結論テキスト
本願商標は、登録すべきものとする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 不服2020−15541(T2020−15541/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本願商標は、「御酒印」の文字を標準文字で表してなり、第16類、第35類、第39類及び第43類に属する別掲のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務とし、平成31年2月15日に登録出願された商願2019−25542に係る商標法第10条第1項の規定による商標登録出願として、令和2年4月8日に登録出願されたものである。
そうすると、本願商標を、その指定商品及び指定役務中、例えば「旅行・観光に関する情報の提供,旅行の企画,主催旅行の実施,旅行者の案内,旅行に関する契約(宿泊に関するものを除く。)の代理・媒介又は取次ぎ,旅行に関する相談,観光ツアーの企画及び実施」等に使用したときは、これに接する取引者、需要者に、酒蔵等の訪問の印として押されるスタンプに関する商品又は役務であることを理解させるにすぎず、本願商標は、商品の品質及び役務の質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなるものといわざるを得ない。
また、本願商標は、これを前記文字に照応する商品又は役務、すなわち、酒蔵等の訪問の印として押されるスタンプに関する商品又は役務以外の商品又は役務に使用するときは、商品の品質又は役務の質の誤認を生ずるおそれがあるものといえる。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記文字に照応する商品又は役務以外の商品又は役務に使用するときは、商標法第4条第1項第16号に該当する。
なお、引用商標は、「御守印」の文字を縦書きしてなり、昭和40年12月18日に登録出願、第25類「印章,印章入れ」を指定商品として、同45年3月3日に設定登録され、その後、平成23年1月5日に指定商品を第16類「印章,印章入れ」とする書換登録がされ、現に有効に存続しているものである。
本願商標は、「御酒印」の文字を標準文字で表してなるところ、当該文字は、既成の語として辞書等に載録されておらず、一般に親しまれた語でもないから、直ちに特定の意味合いを認識させるとはいい難い。
そして、原審説示のように、たとえ「御酒印」の文字が、酒蔵等の訪問の印として押されるスタンプ等を表するものとして使用されている例が、一部においてあるとしても、本願商標の指定商品及び指定役務中、「旅行・観光に関する情報の提供,旅行の企画,主催旅行の実施,旅行者の案内,旅行に関する契約(宿泊に関するものを除く。)の代理・媒介又は取次ぎ,旅行に関する相談,観光ツアーの企画及び実施」等との関係においては、商品の品質及び役務の質を直接的に表示したものとして直ちに理解されるとはいい難く、むしろ、特定の意味合いを認識させることのない、一種の造語として認識し、把握されるとみるのが相当である。
また、当審において職権をもって調査するも、本願商標の指定商品及び指定役務中、「旅行・観光に関する情報の提供,旅行の企画,主催旅行の実施,旅行者の案内,旅行に関する契約(宿泊に関するものを除く。)の代理・媒介又は取次ぎ,旅行に関する相談,観光ツアーの企画及び実施」等を取り扱う業界において、「御酒印」の文字が、商品の具体的な品質及び役務の具体的な質等を直接的に表示するものとして一般に使用されている事実は発見できず、さらに、本願商標に接する取引者、需要者が、当該文字を商品の品質及び役務の質等を表示したものと認識するというべき事情も発見できなかった。
そうすると、本願商標は、その指定商品及び指定役務中、「旅行・観光に関する情報の提供,旅行の企画,主催旅行の実施,旅行者の案内,旅行に関する契約(宿泊に関するものを除く。)の代理・媒介又は取次ぎ,旅行に関する相談,観光ツアーの企画及び実施」等との関係において、商品の品質及び役務の質等を表示するものとはいえず、かつ、商品の品質及び役務の質の誤認を生ずるおそれがあるものということもできない。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当しない。
(1)本願商標について
本願商標は、「御酒印」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成文字は、同じ書体、同じ大きさで、等間隔に、まとまりよく表されており、視覚上一体的に看取されるものであるから、本願商標は、外観上、構成文字全体が一連一体のものとして把握、認識されるとみるのが自然である。
そして、本願商標は、その構成文字に相応して、「ゴシュイン」及び「ミキイン」の称呼を生じ、当該構成文字は、既成の語として辞書等に載録されておらず、一般に親しまれた語でもないから、特定の観念は生じないものである。
(2)引用商標について
引用商標は、「御守印」の文字を縦書きしてなるところ、その構成文字は、同じ書体、同じ大きさで、等間隔に、まとまりよく表されており、視覚上一体的に看取されるものであるから、引用商標は、外観上、構成文字全体が一連一体のものとして把握、認識されるとみるのが自然である。
そして、引用商標は、その構成文字に相応して、「ゴシュイン」の称呼を生じ、当該構成文字は、既成の語として辞書等に載録されておらず、一般に親しまれた語でもないから、特定の観念は生じないものである。
(3)本願商標と引用商標との類否について
ア 本願商標と引用商標とを比較すると、これらは、「御」及び「印」の文字が共通するものの、2文字目の「酒」又は「守」の文字に差異を有するところ、前者の「酒」の文字は、「アルコール分を含み、飲むと酔う飲料の総称」(広辞苑 第7版)の意味を有する語で、後者の「守」は「まもること」(前掲書)の意味を有する語であり、それぞれ意味合いが異なり、両者は、共に平易な漢字であって「酒」と「守」との間に旁(つくり)や偏(へん)の共通性もなく、本願商標と引用商標とは、3文字という少ない文字数の構成であることからすると、その差異は大きいものであって、別異の語であるとの印象を与えるものであるから、両者は、視覚的な印象が相違し、両者の外観は、判然と区別し得るものである。
イ 称呼においては、両者は、「ゴシュイン」の称呼を共通にする場合があるとしても、それ以外に本願商標から生じる「ミキイン」の称呼と引用商標から生じる「ゴシュイン」の称呼とは、構成音の明らかな違いにより容易に聴別できるものである。
ウ 観念においては、本願商標と引用商標とは、いずれも特定の観念を生じないものであるから、比較できないものである。
エ そうすると、本願商標と引用商標とは、観念において比較できないものであって、称呼において「ゴシュイン」の称呼を共通にする場合があるとしても、それ以外の称呼は容易に聴別できるものであり、外観においては、その印象が相違し、判然と区別し得るものであるから、両者の外観、称呼、観念等によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、両者は相紛れるおそれのない非類似の商標であるというのが相当である。
(4)本願商標の指定商品及び指定役務と引用商標の指定商品との類否について
本願商標の指定商品及び指定役務中、第16類「ノートブック,印章,印章入れ,その他の文房具類」と、引用商標の指定商品は、同一又は類似の商品である。
(5)小括
以上のとおり、本願商標の指定商品及び指定役務中、第16類「ノートブック,印章,印章入れ,その他の文房具類」が、引用商標の指定商品と同一又は類似であるとしても、本願商標と引用商標は非類似の商標であるから、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号、同法第4条第1項第16号及び同法第4条第1項第11号のいずれにも該当しない。
その他、本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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