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Trademark Appeal Case

商標の称呼・外観類似

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2020−685002(T2020−685002/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

国際登録第1428573号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

第1 本件商標

本件国際登録第1428573号商標(以下「本件商標」という。)は、「FLUTTER」の欧文字を横書きしてなり、2018年(平成30年)2月27日にUnited States of Americaにおいてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し、同年8月23日に国際商標登録出願、第9類「Software development kits(SDK),namely computer hardware and software for software development,as kits.」を指定商品として、2020年(令和2年)1月10日に登録査定され、同年2月21日に設定登録されたものである。

第2 引用商標

登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、本件登録異議の申立ての理由において、引用する国際登録第1381955号商標(以下「引用商標」という。)は、「Flattr」の欧文字を横書きしてなり、2017年(平成29年)4月4日にGermanyにおいてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し、同年9月5日に国際商標登録出願、第9類「Computer software.」及び第36類並びに第42類に属する国際商標登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定商品及び指定役務として、2019年(平成31年)3月15日に設定登録されたものであり、現に有効に存続しているものである。

第3 登録異議の申立ての理由

1 登録異議の申立ての理由

申立人は、本件商標は商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから、商標法第43条の2第1号によって取り消されるべきものであるとして、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第13号証を提出した。

2 申立ての根拠

本件商標と引用商標は「フラッター」の称呼を共通にし、また外観において近似するものであるから、本件商標と引用商標は類似の商標である。

(1)本件商標と引用商標の指定商品の類否

本件商標の指定商品である第9類「Software development kits(SOK),namely computer hardware and software for software development,as kits.」は、引用商標の指定商品である第9類「Computer software.」と同一又は類似の商品である。

(2)本件商標と引用商標の称呼の特定及び類否

本件商標は、「(旗・翼などが)はためく、ひらひら震える」などを意味する英単語「FLUTTER」からなり(甲3)、英単語の読みにならい本件商標からは「フラッター」の称呼が生じる。実際に、本件商標は「フラッター」なる称呼で使用されており、指定商品を扱う業界内でも、かかる称呼で認識されている。このことは、一般的なインターネット百科事典である「Wikipedia」の記載(甲4)や、「FLUTTER」の解説書(甲5)やFLUTTERの紹介記事(甲6〜甲8)等からも見て取ることができる。

一方、引用商標は、「Flattr」の欧文字からなるところ、当該文字は、辞書類に載録された既成語とは認められないものであるから、特定の意味合いを想起させるものではなく、一種の造語として理解されるものである。

そして、特定の意味を有しない欧文字は一般に、我が国において親しまれた英語読み又はローマ字読みにならって称呼されることから、引用商標からは、「Flattr」の欧文字部分に相応して、「フラッター」の称呼を生じるというのが相当である。

また、引用商標の指定商品を扱う業界内でも、商標権者以外の者が、引用商標を「フラッター」の称呼で認識している事実がある(甲9〜甲11)。

よって、本件商標及び引用商標からは、共通の称呼「フラッター」を生じ、両商標は、称呼上、相紛れるおそれのある類似の商標である。

(3)本件商標と引用商標の観念上の類否

本件商標「FLUTTER」は、英和辞典に掲載されているものの我が国において一般に馴染みのある語とはいえないことから、この文字に接する取引者、需要者が、直ちに特定の意味合いを理解するとはいい難い。

そうすると、本件商標は、特定の観念を認識させない一種の造語といえるものであって、「FLUTTER」の文字からは、特定の観念は生じないものである。

一方、引用商標「Flattr」は辞書等に掲載された語ではなく、一種の造語として理解・認識されるものであるため、特定の観念を生じない。

よって、本件商標と引用商標はいずれも特定の観念を生じず、観念上比較することはできない。

(4)本件商標と引用商標の外観上の類否

本件商標「FLUTTER」と引用商標「Flattr」の外観を比較すると、いずれも欧文字で、一般的な書体を横書きにしてなる。

そして、本件商標と引用商標は、構成文字において、最も取引者及び需要者の目をひく語頭2文字「FL(Fl)」に加え、中間の「TT(tt)」及び語尾の「R(r)」も共通にする。

