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Trademark Appeal Case

技術用語の記述性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2020−900177(T2020−900177/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第6249337号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第6249337商標(以下「本件商標」という。)は、「3D NAND RAM」の文字を標準文字で表してなり、平成31年1月8日に登録出願、別掲に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、令和2年4月14日に登録査定、同年5月1日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由

登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標は商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に違反して登録されたものであるから、その登録は同法第43条の2第1号により、取り消されるべきと申し立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第4号証を提出した。

(1)商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号について

本件商標は、「3D NAND RAM」の文字を標準文字で表してなり、「ランダムアクセスメモリ(RAM)カード」並びにその関連商品及び役務を含む、第9類の商品及び第42類の役務を指定商品及び指定役務として登録されたものである。

本件商標の構成中の「3D」の文字は、「3次元」の意味を有する語であり、「NAND」の文字は、「否定論理積」の意味を有する語であって、「3D NAND」のキーワードで3次元NAND技術に関するウェブサイトが約6,480,000件検索されるように「3D」の文字との組み合せで

、近年注目されているものであり、「RAM」の文字は、「ランダムアクセスメモリー」の略称である。

そして、本件商標の構成各文字は、本件商標に係る指定商品及び指定役務の分野においてそれぞれ広く用いられているものであるという事実があることも考慮すると、本件商標に接する取引者、需要者が、本件商標から「3次元NAND技術を応用したランダムアクセスメモリー」の意味合いを認識し、本件商標をその指定商品及び指定役務に使用した場合に、「3次元NAND技術を応用したランダムアクセスメモリーを使った商品(3次元NAND技術を応用したランダムアクセスメモリーカード、3次元NAND技術を応用したランダムアクセスメモリーを使用した電子計算機等)」、「3次元NAND技術を応用したランダムアクセスメモリーに関する商品」、又は「3次元NAND技術を応用したランダムアクセスメモリーに関する役務」であることを容易に理解するというべきであり、結局、本件商標は、商品の品質又は役務の質を表したにすぎないものといわざるを得ない。

登録出願された商標が、商標法第3条第1項第3号に該当するか否かの判断にあたっては、「商標法第3条第1項第3号は、取引者、需要者に指定商品の品質等を示すものとして認識され得る表示態様が、商品の品質を表すものとして必ず使用されるものであるとか、現実に使用されている等の事実は、同号の適用において必ずしも要求されないものと解すべきである」(東京高裁平成12年(行ケ)第76号判決)ため、たとえ「3D NAND RAM」の文字が本件商標に係る指定商品の品質又は指定役務の質を表すものとして実際に使用されていないとしても、取引者、需要者が、その商品の品質又は役務の質を一般に認識する場合には、本件商標が商品の品質又は役務の質を表示するものと判断することは許されないというべきである。

すなわち、「3次元に積層したNAND型ランダムアクセスメモリー」が存在するか否かは本質的な問題ではなく、FeRAM(Ferroelectric Random Access Memory)、MRAM(Magnetoresistive Random Access Memory)、ReRAM(Resistive Random Access Memory)のような不揮発性メモリーに分類されるランダムアクセスメモリーが存在しており、3次元NAND技術が不揮発性メモリーを認識させるものであるとしても、不揮発性メモリーに分類されるランダムアクセスメモリーとして応用が検討されることは容易に想定される。

そうすると、本件商標に係る指定商品及び指定役務中「ランダムアクセスメモリー(RAM)カード」並びにその関連商品及び役務との関係において、本件商標からは「3次元NAND技術を応用したランダムアクセスメモリー」の意味合いを取引者、需要者に認識させるものである。

よって、本件商標をその指定商品中「ランダムアクセスメモリ(RAM)カード」並びにその関連商品又は役務に使用しても、これに接する取引者、需要者は、単に商品の品質又は役務の質を表示した語と認識するにとどまるため、「3D NAND RAM」の文字は自他商品役務識別標識としての機能を果たし得ないものというべきであり、かつ、上記以外の商品又は役務に使用するときは、商品の品質又は役務の質について誤認を生ずるおそれがある。

3 当審の判断

(1)商標法第3条第1項第3号について

本件商標は、上記1のとおり、「3D NAND RAM」の文字を標準文字で表してなるものである。

そして、申立人が提出した証拠によれば、本件商標を構成する「NAND」の文字が「論理演算の一で否定論理算。または、コンピュータで、NAND回路」を意味し(甲2)、フラッシュメモリには「3D NAND フラッシュメモリ」と称される商品があること(甲3)、及び「RAM」の文字が「コンピュータの、データの読み出し及び書き込みの両方が随時できる半導体記憶装置」を意味する「random−access memory」の略語であること(甲4)が認められるとしても、「3D NAND RAM」の文字に係る証拠は見いだせない。

また、当審において職権をもって調査したところ、本件商標の指定商品及び指定役務を取り扱う業界において、本件商標に接する取引者、需要者をして、これが「3次元NAND技術を応用したランダムアクセスメモリー」のような意味合いを想起させ、これが特定の商品の品質等又は役務の質等を表示したものとして用いられていること等の事実は発見できず、さらに、本件商標の指定商品及び指定役務の取引者、需要者が当該文字を商品の品質又は役務の質等を表示したものと認識するというべき事情も発見できなかった。

そうすると、本件商標は、これをその指定商品及び指定役務に使用しても、これに接する取引者、需要者をして、全体で特定の意味合いを想起、認識させることのない一種の造語として認識、把握させるものと判断するのが相当である。

してみれば、本件商標は、本件商標の登録査定時において、これをその指定商品及び指定役務に使用しても、商品の品質又は役務の質を表示するものではなく、自他商品及び自他役務の識別標識としての機能を果たし得るものといわなければならない。

したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号に該当しない。

(2)商標法第4条第1項第16号について

本件商標は、上記(1)のとおり、本件商標の指定商品の品質又は指定役務の質を表示するものではないから、これをその指定商品又は指定役務に使用しても商品の品質又は役務の質の誤認を生ずるおそれがあるものとはいえない。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第16号に該当しない。

(3)まとめ

以上のとおり、本件商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号のいずれにも該当するものとはいえず、他に同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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