

ウ 仮に当ダンボールが使用された事実の証明がされたとしても、以下に述べる理由により、当該ダンボールの使用は商標法第2条第3項第1号、同項第2号による「使用」には当たらない。

そもそも、商標法第2条第3項第1号において、商品そのものに標章を付する行為に加えて、商品の包装に標章を付する行為が標章の「使用」とされているのは、商品の包装に標章を付する行為が、商品自体に標章を付するのと同様に商品と標章の結び付きが明らかにされるからこそ、商品の包装に標章を付する行為も商品自体に標章を付する行為と同様に取り扱われているのである。つまり、商品と標章との結び付きが一見して明らかである場合にのみ、「商品の包装に標章を付する行為」が標章の「使用」に該当するといえるのである。

この点、ダンボール箱に標章を付す行為が商標法第2条第3項第1号の「使用」に該当するかについて、平成17年(行ケ)第10826号審決取消請求事件(甲1)においても、商標法第2条第3項第1号の「商品又は商品の包装に標章を付する行為」には当たらないと判示している。

そして、当該判例に照らして本件について検討すると、乙第2号証に示されるダンボールに付された標章は「AZRUN」であるものの、このダンボールには中身が何であるかを示す表示は全く存在せず、収納されていると被請求人が主張する乙第3号証に示される商品に付されている標章も、本件商標とは別異の「AZRUN ZERO」である。そうすると、このような事情の下では、乙第2号証に示されるダンボールに「AZRUN」の標章があったとしても、収納されている商品との結び付きが著しく稀薄であり、収納されている商品について商標として付されたと解するのは困難であるといわざるを得ない。

よって、乙第2号証に示されるダンボールに「AZRUN」の標章が付されていても、商標法第2条第3項第1号の「商品又は商品の包装に標章を付する行為」には当たらず、また、これを顧客に納品しても、同項第2号の「商品の包装に標章を付したものを譲渡等する行為」には該当しないというべきである。

エ 上記のとおり、乙第2号証に示されるダンボールに「AZRUN」の標章が付されていても、商標法第2条第3項第1号の「商品又は商品の包装に標章を付する行為」には当たらず、また、これを顧客に納品しても、同項第2号の「商品の包装に標章を付したものを譲渡等する行為」には該当しないが、被請求人は、乙第6号証ないし乙第10号証をもって、商品が顧客に引き渡されていたと主張する。

しかしながら、これらの書証においては、本件商標とは別異の「AZRUN ZERO」の標章は確認できるものの、本件商標「AZRUN」は一切表示されていない。

したがって、これらの書証によっては、本件商標が付された商品が譲渡等された事実はなんら証明されていない。

ところで、乙第6号証ないし乙第10号証においては、「アゼラン」なる文字が確認できるものの、当該「アゼラン」の文字は本件商標と同一の称呼を生ずる商標ということはできず、本件商標と社会通念上同一の商標とはいえない。

オ なお、被請求人は、日本工業規格(JlS)の定義によれば「包装」には外装(包装貨物の外部の包装)も含まれるとして、商標法第2条第3項第1号の「包装」には包装貨物の外部の包装も含まれるから、ダンボールに「AZRUN」を付す行為は商標法第2条第3項第1号の「商品の包装に標章を付する行為」に該当すると主張している。しかしながら、上記のとおり、商標法第2条第3項第1号において、商品そのものに標章を付する行為に加えて、商品の包装に標章を付する行為が標章の「使用」とされているのは、商品の包装に標章を付する行為が、商品自体に標章を付するのと同様に商品と標章の結び付きが明らかにされるからこそ、商品の包装に標章を付する行為も商品自体に標章を付する行為と同様に取り扱われているのである。そうであるならば、商品と標章の結び付きが明らかである商品の「包装」とは、本件商標に係る指定商品である化粧品の場合、化粧品が充填されている容器と、その容器が収納されている化粧箱(内箱)と考えるのが自然である。しかしながら、乙第3号証で示されている商品の容器と内箱に付されている標章は、本件商標とは別異の「AZRUN ZERO」である。

よって、乙第2号証に示されるダンボールに「AZRUN」の標章が付されていても、商標法第2条第3項第1号の「商品又は商品の包装に標章を付する行為」には当たらないし、これを顧客に納品しても、同項第2号の「商品の包装に標章を付したものを譲渡等する行為」には該当しない。

そもそも、商標法第2条第3項第1号の「包装」をどのように捉えるかということと、日本工業規格(JlS)で「包装」がどのように定義されているかということは全く関係がなく、被請求人の主張は失当である。

