結論テキスト
審判費用は,被請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2019−300827(T2019−300827/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本件登録第4314015号商標(以下「本件商標」という。)は,別掲のとおりの構成よりなり,平成7年1月5日に登録出願,第9類「電子計算機(中央処理装置及び電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープその他の周辺機器を含む),その他の電子応用機械器具及びその部品,電気通信機械器具,理化学機械器具,測定機械器具,配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機,電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,写真機械器具,映画機械器具,光学機械器具,眼鏡,加工ガラス(建築用のものを除く。),救命用具,レコード,メトロノーム,オゾン発生器,電解槽,ロケット,遊園地用機械器具,電気アイロン,電気式ヘアカーラー,電気式ワックス磨き機,電気掃除機,電気ブザー,乗物の故障の警告用の三角標識,発光式又は機械式の道路標識,鉄道用信号機,火災報知機,盗難警報器,事故防護用手袋,消火器,消火栓,消火ホース用ノズル,消防艇,消防車,自動車用シガーライター,保安用ヘルメット,防火被服,防じんマスク,防毒マスク,溶接マスク,磁心,抵抗線,電極,映写フィルム,スライドフィルム,スライドフィルム用マウント,録画済みビデオディスク及びビデオテープ,ガソリンステーション用装置,自動販売機,駐車場用硬貨作動式ゲート,金銭登録機,硬貨の計数用又は選別用の機械,作業記録機,写真複写機,手動計算機,製図用又は図案用の機械器具,タイムスタンプ,タイムレコーダー,電気計算機,パンチカードシステム機械,票数計算機,ビリングマシン,郵便切手のはり付けチェック装置,計算尺,ウエイトベルト,ウエットスーツ,浮き袋,エアタンク,水泳用浮き板,レギュレーター,潜水用機械器具,アーク溶接機,金属溶断機,電気溶接装置,犬笛,家庭用テレビゲームおもちゃ,検卵器,電動式扉自動開閉装置,動力付床洗浄機,乗物運転技能訓練用シミュレーター,運動技能訓練用シミュレーター」を指定商品として,同11年9月10日に設定登録がされ,現に有効に存続しているものである。
そして,本件審判の請求の登録日は,令和元年11月15日である。
なお,本件審判において,商標法第50条第2項に規定する「その審判の請求の登録前3年以内」とは,平成28年(2016年)11月15日ないし令和元年(2019年)11月14日である(以下「要証期間」という場合がある。)。
請求人は,結論同旨の審決を求め,その理由及び答弁に対する弁駁を要旨以下のように述べ,証拠方法として,甲第1号証及び甲第2号証を提出した。
本件商標は,その指定商品の全てについて,継続して3年以上日本国内において商標権者,専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから,その登録は商標法第50条第1項の規定により取消されるべきものである。
(1)乙第2号証の1
乙第2号証の1は,本件商標と社会通念上同一の商標といえる商標がプリント回路基板に使用されているが,この写真には日付がなく,要証期間内に撮られたものかどうかが不明である。
乙第2号証の1に記載の製品番号とおぼしき番号(HK08CD940303)が他の証拠で出されている取引伝票に認めることができず,使用の証拠としている伝票の該当製品番号(HE06J03026C,8534001000)と合致しないため,乙第2号証の1のプリント回路基板が要証期間内に日本に輸入されたものとはいえない。
(2)乙第2号証の2
乙第2号証の2に記載の製品番号とおぼしき番号(HE10NK200IN)が他の証拠で出されている取引伝票に認めることができず,使用の証拠としている伝票の該当製品番号(HE06J03026C,8534001000)と合致しないため,乙第2号証の2の荷物が要証期間内に日本に輸入されたものとはいえない。
(3)乙第2号証の1及び乙第2号証の2で示されている商品(プリント回路基板)が,乙第6号証の製品番号「8534001000」にかかる商品であることを示す書類はない。
被請求人は,本件審判の請求は成り立たない。審判費用は請求人の負担とする。との審決を求め,答弁において,その理由を以下のように述べ,証拠方法として,乙第1号証ないし乙第6号証(枝番号を含む。)を提出した。
本件商標権者の子会社であり通常使用権者である珠海方正科技高密▲でん▼子有限公司(ZHUHAI FOUNDER TECHNOLOGY HIGH DENSITY ELECTRONIC CO.,LTD.:以下「珠海方正科技高密」という。)は,本件商標をプリント回路基板に,本件商標権者の子会社であり通常使用権者である珠海方正印刷▲でん▼路板友展有限公司(ZHUHAI FOUNDER PRINTED CIRCUIT BOARD DEVELOPMENT LIMITED:以下「珠海方正印刷」という。)は,本件商標をプリント回路基板の包装に使用している(乙2)。
