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Trademark Appeal Case

コーチ型マネジメントの識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2019−12025(T2019−12025/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

第1 本願商標

本願商標は、「コーチ型マネジメント」の文字を標準文字で表してなるものであり、第16類「書籍,雑誌,ニューズレター,パンフレット,印刷物,ハンドブック,テキスト,テスト用紙,文房具類,紙類」、第41類「コーチング,コーチングの性質を帯びた教育の提供,コーチングの性質を有する訓練の提供,トレーニングの提供およびトレーニングに関する知識の教授,インターネットを利用した知識の教授,通信教育による知識の教授,人材の育成に関する知識の教授,技芸・スポーツ又は知識の教授,セミナーの企画・運営又は開催,電子出版物の提供,オンラインによる電子出版物の提供(ダウンロードできないものに限る。),オンラインによる映像の提供(ダウンロードできないものに限る。),オンラインで提供される電子書籍及び電子定期刊行物の制作,図書及び記録の供覧,書籍の制作,教育・文化・娯楽・スポーツ用ビデオの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く。),図書の貸与,録画済みビデオテープの貸与,学力試験・資格適性試験・性格判断試験の実施及びそれらに関する情報の提供,コミュニケーションスキルに関する資格の認定,コミュニケーションスキルに関する能力の検定及び認定,コミュニケーションスキルに関する能力検定試験の実施」及び第42類「機械・装置若しくは器具(これらの部品を含む。)又はこれらの機械等により構成される設備の設計,電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,電子計算機の貸与,電子計算機用プログラムの提供,オンラインによるアプリケーションソフトウェアの提供(SaaS),コンピュータソフトウェアの貸与」を指定商品及び指定役務として、平成29年11月10日に登録出願されたものである。

第2 原査定の拒絶の理由の要点

本願商標は、「コーチ型マネジメント」の文字を普通に用いられる方法(標準文字)で書してなるところ、当該文字は、部下の自主性を促す人材育成手法の一つを表す語として知られ、また、これを内容とする研修やセミナーが開催されている実情も認められるものであるから、本願商標をその指定商品「書籍,パンフレット,印刷物,ハンドブック,テキスト,テスト用紙」に使用するときは、その商品が「部下の自主性を促す人材育成手法(コーチ型マネジメント)」について書かれたものであることを需要者が認識するにとどまるものというのが相当である。また、本願商標をその指定役務「コーチング,コーチングの性質を帯びた教育の提供,コーチングの性質を有する訓練の提供,トレーニングの提供およびトレーニングに関する知識の教授,インターネットを利用した知識の教授,通信教育による知識の教授,人材の育成に関する知識の教授,技芸・スポーツ又は知識の教授,セミナーの企画・運営又は開催,電子出版物の提供,オンラインによる電子出版物の提供(ダウンロードできないものに限る。),オンラインによる映像の提供(ダウンロードできないものに限る。),オンラインで提供される電子書籍及び電子定期刊行物の制作,図書及び記録の供覧,書籍の制作,教育・文化・娯楽・スポーツ用ビデオの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く。),図書の貸与,録画済みビデオテープの貸与,学力試験・資格適性試験・性格判断試験の実施及びそれらに関する情報の提供,コミュニケーションスキルに関する資格の認定,コミュニケーションスキルに関する能力の検定及び認定,コミュニケーションスキルに関する能力検定試験の実施,電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,電子計算機用プログラムの提供,オンラインによるアプリケーションソフトウェアの提供(SaaS),コンピュータソフトウェアの貸与」に使用するときは、その役務が「部下の自主性を促す人材育成手法(コーチ型マネジメント)」を内容とするものであることを需要者が認識するにとどまるものというのが相当であるから、本願商標は、商品の品質、役務の質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなるものである。

したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。

また、本願商標を、「部下の自主性を促す人材育成手法(コーチ型マネジメント)」について書かれた商品以外の上記指定商品、又は「部下の自主性を促す人材育成手法(コーチ型マネジメント)」を内容とする役務以外の上記指定役務に使用するときは、商品の品質、役務の質の誤認を生じさせるおそれがある。

したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第16号に該当する。

第3 当審における審尋及び請求人の回答

本願商標の商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性について、職権に基づく証拠調べを実施し、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき、請求人に対し、令和2年6月12日付け審尋で、その結果を通知するとともに、下記第4と同旨の暫定的見解について通知したところ、上記審尋(証拠調べ結果を含む。)に対し、請求人より、新型コロナウイルスの影響で証拠収集のための関係者との連絡に時間を要していることを理由とした、回答書の提出期限の延長の旨の上申書が同年7月21日付けで提出されたため、回答書の提出期限を審尋発送の日から70日としたが、その後、請求人からは、何ら回答(応答)がなかった。

第4 当審の判断

1 商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性

(1)本願商標について

本願商標は、「コーチ型マネジメント」の文字を標準文字で表してなり、指定商品及び指定役務を上記第1のとおりとするものである。

(2)本願商標の指定商品及び指定役務を取り扱う業界における取引の実情

ア 職権による調査によれば、研修や人材育成に関する業界においては、別掲(1)ないし(13)のとおり、新聞記事及びインターネット上のウェブサイトにおいて、「コーチ型マネジメント」の語が記載されていることが認められる。そして、これらの記載からすると、「コーチ型マネジメント」の語は、「マネジメントにコーチングの手法を活用すること」を表す語として使用され、かつ、取引者、需要者に認識されているというのが相当である。

