Trademark Appeal Case
簡単標章の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2020−3710(T2020−3710/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、別掲1のとおりの構成からなり、第9類、第35類、第38類、第41類及び第42類に属する願書記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、平成30年8月29日に登録出願され、その後、指定商品及び指定役務については、原審における令和元年8月2日受付の手続補正書により、最終的に、別掲2のとおりに補正されたものである。
2 原査定の拒絶の理由の要点
本願商標は、輪郭として一般的に用いられる正方形中にローマ字の「Z」を記してなるものであるから、極めて簡単で、かつ、ありふれた標章のみからなる商標と認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第5号に該当する。
3 当審における証拠調べ通知
当審において、本願商標が商標法第3条第1項第5号に該当するか否かについて、職権により証拠調べをした結果、別掲3に示す事実を発見したので、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき、その結果を請求人に対し令和2年9月3日付け証拠調べ通知書をもって通知し、意見を求めた。
4 職権証拠調べ通知に対する請求人の意見
請求人は、上記3の通知に対して、何ら意見を述べていない。
5 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第5号に係る判示について
商標法第3条第1項第5号は、「極めて簡単で、かつ、ありふれた標章のみからなる商標」は、一般的に使用されるものであり、多くの場合自他商品識別力を欠き、商標としての機能を果たし得ないものである上、通常、特定人による独占的使用を認めるのに適しないことから、商標登録を受けることができない旨規定している(知財高裁平成23年(行ケ)第10359号同24年10月25日判決参照)。
(2)本願商標の商標法第3条第1項第5号該当性について
本願商標は、別掲1のとおり、正方形内の中央に、「Z」の欧文字1字を表してなるところ、当該正方形及び欧文字「Z」は、やや太い線で表されているものの、格別特徴のあるものではなく、また、特別の図形的な特徴を連想するものとはいえないものであって、欧文字1字は、一般的に商品の規格、種別等を表す記号・符号として、普通に採択使用されている実情にあるといえる。
また、正方形の形状は、輪郭図形として普通に採択されている、極めて簡単、かつ、ありふれた形状であり、一般には標章の輪郭又は枠を表すためのものとして、普通に採択使用されている実情にあるといえる。
さらに、別掲3の証拠調べ通知書において示したとおり、四角形状の図形内に欧文字1字を用いた標章を、商品及び役務に関する記号・符合等として用いることが、一般的に行われている。
そして、本願商標は、その構成において、上記のような商品及び役務の記号・符号として一般的に用いられるものと比べて、特段の差異があるとは認められない。
そうすると、本願商標は、取引者、需要者をして、ありふれた正方形内に、商品及び役務の記号・符号として一般的に用いられる欧文字1字の「Z」を表したものであると認識させるにとどまるものであるから、極めて簡単で、かつ、ありふれた標章のみからなる商標であるといわざるを得ない。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第5号に該当する。
(3)請求人の主張について
ア 請求人は、本願商標は、欧文字の「Z」とその外側に配された正方形の輪郭線が、いずれもやや太く、かつ、ほぼ同一の太さで表されているため、外側に配された正方形は単なる輪郭というよりも、本願商標の構成におけるデザインの一部として把握され、単に欧文字の「Z」を正方形の輪郭で囲ったものではなく、欧文字の「Z」とこれを囲む正方形とが不可分のものとして一体感のある個性的なデザイン性のある商標として把握・認識されるものというべきである旨主張する。
しかしながら、本願商標を構成する正方形及び欧文字「Z」は、やや太い線で表されているものの、格別特徴のあるものではなく、また、特別の図形的な特徴を連想するものとはいえず、本願指定商品及び指定役務の分野において一般的に用いられている四角形状の図形内に欧文字1字を用いた記号・符合等と比べて、特段の差異があるとは認められないことは、上記(2)のとおりであるから、本願商標が個性的なデザイン性のある商標ということはできない。
イ 請求人は、本願商標と同様に、四角や円状の図形内に欧文字1字を配した構成からなる商標の過去の登録例を挙げて、本願商標が登録されるべき旨主張する。
しかしながら、請求人が挙げる登録例は、色彩の用いられ方、図形や文字の配置角度、書体等、本願商標とは具体的な構成が異なり、その指定商品及び指定役務も異なるものである上、登録出願に係る商標が商標法第3条第1項第5号に該当するか否かは、当該商標登録出願の査定時又は審決時において、これに接する取引者、需要者の認識を基準として判断されるべきであり、当該商標の構成態様に基づいて、個別具体的に判断されるものであって、他の登録例の存在によって、上記判断が左右されるものではない。
ウ したがって、請求人の主張は、いずれも採用できない。
(4)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第5号に該当するから、これを登録することはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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