sokuhyo

Trademark Appeal Case

商標使用の同一性判断

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2020−300357(T2020−300357/J2)
審判種別取消
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第2406613号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成からなり、平成元年11月29日に登録出願、第17類「被服、その他本類に属する商品」を指定商品として、平成4年4月30日に設定登録されたものである。

その後、平成14年4月23日に存続期間の更新登録、及び同年9月11日に第5類「失禁用おしめ」、第9類「事故防護用手袋,防じんマスク,防毒マスク,溶接マスク,防火被服」、第10類「医療用手袋」、第16類「紙製幼児用おしめ」、第17類「絶縁手袋」、第20類「クッション,座布団,まくら,マットレス」、第21類「家事用手袋」、第22類「衣服綿,ハンモック,布団袋,布団綿」、第24類「布製身の回り品,かや,敷布,布団,布団カバー,布団側,まくらカバー,毛布」及び第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽,和服,エプロン,えり巻き,靴下,ゲートル,毛皮製ストール,ショール,スカーフ,足袋,足袋カバー,手袋,布製幼児用おしめ,ネクタイ,ネッカチーフ,バンダナ,保温用サポーター,マフラー,耳覆い,ずきん,すげがさ,ナイトキャップ,ヘルメット,帽子」を指定商品とする指定商品の書換登録がなされ、さらに同23年11月22日にその存続期間の更新登録がされたものである。

そして、本件審判の請求の登録日は、令和2年6月12日であり、以下、本件審判の登録前3年以内の期間を「要証期間」という。

第2 請求人の主張

請求人は、商標法第50条第1項の規定により、本件商標の指定商品中、第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類」についての登録を取り消す、審判費用は、被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を要旨「本件商標は、その指定商品中、第25類『洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類』(以下「本件取消商品」という。)について継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから、その登録は商標法第50条第1項の規定により取消されるべきものである。」旨主張し、証拠方法として、甲第1号証を提出した。

なお、請求人は、被請求人の答弁に対し、何ら弁駁していない。

第3 被請求人の答弁

被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第8号証(枝番号を含む。)を提出した。

1 本件商標の使用の事実

(1)本件商標は乙第1号証に記載されているように、英文字を横一連に「SINGER」と書したものであり、その字体は特殊なものではなく、一般的な書体である。そして、平成14年9月11日の書換登録の結果、一部の指定商品に「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類」を含んでいるものである。

(2)乙第2号証の1ないし乙第2号証の5は被請求人の現実の販売商品に係る商品を示したものであり、係る商品は第25類の「コート」に相当する。

(3)乙第3号証は乙第2号の1ないし乙第2号証の4の包装形態の表面側に添付された印刷物であり、包装に係る商品を説明するためのものである。

2 使用商標の態様

(1)乙第2号証の2、同号証の4及び乙第3号証において、その中央部に横一連に「SINGER DISPO OVERCOAT」という商標が使用されている。

(2)ここで、「DISPO」は「disposable」の略語として少なくとも現在では広く使用されているものであり、「使い捨て」という意味合いがあり、「OVERCOAT」は商品の普通名称である。

(3)そうすると、乙第2号証の2、同号証の4及び乙第3号証における「SINGER DISPO OVERCOAT」の部分は、本件商標「SINGER」と、用途と商品の普通名称からなる「DISPO OVERCOAT」からなるものである。

(4)本件商標と乙第2号証の2、同号証の4及び乙第3号証に記載された「SINGER」は、別の書体で記載されているが、書体のみに変更を加えた同一の文字からなる商標に該当し、乙2号証の2、同号証の4及び乙3に示された商標の使用態様は本件商標の使用に相当する。

3 本件商標の使用の時期

(1)乙第4号証は2020年4月1日に、また、乙第5号証は同年5月1日にそれぞれ発行された本件商標が使用された商品の納付した事実を示す納品書である。

(2)納品書中にはJANコードが示されており、乙第2号証(枝番号を含む。)及び乙第3号証に示されたJANコードと一致している。

(3)よって、乙第4号証及び乙第5号証によって、本件商標の本件取消商品「コート」について少なくとも本件審判請求日より前であって、本件審判請求の前3年以内に使用した事実を示している。

