結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2018−300510(T2018−300510/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第4809973号商標(以下「本件商標」という。)は、「RIDGE」の欧文字からなり、平成16年3月12日に登録出願、第18類「かばん金具,がま口口金,皮革製包装用容器,愛玩動物用被服類,かばん類,袋物,携帯用化粧道具入れ,傘,ステッキ,つえ,つえ金具,つえの柄,乗馬用具,皮革」を指定商品として、同年10月15日に設定登録され、その後、同26年4月30日に商標権の存続期間の更新登録がなされたものである。
なお、本件審判の請求の登録(予告登録)は、平成30年7月19日であり、本件審判の請求の登録前3年以内の期間を以下「要証期間」という。
請求人は、商標法第50条第1項の規定により、本件商標の指定商品中、第18類「かばん類,袋物」(以下「請求に係る商品」という。)についての登録を取り消す、審判費用は、被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を要旨次のように述べた。
本件商標は、その指定商品中、請求に係る商品について、継続して3年以上日本国内において使用した事実が存しないから、その登録は商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。
(1)本件商標の「リュックサック」(かばん類)についての使用事実について
被請求人は、本件商標を「リュックサック」に使用している証拠として、自社製品のカタログを提出している(乙3及び乙4)。いずれのカタログにも本件商標と社会通念上同一の商標「ridge」が商品の内容とともに記載されており、乙3には「2016 equipment collection」、乙4には、「karrimor 2017 Spring/Summer」と記載されているが、実際に当該カタログが頒布、展示、提供された証拠は何ら示されていない。
また、乙5も同様に「ridge」が付されたリュックサックの写真が掲載されており、表紙には「2016 Spring&Summer」と記載されているが、上記同様、実際に頒布等された証拠は示されていない。
商標法第2条第3項第8号では、「商品若しくは役務に関する広告、価格表若しくは取引書類に標章を付して展示し、若しくは頒布し、又はこれらを内容とする情報に標章を付して電磁的方法により提供する行為」が商標の使用の一定義として規定されている。
よって、乙3ないし乙5のいずれの証拠も本件商標が付された商品や「2016」「2017」等の年号が掲載されてはいるものの、当該証拠を実際に頒布等している証拠とはならないため、本件商標の使用証拠とはなり得ない。
また、乙3ないし乙5のカタログの最終ページに被請求人の名称(SBA inc.)と居所が記載されているが、乙2の「変更前の表示」記載の住所と居所は一致していない。よって、実際に当該カタログが被請求人により制作されたものと断言できない。
リュックサックに商標「ridge」を使用している証拠として、ウェブサイトのコピー(乙6及び乙7)を被請求人は提出しているが、2016年又は2016年9月20日時点で当該ウェブサイトを通じて、「ridge」が付された商品を紹介、宣伝していたという主張には疑義が生じる。
乙6の最初のページに「カリマー誕生70周年である2016年」、乙7の最終ページには「2016.09.20」と日付が記載されてはいるが、ウェブサイト上において、このような日付はいくらでも簡単に改変できるものである。よって当該証拠は上記日付、期間において、本件商標が使用された客観的証拠とはなり得ないものである。
被請求人は継続してリュックサックに「ridge」を付して販売していることの証明として請求書の写し(乙8)を提示しているが、乙8には発行者、請求宛名、日付、商標「リッジ」が記載されてはいるが、実際に「株式会社カンパネラ 福井事務所」(以下「株式会社カンパネラ」をカンパネラという。)へ頒布等された証拠は何ら示されていない。
商標法の商標の使用の定義にもあるように、当該取引書類に商標を付したものを頒布、電磁的方法により提供する行為が使用に該当するため、単に請求書に商標を付しただけの証拠資料は、登録商標の使用を立証する証拠に該当しない。
また、被請求人は、要証期間内にリュックサック「ridge」が販売されたことは明らかであると主張しているが、自社製品のカタログ及び請求書が実際に頒布等された証拠がなければ当該主張も正当なものとはいえない。
