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Trademark Appeal Case

同一商標の類否判断

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2020−900117(T2020−900117/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第6222450号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第6222450号商標(以下「本件商標」という。)は,「SPACEX」の欧文字を横書きしてなり,平成30年10月15日に登録出願,第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽,キャミソール,ティーシャツ,和服,アイマスク,エプロン,靴下,ナイトキャップ,帽子,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,靴類,げた,草履類,仮装用衣服,運動用特殊衣服(「水上スポーツ用特殊衣服」を除く。),水上スポーツ用特殊衣服,運動用特殊靴(「乗馬靴」及び「ウインドサーフィン用シューズ」を除く。),乗馬靴,ウインドサーフィン用シューズ」を指定商品として,令和元年12月18日に登録査定,同2年2月5日に設定登録されたものである。

2 登録異議申立人が引用する商標

登録異議申立人(以下「申立人」という。)が登録異議の申立ての理由において,本件商標は商標法第4条第1項第10号,同項第15号及び同項第19号に該当するとして引用する登録商標及び使用に係る標章は次のとおりであり,登録商標の商標権はいずれも現に有効に存続しているものである。

(1)登録第4718769号商標(以下「引用商標1」という。)

商標の構成:SPACEX(標準文字)

登録出願日:平成14年10月17日

優先権主張:2002(平成14)年9月16日 アメリカ合衆国

設定登録日:平成15年10月17日

指定役務:第39類「人工衛星の打ち上げ」

(2)登録第4801292号商標(以下「引用商標2」という。)

商標の構成:SPACEX(標準文字)

登録出願日:平成14年10月17日

優先権主張:2002(平成14)年9月16日 アメリカ合衆国

設定登録日:平成16年9月10日

指定商品:第9類「打ち上げ用ロケット,人工衛星,ロケット」

(3)登録第6047692号商標(以下「引用商標3」という。)

商標の構成:SPACEX(標準文字)

登録出願日:平成29年8月21日

優先権主張:2017(平成29)年2月24日 トンガ王国

設定登録日:平成30年6月1日

指定商品及び指定役務:第9類「電気通信機械器具,音声・映像受信機,無線受信器,衛星用受信機,遠隔制御受信機,衛星放送の受信機,電気通信機械器具用モジュール,変調器,トランスミッター,マルチプレクサ,デコーダー,電子応用機械器具及びその部品,データ処理装置,集積回路,コンピュータハードウエア及びソフトウエア,コンピュータの操作用ソフトウエア,科学用人工衛星,人工衛星,通信衛星」,第38類「電気通信(「放送」を除く。),衛星通信,無線ブロードバンドネットワークによる通信,衛星によるデータ・音響・音声及び映像の通信,双方向通信端末による通信(衛星によるものを含む。),電子通信によるメッセージの配信,電子計算機端末によるインターネットへの接続の提供,電気通信ゲートウェイへの接続の提供,インターネットへの高速無線接続用回線の提供,電子計算機端末による通信ネットワークへの複数ユーザーによる接続の提供,グローバルコンピュータ情報ネットワークへの接続の提供,衛星による情報の通信,衛星による信号通信,ウェブサイトによる衛星通信に関する情報の提供,衛星を経由したインターネットへの接続の提供に関する情報の提供,衛星のデータ・記録・測定の回収に使用する電子データベース及びオンライン情報への接続用回線の提供,衛星による写真データの送信,衛星による伝送交換,通信衛星による音響及び映像の送信又は放送,放送」及び第42類「衛星を利用した空中の測量,リモートセンサーによる衛星を利用した空中の測量,その他の測量,衛星通信の分野におけるエンジニアリング,通信ネットワークのエンジニアリング,衛星通信の分野における調査及び研究,衛星通信の分野における研究のコンサルティング,電気通信に関する調査及び研究のためのコンサルティング,リモートセンサーや衛星を介して収集されたデータの研究・分析・監視,技術的なデータの分析」

(4)使用に係る標章(以下「引用商標4」という。)

別掲に示すとおり,「SPACEX」の文字をややデザイン化して表した構成よりなる標章であり,申立人の業務(製造販売)に係る商品「ティーシャツ,長袖のティーシャツ,スウェットシャツ,ジャケット,パーカー,フード付きトップス,子供用トップス,子供用被服,ベビー服,帽子」等に使用する標章として需要者の間に広く知られていると主張するものである。

以下,引用商標1ないし引用商標4をまとめていうときは,単に「引用商標」という。

3 登録異議の申立ての理由

申立人は,本件商標は,商標法第4条第1項第10号,同項第15号及び同項第19号に該当するものであるから,同法第43条の2第1号により,その登録は取り消されるべきであると申立て,その理由を要旨以下のように述べ,証拠方法として甲第1号証ないし甲第32号証(枝番号を含む。なお,特に断らない限り,証拠番号には枝番号を含み,表記にあたっては,「甲○」(「○」部分は数字)のように省略して記載する。)を提出した。

