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Trademark Appeal Case

商標の称呼・観念の類否

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2020−900199(T2020−900199/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第6252396号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第6252396号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1に掲げるとおりの構成よりなり、平成31年2月18日に登録出願、別掲2のとおりの役務を指定役務として、令和2年3月6日に登録査定され、同年5月19日に設定登録されたものである。

第2 引用商標

登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当するとして引用する商標は、以下の商標であり、いずれも現に有効に存続しているものである。

1 登録第5841125号商標(以下「引用商標1」という。)は、「WELIVE」の欧文字と「ウィーリブ」の片仮名を上下二段に書してなり、平成27年6月19日に登録出願、別掲3のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同28年3月29日に登録査定され、同年4月15日に設定登録されたものである。

2 国際登録第1213065号商標(以下「引用商標2」という。)は、「WELIVE」の欧文字を横書きにしてなり、2014年(平成26年)8月27日に国際商標登録出願(事後指定)、第9類、第36類、第38類、第42類、第43類及び第45類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載の商品及び役務を指定商品及び指定役務として、2017年(平成29年)2月1日に登録査定、同年3月17日に設定登録、その後、指定商品及び指定役務については、2018年(平成30年)7月2日に国際登録簿に記録された基礎出願又は基礎登録の効力の一部終了を原因とする当該商標権の登録の一部抹消の結果、別掲4のとおりの商品及び役務となったものである。

なお、以下、引用商標1及び引用商標2をまとめていう場合は、「引用商標」という。

第3 登録異議の申立ての理由

申立人は、本件商標は商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから、同法第43条の2第1号によって取り消されるべきものであるとして、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第3号証を提出した。

1 具体的理由

(1)指定役務の類否について

本件商標及び引用商標は、ともに第36類の指定役務について登録を受けているが、両指定役務は「建物の貸与,建物の売買,土地の売買」といった同一の役務を指定している他、互いに類似している役務を指定しているため、本件商標と引用商標に係る指定役務は互いに同一又は類似の関係にある。

(2)商標の類否について

商標の類否を判断するにあたっては、対比された商標がその出所につき誤認混同を生じるおそれがあるか否かによって判断されるべきであるが、本件商標と引用商標1及び引用商標2は、商標全体を総合的に考慮すると、出所につき誤認混同する商標である。

ア 「i」と「WE」について

英文字の筆記体で表されている本件商標は、英文字「i」と「liv」の間にスペースを設けて、すべて小文字で表した商標であるが、全体としては「アイリブ」という称呼が生じる。

ここで、「アイリブ」という称呼を聴取した場合、需要者は「私は住んでいる」を意味し、我が国において広く認識される「I LIVE」という英語を想起することが一般的である。また、「i」は小文字で表されているが、現代のチャットツールやソーシャルネットワークにおいては、「私」を意味する「I」を、大文字入力をせずに「i」と表すことも多いため、「i」は実質的に「I」と同一の意味を有することを踏まえると、「アイリブ」と称呼した場合の「i」と「ウィーリブ」の「WE」は、「私」と「私たち」という程度の相違となり、近い意味合いを有している。

そのため、本件商標の「i」部分と、引用各商標の「WE」部分は、観念的に類似している部分であると判断されてしかるべきである。

イ 「liv」と「LIVE」について

本件商標の構成中の「i」部分と、引用商標の構成中の「WE」部分が類似することは上述のとおりであるが、その他の構成要素である「liv」と「LIVE」は、「E」のみが相違するものの、双方とも同一の「リブ」という称呼が生じる。

「liv」は特に意味を有さない造語であるが、本件商標及び引用商標の「リブ」という称呼は同一であり、また、本件商標を「アイリブ」と称呼した場合には、「リブ」部分は通常「live」が想起されることが一般的である。

上記の点を踏まえると、称呼が同一であることや、称呼を聴取した場合には「live」を想起することが一般的であって、外観や観念上の差異よりも、称呼上類似していることが商標の類否に与える影響が大きい。

そのため、本件商標の構成中の「liv」部分と引用商標の構成中の「live」部分は類似すると判断されてしかるべきである。

ウ 商標の類否判断について

本件商標と引用商標は、全体として外観及び称呼は異なるものの、「i」と「WE」は観念的に「私」と「私たち」を近似する意味を有することから、観念上類似し、また、「liv」と「live」は称呼が同一であり、同部分は類似するものである。