さらに、請求書の発行者の居所については、乙2の「変更前の表示」に記載の住所とは異なるものであるため、実際に当該請求書が被請求人により発行されたものとも断言できない。
(2)むすび
上記より、被請求人により提出された使用証拠はいずれも、被請求人が本件商標を要証期間内に日本国内で、商品「リュックサック」に使用された事実を立証するものではない。
(1)乙3に関する回答について
被請求人は、乙10を提出することにより、乙3の作成日・作成数を証明しているが、乙10の請求書の発行日は、乙3の作成日を裏付けるものではない。
また、請求書内「品名」欄には、「ワークブック」「印刷55万」と記載されているが、「ワークブック」とは一般に「学習教材」のことを表し、商品紹介のカタログのような意味合いを有するものではない。
さらに被請求人は、当該カタログの単価が785円であると主張しているが、乙10から「一部あたりの単価」「部数」に関する情報は見当たらない。
よって700部製作されたことは単に憶測にすぎず、推認できるものではない。
また、被請求人は乙11及び乙12において、乙3の商品カタログを頒布したことを証明しているが、乙11は単に展示会があったという事実のみを推認できるものである。
さらに、乙12の「展示会受注会ご来場者」一覧は、展示会会場に招待者等が訪れたという事実を推認するにすぎないものであり、乙3を被請求人が頒布した事実を何ら立証できるものではない。
よって、乙11及び乙12は、乙3を頒布したことを証明する資料になり得ない。
したがって、乙3を作成し、それを頒布先で頒布したという立証は失当であるといえる。
(2)乙4に関する回答について
乙13の請求書の発行日は、乙4の作成日を裏付けるものではない。
また、請求書内「品名」欄には、「ワークブック・リーフレット」「印刷65万」と記載されており、被請求人の主張から、「ワークブック」部分が、乙4のカタログであると確認できる。
しかし「ワークブック」は上記のとおり、一般的には「学習教材」のことを表し、商品紹介のカタログたる意味合いを有するものではない。
さらに被請求人はカタログ一部813円であると主張しているが、乙13から「一部あたりの単価」「部数」に関する情報は見当たらない。
よって800部作成されたことは単に憶測にすぎず、推認できるものでもない。
また、被請求人は乙14及び乙15において、乙4の商品カタログを頒布したことを証明しているが、乙14は単に展示受注会があったという事実を推認できるものである。
さらに、乙15の「展示受注会ご来場者」一覧は、展示会会場に招待者等が訪れたという事実を推認するにすぎないものであり、被請求人が乙4を頒布した事実を何ら立証できるものではない。
よって、乙14及び乙15は、乙4を頒布したことを証明する資料になり得ない。
したがって、乙4を作成し、それを頒布先で頒布したという立証は失当であるといえる。
(4)乙5に関する回答について
被請求人は、乙16を提出することにより、乙5の作成日・作成数を証明している。
しかしながら、乙16の請求書の日付は、乙5の作成日を何ら裏付けるものではない。
また、請求書内「作業内容」欄には「2016 Karrimor ブランドブック」、「印刷費(単価)74万」と記載されている。
「ブランドブック」とは一般に「企業ブランドの価値や方向性を社員や従業員に理解させるために作成される会社内部向け冊子」のことを表し、乙5のような、外部に提供する商品紹介のカタログのような意味合いを有するものではない。
さらに被請求人は乙17の電子メールにおいて、印刷費が74万円であったこと、印刷(作成)部数が16,000部であったことを証明している。
しかし、当該メールは2019年4月25日にやりとりされたものであり、請求書発行から3年程度も経過していることや、請求書内にカタログ名であると思われる「2016 Spring&Summer」「Chasing the Light」の記載もないため、実際に当該メールが乙5に関する作成部数・作成費用のことを示しているかどうかに疑義が生じる。
次に被請求人は、乙14及び乙15によって乙5を頒布したことを証明している。
しかしながら、上記に説明したとおり、乙14は単に展示受注会があったという事実のみを推認できるものである。
さらに、乙15の「展示受注会ご来場者」一覧は、展示会会場に招待者等が訪れたという事実を推認するにすぎないものであり、被請求人が乙5のカタログを頒布した事実を何ら立証できるものではない。