そして,本件商標が付されたプリント回路基板は日本へ輸出されている。
(1)商標権者,専用使用権者又は通常使用権者による使用
本件商標を使用している珠海方正科技高密及び珠海方正印刷は,本件商標権者である被請求人の子会社であり,本件商標権者の通常使用権者として商標を使用している。
(2)本件商標の使用であること
通常使用権者である珠海方正科技高密(審決注:珠海方正印刷と思われる。)が,プリント回路基板の包装に使用している商標は,本件商標と同一の商標である。一方,通常使用権者である珠海方正印刷(審決注:珠海方正科技高密と思われる。)が,プリント回路基板に使用している商標は,本件商標とは,本件商標のうち略菱形の図形の位置が異なるものの,略菱形の図形及び漢字「方正」と欧文字「FOUNDER」を二段併記で表示した構成態様からなる商標であり,本件商標と社会通念上同一の商標である。
(3)審判の請求に係る指定商品のいずれかについて使用していること
プリント回路基板は,本件審判請求に係る第9類「その他の電子応用機械器具及びその部品」に含まれるものである。
(4)商標としての使用であること
プリント回路基板に本件商標を付す行為は,商品に標章を付するものであり,商標法上の使用に該当する(商標法第2条第3項第1号)。
プリント回路基板の包装に本件商標を付す行為は,商品に包装に標章を付するものであり,商標法上の使用に該当する(商標法第2条第3項第1号)。
本件商標が付されたプリント回路基板及びプリント回路基板の包装を日本へ出荷する行為は,商品又は商品の包装に標章を付したものを輸出するものであり,商標法上の使用に該当する(商標法第2条第3項第2号)。
(5)審判の請求の登録前3年以内の使用であること
通常使用権者である珠海方正科技高密は,本件商標を付したプリント回路基板を香港へ出荷している。通常使用権者である珠海方正印刷は,珠海方正科技高密により香港へ出荷されたプリント回路基板を,本件商標を付したプリント回路基板の包装に梱包し日本へ出荷している(乙2)。
通常使用権者である珠海方正科技高密が製造・販売するプリント回路基板には本件商標が付されているところ,日本企業である京セラ株式会社(以下「京セラ」という。)は,通常使用権者である珠海方正科技高密が製造・販売する,本件商標が付されたプリント回路基板につき,商社的機能を有する珠海方正印刷へ受注している(乙3)。
そして,珠海方正科技高密は,この注文を受け,本件商標が付されたプリント回路基板を,珠海方正印刷へ出荷している(乙4,乙5)。
なお,プリント回路基板を製造・販売する珠海方正科技高密,経由先の香港において珠海方正科技高密が出荷した商品を取り扱う珠海方正印刷,商品を発注する京セラとの間では,同一の商品につき,取引に介在する企業が独自の品番を付与するため,異なる製品番号が付されている。一方,これらの異なる製品番号が同一の商品を指すものであることは,京セラからの2019年9月20日付の注文書(乙3),珠海方正科技高密の2019年11月18日付の梱包リスト(乙4)及び珠海方正科技高密による中国から,珠海方正印刷への香港への2019年11月18日付の商品の出荷伝票(乙5)の数量が一致することからも明らかである。
また,上記と製品番号を同一とする「8534001000」のプリント回路基盤について,珠海方正印刷(香港)を経由し,珠海方正科技高密から日本へ出荷されている(乙6)。
以上より,本件商標は,商標権者,専用使用権者又は通常使用権者により,本件審判請求に係る指定商品「その他の電子応用機械器具及びその部品」に含まれる「プリント回路基板」について,日本国内において,本件審判の予告登録日前3年以内に使用されていたものである。
当審において,被請求人に対し,令和2年8月19日付け審尋により,合議体の暫定的見解を示した上で,これに対する意見を求めたが,被請求人は,何ら意見を述べていない。
また,被請求人は,請求人の弁駁に対し,何ら答弁していない。
(1)被請求人提出の乙各号証によれば,以下のとおりである。
ア 乙第2号証の1は,被請求人が,プリント回路基板(以下「使用商品」という。)であると主張する写真であり,略菱形の図形の左下に「方正/FOUNDER」の文字の記載があり,さらに,その下に「HK08CD9403D3」の記載がある。
イ 乙第2号証の2は,上部に「珠海方正印刷▲でん▼路板友展有限公司」の記載があり,その下に「Material No:EPPH0011000G」,「Part NO:VP8810」,「FOUNDER NO:HE10NK2001N」の文字,「DATE:2018―03―16」の記載があり,その右側には略菱形の図形の右下に「方正/FOUNDER」(以下「使用商標」という。)の記載がある。