(2)ウェブサイトについて

乙第6号証ないし乙第10号証に示される取引がなされているであろう商品と、乙第4号証及び乙第5号証のウェブサイトに記載されている商品とが同一であることが明らかでないため、本件商標に係る指定商品が広告のために掲示された具体的な事実が明らかでないと指摘しているものと思われる合議体の見解に対し、被請求人は、乙第6号証ないし乙第10号証は、商標法第2条第3項第2号の「引き渡す行為」を証するために提出したものである、との見当違いの主張をするのみで、乙第6号証ないし乙第10号証に示されている商品と乙第4号証及び乙第5号証のウェブサイトに記載されている商品とが同一であることを裏付ける証拠を一切提出していない。

標章の広告的使用というためには、少なくとも具体的な商品について、広告・宣伝された事実が必要といえるところ、乙第4号証及び乙第5号証のウェブサイトには、被請求人の事業内容が記載されているのみで、被請求人の事業内容の広告といえる余地はあるとしても、具体的な商品が広告・宣伝されているとはいい難い。

よって、乙第4号証、乙第5号証及び乙第12号証のウェブサイトによっては、商品等に関する広告等に標章を付して展示し、若しくは頒布し、又はこれらを内容とする情報に標章を付して電磁的方法により提供する行為があったとは認められず、被請求人の主張は失当である。

(3)以上の諸点を総合すると、被請求人の提出に係る乙各号証によっては、被請求人は、要証期間内に日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかがその請求に係る指定商品のいずれかについて、本件商標の使用をしていたことを証明していないといわざるを得ない。

3 口頭審理陳述要領書の要旨

(1)被請求人による陳述について

ア 審理事項通知書の暫定的見解について

乙第12号証の2においては、本件商標と同一の構成文字からなる標章が表示されていることは確認できるものの、商品「化粧品」そのものは一切表示されておらず、商品「化粧品」との具体的関係を示したうえで表示されたものではないから、商品の出所表示機能を果たしているとは到底いえない。

よって、乙第17号証に係る審決を根拠に、乙第12号証の2により、要証期間内に、被請求人が「化粧品」の広告に本件商標と社会通念上同一の商標を使用していたとする被請求人の主張は失当である。

イ 乙第18号証について

被請求人は、新たに乙第18号証を提出し、要証期間内に、被請求人が「化粧品」の広告に本件商標と社会通念上同一の商標を使用していたと主張する。

しかしながら、乙第18号証に記載されている「2017.1.10.現在」の文字は、該書証に記載されている情報(社名、所在地、TEL、FAX等)が「2017年1月10日」現在のものであることを示すにすぎず、当該日付に該書証が頒布された事実を示すものではない。

特に、乙第18号証は、雑誌等に掲載された広告ではなく、単なる2枚の書面であって、しかも、代表者の経歴などの記載もあって、直ちに商品カタログといえるものでもなく、如何なる者にどのように頒布されたのかについても、被請求人は、要証期間内に、日本国内において該書証が展示又は頒布された事実を示す証拠を一切提出しておらず、何ら証明されていない。

よって、乙第18号証の存在のみをもって商標法第2条第3項第8号所定の使用行為があったと認めることはできず、要証期間内に、被請求人が「化粧品」の広告に本件商標と社会通念上同一の商標を使用していたとする被請求人の主張は失当である。

ウ 乙第18号証及び検乙号証における「AZRUN ZERO」について

被請求人は、乙第18号証及び検乙号証を提出し、それらに表示されている「AZRUN ZERO」なる標章について、本件商標と社会通念上同一であると主張している。

しかしながら、検乙号証の商品は、乙第5号証や乙第18号証に掲載されているわけではなく、これらに接した看者が直ちに検乙号証の商品を認識できるものではないから、これをもって、商品との具体的関係性が明らかといえるものでもない。

さらに、「AZRUN」と「ZERO」の文字の間に半角程度のスペースが配されているとしても、「AZRUN ZERO」なる標章は、構成各文字が同じ書体、同じ大きさをもって表されており、全体として外観上まとまりよく一体的に構成されているものであるから、その構成中のいずれかの語のみが看者に強く印象付けられるとはいい難く、全体が不可分一体のものとしてのみ認識されるとみるのが相当である。

加えて、「ZERO」の文字が、化粧品の分野において、単なる記号や符号として用いられている事実も皆無であり、「ZERO」の文字は、商品「化粧品」との関係において、自他商品識別力を有しないということはできない。

