Trademark Appeal Case
著名商標と指定商品の関連性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2020−900158(T2020−900158/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第6240751号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおり、「MONTBLANC」の欧文字と「PROFESSIONAL PRIDES」を欧文字とを上下二段に書してなるものであり、平成31年4月17日に登録出願、第25類「医師又は看護師が着用する白衣,看護師服,看護師用オーバーオール,看護師用ズボン,看護師用制服,介護士用制服,理学療法士用制服,作業療法士用制服,ナースキャップ,その他の被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,ナースシューズ,その他の履物,仮装用衣服,運動用特殊靴(「乗馬靴」を除く。),運動用特殊衣服」を指定商品として、令和2年3月17日に登録査定、同月30日に設定登録されたものである。
2 登録異議申立人が引用する商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、本件商標に係る登録異議申立ての理由において引用する商標は、「MONTBLANC」の欧文字からなる商標である(以下「引用商標」という。)。
3 登録異議の申立ての理由
本件商標は、普通の書体の欧文字「MONTBLANC」と「PROFESSIONAL PRIDES」を上下二段に書したものからなり、「モンブランプロフェッショナルプライズ」という一連の称呼が生ずるほか、幾分冗長な商標であって、二段に書してなるものであることから、「モンブラン」、「プロフェッショナルプライズ」と分離して看取される可能性がある。
そうすると、本件商標に接した需要者及び取引者は、本件商標を付した商品が、万年筆及び時計等で世界的に著名な申立人の業務に関連する商品であると混同するおそれがある。
よって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。
4 当審の判断
(1)引用商標の周知性
申立人の主張及び職権調査(新聞記事、インターネット情報等)によれば、申立人は1907年から続く、ドイツを起源とした筆記具メーカーである。1909年に「モンブラン」を冠した万年筆を発売以来、万年筆、ボールペンが主力商品であって、創業100周年を迎えた2006年に、東京・銀座にアジア最大(当時)の路面店を開業、日本に121店舗(令和2年12月10日現在)を構えていることから、申立人は我が国において引用商標を使用した万年筆、ボールペンを継続して販売していることが推認でき、引用商標は、本件商標の登録出願の時及び登録査定時において、申立人の業務に係る商品(万年筆、ボールペン)を表示するものとして、我が国の需要者の間に広く認識されていることがうかがえる。
しかしながら、一般に「万年筆、ボールペン」は、被服、靴等と関連性の程度が高い商品とはいえないものであり、また、引用商標が、第25類「医師又は看護師が着用する白衣,ナースシューズ」を始め、本件商標の指定商品の分野の需要者に広く認識されていることをうかがい得る事情は見いだせない。
そうすると、たとえ、引用商標が本件商標の登録出願日(平成31年4月17日)ないし登録査定日(令和2年3月17日)において、申立人の業務に係る商品「万年筆、ボールペン」を表示するものとして我が国の需要者の間に広く認識されているとしても、本件商標の指定商品の需要者に広く認識されているものと認めることはできない。
(2)商標法第4条第1項第15号の該当性について
前記(1)によれば、引用商標は、「万年筆、ボールペン」において、需要者の間に広く認識されていることがうかがえるものの、本件商標の指定商品「医師又は看護師が着用する白衣,ナースシューズ」等と「万年筆、ボールペン」の関連性の程度が高いとはいえないものであり、また、引用商標が、本件商標の指定商品の需要者に広く知られていることをうかがい得る実情を見いだせない。
さらに、「MONTBLANC」文字は、「(アルプスの山の名称又はケーキの一種としての)モンブラン」等を意味する我が国で親しまれた成語であり、その独創性は高いものとはいえない。
してみれば、本件商標は、その構成中に「MONTBLANC」の文字を含んでいるものの、商標権者がこれをその指定商品について使用しても、取引者、需要者をして引用商標を連想又は想起させることはなく、その商品が他人(申立人)あるいは同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのように、その商品の出所について混同を生ずるおそれはないものというべきである。
その他、本件商標が出所の混同を生じさせるおそれがあるというべき事情は見いだせない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものといえない。
(3)むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第15号に違反してされたものとはいえず、他に同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
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