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Trademark Appeal Case

「飲むカレー」の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2020−5093(T2020−5093/J1)
審判種別不服
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

原査定を取り消す。
本願商標は,登録すべきものとする。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は,「飲むカレー」の文字を標準文字で表してなり,第29類「食用油脂,乳製品,食肉,卵,食用魚介類(生きているものを除く。),冷凍野菜,冷凍果実,肉製品,加工水産物,加工野菜及び加工果実,油揚げ,凍り豆腐,こんにゃく,豆乳,豆腐,納豆,加工卵,カレー・シチュー又はスープのもと,お茶漬けのり,ふりかけ,なめ物,豆,食用たんぱく」を指定商品として,平成30年11月28日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点

原査定は,「本願商標の構成中の『飲む』の文字は,『口に入れて噛まずに食道の方に送りこむ。喉に流しこむ。特に,酒を飲む。吸い込む。吸う。』の意味を,『カレー』の文字は,『カレー粉を用いてつくった料理。特にカレーライスのソース。』の意味を有する語であるから,商標全体として,『飲むことができるカレー』程の意味合いを容易に理解させるものである。また,食品の分野において,飲むことのできるカレー,飲むことができるように作られたカレーが『飲むカレー』と称されている実情もある。そうすると,本願商標をその指定商品中の第29類『カレー・シチュー又はスープのもと』に使用するときは,これに接する取引者,需要者は,『飲むことができるカレー』を表したものと理解するにとどまり,自他商品の識別標識としては,認識し得ないものである。したがって,本願商標は,商標法第3条第1項第3号に該当し,これを本願の指定商品中の第29類『カレー・シチュー又はスープのもと』との関係において,『カレーのもと』以外の商品に使用するときは,商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるから,同法第4条第1項第16号に該当する。」旨を認定,判断し,本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

本願商標は,「飲むカレー」の文字からなるところ,その構成中,「飲む」の文字は「口に入れてかまずに食道の方に送る。」等の意味を,「カレー」の文字は「黄褐色で粉末状の,辛味の強い混合香辛料。」等の意味(いずれも「広辞苑第7版」株式会社岩波書店発行)を有する語である。

そして,本願商標の構成文字全体からは,原審説示の意味合いを暗示させる場合があるとしても,これが直ちに商品の品質等を具体的かつ直接的に表したものと理解,認識させるとはいい難く,むしろ,特定の意味合いを認識させることのない,一種の造語として認識し,把握されるとみるのが相当である。

また,当審において職権をもって調査するも,本願の指定商品を取り扱う業界において,「飲むカレー」の文字が,商品の具体的な品質等を表示するものとして,取引上普通に使用されている事実は発見できず,さらに,本願商標に接する取引者,需要者が,当該文字を商品の品質等を表示したものと認識するというべき事情も発見できなかった。

そうすると,本願商標は,その指定商品との関係において,商品の品質等を表示するものということはできず,自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものであり,かつ,商品の品質について誤認を生じるおそれもないというべきである。

したがって,本願商標は,商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとはいえないから,これを理由として本願を拒絶した原査定は,取消しを免れない。

その他,本願について拒絶の理由を発見しない。

よって,結論のとおり審決する。

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