ウ 乙第3号証は,京セラが発行した注文書であり,日付は「2019/9/20」の記載がある。送り先は,京セラの横浜事業所であり,宛先は,珠海方正印刷であり,発注番号,品目1,京セラ商品コード,京セラロット番号,数量及び単位等が記載されている。
エ 乙第4号証は,珠海方正科技高密の輸出品梱包リストであり,荷受人は珠海方正印刷である。日付は「2019−11−18」の記載がある。
そして,その下に,「製品名,サイズ」の欄に「プリント回路基板」,「6レイヤー」等の記載がある。
オ 乙第5号証は,出荷伝票(輸出品中国税関申告書)であり,申告日が2019年(令和元年)11月18日である。当該伝票は,珠海方正科技高密から珠海方正印刷にプリント回路基板を出荷する出荷伝票である。
カ 乙第6号証は,出荷伝票(輸出品中国税関申告書)であり,申告日が2019年(令和元年)9月13日であり,製品番号は「8534001000」の記載がある。当該伝票は,珠海方正科技高密から珠海方正印刷にプリント回路基板を,原産国「中国」から目的地「日本」に出荷する出荷伝票である。
(2)上記1(1)によれば,以下の事実が認められる。
ア 乙第2号証の1について
被請求人は,本件商標の使用商品(プリント回路基板)の写真(乙2の1)であると主張するところ,当該写真には,撮影日の記載がない。
イ 乙第2号証の2について
乙第2号証の2には,珠海方正印刷の記載があり,使用商標が記載され,日付は要証期間のものであるが,商品名又は製品名の記載がない。
ウ 注文書(乙3)は,京セラが発行した注文書であり,輸出品梱包リスト(乙4)及び出荷伝票(乙5)は,要証期間外のものである。
エ 出荷伝票(乙6)の日付は,要証期間であり,使用商品であるプリント回路基板を中国から日本に輸出するための出荷伝票である。
(1)乙第2号証の1について
上記1(2)アのとおり,当該写真の撮影日が不明であり,使用商品が要証期間に存在した事実を確認できない。
(2)乙第2号証の2について
乙第2号証の2には,珠海方正印刷の記載があり,本件商標と社会通念上同一と認められる使用商標が記載され,日付は要証期間のものであるが,乙第2号証の1に記載された番号と一致する番号の記載がなく,また,他の証拠に記載された製品番号とも一致する番号の記載もない。さらに商品名又は製品名の記載もないから,使用商品に使用されたものであると認めることができない。
(3)注文書(乙3)は,京セラが発行した注文書であるから,本件商標権者が作成した証拠ではない。
また,輸出品梱包リスト(乙4)及び出荷伝票(乙5)は,要証期間外のものであり,要証期間に本件商標の使用を証明する証拠にはなり得ない。
(4)出荷伝票(乙6)の日付は,要証期間であり,使用商品であるプリント回路基板を中国から日本に輸出するための出荷伝票であることは分かるが,日本の誰に輸出したか不明である。
(5)被請求人は,珠海方正科技高密及び珠海方正印刷が通常使用権者であると主張するが,これを裏付ける証拠の提出もなく,かつ,被請求人と上記会社とが,何らかの方法により使用の許諾があったと推認し得るに足りる証拠も提出されていない。
(6)まとめ
以上のとおり,被請求人が提出した乙各号証によっては,要証期間に,商標権者,専用使用権者又は通常使用権者が,本件商標を本件審判の請求に係る商品中の「プリント回路基板」について本件商標の使用したことを認めるに足りる事実を見いだせない。
被請求人は,「プリント回路基板を製造・販売する珠海方正科技高密,経由先の香港において珠海方正科技高密が出荷した商品を取り扱う珠海方正印刷,商品を発注する京セラとの間では,同一の商品につき,取引に介在する企業が独自の品番を付与するため,異なる製品番号が付されている。一方,これらの異なる製品番号が同一の商品を指すものであることは,京セラからの2019年9月20日付の注文書(乙3),珠海方正科技高密の2019年11月18日付の梱包リスト(乙4)及び珠海方正印刷による中国から,珠海方正印刷への香港への2019年11月18日付の商品の出荷伝票(乙5)の数量が一致することからも明らかである。」旨を主張している。
しかしながら,被請求人は,両者の間で異なる製品番号を使用することについて主張するのみで,具体的に製品番号が異なることについて証拠を提出して説明をしていない。
また,注文書(乙3),梱包リスト(乙4)及び出荷伝票(乙5)の数量が一致することのみをもって,同じ製品を取り扱っているとは,いい難いものである。
よって,被請求人の主張は,採用することができない。
以上によれば,被請求人は,要証期間において,商標権者,専用使用権者又は通常使用権者のいずれかがその請求に係る指定商品のいずれかについて,本件商標を使用した事実を証明したものとは認められない。
また,被請求人は,本件商標を請求に係る指定商品に使用していなかったことについて,正当な理由があることも明らかにしていない。
したがって,本件商標の登録は,商標法第50条の規定により,取消すべきものである。
よって,結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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