Trademark Appeal Case
「cooling」の品質表示性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2020−6693(T2020−6693/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「cooling」の文字を標準文字で表してなり、第3類、第16類、第21類及び第31類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、平成29年12月20日に登録出願されたものである。
その後、原審における平成30年11月6日付けの手続補正書及び当審における令和2年7月29日付けの手続補正書により、その指定商品は、最終的に、第3類「動物用防臭剤,つけづめ,つけまつ毛,化粧用コットン,化粧用のパッド状コットン,化粧用脱脂綿」、第16類「乳幼児のおしりふき用ウェットティッシュペーパー,介護用のおしりふき用ウェットティッシュペーパー,介護用のからだ清拭用紙製ウェットタオル,女性用の外陰部清拭用ウェットティッシュペーパー,ペットのからだ清拭用ウェットティッシュペーパー,紙製包装用容器,紙製ごみ収集用袋,プラスチック製ごみ収集用袋,キッチンペーパー」、第21類「清掃用具,愛玩動物用食器,愛玩動物用ブラシ,愛玩動物用ケージ,愛玩動物用トイレシート,愛玩動物用トイレ,愛玩動物用トイレ砂,愛玩動物用の糞尿処理砂,愛玩動物の糞尿処理用シート,化粧用パフ,寝室用簡易便器」、第24類「紙製又は不織布製ふきん(紙製品として用いるもの。)」及び第31類「飼料,ペットフード,おやつ用キャットフード,おやつ用ドッグフード」と補正された。
2 原査定の拒絶の理由(要旨)
(1)商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性
本願商標は、「cooling」の文字を標準文字で表してなるところ、当該文字は「冷却する、冷却(用)の」の意味を有する。
そして、本願商標の指定商品を取り扱う業界において、清涼感を与える商品や冷たい使用感の商品が製造、販売されており、そのような商品であることを表すものとして、「Cooling」又はそれに通ずる「クーリング」の文字が使用されている実情がある。
そうすると、本願商標は、その指定商品に使用しても、これに接する需要者は、「清涼感を与える商品、冷たい使用感の商品、冷却用の商品」程の意味合いを表したものと認識するにすぎず、商品の品質を表示したものと理解するにとどまる。
したがって、本願商標は、その指定商品中「清涼感を与える商品、冷たい使用感の商品、冷却用の商品」に使用するときは、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。
(2)商標法第6条第1項及び同条第2項該当性
本願の指定商品は、その内容及び範囲を明確に把握できないから、政令で定める商品及び役務の区分に従ってその商品を指定したものと認めることができない。
したがって、本願は、商標法第6条第1項及び同条第2項の要件を具備しない。
3 当審における職権証拠調べ通知
当審において、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べを実施した結果、別掲に掲げる事実を発見したので、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第1項の規定に基づき、その結果を請求人に通知し(令和2年9月30日付け証拠調べ通知書)、意見を求めた。
4 職権証拠調べに対する請求人の意見
(1)別掲の事例(マッサージ用オイル、化粧用ジェル、入浴剤、マスク、マスク用冷感スプレー、衣料用冷感スプレー、捻挫・打撲用冷却スプレー、スポーツ用冷感タオル、ウェットティッシュ、汗拭き用シート、犬用マット)は、本願商標の指定商品とは無関係であるから、これら事例をもって本願商標の自他商品識別力を判断すべきではない。
(2)むしろ、別掲の事例には本願商標の指定商品と関連するものがないことに鑑みると、本願商標は識別力を発揮し得る状況にあると解すべきで、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当しない。
5 当審の判断
(1)商標法第6条第1項及び同条第2項
本願の指定商品は、上記1のとおり、当審において補正された結果、その内容及び範囲を明確に把握でき、政令で定める商品及び役務の区分に従うものになったと認められる。
したがって、本願の指定商品は、商標法第6条第1項及び同条第2項の要件を具備する。
(2)商標法第3条第1項第3号
ア 本願商標は、「cooling」の欧文字を標準文字で表してなるところ、当該文字は「冷却(の)」(「リーダーズ英和辞典」研究社)の意味を有する英語である。
イ そして、「cooling」(クーリング)の語は、別掲のとおり、冷却する機能や効果(冷涼感を与えるものを含む。)と関連して商品の包装や広告に表示されているほか、例えば「クーリングバランシングオイル」、「クーリングジェル」(COOLING GEL)、「クーリングマスク」(COOLING MASK)、「衣料用クーリングミスト」(FABRIC COOLING MIST)、「クーリングスプレー」(COOLING SPRAY)、「クーリングタオル」(COOLING TOWEL)、「クーリングワイプス」(Cooling Wipes)、「クーリングマット」(Cooling Mat)、クーリング座布団(COOLING CUSHION)などの態様で、我が国における幅広い商品分野の取引において、広く一般的に採択、使用されている。
ウ そうすると、本願商標は、その指定商品に係る需要者及び取引者をして、冷却する機能又は効果(冷涼感を与えるものを含む。)を有する商品であることを認識、理解させるにすぎない。
したがって、本願商標は、商品の品質(機能)又は効能を普通に用いられる方法で表示する商標であるから、商標法第3条第1項第3号に該当する。
(3)請求人の主張に対し
請求人は、本願商標の指定商品には、「冷たい。清涼感を与える。冷却用。」を機能や用途とする商品は含まれておらず、また、当該機能や用途を目的とする商品が一般に製造、販売されている取引の実情もないから、その商品分野において一般的に「冷たい。清涼感を与える。冷却用。」を観念できないため、需要者もそのような意味合いを認識するものとはいえない旨、さらに、別掲の事例も、本願商標の指定商品とは無関係であるから、本願商標の識別性の有無の判断にあたって考慮すべきではない旨を主張する。
しかしながら、本願商標は、上記(2)ア及びイのとおり、「冷却(の)」の意味を有する英語であって、冷却する機能や効果(冷涼感を与えるものを含む。)と関連して、我が国おける幅広い商品分野の取引において広く一般的に採択、使用されているから、その指定商品に係る一般の需要者の間においても、冷却する機能又は効果(冷涼感を与えるものを含む。)などを有することを示す表示であると認識、理解されるというのが自然であるから、その主張は採択できない。
(4)まとめ
以上のとおり、本願商標は、その指定商品について商標法第6条第1項及び同条第2項の要件を具備するが、商標法第3条第1項第3号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
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