このことは、商品「化粧品」について「ZERO」又は「ゼロ」が登録を認められていることからも明らかであり、当該文字は自他商品識別力を発揮する文字である。

よって、「AZRUN ZERO」なる標章が、本件商標と社会通念上同一であるとの被請求人の主張は失当である。

エ エスケーロジ株式会社について

乙第1号証の1において、エスケーロジ株式会社(以下「エスケーロジ社」という。)自身が、自らについて、「倉庫業を生業とする」会社であること、配送用ダンボールに梱包した商品を「株式会社AZRUN」の顧客のもとへ配送したと述べていることから、該会社は、単なる倉庫業者であることが明らかである。

そして、乙第6号証の1、乙第7号証の1、乙第8号証の1、乙第9号証の1及び乙第10号証の1によると、配送業者は「佐川急便」又は「ヤマト運輸」とも記載されていることから、エスケーロジ社は、ただ単に倉庫で商品を梱包して発送作業を行っただけであることがうかがえる。

そもそも、業として商品を生産も、証明も、譲渡もしない倉庫業者が扱っただけでは商標法第2条第3項第1号に該当しないのであって、「商標」の「使用」に当たらないことは明らかである。

そうすると、ただ単に倉庫で商品を梱包して発送作業を行っただけのエスケーロジ社は、商標法第2条第3項第1号の行為を行っている者とは到底いうことができないから、その標章は、商標法上の「商標」とはいうことができない。

そして、乙第20号証は、本件とは事案を異にするものであり、全く参考とならない。

オ 乙第21号証について

エスケーロジ社によっては「商標」の使用にならないことは上述のとおりであるほか、乙第21号証の審決は、本件とは事案を全く異にするものである。

本件においては、そもそも、要証期間内か要証期間外であるかの問題以前に、上述のエスケーロジ社の業務に関する点といい、乙第3号証、乙第6号証ないし乙第10号証に表示されている標章が本件商標とは別異の「AZRUN ZERO」なのであって、乙第1号証の1、乙第2号証、乙第3号証及び乙第6号証ないし乙第10号証を併せてみたところで、本件商標と社会通念上同一の商標が「化粧品」に使用されていたということはできない。

よって、乙第21号証に係る審決は、本件とは明らかに事案を異にするのであって、被請求人の主張を裏付ける根拠とはなり得ない。

カ 乙第24号証について

被請求人は、ダンボール箱の取扱いに関する証拠として、乙第24号証の審決を提出しているが、請求人は、商品に表示する以外の商標の使用にあっては、商品と商標との具体的関係性が重要であり、被請求人の梱包箱にはそれが欠落していることを主張したのであり、被請求人は、請求人の主張を全く理解していない。

被請求人は、単にダンボール箱に触れている審決というだけで当該審決を引用したとしか考えらない。

(2)結論

以上の諸点を総合すると、被請求人の提出に係る口頭審理陳述要領書によっても、被請求人が本件商標又はこれと社会通念上同一と認められる商標を要証期間内に日本国内において、「化粧品」に使用された事実は何ら立証されていない。

第3 被請求人の答弁

被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第24号証(枝番号を含む。)を提出し、また、検乙第1号証ないし検乙第3号証(枝番号を含む。)の検証を求めた。

なお、被請求人の提出に係る証拠については、「乙第1−1号証」は「乙第1号証の1」、「検乙第3−1号証」は「検乙第3号証の1」のように、本審決においては読み替えることとする。

1 答弁書における主張の要点

(1)本件商標の使用事実の要点

被請求人は、要証期間内に、商標権者が指定商品「化粧品」に本件商標「AZRUN」又は「AZRUN ZERO」(五輪図形を背景に「AZRUN ZERO」の文字を配した商標)を使用している。

(2)本件商標の具体的使用事実

ア 商標の使用者

本件商標の使用者は、被請求人(商標権者)である「株式会社アゼラン」である。

イ 使用に係る商品「化粧品」及び使用している商標

(ア)化粧品の配送用ダンボールに本件商標「AZRUN」の文字を付したものを譲渡する行為(商標法第2条第3項第2号)

被請求人は、指定商品「化粧品」を本件商標を付した配送用ダンボールに、梱包して、顧客に配送している(乙1、乙2、乙6〜乙10)。

本件商標を付した当該配送用ダンボールは、乙第2号証に表示されている。

当該配送用ダンボールに、本件商標を印刷することは、株式会社ペーパームーンが、被請求人の依頼を受けて行っている(乙1の2、乙2)。

本件商標を付した配送用ダンボールに「化粧品」を梱包して、顧客に配送したことは、エスケーロジ社が、被請求人の依頼を受けて行っている(乙1、乙2)。

(イ)「化粧品」に関する広告に本件商標を付して、ウェブサイトに掲示する行為(商標法第2条第3項第8号)

