Trademark Appeal Case
記述的商標の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2020−9981(T2020−9981/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
第1 本願商標
本願商標は、「プラズマ空清」の文字を標準文字で表してなり、第11類「業務用暖冷房装置,家庭用電熱用品類(美容用又は衛生用のものを除く。)」を指定商品として、平成31年4月3日に登録出願されたものである。
第2 原査定の拒絶の理由(要点)
原査定は、「本願商標は、『プラズマ空清』の文字を標準文字で書してなるところ、その構成中の『プラズマ』の文字は『自由に運動する正・負の荷電粒子が共存して電気的に中性になっている状態。』等の意味を有する語であり、また、『空清』の文字は『空気清浄(機)』の略語として一般に使用されている語と認められるから、本願商標全体として、『プラズマを利用した空気清浄(機)』程の意味合いが認識される。そして、本願の指定商品を取り扱う業界において、プラズマを利用した空気清浄機能を有する商品が開発、製造及び販売されていることを考慮すると、本願商標をその指定商品中の『業務用空気清浄機』、『家庭用電気式空気清浄器』及びその他の空気清浄機能を有する商品に使用しても、これに接する取引者、需要者は、当該商品が『プラズマを利用した商品』又は『プラズマを利用した空気清浄機能を有する商品』であるものと認識するにとどまり、本願商標は、商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標と判断するのが相当である。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
第3 当審における証拠調べ通知及びそれに対する請求人の対応
当審において、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べをした結果、別掲に示すとおりの事実を発見したので、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき、請求人に対して、令和2年11月4日付け証拠調べ通知書によって通知し、期間を指定してこれに対する意見を求めた。
しかしながら、請求人は、上記証拠調べ通知に対し、何ら意見を述べていない。
第4 当審の判断
1 本願商標の商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性について
(1)商標法第3条第1項第3号について
商標法第3条第1項第3号が、「その商品の産地、販売地、品質、原材料、効能、用途、形状(包装の形状を含む。)、生産若しくは使用の方法若しくは時期その他の特徴、数量若しくは価格」を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標について商標登録を受けることができない旨規定しているのは、このような商標は、指定商品との関係で、その商品の産地、販売地、品質、形状その他の特性を表示記述する標章であって、取引に際し必要適切な表示として何人もその使用を欲するものであるから、特定人によるその独占使用を認めるのは公益上適当でないとともに、一般的に使用される標章であって、多くの場合自他商品識別力を欠くものであることによるものと解される。
そうすると、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するというためには、審決の時点において、本願商標が、その指定商品との関係で、その商品の産地、販売地、品質、形状その他の特性を表示記述するものとして取引に際し必要適切な表示であり、本願商標の指定商品の取引者及び需要者によって本願商標がその指定商品に使用された場合に、将来を含め、商品の上記特性を表示したものと一般に認識されるものであれば足りると解される(知財高裁平成27年(行ケ)第10107号、平成27年10月21日判決参照)。
(2)本願商標について
本願商標は、上記第1のとおり、「プラズマ空清」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中「プラズマ」の文字は、別掲1(1)アのとおり、「高度に電離した物質の正イオンと電子とが混在している状態。特に、超高温において電子をはぎ取られた裸の原子核が飛び回っている状態。」の意味を有する語として辞書情報に掲載されている語であって、プラズマの発光を用いた表示装置について「プラズマディスプレー」、プラズマ放電を用いたテレビについて「プラズマテレビ」の用例が辞書情報に掲載されていること(別掲1(1)イ・ウ)、また、大学のウェブサイトにおいても、「我々の生活の中にもプラズマを利用した製品が数多く存在する」と記載されていること(別掲1(2))をも考慮すれば、「プラズマ」の文字は、プラズマを用いた商品であることを表す際に、一般に使用される語であるといえる。
また、その構成中「空清」の文字は、別掲2の使用例からすれば、「空気清浄」又は「空気清浄機」を意味するものとして一般に使用される語であるといえる。
そうすると、本願商標は、プラズマを用いた商品であることを表す「プラズマ」の文字と、「空気清浄」又は「空気清浄機」を意味する語から構成されるものであり、全体として、「プラズマを用いた空気清浄(機)」の意味合いを容易に認識させるものと認められる。
(3)本願の指定商品との関係における「プラズマ空清」又は「プラズマ空気清浄」の文字の使用例について