そのため、本件商標と引用商標は、構成文字において第3文字目の「U」と「a」の差異、及び第6文字目の「E」の有無という差異を有するとしても、それらの差異は両商標の共通部分に埋没し、両商標は外観上非常に近似した印象を与える。

以上より、本件商標「FLUTTER」と引用商標「Flattr」は、類似するとまではいえないものの、外観上の印象が非常に近似し、見誤るおそれがある商標である。

(5)結語

以上のとおり、本件商標と引用商標は、称呼が同一であり、観念において比較することはできないものの、外観において非常に近似するものであるから、相紛れるおそれのある類似の商標というべきである。

そして、本件商標は、引用商標よりも後に出願・登録されたものであり、かつ、その指定商品は互いに類似するものである。

したがって、本件商標は引用商標に類似するから、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであって、その登録を取り消されるべきである。

なお、本件商標がロシアで出願された際、引用商標と類似することを理由に本件商標は拒絶されており(甲12及び甲13)、また、申立人は、中国・欧州・イギリスでも本件商標に対して異議申立を行っている。

第4 当審の判断

1 商標法第4条第1項第11号該当性について

(1)本件商標について

本件商標は、「FLUTTER」の欧文字を横書きしてなるところ、その構成文字に照応して、「フラッター」の称呼を生じるものであり、「(旗・翼などが)はためく、ひらひら震える」(甲3)の意味を有する語であるものの、該語は、我が国の指定商品の需要者に親しまれた平易な英語ではないことから、本件商標は、我が国の指定商品の需要者が、直ちに特定の意味合いを認識するとはいい難く、特定の観念を生じない一体不可分の造語を表したものとして認識、把握されるとみるのが相当である。

したがって、本件商標は、「フラッター」の称呼を生じ、特定の観念は生じないものである。

(2)引用商標について

引用商標は、「Flattr」の欧文字を横書きしてなる商標であるところ、該文字は、辞書類に載録された既成語とは認められないものであるから、特定の意味合いを想起させるものではなく、一種の造語として理解されるものである。

そして、特定の意味を有しない欧文字は一般に、我が国において親しまれた英語読み又はローマ字読みにならって称呼されることから、その文字部分に相応して、引用商標は、「フラットティーアール」の称呼を生じるものであって、特定の観念は生じない。

したがって、引用商標は、構成文字に照応して、「フラットティーアール」の称呼を生じ、特定の観念は生じないものである。

(3)本件商標と引用商標との類否について

本件商標と引用商標とを比較すると、外観において、それぞれ上記第1及び第2のとおりの構成からなるものであって、本件商標は、「FLUTTER」と大文字にて全7文字からなるものであるところ、引用商標は、「Flattr」と全6文字からなり、第1文字のみ大文字で、第2文字から第6文字は小文字からなるものであるところ、これらは、語頭の「FL」又は「Fl」の文字、中間の「TT」又は「tt」の文字や末尾の「R」又は「r」の文字部分においてつづりを共通にするものの、全体の外観においては、全体の文字数や、文字の大小、本件商標の構成中「U」及び「E」の文字と、引用商標の構成中「a」の文字に差異を有するものであり、それぞれの構成態様において明らかに相違するものであるから、視覚的な印象が相違し、外観上、両者は相紛れるおそれのないものである。

次に、称呼においては、本件商標から生じる「フラッター」の称呼と、引用商標から生じる「フラットティーアール」の称呼とを比較すると、両称呼は、後半の「ター」又は「トティーアール」の音に差異を有することから、両称呼をそれぞれ一連に称呼するときは、全体の語調、語感が異なり、相紛れるおそれのないものである。

また、観念においては、本件商標と引用商標とは、いずれも特定の観念を生じないものであるから、比較できないものである。

そうすると、本件商標と引用商標とは、観念において比較できないものであるとしても、外観及び称呼において相紛れるおそれのないものであるから、これらが需要者に与える印象、記憶、連想等を総合してみれば、両者は、非類似の商標というのが相当である。

(4)本件商標の指定商品と引用商標の指定商品との類否

本件商標の指定商品と、引用商標の指定商品は同一又は類似する商品である。

(5)小括

以上によれば、本件商標の指定商品が、引用商標の指定商品と同一又は類似するとしても、本件商標と引用商標は非類似の商標であるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。

2 まとめ

以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものとはいえず、他に同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきである。

よって、結論のとおり決定する。

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