Trademark Appeal Case
ラインナップの識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成9年審判第4791号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本出願に係る商標(以下、「本願商標」という。)は、「ラインナップ」の片仮名文字を横書きに表してなり、第9類「理化学機械器具,測定機械器具,配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機,電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,写真機械器具,映画機械器具,光学機械器具,眼鏡,加工ガラス(建築用のものを除く。),救命用具,電気通信機械器具,レコード,メトロノーム,電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク及び磁気テープ,その他の電子応用機械器具及びその部品,オゾン発生器,電解槽,ロケット,遊園地用機械器具,電気アイロン,電気式ヘアカーラー,電気式ワックス磨き機,電気掃除機,電気ブザー,乗物の故障の警告用の三角標識,発光式又は機械式の道路標識,鉄道用信号機,火災報知機,盗難警報器,事故防護用手袋,消火器,消火栓,消火ホース用ノズル,消防艇,消防車,自動車用シガーライター,保安用ヘルメット,防火被服,防じんマスク,防毒マスク,溶接マスク,磁心,抵抗線,電極,映写フィルム,スライドフィルム,スライドフィルム用マウント,録画済みビデオディスク及びビデオテープ,ガソリンステーション用装置,自動販売機,駐車場用硬貨作動式ゲート,金銭登録機,硬貨の計数用又は選別用の機械,作業記録機,写真複写機,手動計算機,製図用又は図案用の機械器具,タイムスタンプ,タイムレコーダー,電気計算機,パンチカードシステム機械,票数計算機,ビリングマシン,郵便切手のはり付けチェック装置,計算尺,ウエイトベルト,ウエットスーツ,浮き袋,エアタンク,水泳用浮き板,レギュレーター,潜水用機械器具,アーク溶接機,金属溶断機,電気溶接装置,犬笛,家庭用テレビゲームおもちゃ,検卵器,電動式扉自動開閉装置,光ディスク,光磁気ディスク」を指定商品として、平成7年2月7日に登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶の理由
原査定は、『本願商標は、商品のカタログ、パンフレット、広告等において「(同種商品等を)結集させたもの、勢揃いさせたもの」の意味合いで一般に使用されている外来語「ラインナップ」の文字を書してなるにすぎないから、これをその指定商品に使用しても、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。』旨認定し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、前記したとおり「ラインナップ」の文字よりなるところ、該文字は、「(1)野球で、打順。バッティングオーダー。(2)陣容。顔ぶれ」等の意味合い(株式会社三省堂発行大辞林「ラインアップ(lineup){ラインナップとも}」の項その他用語辞典類の当該用語解説より)で一般に親しまれ馴染まれている平易な外来語と認められる。
ところで、食品、化粧品又は医療用品、カメラ、自動車及び同関連用品、コンピュータ機器又はソフトウエア関連機器並びに情報・通信関連機器、産業用又は業務用機器(設備)等種々の商品分野において、当該製造又は販売に係る取扱い品目の一覧又は一定の規格・容量別に設計・デザインし同種モデルとして系列化した一群の製品グループ(シリーズ商品)を称して「ラインナップ」(lineup)、「製品ラインナップ」又は「商品ラインナップ」等と呼び、「ラインナップ」の語を取引上普通に使用していることはすでに顕著な事実であって、その状況は、例えば、以下の日刊新聞、産業新聞又は業界新聞等における当該記事の用例、解説よりして、十分に窺い得るところである。
(1)食品分野において、「・・・ワイン主要各社は秋冬の最盛期に向け、輸入ワインをラインナップするなど活発な動きを見せている・・・。」、「(しゃぶしゃぶのたれ等に関して)既存の5種に新商品を加え、ラインナップを充実する。」との各記事解説。
(2)化粧品又は医療関連用品について「(輸入化粧品に関して)・・・今回はベーシックケアのラインナップを充実。」、「・・・同社の海外専用ブランドでスキンケア、メーキャップ、ボディーケア、サンケア、フレグランス、メンズラインのラインナップ」、「(生理用ナブキンに関し)ベトナム市場における商品ラインナップの充実を図る考え。」との各記事解説。
(3)カメラ及び関連用品に関して、「カメラ関連のバッグ、ケース、ストラップなど・・・ブランドのオリジナルグッズは・・・これを機に、ラインナップの充実・・・を図っていく。」との各記事解説。
(4)自動車及び関連用品について、「・・・、へん平率60シリーズに1サイズ、65シリーズに3サイズ、70シリーズに1サイズを新たにラインナップした。」、「・・・全く新しいタイプの小型四ドア乗用車。・・・の投入で、オートザムの商品ラインナップは・・・と大幅に強化される。」、「新型車・・・発売で小型乗用車のラインナップが拡充したのを機に・・・図るもの。」との各記事解説。