イ また、例えば、別掲(1)、(2)、(4)ないし(7)、(9)、(10)、(12)及び(13)のとおり、研修やセミナーにおける講義内容として「コーチ型マネジメント」が挙げられていることが認められる。

さらに、研修や人材育成に関する業界においては、講義内容に関するテキスト、問題集及びDVD等が制作・販売されている実情があること、講義内容に関する各種の検定試験を行っている実情があること、及び講義内容をオンラインで提供する実情があることは、経験則上明らかであるといえる。

(3)小括

ア 以上からすれば、「コーチ型マネジメント」の文字からなる本願商標を、その指定商品中、「書籍,パンフレット,印刷物,ハンドブック,テキスト,テスト用紙」に使用するときは、その商品が「マネジメントにコーチングの手法を活用すること」について書かれたものであることを取引者、需要者が認識するにとどまるものというのが相当である。

また、本願商標をその指定役務中、「コーチング,コーチングの性質を帯びた教育の提供,コーチングの性質を有する訓練の提供,トレーニングの提供およびトレーニングに関する知識の教授,インターネットを利用した知識の教授,通信教育による知識の教授,人材の育成に関する知識の教授,技芸・スポーツ又は知識の教授,セミナーの企画・運営又は開催,電子出版物の提供,オンラインによる電子出版物の提供(ダウンロードできないものに限る。),オンラインによる映像の提供(ダウンロードできないものに限る。),オンラインで提供される電子書籍及び電子定期刊行物の制作,図書及び記録の供覧,書籍の制作,教育・文化・娯楽・スポーツ用ビデオの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く。),図書の貸与,録画済みビデオテープの貸与,学力試験・資格適性試験・性格判断試験の実施及びそれらに関する情報の提供,コミュニケーションスキルに関する資格の認定,コミュニケーションスキルに関する能力の検定及び認定,コミュニケーションスキルに関する能力検定試験の実施」に使用するときは、その役務が「マネジメントにコーチングの手法を活用すること」を内容とするものであることを取引者、需要者が認識するにとどまるものというのが相当である。

してみれば、本願商標は、商品の品質、役務の質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなるものというのが相当である。

したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。

イ また、本願商標を、「マネジメントにコーチングの手法を活用すること」について書かれた商品以外の上記指定商品、又は「マネジメントにコーチングの手法を活用すること」を内容とする役務以外の上記指定役務に使用するときは、商品の品質、役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるというのが相当である。

よって、本願商標は、商標法第4条第1項第16号に該当する。

2 請求人の主張について

(1)請求人は、本願商標が、請求人により採択された、広辞苑に掲載されていない造語であり、出願・登録例も本願商標のみであって、Google検索しても請求人のページがトップにランキングされることから、生来的に出所識別力を有するものであって、その意味合いは未だ漠然と認識されるにとどまるものであり、具体的意味合いを需要者に容易に認識させるにまでは至っていない語である旨、及び「部下の自主性を促す人材育成手法」の記述語として「リーダー開発」、「リーダーシップ開発」という言葉が一般的に使用されている旨主張する。

しかしながら、本願商標である「コーチ型マネジメント」の語は、研修や人材育成に関する業界においては、「マネジメントにコーチングの手法を活用すること」を表す語として使用され、かつ、取引者、需要者に認識されているというのが相当であるし、また、研修やセミナーにおける講義内容として「コーチ型マネジメント」が挙げられていることが認められることからすると、本願商標に接する、上記1(3)に記載の本願の指定商品及び指定役務の取引者、需要者は、上記1(3)のとおりの意味合いを容易に認識するものというのが相当である。したがって、本願商標は、「部下の自主性を促す人材育成手法」の記述語として「リーダー開発」や「リーダーシップ開発」という言葉が使用されているか否かに関わらず、商品の品質、役務の質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなるものというのが相当である。

また、本願商標が広辞苑に掲載されておらず、出願例が本願商標のみであり、また、Google検索において出願人のページがトップにランキングされていたとしても、これらのことのみによって、上記1(3)の認定判断が左右されるものではない。

(2)請求人は、「コーチ型」又は「コーチング型」の文字を含む商標の過去の登録例が存在する旨主張するが、請求人の挙げる登録例等は、本願商標とは、構成文字や構成態様が異なるものであって、かつ、具体的事案の判断においては、過去の登録例等に拘束されることなく、当該商標登録出願の査定時又は審決時において、当該商標の構成態様と取引の実情に応じて個別的に判断されるべきであるから、これらの事例の存在によって、上記1の認定判断が左右されるものではない。

(3)請求人は、過去の判決例を挙げ、本願商標については、本来識別力があるにもかかわらず拒絶され、その後第三者が登録することがないように、識別性について慎重に判断することが必要である旨主張するが、本願商標が商品の品質、役務の質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなるものであることは、上記1(3)のとおりであるから、請求人の上記主張は当を得ていないものである。

(4)よって、請求人の主張は、いずれも採用できない。

3 まとめ

以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び第4条第1項第16号に該当するものであるから、これを登録することはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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