したがって、乙5を作成し、それを頒布先で頒布したという立証は失当であるといえる。
(5)その他
被請求人は、回答書において、提出したカタログ、冊子の発注、作成、納品の行為さらに芳名リストが、直接商標の使用を認定するものではないが、頒布の事実を裏付ける補強証拠ということができる旨主張している。
しかし、上記のとおりいずれの提出資料も、頒布との関連性が極めて薄く、頒布の事実の裏付けに到底足りえぬものである。
(6)むすび
上記より、被請求人による、乙3ないし乙5の頒布等に関する立証は、被請求人が本件商標を審判請求登録前3年以内に日本国内で、商品「かばん類、袋物」に使用された事実を立証するものではない。
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し要旨以下のように述べ、証拠方法として答弁書において乙1ないし乙8、回答書において乙9ないし乙18を提出した。
(1)本件商標の使用の事実について
本件商標は、以下に述べるとおり、2018年7月19日に本件審判請求の予告登録がされており(乙1)、その前の3年間、すなわち2015年7月19日ないし2018年7月18日の3年間に、被請求人であるカリマージャパン株式会社(以下「カリマージャパン」という。)によって、その指定商品中、「リュックサック」(かばん類)について使用された事実がある。
(2)本件商標の被請求人であるカリマージャパンについて
被請求人であるカリマージャパンは、旧社名である株式会社エスビーエイ(以下「エスビーエイ」という。) から社名及び住所を変更した(2018年7月24日付の「登録名義人の表示変更登録申請書」乙2)。したがって、カリマージャパン及びエスビーエイは、上記要証期間内における商標権者である。
(3)本件商標の「リュックサック」(かばん類)についての使用事実
ア 製品カタログでの使用
被請求人は、2016年に頒布された製品カタログ「2016 equipment collection」(乙3)のnew modelの紹介でリュックサックに本件商標と社会通念上同一の商標「ridge」を付した製品をタイプ別に紹介している。
本件商標は、大文字の「RIDGE」であるが、大文字から小文字の「ridge」に変更しただけであるから、社会通念上同一の商標の使用にあたる。
次に、2017年に頒布された製品カタログ「karrimor 2017 Spring/Summer」(乙4)においてリュックサックに商標「ridge」を付した製品を色別に紹介している。
また、2016年に頒布した製品カタログ「2016 Spring&Summer Chasing the Light」(乙5)において、リュックサックに商標「ridge」を付した製品の写真を掲載している。
イ 自社ウェブサイトでの使用
被請求人は、「カリマー誕生70周年である2016年」に記載のとおり、2016年に自社のウェブサイトで、新型ridge(リッジ)が登場したしたことの宣伝とともに商品ラインナップとして商標「ridge」が付されたリュックサック「ridge30」、「ridge40」をタイプ別に紹介している。
被請求人がリュックサックに商標「ridge」を付して使用していることの証明として、ウェブサイトのコピー(乙6)を提出する。
また、ウェブサイトの記事「karrimor WONDER LABO vol.7」(2016/09/20)において、karrimorリュックサック不朽の名作として商標「ridge」を付したリュックサック「ridge30」「ridge40」の写真を掲載して宣伝している。
被請求人がリュックサックに商標「ridge」を付して使用していることの証明として、ウェブサイトの写し(乙7)を提出する。
ウ 本件商標の使用の裏付けとなる請求書
被請求人は、継続して販売店に対してリュックサック「ridge」を販売しており、その事実を請求書によって証明する。乙8は、被請求人からカンパネラ(福井事務所)宛の請求書の写しであり、請求書の日付は、2018年1月9日である。
なお、商品の「締切日」は、2017年12月31日であるが、これは12月1日から販売された商品の納品の締切り日を表している。上記期間内に販売された商品代金の請求を2018年1月9日付けで行い、その代金の支払予定日は、2018年1月31日となっており、何れも要証期間内のものである。
また、請求書の2017年12月11日に商品名「リッジ40タイプ3.K.ブルー」(3はローマ数字。以下同じ。)、2017年12月20日に商品名「リッジ30タイプ3インク」、2017年12月21日に商品名「リッジ30タイプ3インク」、2017年12月22日に商品名「リッジ40タイプ1カーキ」と記載されていることから要証期間内にリュックサック「ridge」が販売されたことは明らかである。