(5)コンピュータ関連機器、情報通信関連機器について、「また同社は旧DECの統合に伴うWSの新しい製品ラインナップを発表した。」、「(行政情報システムに関して)今秋までに製品ラインナップを拡充し、製品と販売の利用面で体制を整備する。・・・は地方自治体向けに開発した・・・パッケージソフトの総称。」、「・・・は、パソコンサーバのラインナップを一新する。」、「・・・は、アルファ・チップを搭載したワークステーション(WS)の新ラインナップ製品・・・を発売した。」、「(インクジェットプリンターに関して)同社では今後も自社開発製品のラインナップの充実などを図り、・・・目指す。」、「(パソコンに関して)・・・シリーズをはじめとするパソコンの製品ラインナップを一新、春商戦向けに合計27機種を一斉に発売した。」、「(パソコンに関して)・・・はデスクトップパソコンのラインナップを一新、・・・の両シリーズを19日発売した。」、「・・・は、・・・社製のネットワーク機器・・・シリーズを発売した。パソコンサーバ用としては、・・・をラインナップ。」、「ネットワーク・ファイル・サーバ(NFS)のラインナップを強化し、認知度の向上を図る考えだ。」、「(CDーROMドライブユニットに関して)同社ではすでに市場投入している12倍速、16倍速に加え、24倍速をラインナップに加えた。」、「・・・は、ビジネスショーに照準を合わせ、20万円を切るセパレート型のDOS/V対応パソコンを発売する。これにより、DOS/V戦略の具体的な製品ラインナップを完了する。」との各記事解説。
(6)産業用又は業務用機器(設備機器)について、「業務用大型パッケージエアコン6機種を発売。・・・今回の品ぞろえにより・・・豊富なラインナップが整ったとして・・・考え」、「・・・需要が拡大しているスポット式エアコンのラインナップ強化を図るためで、これにより同シリーズは10タイブ・・・の品ぞろえとなった。」、「・・・、小型電動テーブルリフトを発売。台車、定置式の2種・・・今後、電動式の機種を増やし、商品ラインナップを充実させる。」、「(デジタルはかりに関して)上皿デジタルはかり・・・を発売した。・・・秤量10キロgまで4機種をラインナップ」、「(パソコンNC利用の工作機械に関して)・・・は、工作機械をパソコンで制御するパソコンNC用の専用制御基盤・・・と制御ソフトの営業を強化する。・・・製品ラインナップの充実を図り、・・・」、「(ショールームに関して)・・・高級・中級・普及各ゾーンの商品ラインナップが充実したことと、・・・対応するもの。」、「戸建て住宅用宅配無人ロッカーを発売。・・・色は従来型ではブラックのみだったが、アイボリー、ベージュ、ブラックの三色に増やした。・・・従来型も高級タイプとして商品ラインナップは続ける。」、「・・・。特にAM(アミューズメント)機器事業部門では同社にとって初となる大型マスメダル機を投入したほか、製品ラインナップの充実を図り、・・・売り上げを伸ばした。」、「95年春から遊園地内に大型アミューズメントマシン・・・を導入する。・・・をラインナップに加えることで、徹底的にスリルマシンの充実を図りたい考えだ。」、「有人調査船は・・・、無人探査機は・・・と世界に誇るトップクラスの観測手段がラインナップ。」との各記事解説。
以上の(1)乃至(6)の各記事解説よりして、「ラインナップ」(lineup)の文字(語)は、現今においては、各事業者の取扱いに係る商品の一覧又は一定の企画・設計のもとに系列化した一群の製品グループ(シリーズ商品)の総称的呼び名として、取引者・需要者間において容易に理解され、かつ、取引上普通一般に使用されているものと認められる。
そして、本願商標の指定商品は前記したとおりのものであるところ、それら商品はいずれも産業目的、工業目的としてその利用に供されるものであり、又は家庭用又は業務用に用いられる機器類であり、或いは、昨今台頭目覚ましいIT(Information Technology)産業の利用に供される機器類と認め得るものであって、それら商品は前記「ラインナップ」に係る各商品とほぼ同様の取引事情にあるとみて差し支えないものと認められる。
そうすると、本願商標(「ラインナップ」)をその指定商品について使用した場合、これに接する取引者、需要者は、前記事情よりして、当該取扱いに係る商品の一覧又は一定の企画・設計のもとに系列化した一群の製品グループ(シリーズ商品)の総称的呼び名として理解するに止まり、それをもって特定商品についてその出所を識別するための標識として機能するとみるのは極めて困難といわなければならない。
してみれば、本願商標は、需要者をして何人かの業務に係る商品であるのかを認識することができないものというべきであるから、これと同旨の理由をもって本願商標を商標法第3条第1項第6号に該当するものとして本願を拒絶した原査定は妥当であって、取り消すことはできない。
請求人は、「ラインナップ」(lineup)が旧類別(平成3年9月25日政令第299号による改正前の商標法施行令第1条に基づく「商品の区分」)及び現行類別の各区分に亘って多数登録されているとして、商標公告広報又は登録広報写し(甲第3号証1乃至同18)を提出しているが、それら事例は本件とは指定商品の分野を異にし取引事情も自ずと相違するから、それら事例を本件の登録の適否を判断する基準とするのは必ずしも適切でない。そして、一般に、商標は時代とともに変化するものであって、その識別性が未来に亘って常に絶対的であるという保証はなく、また、本件については、現今の取引事情に照らし、前示判断を相当とするものであるから、この点を述べる請求人の主張は採用の限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
次の一手につながるサービス
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。