Trademark Appeal Case
結合商標の類似性判断
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2018−900351(T2018−900351/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第6077937号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲に示すとおりの構成からなり、平成28年10月12日に登録出願、第35類「電気通信機械器具及びその部品並びに附属品・電子応用機械器具及びその部品並びに附属品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,携帯電話機用ケース,カバーその他の携帯電話機用の部品及び付属品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,スマートフォン用ケース,カバーその他のスマートフォン用の部品及び付属品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,タブレット型電子情報端末装置用ケース,カバーその他のタブレット型電子情報端末装置用の部品及び付属品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,家庭用テレビゲーム機用プログラム・携帯用液晶画面ゲーム機用のプログラムを記憶させた電子回路及びCD−ROM・業務用テレビゲーム機用プログラム・携帯電話機・スマートフォン・携帯情報端末の液晶画面保護フィルムの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,コンピュータモニター液晶ディスプレイの液晶画面保護フィルムの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,携帯電話機・スマートフォン・携帯情報端末用充電器・携帯用デジタルオーディオプレーヤー用充電器の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,充電器の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を指定役務として、同30年7月31日に登録審決、同年9月7日に設定登録されたものである。
2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、登録異議の申立ての理由において引用する登録第5907263号商標(以下「引用商標」という。)は、「PGA」の欧文字を標準文字で表してなり、平成28年4月5日に登録出願、第9類「測定機械器具,配電用又は制御用の機械器具,USB接続方式の充電器,充電器,眼鏡,ゴルフ用サングラス,電子応用機械器具及びその部品,USBアダプター,家庭用テレビゲーム機用プログラム,携帯用液晶画面ゲーム機用のプログラムを記憶させた電子回路及びCD−ROM,録画済みビデオディスク及びビデオテープ」を指定商品として、同年12月22日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
3 登録異議の申立ての理由の要旨
申立人は、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから、同法第43条の2第1号により、その登録は取り消されるべきものである旨申し立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第3号証(枝番号を含む。)を提出した。
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標構成中の「PGA」の文字部分と引用商標からは、「ピージーエー」の称呼を生じ、外観においても、両者は、欧文字「PGA」を共通にするものであるから、本件商標と引用商標とは、外観及び称呼において類似する。
また、本件商標の指定役務と引用商標の指定商品も互いに類似するものである。
よって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)申立ての一部取下げ
申立人は、平成31年2月13日付けの「一部請求取下書」をもって、上記商標登録異議の申立てに係る指定役務中、第35類「携帯電話機用ケース、カバーその他の携帯電話機用の部品及び付属品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」の役務に対する申立てを取り下げた。
4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 本件商標
本件商標は、別掲のとおり、中央に、大きく赤色で表されデザイン化された「P」の文字の右下部に、デザイン化された「G」の文字の左上部円弧を接し、当該デザイン化された「G」の文字の横線とデザイン化された「A」の文字の横線が接続され、その構成全体がまとまりのある一体のモノグラム状に組み合わされた特異性のある図形商標(以下「モノグラム商標」という。)を配し、モノグラム商標の左側に、太字の「(株)」の文字が、デザイン化された「P」の文字に接するように配置され、また、モノグラム商標の右側に、それぞれの語頭の「P」、「G」及び「A」の文字を赤色で表した「PERFECT」、「GEAR」及び「AGENCY」の欧文字を三段に配した(以下「欧文字部分」という。)構成からなるものである。
そして、上記構成からすれば、本件商標は、その構成中の左側の「(株)」の文字及びモノグラム商標と右側の欧文字部分とは、視覚上、明確に分離して看取されるものであり、本件商標の構成全体が常に一体不可分のものとして認識されるとはいえず、「(株)」の文字は、「株主が組織する有限責任会社」(「広辞苑」第六版)の意味を有する「株式会社」の略称であり、法人の組織形態を表したものにすぎず、自他役務の識別標識としては機能しないものであるから、これよりは、出所識別標識としての称呼及び観念は生じないものである。
そうすると、本件商標においては、その構成中のモノグラム商標部分及び欧文字部分が、独立して自他役務の識別標識としての機能を果たし得るものである。
そして、モノグラム商標は、直ちに欧文字の「PGA」を想起するというよりは、むしろ、一種の図形又はモノグラムとして理解、認識されるものであって、その外観の特徴をもって、取引者、需要者に認識され、取引に供されるものというのが相当である。
さらに、当該モノグラム商標は、我が国において特定の意味をもって親しまれているものではないから、これよりは、特定の観念を生じないものである。
また、本件商標の欧文字部分を構成する「PERFECT」、「GEAR」及び「AGENCY」の文字が、それぞれ、「完全な」、「道具」及び「取扱店」(いずれも「ランダムハウス英和大辞典」第2版)等の意味を有する英語であるとしても、構成文字全体としては、特定の意味合いをもって親しまれているというような事情は見いだせないから、これよりは、特定の観念を生じないものである。
してみれば、本件商標は、その構成中の欧文字部分に相応して、「パーフェクトギアエージェンシー」の称呼を生じるものの、特定の観念は生じないものである。
イ 引用商標
引用商標は、「PGA」の欧文字を標準文字で表してなるところ、当該文字が「プロゴルフ協会」(「略語大辞典」第2版)等の意味を有する「Professional Golfer’s Association」の略語であるとしても、引用商標の指定商品との関係からすれば、特定の意味合いを有する語として知られているとは認められないものであるから、一種の造語として理解されるとみるのが相当であり、特定の観念を生じないものである。
してみれば、引用商標は、その構成文字に相応して「ピージーエー」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
ウ 本件商標と引用商標との類否
本件商標と引用商標の類否を検討すると、外観においては、両商標は、上記1及び2のとおりの構成からなるところ、その全体の構成態様において相違し、本件商標の要部の一であるモノグラム商標と引用商標との比較においても、両者の構成態様が大きく相違し、その印象が異なり、顕著な差異を有するものであるから、両商標は、外観上、明確に区別し得るものである。
次に、称呼においては、本件商標から生じる「パーフェクトギアエージェンシー」の称呼と引用商標から生じる「ピージーエー」の称呼とは、明らかに異なるものであるから、称呼において相紛れるおそれはない。
また、両商標は、いずれも特定の観念を生じないものであるから、観念において、比較することはできない。
そうすると、本件商標と引用商標は、観念において比較することができないとしても、外観及び称呼において、明らかに異なるものであるから、外観、称呼及び観念を総合して考察すると、両商標は、商品・役務の出所の混同を生ずるおそれのない非類似の商標というのが相当である。
なお、仮に、モノグラム商標が「PGA」の欧文字を想起させ、これより「ピージーエー」の称呼が生じ、引用商標と称呼を共通にする場合があるとしても、両者は、観念において比較することができず、外観において明確に区別できるものであり、前述のとおり、その外観における差異が顕著であることから、称呼の共通性が外観における差異を凌駕するものとはいい難く、外観、称呼及び観念を総合して考察すると、結局、両商標は、商品・役務の出所の混同を生ずるおそれのない非類似の商標というのが相当である。
その他に、本件商標と引用商標が類似するというべき事情は見いだせない。
エ 小括
以上のとおり、本件商標は、引用商標とは非類似の商標であるから、本件商標の指定役務が、引用商標の指定商品と類似のものであるとしても、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(2)まとめ
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に該当するものではなく、同条第1項の規定に違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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