要証期間から現在に至るまで、継続して、「化粧品」に関する広告に本件商標を付して、ウェブサイトに掲示する行為を行った(乙4、乙5)。

ウ「AZRUN ZERO」の使用

(ア)本件商標と「AZRUN ZERO」の同一性

「AZRUN ZERO」は、識別力が極めて強い「AZRUN」の文字と識別力がない「ZERO」の文字を結語してなる結合商標である。そして、五輪図形を背景に「AZRUN」と「ZERO」を配してなり、取引者・需要者は、「AZRUN」と「ZERO」を分離観察し、識別力のない「ZERO」を捨象して、識別力が極めて強い「AZRUN」のみを分離観察されると考えるのが自然である。

してみれば、「AZRUN ZERO」は、本件商標と社会通念上同一の商標と認められる商標である。

(イ)化粧品の包装に「AZRUN ZERO」を付したものを譲渡する行為

被請求人は、化粧品の包装に「AZRUN ZERO」を付したものを配布する行為を行っている(乙1の1、乙3)。

(ウ)「化粧品」に関する広告に「AZRUN」を付して、ウェブサイトに掲示する行為

被請求人は、要証期間(少なくとも平成28年4月8日)から現在に至るまで、継続して、「化粧品」に関する広告に「AZRUN ZERO」を付して、ウェブサイトに掲示する行為を行った(乙4、乙5)。

(3)結論

以上のとおり、本件商標は、要証期間内に日本国内において被請求人により、本件審判請求に係る指定商品である第3類「化粧品」について使用されていることが明らかであり、本件審判請求は成り立たない。

2 回答書における主張

(1)乙第1号証の1から明らかなように、エスケーロジ社は平成26年8月ないし同29年8月までの要証期間を含む期間中、本件商標「AZRUN」の文字を付した配送用ダンボールに「化粧品」を梱包しており、乙第2号証における(A)はダンボールに本件商標「AZRUN」が付された状態を示している。

そして、乙第11号証に示すように、日本工業規格(JIS)によれば、「包装」とは、「個装(物品個々の包装)」、「内装(包装貨物の内部の包装)」のみならず、「外装(包装貨物の外部の包装)」も含むことから、乙第3号証において、化粧品を瓶に収容した(A)は「個装」に相当し、当該瓶を収容した(B)、(C)は「内装」に相当し、乙第2号証に示す(B)の梱包状態は「外装」に相当する。すなわち、乙第3号証(B)、(C)に示す内装品が乙第2号証に示す本件商標が付されたダンボールで包装(外装)されている。これは商標法第2条第3項第1号に規定する「商標の包装に標章を付する行為」に該当する。

また、ダンボールで包装された化粧品は、エスケーロジ社を介して要証期間内に被請求人の顧客に納品されている(乙7)。

したがって、これらは商標法第2条第3項第2号に規定する「商品の包装に標章を付したものを引き渡す行為」に該当する。

以上より、被請求人は、要証期間内に少なくとも商標法第2条第3項第1号及び同項第2号に規定する行為を行っている。

(2)乙第12号証を新たに提出し釈明する。

上記乙第12号証は、印刷出力された日時は平成30年3月30日と要証期間外であるが、インターネットアーカイブ検索により平成28年4月8日当日及び平成28年4月10日当日に閲覧された被請求人のウェブサイトを示しており、要証期間内に、上記ウェブサイトを介し、商標法第2条第3項第8号に規定する「商品に関する広告を内容とする情報に標章を付して電磁的方法により提供する行為」に該当する。

(3)乙第6号証ないし乙第10号証は、ウェブサイトにおいて、要証期間内に「化粧品」が広告のために掲示されたものであることを証するものではなく、本件商標が付されたダンボールで包装(外装)された化粧品について、第三者(配送業者)を介して被請求人から顧客に現実の支配を移転し、引き渡したことを示しており、上記証拠は、商標法第2条第3項第2号の「引き渡す行為」を証するために提出したものである。

(4)被請求人である株式会社アゼランは、乙第13号証に示すように、平成15年10月28日に創業され、同29年3月1日に創業地の愛知県江南市小折町の住所から現在の大阪市淀川区西中島五丁目の住所に本店を移転している。

乙第12号証の1に記載の住所は被請求人の支店所在地を示している。

すなわち、乙第12号証の1に記載の「株式会社アゼラン」と被請求人とは同一の法人格を有するものであり、このことは乙第13号証ないし乙第15号証で取締役名として同一人の氏名が記載され、また署名・捺印されていることからも明らかである。

(5)結び

被請求人は、業として商品「化粧品」等を販売する者であり、上述したように商品「化粧品」等の指定商品について、少なくとも商標法第2条第3項第1号、同項第2号及び同項第8号に該当する使用を行っている。