したがって、上記の記載によりリュックサック「ridge」が販売されたことが証明されるものである。
エ 結論
以上のとおり、本件審判請求に係る予告登録の2018年7月19日前3年以内に、本件商標と社会通念上同一の商標「ridge」が、商標権者である被請求人によって、その指定商品「かばん類」について使用されたことは明らかである。
被請求人の提出する製品カタログ(乙3ないし乙5)からは、作成日・作成数が不明であり、かつ、これらの頒布先・展示先や頒布数が明らかでないこと、また、乙3ないし乙5に掲載された「SBA inc.」と、要証期間の本件商標の権利者であるエスビーエイとが同一人であることが確認できない旨の審尋に対し、被請求人は以下のとおり回答した。
(1)被請求人(商標権者)は、本件商標の登録後の平成22年4月12日に住所変更したが(乙9)、商標登録原簿の住所変更をしなかったため、乙3ないし乙5の住所との間に不一致が生じたものであり、実際の住所と乙3ないし乙5に記載の住所とは一致する。
(2)乙3の作成日は平成27年6月頃、作成部数は700部、頒布先は「ベルサール九段4F」の展示会、頒布数は121部で、頒布されたのは要証期間内である。乙4の作成日は平成28年6月頃、作成部数は800部、頒布先は「サンシャインシティワールドインポートマートビル4F」の展示会、頒布数は241部で、頒布されたのは要証期間内である。乙5の作成日は平成28年2月頃、作成部数は700部、頒布先は「サンシャインシティワールドインポートマートビル4F」の展示会、頒布数は241部で、頒布されたのは要証期間内である。
そして、上記の行為は、商標法第2条第3項第8号でいう「商品に関する取引書類に標章を付して頒布した行為」に当たるから、被請求人が本件商標を要証期間内に使用したことは明らかである。
(3)乙8は、被請求人がカンパネラへ「ridge」ブランドのリュックサックを販売したことから、その代金の請求書を同社へ送付したものであり、同販売の事実を証明するものである。上記請求書に対し、カンパネラから請求金額が被請求人の銀行口座へ入金された事実を、被請求人の「当座勘定照合表の写し」(乙18)をもって立証する。
このことから、被請求人がカンパネラへ「ridge」ブランドのリュックサックを譲渡したことは明らかであり、この行為は、商標法第2条第3項第2号でいう「商品に標章を付したものを譲渡する行為」に該当する。
(1)平成30年11月28日付けの履歴事項全部証明書(乙9)によれば、エスビーエイは、昭和61年4月3日に設立され、平成29年12月27日に商号をカリマージャパンに変更登記した記載があることからすれば、エスビーエイとカリマージャパンは同一人であり、本件商標の権利者である。
(2)製品カタログ「2016 equipment collection」(乙3)には、表紙上部に「karrimor」の文字が記載され、new modelの紹介頁には、「ridge 30 type 1〜3」及び「ridge 40 type 1〜3」として、「ridge」の文字(以下「使用商標」という。)が付されたリュックサック(以下「使用商品」という。)の写真が価格やサイズ等の記載とともに掲載されており、「ridge 30 type 3」には「Ink」のほか4色、「ridge 40 type 1」には「Khaki」ほか4色、及び「ridge 40 type 3」には「K.Blue」、ほか4色のものがあることが紹介されている。
そして、同カタログの最終頁には、「SBA inc.」及び「aminaka―kudan bldg,1−14−17 kudan―kita,chiyoda−ku,tokyo 102−0073,japan」の記載があるが、同住所は、履歴事項全部証明書(乙9)のエスビーエイ(平成29年12月27日カリマージャパンに商号変更)の住所と一致することから、同カタログはエスビーエイの作成によるものといえる。
(3)製品カタログ「karrimor 2017 Spring/Summer」(乙4)には、表紙上部に「karrimor」の文字が記載され、new modelの紹介頁には、「ridge 30 type 1〜3」及び「ridge 40 type 1〜3」として、使用商標が付された使用商品の写真が価格やサイズ等の記載とともに掲載されている。そして、同カタログの最終頁には、乙3と同一の名称及び住所の記載があることから、同カタログはエスビーエイの作成によるものといえる。