4 小括

乙第2号の2、同号証の4、乙第3号証ないし乙第5号証によって、本件商標「SINGER」が本件商標の商標権者である被請求人によって本件取消商品「コート」について過去3年内に使用した事実を立証した。

第4 当審の判断

1 被請求人提出の証拠の内容

(1)乙第2号証の1ないし乙第2号証の4は、ビニールの袋に包装された商品(以下「使用商品」という。)の写真である。使用商品の包装には、中央に「SINGER DISPO OVERCOAT」の文字からなる商標(以下「使用商標」という。)が記載され、下部に「宇都宮製作株式会社」の文字及びJANコードとして「4976366002773」の数字が記載されている。

(2)乙第2号証の5は、使用商品を包装から取り出して広げた写真であり、半透明の長袖のコートが写っている。

(3)乙第4号証は、2020年(令和2年)4月1日付けで宇都宮製作株式会社が株式会社アテクト宛てに発行した納品書であり、これには商品名の欄に「ウツノミヤディスポオーバーコート」の文字及びJANコードの欄に「4976366002773」の数字の記載がある。

(4)乙第5号証は、2020年(令和2年)5月1日付けで宇都宮製作株式会社が折武株式会社宛てに発行した納品書であり、これには商品名の欄に「ウツノミヤディスポオーバーコート」の文字及びJANコードの欄に「4976366002773」の数字の記載がある。

2 被請求人提出の証拠によれば、以下の事実が認められる。

(1)本件商標に係る商標権者(以下、単に「商標権者」という。)は、使用商品を製造又は販売している(乙第2号証の1ないし乙第2号証の4)。

(2)使用商品は、半透明の長袖のオーバーコートである(乙第2号証の1ないし乙第2号証の5)。

(3)使用商品の包装には、使用商標が表示されている(乙第2号証の1ないし乙第2号証の4)。

(4)商標権者は、令和2年4月1日に株式会社アテクトに、同年5月1日に折武株式会社に対し、使用商品を納品した(乙第4号証及び乙第5号証)。

3 判断

(1)使用商標

本件商標は、別掲のとおりの構成からなるところ、ややデザイン化されているものの「SINGER」の文字を表したと容易に理解されるものである。

これに対して、使用商標は、上記1(1)のとおり、「SINGER DISPO OVERCOAT」の文字からなる。

そして、使用商標の構成中「DISPO」の文字は、被請求人の主張によれば、「使い捨て」という意味の「disposable」の略語として一般に使用されているものであり、また、その構成中「OVERCOAT」は商品の普通名称を表すものである。

そうすると、使用商標は、その構成中「DISPO OVERCOAT」の文字部分は、出所識別標識としての称呼、観念を生じないものといえ、そのため、その構成中「SINGER」の文字部分が出所識別標識としての要部ということができる。

してみると、本件商標と使用商標の要部とは、書体のみに変更を加えた同一の文字からなるものである。

したがって、使用商標は、本件商標と社会通念上同一と認められる商標ということができる。

(2)使用商品

使用商品は、上記2(2)のとおり、「オーバーコート」であるから、本件取消商品中「コート」の範ちゅうに含まれる商品である。

そして、上記2(3)のとおり、使用商品の包装には、使用商標が表示されているのだから、使用商品の包装には、使用商標が付されていたということができる。

(3)使用時期

上記2(4)のとおり、商標権者は、令和2年4月1日に株式会社アテクトに、同年5月1日に折武株式会社に対し、使用商品を納品したのだから、商標権者は、令和2年4月1日及び同年5月1日に株式会社アテクト又は折武株式会社に対し、使用商品を譲渡したということができる。

そして、令和2年4月1日及び同年5月1日は、いずれも要証期間内である。

(4)小括

以上によれば、商標権者は、要証期間内に、本件商標と社会通念上同一と認められる使用商標を本件取消商品中「コート」の範ちゅうに含まれる使用商品の包装に付して譲渡したと認めることができる。上記の行為は、商標法第2条第3項第2号にいう「商品の包装に標章を付したものを譲渡する行為」に該当する。

4 むすび

以上のとおり、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において商標権者がその請求に係る指定商品について、本件商標と社会通念上同一と認められる商標の使用をしたことを証明したということができる。

したがって、本件商標の登録は、その請求に係る指定商品について、商標法第50条の規定により取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

Next Action

次の一手につながるサービス

類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。

次の一歩へ

商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。