3 口頭審理陳述要領書の要旨

(1)合議体の暫定的見解に対する回答

ア 乙第12号証は、「The Internet Archive」という会社が、そのウェブサイト上に記録及び保存している被請求人のウェブサイトを印字したものであり、乙第12号証の2に示された「AZRUN」の文字からなる標章は、被請求人の営業の同一性を表す営業標識としての代表的出所標識(ハウスマーク)である。

また、乙第12号証には、取引対象としてスキンケア、メイクアップ、ボディケア、シャンプー、トリートメント等の化粧品・せっけん類に属する各種商品が掲載されている。乙第12号証の2には、要証期間内に代表的出所標識であり、かつ、造語である「AZRUN」の文字をウェブサイトに掲載した事実が示されている。

したがって、かかる事実をもって「AZRUN」の標章がウェブサイトに掲載された個々の商品に付されていなくとも十分な商品の広告宣伝機能を果たし、被請求人には業務上の信用が蓄積し、商標保護の価値が生じる。

被請求人は、ウェブサイト上での広告を介し、指定商品「化粧品」について要証期間に代表的出所標識として本件商標を使用することにより、顧客吸引力を獲得しており、商標法第2条第3項第8号に規定する使用行為を行っている。

イ 乙第18号証は、要証期間内である平成29年1月10日現在の被請求人の商品カタログ(パンフレット)である。

表紙の下部には本件商標「AZRUN」の文字が表示され、裏表紙には被請求人が製造販売している商品の一例が示されており、要証期間内においても広告・宣伝のためにこの商品カタログを取引者・需要者に広く頒布していた。

また、検乙第3号証は、被請求人が要証期間にウェブサイト上で広告した具体的な商品の包装容器と包装箱の現物であり、商品カタログ(乙18)の裏表紙に掲載された商品と同一であることは容易に確認することができる。

検乙第3号証の1は、商品である保湿クリームが収納された水色の容器本体と該容器本体を閉蓋する銀色の蓋体とからなる低背の包装容器である。当該容器本体の正面には淡い5つの輪を背景に銀色で目立つように本件商標「AZRUN」を含む「AZRUN ZERO」の標章が付されており、その下には「Creme de activelle」(3字目の「e」の文字にアクサン記号が付されている。以下同じ。)の文字が付され、さらにその下には英語表記が付されている。

また、容器本体の背面には「アゼランゼロアクティヴェール」の文字が付され、その下には「(保湿クリーム)60g」の文字が付され、内容物とその重量が表示されている。さらに、その下には製造販売元が株式会社アゼランであることが明記されており、被請求人が製造販売していることを確認することができる。

検乙第3号証の2は、検乙第3号証の1に示す包装容器を収納する包装箱であり、正面及び背面には検乙第3号証の1と同様の表示内容が付されている。

当該商品カタログ(乙18)の裏表紙に表示されている商品及び検乙第3号証から明らかなように、使用商標は連続した淡い5つの輪を背景に造語である本件商標「AZRUN」の文字と「ZERO」の文字との間に一枡分の空きスペースを設けた形態となっている。

商品カタログ(乙18)の表紙には「5の0にこだわります。」との文言があり、また、検乙第3号証には「5の0」の内容を英語表記で示していることから明らかなように、「ZERO」は「無」を意味するアラビア数字の「0」を英語表記したものである。

そして、使用商標は、本件商標「AZRUN」と「ZERO」の文字との間に一枡分の空きスペースを設けていることから、当該商品に接した取引者・需要者は本件商標「AZRUN」と「ZERO」の文字を一体不可分のものとして認識するのではなく、被請求人の代表的出所標識である本件商標「AZRUN」と「ZERO」の文字を視覚的に分離して認識するものと考えられる。

また、たとえ使用商標「AZRUN ZERO」を一体不可分のものとして認識したとしても、その構成において基本をなす部分を変更するものではなく、本件商標「AZRUN」が有する独自の識別性に影響を与えるものでないことから、使用商標は(広義の)社会通念上同一に含まれてしかるべきである。しかも、「ZERO」の文字は、世間一般には、単なる記号や符号として多用されるものであり、それ自体に識別力はない。

このように被請求人は、乙第18号証及び検乙第3号証によりウェブサイトで広告された具体的な商品を明らかにした。

そして、使用商標「AZRUN ZERO」は、造語である本件商標「AZRUN」と「無」を意味する「ZERO」の文字が視覚的に分離して認識されるものであり、たとえ一体不可分として認識されたとしても、基本をなす部分を変更するものではなく、本件商標の有する独自性に影響を与えるものではない。したがって、その標章を指定商品に付す行為をもって商標法50条にいう「登録商標の使用」に該当するものである。