(4)製品カタログ「2016 Spring&Summer Chasing the Light」(乙5)において、「ridge 30 type 3」及び「ridge 40 type 1」として、使用商標が付された使用商品の写真が価格やサイズ等の記載とともに掲載されている。そして、同カタログの最終頁には、乙3と同一の名称及び住所の記載があることから、同カタログはエスビーエイの作成によるものといえる。
(5)エスビーエイからカンパネラ(福井事務所)宛ての請求書(乙8)には、日付「30/01/09」、締切日「29/12/31」、お支払予定日「30/01/31」及び今回請求額の記載があり、また、月日「12/11」には、伝票番号「251914」に商品名「リッジ 40タイプ3 K.ブルー、」、数量「1.0個」及び金額、月日「12/20」には、伝票番号「252281」に商品名「リッジ 30タイプ3 インク」、数量「1.0個」及び金額、月日「12/21」には、伝票番号「252464」に商品名「リッジ 30タイプ3 インク」、数量「1.0個」及び金額、月日「12/22」には、伝票番号「252482」に商品名「リッジ 40タイプ1 カーキ」、数量「2.0個」及び金額の記載がある。
(6)カリマージャパン宛ての当座勘定照合表(自30年1月5日 至30年2月1日 乙18)には、日付「30.01.31」に入金額(乙8の請求金額と同額)、摘要「振込 カ)カンパネラ」の記載がある。
(1)上記1によれば、商標権者であるエスビーエイは、2016年(平成28年)及び2017年(平成29年)の製品カタログにおいて、使用商標を付した使用商品(「ridge30及び40」)の写真を掲載したことが認められる。また、カタログに記載されている使用商品の表示及び色と請求書(乙8)の商品名欄の記載内容が一致し、同請求書に記載の金額及び支払い予定日と当座勘定照合表(乙18)の金額及び日付が一致することからすれば、エスビーエイは、カンパネラに対して平成29年12月に使用商標を表示した使用商品を5個販売したものと推認できる。
(2)使用商標について
本件商標は上記第1のとおり「RIDGE」の欧文字からなるところ、使用商標は、「ridge」の欧文字からなるものであり、これらは大文字か小文字かという差異があるものの、その綴り字を全て同じくするものであって、同一の称呼(「リッジ」)を生じ、観念においても異なるものではないことからすれば、使用商標は、本件商標と社会通念上同一の商標と認められる。
(3)使用商品について
使用商品は、「リュックサック」であり、本件審判の請求に係る指定商品中の「かばん類」の範ちゅうに含まれる商品である。
(4)使用者及び使用時期について
商標権者であるエスビーエイが使用商品をカンパネラに譲渡したのは、平成29年12月であるから、要証期間に譲渡したことが認められる。
なお、請求人は、被請求人からカンパネラ福井事務所あての請求書(乙8)は実際に頒布等された証拠は何ら示されていないこと、また、請求書発行者の居所については、乙2の「変更前の表示」に記載の住所とは異なるものであるため、実際に請求書が被請求人により発行されたものとはいえない旨主張するが、上記請求書と当座勘定照合表(乙18)の金額及び日付が一致することから、使用商品が上記(1)のとおり譲渡されたものとみるのが相当であり、また、請求書の住所も履歴全部事項によれば、エスビーエイの新住所であるから、請求書は同人の作成によるものと認められるものである。
したがって、請求人の上記主張は、採用することができない。
(5)小括
以上によれば、商標権者は、要証期間内において、その請求に係る指定商品「かばん類」の範ちゅうに含まれる商品「リュックサック」について、本件商標と社会通念上同一の商標を付したものを譲渡した(商標法第2条第3項第2号)と認めることができる。
以上のとおり、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者がその請求に係る指定商品について、本件商標と社会通念上同一と認められる商標の使用をしていたことを証明したということができる。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、取り消すことができない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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