この点を考慮して本件商標と引用商標の商標全体として比較すると、需要者が通常有する注意力をもって本件商標のアイリブの称呼を聴取した場合には、ウィーリブとの称呼は異なるものの、「I」(私)と「WE」(私たち)という人称代名詞が近い意味合いを有していること、及び「リブ」の称呼から一般的には「live」の意味を想起することから、本件商標は「私は住んでいる」、引用商標は「私たちは住んでいる」という意味合いが生じることから、全体としても観念が類似することとなる。

そして、商標全体として、外観や称呼が非類似であるとしても、観念上明確に類似している本件商標においては、観念上の類似性が外観・称呼の差異を凌駕しているといえる。

よって、本件商標と引用商標は、その観念を比較した場合には類似する商標であると判断されてしかるべきものである。

エ 小括

以上のとおり、本件商標と引用商標は、互いに出所が混同する程度に類似する商標であって、かつ、同一及び類似の役務について使用するものである。

2 むすび

上記のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。

第4 当審の判断

1 商標法第4条第1項第11号該当性について

(1)本件商標

本件商標は、別掲1のとおり「iliv」の欧文字を筆記体風の書体で横書きしてなるところ、本件商標は、同じ書体、同じ大きさをもって、等間隔に表されており、全体として、まとまりよく一体的なものとして把握されるものであり、本件商標は、その構成文字から「アイリブ」の称呼を生じるものである。

また、「iliv」の欧文字は、一般的な辞書等に載録された特定の意味を有する語ではなく、また、当該文字が、特定の意味合いを想起させる語として知られているというような事情も見いだせない。

したがって、本件商標は、その構成文字に相応した「アイリブ」の称呼を生じ、特定の観念は生じないものである。

(2)引用商標

ア 引用商標1は、上記第2の1のとおり、「WELIVE」の欧文字と「ウィーリブ」の片仮名を上下二段に書してなるところ、その構成中の「WELIVE」の欧文字は、「私たちは」等を意味するよく知られた英語「WE」(出展:小学館 プログレッシブ英和中辞典)と「住む」等を意味するよく知られた英語「LIVE」(同掲書)とを結合したものと容易に認識できるものであり、「ウィーリブ」は、「WELIVE」の読みを表したものと認められる。

したがって、引用商標1は、その構成文字に相応した「ウィーリブ」の称呼を生じ、「私たちは住んでいる。」のような観念を生じるものである。

イ 引用商標2は、上記第2の2のとおり、「WELIVE」の欧文字を横書きにしてなるところ、上記アのとおり、「WELIVE」の欧文字は、「WE」の欧文字と「LIVE」の欧文字とを結合したものと容易に認識できるものである。

したがって、引用商標2は、その構成文字に相応した「ウィーリブ」の称呼を生じ、「私たちは住んでいる。」のような観念を生じるものである。

(3)本件商標と引用商標との類否

ア 外観について

本件商標と引用商標とは、構成態様や構成文字数が明らかに相違するものであり、外観上、相紛れるおそれはないものである。

イ 称呼について

本件商標から生ずる「アイリブ」と引用商標から生ずる「ウィーリブ」の称呼とを比較するに、本件商標の「アイリブ」の称呼と引用商標の「ウィーリブ」の称呼は、称呼の後半部の「リブ」の音を共通にするものの、前半部の「アイ」と「ウィー」の音が相違し、当該差異音は、明確に発音される傾向にある称呼の前半部の相違であることから、これらの比較的短い音構成においては、当該差異が両称呼全体に及ぼす影響は決して小さくなく、両称呼をそれぞれ一連に称呼した場合には、語調、語感が相違するため、称呼上、相紛れるおそれはない。

ウ 観念について

本件商標は、特定の観念を生じないものであり、引用商標は、「私たちは住んでいる」のような観念が生じるものであるから、これらの観念は、比較することができない。

エ 小括

そうすると、本件商標と引用商標は、観念において比較することができないとしても、外観及び称呼が、明らかに相違するため、これらは、相紛れるおそれはないものであるから,十分に区別することができる非類似の商標というべきである。

したがって、本件商標と引用商標とは、非類似の商標であるから、たとえ、本件商標の指定役務が、引用商標の指定役務と同一又は類似する役務を含むとしても、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。

2 むすび

以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものとはいえず、他に同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきである。

よって、結論のとおり決定する。

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