すなわち、被請求人は、指定商品「化粧品」について商標法第2条第3項第1号及び同項第8号に規定する行為を行っている。

(2)弁駁の主張について

ア 答弁書に記載した「配送する行為」は、文言上、商標法第2条第3項第2号には明記されておらず、この点で同号に規定されていないことは認めるものの、これは商標法第2条第3項第2号に規定する引き渡し等の行為に実質的に該当するものであることを回答書で説明したものであり、答弁書と回答書との間で被請求人の論理に何ら矛盾が生じるものではない。

なお、被請求人が、要証期間内にエスケーロジ社を中間流通業者として自己の商品である化粧品を顧客に販売しているのは答弁書及び回答書から明らかである(乙1の1、乙6〜乙10の各枝番号2)。

イ 乙第2号証及び乙第3号証は、要証期間外である平成29年11月29日に作成したものであるが、これは本件審判の請求を受けて作成したものである。乙第2号証及び乙第3号証は、中間流通業者であるエスケーロジ社の宣誓書(乙1の1)及び取引書類(受注伝票、出荷通知書、納品書(乙6〜乙10))を併せみれば、エスケーロジ社が乙第2号証とは異なるダンボール箱に乙第3号証とは別異の商品を納品しているという発想自体、不自然かつ非現実的であり、要証期間内でも乙第2号証及び乙第3号証と同様のものが使用されていたと容易に推認されるものである。

ウ 乙第1号証に記載の「株式会社AZRUN」は、株式会社アゼランの誤記であり、両者が同一会社であることは、商品カタログ(乙18)の表紙に「株式会社アゼラン(AZRUN.Co.,Ltd.)」とあることからも容易に推認されるものである。

エ 指定商品を収納する包装容器及び包装箱に本件商標「AZRUN」を含む「AZRUN ZERO」の文字が付されている(検乙3)。

本件商標は被請求人の代表的出所標識であり、本件商標「AZRUN」に「ZERO」の文字が付加されているものの、造語である本件商標「AZRUN」と「ZERO」の文字は視覚的に分離して認識されるものである。

また、たとえ使用商標「AZRUN ZERO」が一体不可分のものとして認識されたとしても、基本をなす部分に変更を加えるものではなく、本件商標が有する独自の識別性に影響を与えるものではない。

したがって、ダンボール箱に付された「AZRUN」の文字を看た取引者・需要者は、出荷元である被請求人の商品であることを一見して認識すると考えるのが自然であり、各検乙号証から明らかなように、包装容器及び包装箱には内容物が表示されており、その中身も明らかにされている。

すなわち、ダンボール箱に「AZRUN」の文字を付する行為は、商標法第2条第3項第1号に規定する「商品の包装に標章を付する行為」に該当し、中間流通業者であるエスケーロジ社を介して指定商品を顧客に納品する行為は、商標法第2条第3項第2号に規定する「商品の包装に標章を付したものを引き渡す行為」に該当するものである。

オ 乙第6号証ないし乙第10号証の各乙号証の枝番号3の「AZRUN ZERO」の表示についても、上記エと同様である。

そして、乙第6号証ないし乙第10号証の各乙号証の枝番号2から明らかなように、本件商標が付されたダンボール箱に指定商品を格納し、中間流通業者であるエスケーロジ社を介して顧客に商品を納品していることから、被請求人は、商標法第2条第3号第2号に規定する使用行為を行っている。

カ 「包装」とは、日本工業規格(JIS)にも規定されているとおり、個装、内装、外装の3種類に分類されるとするのが一般的な社会通念であり、乙第11号証は、「包装」の概念を明確にしておく必要性から、念のため提出したものである。

そして、被請求人の代表的出所標識である本件商標がダンボール箱に付されており、ダンボール箱には本件商標の文字を含む使用商標「AZRUN ZERO」を付した包装箱及び包装容器が格納され、しかもこれら包装箱及び包装容器には内容物も表示されている。

したがって、本件商標を付したダンボール箱に接した取引者・需要者は一見して被請求人の商品が格納されていると認識するのが自然であり、ダンボール箱に付された本件商標と商品との結びつきは極めて濃厚である。

すなわち、乙第2号証に示すダンボール箱に「AZRUN」の標章を付す行為は、商標法第2条第3項第1号に規定する「商品の包装に標章を付する行為」に該当し、これを顧客に納品する行為は、同項第2号に規定する「商品の包装に標章を付したものを引き渡す行為」に該当するものであり、請求人の主張こそ失当である。