(1)商標法第4条第1項第10号について

ア 申立人について

申立人(通称スペースX(SpaceX))は,ロケット・宇宙船の開発・打ち上げといった宇宙輸送(商業軌道輸送サービス)を業務とする,アメリカ合衆国の企業であり,2002年に設立,低コストのロケットで商業衛星市場で大きなシェアを獲得している(甲7)。

申立人は,2008年9月打ち上げに成功して,民間企業として初めて液体燃料ロケットを軌道飛行させ,2012年8月,スペースシャトルの後継機となる有人飛行用宇宙船の開発でアメリカ航空宇宙局NASAと契約を結んだことを発表する(甲9)など,「民間企業初」,「世界初」といった事業が多いため,マスコミでも大きく取り上げられている(甲7〜甲9,甲19,甲20)。

イ 日本における引用商標の周知性について

「SpaceX」は申立人の通称として広く使用されており,日本の主要新聞である朝日新聞・読売新聞・日経新聞においても申立人を示す語として何度も使用されている(甲11,甲12,甲14,甲21,甲25,甲29)。

これらのニュースは新聞のみならずテレビ・ラジオにおいても多数報道されており,需要者が目や耳にする機会が多いため本件商標出願時に日本において周知であったことは明らかであり(甲2〜甲20),また,継続して引用商標に関する様々なニュースが報道されており,現在に至るまで継続して周知であるといえる(甲21〜甲30)。

ウ 本件商標と引用商標の類似性

本件商標は,欧文字「SPACEX」を横書きしてなるところ,「スペースエックス」の称呼を生じさせ申立人の通称を意味するものである。

引用商標1ないし引用商標3は,欧文字「SPACEX」を横書きしてなるところ,「スペースエックス」の称呼を生じさせ申立人の通称を意味するものである。

また,引用商標4は,欧文字「SPACEX」を横書きにデザイン化した構成よりなる標章で,同様に「スペースエックス」の称呼を生じさせ申立人の通称を意味するものである。

以上のとおり,本件商標と引用商標は称呼・観念が共通し外観も同一又は近似しているため,同一又は類似の商標であることは明らかであり,互いに相紛らわしく,商品の出所の混同を生じさせる商標であるといえる。

エ 商品の出所の混同について

申立人は2011年頃より,引用商標が付された被服の販売を申立人の公式オンラインショップを通じて行っており,日本へも当該商品の輸出を定期的に行っている。これらの引用商標を付した商品はオンラインで手軽に自宅から購入できるため,宇宙開発・宇宙旅行業務を行っている申立人のイメージとも相まって人気商品となっており,申立人はこのサイトを通じて一部の国を除いた世界中の国へ商品を輸出している。もちろん日本の需要者も公式オンラインショップ開設以降,購入することが可能である(甲6)。

オ 小括

以上のことから,本件商標は,申立人の業務に係る商品を表示するものとして,需要者の間に広く認識されている商標と同一又は類似する商標であって,その商品と同一又は類似する商品について使用する商標というべきであるから,商標法第4条第1項第10号に該当するものである。

(2)商標法第4条第1項第15号について

ア 引用商標の周知性については,前記(1)に記載のとおりである。

イ 商品の出所混同について

本件商標の指定商品は第25類の被服等であり,ビジネスの手法として「企業の主力事業において著名になった商標を被服に付して販売する」というのは昔からよく取られている(甲31,甲32)。

同様に,申立人も主力事業である宇宙開発において著名になった引用商標を被服に付して販売している(甲6)。

そして,本件商標は申立人の著名な通称である「SPACEX」の文字からなる商標であるため,これを被服に使用すれば,引用商標の著名性から「あの米国の宇宙開発企業である通称スペースX(SpaceX)社が販売している被服であろう」と需要者が考えるのは当然であり,本件商標の商品と引用商標の商品との出所の混同が生じるおそれがあることは明らかである。

引用商標は申立人の会社の通称であり,また創造商標で造語であることから,非常に独自性が強く特徴的な商標である。そのため,本件商標に接した需要者が「申立人と少なくとも経済的又は組織的に何等かの関係があるものの業務に係る商品又は役務である」と誤認し,商品又は役務の出所について混同する可能性が非常に高いのは明らかである。

しかも,当該商標はハウスマークとして需要者・取引者によく知られており,製品自体・製品カタログ・取引書類等に常に付されて使用されるものでもあり,本件商標と引用商標が近似し,その商品も非常に密接な関連性を有するため,需要者の混同が生じているのは明白であり,この解消を図ることが商標法の目的にも合致するものである。

