Trademark Appeal Case
品質表示と識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2020−5203(T2020−5203/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標について
本願商標は,「ムズムズ」の文字を標準文字で表してなり,第5類に属する願書に記載のとおりの商品を指定商品として,平成30年8月3日に登録出願,その後,本願の指定商品については,原審における令和元年8月29日付けの手続補正書をもって,別掲1のとおりの商品に補正されたものである。
2 原査定における拒絶の理由(要点)
原査定は,「本願商標は,『ムズムズ』の文字を標準文字で表してなるところ,その指定商品中『薬剤(農薬に当たるものを除く。)』を取り扱う分野においては,むずむずとかゆい感じがする症状について効果のある商品が取り扱われている実情がある。そうすると,本願商標をその指定商品中『皮膚などがかゆい感じがする症状について効果のある薬剤(農薬に当たるものを除く。)』について使用したときは,これに接する取引者,需要者は,どのような症状について効果のある商品であるかを理解するにとどまるというのが相当であり,本願商標は商品の品質を表示するものである。したがって,本願商標は,商標法第3条第1項第3号に該当し,前記商品以外の『薬剤(農薬に当たるものを除く。)』に使用するときは,商品の品質の誤認を生じるおそれがあるため,同法第4条第1項第16号に該当する」旨認定,判断し,本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
(1)本願商標について
本願商標は,「ムズムズ」の文字を標準文字で表してなるところ,その文字は,「皮膚や粘膜の上を小さな虫がはい回るような,かゆい感じがするさま。」の意味を有する(株式会社岩波書店 広辞苑第六版)語である。
そして,原審において示した別掲2の例に加え,別掲3に示す例からも,本願商標の指定商品中「薬剤(農薬に当たるものを除く。)」を取り扱う分野において,「ムズムズ(むずむず)」の語が,「皮膚などがかゆい感じがするさま」程の意味合いで身体の症状を表す語として広く使用され,かつ,そのような症状に対して効果がある商品(薬剤)が販売されている実情が認められる。
そうすると,本願商標に接する取引者,需要者は,「ムズムズ」の文字が有する意味及び上記の取引の実情から,「(皮膚などが)かゆい感じがするさま(症状)」の意味合いを容易に理解するというべきであるから,本願商標をその指定商品中「薬剤(農薬に当たるものを除く。)」に使用しても,「(皮膚などが)かゆい感じがする症状に効果のある薬剤(農薬に当たるものを除く。)」であること,すなわち,商品の品質(効能又は用途)を表示したものとして理解し,認識するにとどまると判断するのが相当である。
したがって,本願商標は,商品の品質(効能又は用途)を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなるものであって,自他商品を識別する機能を果たし得ないものであるから,商標法第3条第1項第3号に該当する。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は,「ムズムズ」の語が多義語であり,「歯痒かったり気持ちがはやったりして落ち着かないさま」の意味合いを表すものと広く使用されているものであることから,本願商標に接する取引者,需要者をして,単に「皮膚や粘膜の上を小さな虫がはい回るような,かゆい感じがするさま」を想起するにすぎないものではない,旨主張する。
しかしながら,上記(1)のとおり,本願商標は,その指定商品中「薬剤(農薬に当たるものを除く。)」との関係において,これに接する取引者,需要者に「(皮膚などが)かゆい感じがする症状に効果のある商品」であることを理解,認識させるというべきであるから,「ムズムズ」の語が多義語だとしても,そのことは,本願商標の商標法第3条第1項第3号該当性の判断を左右するものではない。
したがって,請求人の主張は採用できない。
イ 請求人は,過去の登録例を挙げて,本願商標も同様に取り扱われるべきである旨主張している。
しかしながら,挙げられた登録例は,本願商標とは,構成文字の違いなど,その構成及び態様等が異なり,事案を異にするものであり,かつ,具体的事案の判断においては,過去の審決例や登録例に拘束されることなく判断されるべきであるから,これらの事例の存在が上記の判断を左右するものではない。
したがって,請求人の主張は採用できない。
(3)まとめ
以上のとおり,本願商標は,商標法第3条第1項第3号に該当するものであるから,登録することができない。
よって,結論のとおり審決する。
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