ダンボール箱の取扱いに関し、平成11年審判第30688号の審決公報(乙24)を添付する。

(3)小括

本件は不使用取消審判であり、その制度趣旨からいずれかの段階で何らかの使用事実が証明されれば取り消される謂われはない。

そして、被請求人は、ウェブサイト上での広告を介し、指定商品「化粧品」について代表的出所標識として本件商標を使用し、顧客吸引力を獲得しており、商標法第2条第3項第8号に規定する使用行為を行っている。

また、使用商標は、指定商品「化粧品」について造語である本件商標に「ZERO」の文字を付加しているものの、被請求人の代表的出所標識である本件商標と「ZERO」の文字は視覚的に分離して認識されるものである。

また、たとえ一体不可分のものと認識されたとしても、その構成において基本をなす部分を変更するものでなく、本件商標が有する独自の識別性に影響を与えるものでないことから、その標章の使用をもって商標法第50条にいう「登録商標の使用」とすべきものであり、商標法第2条第3項第1号に規定する使用行為に該当する。

さらに、ダンボール箱に付された本件商標と指定商品との関係は、指定商品を収納する包装容器及び包装箱に本件商標「AZRUN」を含む「AZRUN ZERO」の文字が付され、かつ包装容器及び包装箱には内容物が表示されていることから極めて濃厚であり、「AZRUN」なる標章をダンボール箱に付す行為は、商標法第2条第3項第1号に規定する「商品の包装に標章を付する行為」に該当し、中間流通業者であるエスケーロジ社を介して顧客に納品する行為は商標法第2条第3項第2号に規定する「商品又は商品の包装に標章を付したものを引き渡す行為」に該当する。

4 上申書の要旨

(1)検証物と書証との関係

検乙第3号証の1は、指定商品「化粧品」の範ちゅうに属する「保湿クリーム」が収納された水色の容器本体と該容器本体を閉蓋する銀色の蓋体とからなる円柱形の包装容器であり、正面には淡い5つの輪を背景に銀色で「AZRUN ZERO」の標章が付されており、その下には「Creme de activelle」等の文字が付されている。

また、容器本体の背面には、被請求人である「株式会社アゼラン」の文字とその住所、電話番号、URL、使用上の注意事項等が記載されている。

検乙第3号証の2は、検乙第3号証の1と一致する内容が記載されており、検乙第3号証の1の中に収まりよく入ることから、検乙第3号証の1の包装容器を収納する包装箱に相当する。

一方、乙第4号証の1及び乙第12号証の1には、二段表記で記載された「肌トラブルに悩む方の声をもとに開発された化粧品」の文字列と一部が重なるような形態で、5つの輪と共に「AZRUN ZERO」の文字と一部が重なるような形態で、その背面に円柱形の包装容器が表示されており、この包装容器は検乙第3号証の1と同一である。また、検乙第3号証の1は、乙第4号証の2において、「通信販売事業」と記載されている長方形枠内の右下隅に画像表示されている円柱状の包装容器とも同一である。

乙第4号証及び乙第12号証は、いずれも「The Internet Archive」という会社が、そのウェブサイト上に記録・保存している被請求人のウェブサイトを印刷したものであり、要証期間内である平成18年4月8日又は同月10日のところに保存されていたものである。

乙第4号証及び乙第12号証では、左上部に「AZRUN」の文字が表示されており、乙第18号証の表紙の下部中央には「AZRUN」の文字が表示されており、当該「AZRUN」の文字は被請求人の代表的出所標識である。

このように乙第4号証、乙第12号証の1及び乙第18号証に接した看者は、直ちにそれが検乙第3号証の1の商品と同一であると認識することから、ウェブサイトに係る画面に表示された「AZRUN」の文字とウェブサイトや商品カタログにおいて広告されたとする商品との具体的関係性は明らかになった。

(2)結び

以上詳述したように、検乙第3号証の1は乙第4号証の1、乙第4号証の2は乙第12号証の1及び乙第18号証に記載されたものと同一であり、検乙第3号証の2は検乙第3号証の1を収容する包装箱であり、被請求人は、要証期間内に指定商品について本件商標と社会通念上同一の商標を使用している。

第4 検証について

被請求人は、検乙第1号証の1ないし検乙第3号証の2についての検証を求め、検証申出書及び検証物指示説明書を提出した。

当審は、上記書面の内容から、検乙第3号証の1及び検乙第3号証の2についてのみ検証を行えば足りると判断し、平成31年4月24日に、特許庁審判廷において、両当事者出頭のもとに、口頭審理及び検乙第3号証の1及び検乙第3号証の2についての検証を行った。

