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Trademark Appeal Case

M-shirtの識別力とサイズ表記

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2020−49(T2020−49/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「M−shirt」の文字を標準文字で表してなり、第25類に属する願書記載の商品を指定商品として、平成30年5月23日に登録出願されたものである。

そして、願書記載の指定商品については、原審における令和元年6月10日受付の手続補正書により、第25類「シャツ」と補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点

原査定は、「本願商標は、『M−shirt』の文字を標準文字で表してなるところ、指定商品の分野においては、被服のサイズ表記としてS、M、L等の文字が広く一般に使用されている。そうすると、本願商標をその指定商品『シャツ』に使用しても、これに接する需要者は『Mサイズのシャツ』であることを認識するにとどまることから、本願商標は、単に商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなるものと判断するのが相当である。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審における審尋及び請求人の回答

本願商標の商標法第3条第1項第3号該当性について、職権に基づく証拠調べを実施し、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき、請求人に対し、令和2年10月30日付け審尋で、その結果を通知するとともに、下記4と同旨の暫定的見解について通知したが、請求人からは、何ら回答(応答)がなかった。

4 当審の判断

(1)商標法第3条第1項第3号該当性

本願商標は、上記1のとおり、「M−shirt」の文字を標準文字で表してなり、指定商品は、第25類「シャツ」であるところ、職権による調査によれば、指定商品の分野においては、別掲1(1)のとおり、被服のサイズ表記として「S」、「M」、「L」等の文字が広く一般に使用されている。また、例えば、別掲2(1)ないし(9)のとおり、本願指定商品を取り扱う被服業界においては、インターネット上のウェブサイトにおいて、「S」、「M」又は「L」の文字と「商品名」とを当該順に一連の又は「−」若しくはスペースを介した表記によって、商品のサイズと商品名を表している例が多数存在することが認められる。

これらの事実からすると、本願指定商品を取り扱う被服業界においては、特定のサイズ(S、M又はL)の商品であるという商品の品質を表示するものとして「○商品名」、「○−商品名」又は「○ 商品名」(○は、S、M又はL)といった表示が一般に使用され、かつ、当該業界の取引者、需要者にも認識されているというのが相当である。

さらに、別掲1(2)のとおり、「shirt」の語は、本願の指定商品「シャツ」の英語表記として我が国において一般的に知られた語であり、例えば、別掲3(1)ないし(4)のとおり、本願指定商品を取り扱う被服業界においては、インターネット上のウェブサイトにおいて、商品「シャツ」を表す語として、「shirt」の語が一般的に使用されていることが認められる。

そうすると、「M−shirt」の文字からなる本願商標をその指定商品「シャツ」に使用しても、これに接する需要者は「Mサイズのシャツ」といった商品の品質を表示したものと認識するにとどまることから、本願商標は、単に商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなるものと判断するのが相当である。

したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。

(2)請求人の主張について

請求人は、本願商標は、請求人がデザインした独特な「M」字型の襟の形状を有する「シャツ」に用いるものであり、「M字型の襟のシャツ」の意味合いを持たせようと意図した出願人による造語である旨、及び被服を扱うアパレル業界においては、商品名とサイズ表記を並べて表示する際に「サイズ−商品名」というようにサイズを先に表す文化は皆無であり、商品名が先に表されサイズは後に表されるべきものであるから、「M−shirt」という文字列を見た取引者、需要者が、その構成文字全体から、「Mサイズのシャツ」のような意味合いを直ちに認識させるとはいい難く、指定商品「シャツ」の「サイズ」を示すものとして認識、理解することはあり得ず、特定の意味合いを有しない一種の造語として理解されるものである旨主張する。

しかしながら、「M−shirt」の語がそれ自体としては造語であるとしても、前記(1)のとおり、本願指定商品を取り扱う被服業界においては、「S」、「M」又は「L」の文字と「商品名」とを当該順に一連の又は「−」若しくはスペースを介した表記によって、商品のサイズと商品名を表している例が多数存在することが認められるし、本願商標を構成する各語の語義及び取引の実情からすれば、特定のサイズの商品であるという商品の品質を表示するものとして「○商品名」、「○−商品名」又は「○ 商品名」(○は、S、M又はL)といった表示が一般に使用され、かつ、当該業界の取引者、需要者にも認識されているというのが相当である。そうすると、本願商標に接する需要者は「Mサイズのシャツ」といった商品の品質を表示したものと認識するにとどまるから、本願商標は、単に商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなるものと判断するのが相当であるところ、本願商標について、請求人の意図した意味合いがあったとしても、その存在によって、上記(1)の判断が左右されるものではない。

したがって、請求人の上記主張は採用することができない。

(3)まとめ

以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものであるから、登録することができない。

よって、結論のとおり審決する。

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