ウ 小括

以上のことから,本件商標は,引用商標の権利者の業務に係る商品と混同を生ずるおそれがあり商標法第4条第1項第15号に該当するものである。

(3)商標法第4条第1項第19号について

ア 本件商標と引用商標の類似性及び引用商標の周知著名性について

上述のとおり,本件商標と引用商標は,外観,称呼,観念のいずれにおいても紛らわしい点を有する同一又は類似商標である。

また,引用商標は申立人の社名の通称として世界的に著名であるのは明らかである。

そのため,引用商標の周知著名性はこれらの商標に化体しており,本件商標の出願時及び登録査定時においても,これらの商標は変わらず周知著名商標であったと考えるのが相当である。

イ 不正の目的について

本件商標は,少なくとも一以上の外国において周知な商標と同一又は極めて類似するものであり,また,本件商標は造語よりなることから,本件商標は不正の目的をもって使用するものと推認することができる。

以上のことより,本件商標は,周知著名な引用商標に化体した名声,信用等にただ乗り希釈化し,不正の利益を得る目的,他人たる申立人等に損害を加える目的等の不正の目的をもって使用するものと考えるのが相当である。

ウ 小括

以上のことから,本件商標は他人の業務に係る商品又は役務を表示するものとして日本国内又は外国における需要者に広く認識されている商標と同一又は類似の商標であって,不正の目的をもって使用するものであり,商標法第4条第1項第19号に該当するものである。

4 当審の判断

(1)引用商標の周知性について

ア 申立人の提出に係る甲各号証及び申立人の主張によれば,以下のとおりである。

(ア)インターネットサイト「ウィキペディア」において,「スペースX」の項に「スペース・エクスプロレーション・テクノロジーズ(英:Space Exploration Technologies Corp),通称スペースX(SpaceX)は,ロケット・宇宙船の開発・打ち上げといった宇宙輸送(商業軌道輸送サービス)を業務とする,アメリカ合衆国の企業。2002年に・・・設立された。」,「スペースXは・・・低コストのロケットで商業衛星市場で大きなシェアを獲得している。」など,「スペースXのロケットエンジン」の項に「2002年の設立以降,スペースXはこれまで・・・4系統のロケットエンジンを開発しており,2016年現在はラプターを開発中である。」などと記載されている(甲7)。

(イ)「現代用語の基礎知識2019(2019年1月1日自由国民社発行)」において,「スペースX(SpaceX)」の項に,「ファルコン9ロケットを開発したスペースX社は,2002年に設立されたベンチャー企業である。」などと記載されている(甲8)。

(ウ)インターネットサイト「コトバンク」において,「スペースX」の項に,デジタル大辞泉の解説として「《SpaceX》米国の宇宙関連企業。正式名称スペースエクスプロレーションテクノロジーズ。電子決済会社ペイパルを起業したイーロン=マスクによって2002年に設立。同社開発のロケット,ファルコン9により無人宇宙船ドラゴンを打ち上げ,国際宇宙ステーションへの物資輸送を行った。」と記載されている(甲9)。

(エ)2014年から2019年までの新聞記事情報等において,例えば,「米宇宙開発ベンチャー,スペースXの・・・最高経営責任者(CEO)が『21世紀版のアポロ計画』とも言える火星開拓計画を発表した。」(甲12),「米民間宇宙企業スペースXは・・・,米フロリダ州にある米航空宇宙局(NASA)のケネディ宇宙センターから,国際宇宙ステーション(ISS)への物資を積んだ無人宇宙船『ドラゴン』をファルコン9ロケットで打ち上げた。」(甲13),「宇宙開発ベンチャーの米スペースXは・・・,月の周りを飛行する宇宙旅行の初の個人客として,通販サイト『ゾゾタウン』を運営する・・・社長と契約を結んだと発表した。」(甲20),「米宇宙開発企業スペースX(SpaceX)のカプセル型宇宙船クルー・ドラゴン(Crew Dragon)が・・・,国際宇宙ステーション(ISS)から地球に帰還した。」(甲22),「米国の宇宙企業スペースXは2019年4月12日,超大型ロケット『ファルコン・ヘヴィ』の2号機の打ち上げに成功した。」(甲23),「スペースX,宇宙インターネット衛星『スターリンク』の打ち上げに成功」の見出し及び「米宇宙企業スペースXは2019年11月11日,自社の宇宙インターネット『スターリンク』を構成する衛星60機を搭載した,ファルコン9ロケットの打ち上げに成功した。」(甲26)などの記載があり,米国の宇宙開発企業である「スペースX」が,ロケットや宇宙船の打ち上げを行ったことなどが報道されている。

(オ)申立人の公式オンラインショップとされるインターネットサイトにおいて,引用商標4が表示されたティーシャツ,スウェットシャツ,パーカー等が取り扱われ,その一部商品(ティーシャツ,スウェットシャツ)について「SPACEX」の文字も使用されていることがうかがわれ,当該サイトの画面上部にも引用商標4が表示されているが,それらの掲載時期は不明である(甲6)。