別掲3によれば、本願の指定商品に関する業界において、「プラズマ空清」又は「プラズマ空気清浄」の文字は、空気清浄機能付きのエアコンについて、例えば、「・・・電気集じん方式を用いた『プラズマ空清』により空気中のウイルスやカビ菌、細菌なども除去する。」(別掲3(1)ア)、「・・・空気清浄機能、除湿機能を強化した。・・・空気中のホコリや花粉、タバコの煙などをプラズマで帯電させて集じんする『大型プラズマ空清ユニット』を搭載・・・」(別掲3(1)イ)、「・・・プラズマ空気清浄機を採用、フィルター式と比べ能力の低下が少ない。一カ月後の集じん能力は約十二倍。」(別掲3(1)ウ)、「かんたん操作ガイド/プラズマ空清/プラズマ空清+換気・・・プラズマ電極部/汚れ粒子を帯電。ニオイ分子はラジカルで分解します。」(別掲3(2)ア)、「電気集じん方式の空気清浄、プラズマ空清・・・『電気集じん方式』とは?プラズマイオンで微粒子をプラスに帯電させ、マイナスの電極板で強力に吸着。フィルター方式より目詰まりしにくく、高い集じん力が持続します。」(別掲3(2)イ)、「ナノ&プラズマ空清(電気集塵)ユニット」(別掲3(2)ウ)、「・・・電気集じん方式(プラズマ方式)高圧放電で空気の汚れを帯電させ、集じん部に引き寄せて吸着」(別掲3(2)オ)のように使用されており、これらの使用例からすれば、「プラズマ空清」又は「プラズマ空気清浄」の文字は、指定商品中の空気清浄機能を有する商品との関係において、「プラズマによる電気集じん方式を用いた空気清浄機能を有する」商品であるという商品の品質その他の特性を表示記述する際に、一般に使用されているものと認められる。
(4)本願商標の商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性について
本願商標は、それを構成する「プラズマ」及び「空清」の各語の意味合い及び使用例並びに本願の指定商品との関係における「プラズマ空清」又は「プラズマ空気清浄」の文字の使用状況を勘案すれば、その指定商品中の「空気清浄機能を有する商品」に使用されたときは、取引者及び需要者によって「プラズマによる電気集じん方式を用いた空気清浄機能を有する」という商品の品質その他の特性を表示記述するものとして認識されるものであって、取引に際し必要適切な表示であるものと認められるから、特定人によるその独占使用を認めるのは公益上適切でないとともに、自他商品の識別力を欠くというべきである。
そして、本願商標は、標準文字で表されているから、普通に用いられる方法で表示する標章のみからなるものであることは明らかである。
したがって、本願商標は、その指定商品中、「空気清浄機能を有する商品」との関係においては、その商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標として、商標法第3条第1項第3号に該当する。
また、本願商標は、その指定商品中、「プラズマによる電気集じん方式を用いた空気清浄機能を有する商品」以外の商品について使用されたときは、これがあたかもプラズマによる電気集じん方式を用いた空気清浄機能を有する商品であるかのごとく、商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるといえるものであるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。
2 請求人の主張について
請求人は、本願商標の構成中の「プラズマ」が幅広い意味を持ち漠然とした観念を与える語であること、及び「空清」の文字を含む商標登録例があることからすれば、本願商標に接する取引者、需要者は、本願商標を、意味を確定しえない一連の造語商標として認識する旨主張する。
しかしながら、たとえ、「プラズマ」の文字が複数の意味合いを有する語であるとしても、本願商標は、それを構成する「プラズマ」及び「空清」の各語の意味合い及び使用例並びに本願の指定商品との関係における「プラズマ空清」又は「プラズマ空気清浄」の文字の使用状況を勘案すれば、その指定商品中の「空気清浄機能を有する商品」に使用されたときは、取引者及び需要者によって「プラズマによる電気集じん方式を用いた空気清浄機能を有する」という商品の品質その他の特性を表示記述するものとして認識されるものであって、取引に際し必要適切な表示であるものと認められるから、特定人によるその独占使用を認めるのは公益上適切でないとともに、自他商品の識別力を欠くというべきであることは、上記1のとおりである。
また、登録出願に係る商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものであるかどうかの判断は、当該商標の構成態様と指定商品とに基づいて、個別具体的に検討、判断されるべきものであって、請求人主張に係る各商標の登録例が存在するからといって、上記1で説示したとおり、本願商標が同法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当することを否定することはできず、また、本願商標についての同法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号の判断が、これらの各商標の登録例によって左右されるものでもない。
したがって、請求人の上記主張は、いずれも採用することができない。
3 まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものであるから、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
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