Trademark Appeal Case
称呼類似と要部認定
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成9年審判第17331号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本出願に係る商標(以下、「本願商標」という。)は、後掲(1)に示すとおりの構成よりなり、第25類に属する商品を指定して平成6年12月1日登録出願、その後、指定商品については、原審における平成8年7月31日付手続補正書をもって、第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,和服,エプロン,えり巻き,靴下,スカーフ,ネクタイ,ネッカチーフ」とする補正がされたものである。
2 当審における新たな拒絶の理由
当審において、本願商標を商標法第4条第1項第11号該当を理由として、その新たな拒絶の理由に引用した登録第2327734号商標(以下、「引用A商標」という。)は、昭和63年8月12日登録出願、後掲(2)に示す構成よりなり、第17類(平成3年9月25日政令第299号による改正前の商標法施行令に基づく「商品の区分」,以下、「旧類別」という。)「被服、布製身回品、寝具類」を指定商品として、平成3年8月30日に設定の登録がされたものである。同じく、登録第2349098号商標(以下、「引用B商標」という。)は、平成1年6月6日登録出願、後掲(3)に示す構成よりなり、旧類別第17類「被服、その他本類に属する商品」を指定商品として、平成3年11月29日に設定の登録がされたものである。
3 当審の判断
本願商標は、後掲に示す構成よりなるところ、昨今の広告・デザイン業界においては、商標の持つ広告的機能に着眼し、顧客の注意を喚起するべくそれに使用される文字、図形又は記号等にいろいろと変化を持たせ、個性的・特徴的に表現する手法が普通に取り入れられている事情よりすれば、該構成は、全体として欧文字の「SPRA」を個性的・特徴的に表現したものと容易に感得し得るものである。
すなわち、冒頭の「S」の字形を大きくシンボリックに表し、或いは、各字形の中心部に白抜きの細線を配し、さらには、それら文字の一部を重ねる如く表してなる点に特徴を有するものとしても、それら手法は前述個性的表現の一類型と認識・理解されるとみるのが相当であって、殊更、冒頭の「S」字形を何らの意味合いをも想起させない幾何学的図形とのみ把握しなければならないような特段の事情はなく、また、その証左も見出せない。
そうすると、本願商標は、欧文字の「SPRA」の文字に相応して、たとえば、世上親しまれ馴染まれている英語の「spring(春)」が「スプリング」、「spread(拡げる、伸ばす)」が「スプレッド」とそれぞれ読まれる如く、これを「スプラ」と読み、この称呼をもって取引に資するとみるのが取引の経験則に照らし相当である。
したがって、本願商標からは、「スプラ」の称呼を生ずるものといわなければならない。
他方、引用A商標は、その構成後掲したとおり、細線輪郭線図とその内部上部位置に存する二つの黒点による抽象的擬人化図形を描き、同図内ほぼ中央位置に一瞥してそれと認識し得る欧文字の「SPRA」及び同文字幅の下線をやや肉太に大きく表し、同文字右肩位置に小さく「<スプラ>」の文字及び記号を表してなるものである。
しかして、該輪郭図形からは、何ら特定の事物・事柄等を想起し得ない固有の擬人化図形というべきものであり、また、同内部の欧文字又は片仮名文字部分も何らの意味合いをも想起し得ない造語というべきものであるから、これら文字及び図形の組み合わせを常に一体のものとして把握しなければならないような意味上の関連性は存しない。
そして、かかる場合、引用A商標に接する取引者・需要者は、構成中の読み易く親しみ易い文字部分に着目し、同文字より生ずる称呼をもって簡便に取引に資するとみるのが取引の経験則よりみて相当である。
したがって、引用A商標からは、前記「SPRA」又は「スプラ」の文字に相応して「スプラ」の称呼を生ずるものといわなければならない。
そうすると、本願商標と引用A商標とは、「スプラ」の称呼を同じくする点で互いに相紛らわしく、たとえ、両者がその外観等において差異を有するとしても、口頭又は電話等による商取引、すなわち、商標より生ずる称呼を取引指標とすることがむしろ普通に行われるこの種衣料品の取引事情を併せ考慮すれば、なお、両者はその出所について混同を生じさせる虞のある類似の商標といわなければならない。
また、本願商標に係る指定商品は、旧類別第17類を包括的に指定する引用A商標に係る指定商品中に内包されるものと認められる。
してみれば、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものといわざるを得ないから、このほか引用した引用B商標との類否について判断するまでもなく、本願は、この理由をもって拒絶すべきものである。
なお、原査定が本願を拒絶すべきものとして引用した登録第1291902号商標に係る商標権は、存続期間満了により本権の登録の抹消が平成10年4月15日にされているので、本件については、別途拒絶理由の存否並びにその当否について審理した。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
次の一手につながるサービス
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。