イ 前記アにおいて認定した事実によれば,申立人は2002年設立のロケット・宇宙船の開発・打ち上げといった宇宙輸送(商業軌道輸送サービス)を業務とするアメリカ合衆国のベンチャー企業であって,国際宇宙ステーションへの物資輸送や人工衛星を搭載したロケットの打ち上げなどを行ったこと,申立人が「スペースX(SpaceX)」と称されていること,時期は不明ながら,申立人のものとされるオンラインショッピングサイトにおいて引用商標4の付されたティーシャツ,スウェットシャツ,パーカー等が取り扱われていること,その一部商品について「SPACEX」の文字も使用されていることなどが認められるものの,提出された証拠からは,引用商標を使用する申立人の業務に係る商品又は役務の取引額(売上高)や提供地域などの取引実績及び市場シェア,並びに商品又は役務の広告・宣伝を行った時期,回数及び方法などは確認することができない。なお,「ウィキペディア」において,「スペースXは・・・低コストのロケットで商業衛星市場で大きなシェアを獲得している。」との記載があるが,具体的なシェアなど,上記記載内容を客観的に裏付ける証左は見いだせない。

その他,申立人の提出に係る甲各号証を総合してみても,引用商標が本件商標の登録出願時及び登録査定時において,我が国又は外国の需要者の間で,申立人の業務に係る商品又は役務を表示するものとして広く認識されていたと認めるに足る証拠は見いだせない。

そうすると,申立人を指称する通称「スペースX(SpaceX)」が人工衛星・ロケット・宇宙船の開発・打ち上げなどの宇宙ビジネスに関連する取引者,需要者においてある程度知られていることはうかがえるとしても,引用商標が我が国又は外国の需要者の間に広く認識されているものということはできない。

したがって,引用商標は,本件商標の登録出願時及び登録査定時において,他人(申立人)の業務に係る商品又は役務を表示するものとして日本国内又は外国における需要者の間に広く認識されていたと認めることはできないものである。

(2)商標法第4条第1項第10号該当性について

本件商標及び引用商標は,前記1及び2のとおり,いずれも「SPACEX」の文字からなるものであるとしても,引用商標は,前記(1)イのとおり,本件商標の登録出願時及び登録査定時において,申立人の業務に係る商品又は役務を表示するものとして,需要者の間に広く認識されていたと認めることはできないものである。

そうすると,本件商標は,他人の業務に係る商品若しくは役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されている商標又はこれに類似する商標とはいえない。

したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第10号に該当しない。

(3)商標法第4条第1項第15号該当性について

引用商標は,前記(1)イのとおり,本件商標の登録出願時及び登録査定時において,申立人の業務に係る商品又は役務を表示するものとして,需要者の間に広く認識されていたと認めることはできないものである。また,引用商標が造語であるとしても,その構成文字は,「空間。宇宙空間。」等を意味する「SPACE」の文字とアルファベット1字「X」との組合せであって,その独創性の程度は,高いとまではいえない。さらに,本件商標の指定商品(「洋服」等)と申立人の業務に係る商品又は役務(「ロケット」,「人工衛星の打ち上げ」等)との関連性やそれらの取引者及び需要者の共通性が高いものというべき事情も見いだせない。そうすると,本件商標は,たとえ引用商標とそのつづり字を共通にするとしても,これに接する取引者,需要者が引用商標を連想又は想起するものということはできない。

してみれば,本件商標は,商標権者がこれをその指定商品について使用しても,取引者,需要者をして引用商標を連想又は想起させることはなく,その商品が他人(申立人)又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのように,その商品の出所について混同を生ずるおそれはないものというべきである。

したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第15号に該当しない。

(4)商標法第4条第1項第19号該当性について

前記(1)イのとおり引用商標は,申立人の業務に係る商品又は役務を表示するものとして日本国内又は外国における需要者の間に広く認識されていると認められないものであり,前記(3)のとおり本件商標は,これに接する取引者,需要者が引用商標を連想又は想起するものでもない。

そうすると,本件商標は,引用商標の名声,顧客吸引力などにただ乗りし,これを毀損させるなど不正の目的をもって使用をするものと認めることはできず,また,他に本件商標が不正の利益を得る目的,他人に損害を加える目的,その他不正の目的をもって使用をするものであることを認めるに足る事情は見いだせない。

したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第19号に該当しない。

(5)まとめ

以上のとおり,本件商標は,商標法第4条第1項第10号,同項第15号及び同項第19号のいずれにも該当するものではなく,その登録は,同法第4条第1項の規定に違反してされたものとはいえず,他に同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから,同法第43条の3第4項の規定により,維持すべきである。

よって,結論のとおり決定する。

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