第5 当審の判断

1 被請求人の主張及び提出した証拠によれば、以下の事実が認められる。

(1)商標権者である株式会社アゼランは、「化粧品、香水、化粧用具の製造、輸出入及び販売」等を目的として、平成15年10月28日に設立された会社であり、同29年3月1日に愛知県の創業地から、大阪市淀川区西中島5丁目の住所(以下「住所1」という。)に本店移転をした(乙13)。

(2)乙第5号証の1及び乙第5号証の2は、平成29年11月19日を印刷日とする、株式会社アゼランのウェブサイトであるところ、いずれもその上部に「AZRUN」の文字(以下「本件使用商標」という。)の表示、及び「化粧品・サプリメントのトータルプロデューサー」の記載があり、住所として、大阪市淀川区西中島7丁目の住所(以下「住所2」という。)の記載がある。

そして、乙第5号証の2には、「通信販売事業」の見出しの下、「肌トラブルに悩む方の声をもとに開発された化粧品」の文字の下部に、「AZRUN ZERO」の文字に五つの円輪郭を重ねた図形が表示され、また、「AZRUN ZERO」の文字が表示された銀色の蓋の水色の容器の商品(以下「使用商品」という。)と金色の蓋の紫の容器の商品の写真が掲載されている。

また、乙第5号証の1には、ややうつむき加減の女性の写真が掲載され、「What’New」の見出しの下、「2008.04.09 事業内容を更新しました。」などの記載があり、右下部には、「肌トラブルに悩む方の声をもとに開発された化粧品」の文字の下部に「AZRUN ZERO」の文字に五つの円輪郭を重ねた図形が表示され、さらに、これらの表示と重なるように、銀色の蓋の水色の容器及び金色の蓋の紫の容器の写真が掲載されているところ、これら商品は、やや不鮮明ではあるものの、その外観、色彩、表示されている文字から、乙第5号証の2に掲載されている使用商品及びその左側の商品と同一視できるものである。

(3)乙第12号証の1は、インターネットアーカイブによる株式会社アゼランの平成28年4月8日付けウェブサイトであるところ、その内容は、本件使用商標の表示、株式会社アゼランの住所2、ややうつむき加減の女性の写真、「What’s New」の記載、右下部の記載並びに「AZRUN ZERO」の文字に五つの円輪郭を重ねた図形が表示され、これらの表示と重なるように、使用商品及び金色の蓋の紫の容器の写真商品など、乙第5号証の1のウェブサイトとその内容を同一にするものである。

(4)検乙第3号証の1は、蓋が銀色の水色の容器であり、その正面には「AZRUN ZERO」の表示があり、裏面には「(保湿クリーム)」の文字及び株式会社アゼランの名称及び住所1が記載されている。また、当該容器は、その外観、色彩及び表面の文字等の記載によれば使用商品と同一の商品といえるものである。また、検乙第3号証の2は、検乙第3号証の1の包装用箱である。

2 判断

(1)使用商品

使用商品は、「保湿クリーム」(検乙3の1)であり、本件審判の請求に係る指定商品中の「化粧品」の範ちゅうの商品である。

(2)使用商標及び使用者について

本件商標は、前記第1のとおり、「AZRUN」の文字を標準文字で表してなり、本件使用商標は「AZRUN」の文字からなるものであるから、両者はそのつづりを同じくする、社会通念上同一の商標である。

また、本件使用商標が表示されているウェブサイトは、株式会社アゼランに係るものであるから、本件使用商標の使用者は被請求人である商標権者である。

なお、当該ウェブサイトの住所2は、本件商標の登録原簿の住所とは一致していないところ、この点について、被請求人は、住所2は被請求人の支店所在地であった旨主張しており、賃貸借契約書抜粋(乙14、乙15)によれば、住所2は被請求人に関連する何らかの所在地であったことがうかがわれ、当該ウェブサイトの住所は被請求人の支店所在地であったと推認し得るものである。

(3)使用時期

被請求人は、使用商品を掲載した、平成28年4月8日付けウェブサイトに本件使用商標を表示したことが認められるところ、当該日付は、要証期間内である。

(4)小括

以上によれば、被請求人である商標権者は、要証期間内の平成28年4月8日に、日本国内において、本件審判の請求に係る指定商品中の「化粧品」の範ちゅうの商品である「保湿クリーム」を紹介するウェブサイトに、本件商標と社会通念上同一と認められる本件使用商標を表示したことが認められるところ、当該行為は、商標法第2条第3項第8号にいう「商品に関する広告を内容とする情報に標章を付して電磁的方法により提供する行為」に該当する。

3 むすび

以上のとおり、被請求人は、要証期間内に日本国内において、商標権者が請求に係る指定商品について、本件商標と社会通念上同一と認められる商標の使用をした事実を証明したということができる。

したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により取り消すべき限りでない。

よって、結論のとおり審決する。

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