結論テキスト
審判費用は、被請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2020−300013(T2020−300013/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本件登録第5910352号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、平成28年6月21日に登録出願、第9類「青写真複写機,金銭登録機,硬貨の計数用又は選別用の機械,作業記録機,写真複写機,製図用又は図案用の機械器具,タイムスタンプ,タイムレコーダー,パンチカードシステム機械,票数計算機,郵便切手のはり付けチェック装置,理化学機械器具,写真機械器具,映画機械器具,光学機械器具,測定機械器具,電気磁気測定器,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品,下げ振り器,レーザー墨出し器,レーザー光線を使用した水準器」を指定商品として、同29年1月6日に設定登録がされ、現に有効に存続しているものである。
そして、本件審判の請求の登録日は、令和2年1月22日である。
なお、本件審判において、商標法第50条第2項に規定する「その審判の請求の登録前3年以内」とは、平成29年(2017年)1月22日ないし令和2年(2020年)1月21日である(以下「要証期間」という場合がある。)。
請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として、甲第1号証を提出した。
本件商標は、その指定商品中、第9類「写真機械器具,映画機械器具,光学機械器具,測定機械器具,電気磁気測定器,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品,下げ振り器,レーザー墨出し器,レーザー光線を使用した水準器」(以下「取消請求商品」という場合がある。)について継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが使用した事実が存しないから、その登録は上記指定商品について商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。
(1)乙第4号証ないし乙第7号証で使用されている標章が本件商標と社会通念上同一の商標といえるか
被請求人は、本件商標は塗りつぶし円形の中に、白抜きでH及び英文字tecが表された図形及びその右側に「LASERLINER/レーザーライナー」の文字を書した構成よりなるところ、本件商標の図形部分は顕著な特徴を有し十分な識別力を発揮しているから、乙第4号証ないし乙第7号証で使用されている使用商標の図形部分は本件商標と類似するものであり、かかる類似する商標の使用をもって本件商標の使用と認められるべきであると主張する。
本件商標は、上記の構成からなるものであり、その構成に呼応して「エイチテックレーザーライナー」又は「レイザーライナー」の称呼が生じ、本件商標は造語として認識されるため、特段の観念は生じない。
そして、本件商標構成中の、白抜きでH及び英文字tecが表された図形部分からは「エイチテック」の称呼が生じ、特段の観念を生じないものである。
してみれば、本件商標と使用商標とは、「白抜きでH及び英文字tecが表された図形」の部分において共通する商標ということはできても、使用商標は、「LASERLINER/レーザーライナー」の英文字の構成を欠くものであることから、両商標は外観において互いに同視される商標とはいえず、また、称呼においても同一とはいえず、観念において対比することができないものであるから、本件商標と使用商標とは社会通念上同一と認められる商標ということはできない。
(2)乙第1号証について
乙第1号証の白抜きでH及び英文字tecが表された図形の右側に「LASERLINER」の文字が表された標章は、本件商標とは構成態様が大きく異なり、本件商標と社会通念上同一の商標ということはできない。
また、被請求人は、本件審判請求の登録前3年以内に本件商標の使用をしていることを立証すべきところ、乙第1号証に印字された日付は要証期間外の2020年2月19日であり、他に乙第1号証が要証期間内に作成、頒布された証拠は提出されていない。
上述のように、被請求人が提出した乙各号証によっては、本件商標が審判請求の登録前3年以内に商標権者等によって取消請求商品について使用されていたことは立証されていない。
(3)乙第2号証について
乙第2号証には、「レーザーライナー墨出し器」の文字が記載されているが、この標章は、本件商標とは構成態様が大きく異なり、本件商標と社会通念上同一の商標ということはできない。
また、乙第2号証がいつ作成、頒布されたのかは不明であり、乙第2号証が要証期間内に作成、頒布された証拠は何ら提出されていない。
(4)乙第3号証について
乙第3号証として提出されている「注文書」には、乙第1号証に掲載されている商品と同じ型番の商品が記載されている。
しかし、上記(2)で述べたとおり、乙第1号証に印字された日付は要証期間外の2020年2月19日であり、他に乙第1号証が要証期間内に作成、頒布された証拠は提出されていないから、要証期間内に発行されたと思われる「注文書」に乙第1号証に掲載されている商品と同じ型番の商品が記載されていることをもって本件商標が要証期間内に使用されたことを示す証左とはなりえない。
(5)よって、被請求人が提出した乙第1号証ないし乙第7号証は、いずれも要証期間内に本件商標の使用を立証するものではなく、本件商標と同一または社会通念上同一と認められる商標を、要証期間内に、日本国内において使用していた事実は何ら立証されていないので、本件商標は商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。
被請求人は、「本件審判の請求は成り立たない。審判費用は請求人の負担とする。」との審決を求めると答弁し、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第7号証を提出した。
商標権者であるハンウェイテック株式会社は、レーザーを用いた測量・測定器である墨出器、測定器などを製造販売しており、主として卸売会社を通して販売しているものである。
本件審判請求時には、本件商標と類似する図形部分である特殊な図形(塗りつぶし円形の中に、白抜きでH及び英文字tec)の部分について、名刺、封筒など取引資料として用いて、継続的に販売を行っている(乙4、乙5)。具体的な製品としては、乙第1号証、乙第2号証及び乙第6号証のような卸売業者への販売のような態様で用いている。
当審において、令和2年11月25日付け審尋により、被請求人(商標権者)は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において商標権者がその請求に係る指定商品に本件商標を使用していると主張し、その証拠として乙第1号証ないし乙第7号証を提出しているが、提出された証拠によっては、被請求人が商標法第50条第2項に規定する証明をしたものということはできない旨の暫定的見解を示したうえで、請求人の主張に対し、意見があれば具体的な証拠とともに提出するよう回答を求めた。
しかしながら、被請求人は、何らの応答もしていない。
(1)乙第1号証について
乙第1号証は、被請求人によれば、「LASERLINERのカタログ(写し)」(全2葉)であって、2葉とも上部余白に「カタログ表紙. pdf」及び「2020/02/19」と表記されているものの、これらの表記は、写しを作成する時にできた余白部分に、後から付記したものと見るのが自然であって、当該「カタログ表紙. pdf」の記載以外にこれらの書面がカタログの表紙であることを示す証拠はなく、作成者についての記載もない。
(2)乙第2号証について
乙第2号証は、作成日は不明であるが、商標権者による「レーザーライナー墨出し器」を表題とするカタログである。
当該カタログには、レーザー墨出し器の画像が4台掲載されており、それらのレーザー墨出し器の側面にはいずれも、青色の円内中央に、白抜きで大きくデザイン化された欧文字「H」とその下に小さく「tec」の欧文字を配してなる図形(以下「使用標章」という。)、「KL−436P」等の型番及び「H.U.TEC CO.,LTD」の文字が付されている。
また、4台のレーザー墨出し器それぞれについて、画像とともに、型番、仕様機能及びその特長などが記載されており、また、奥付には使用標章とともに「H.U.TEC」の文字、商標権者の名称及び住所などが掲載されている。
(3)乙第3号証について
乙第3号証は、商標権者を宛先とする2019年8月ないし2020年1月までの墨出し器に係る注文書(全11葉)であり、品名・型式、数量、金額、出荷希望日の記載及び取引先の名称や担当者の押印などが確認できる。
(4)乙第6号証について
乙第6号証は、製造元が商標権者であり、総販売元がTAKAGIである「グリーンレーザー墨出し器」を表題とするカタログであるところ、当該カタログには作成日の記載はなく、また、掲載されたレーザー墨出し器に「グリーンレーザー 極」の文字や型番などの記載はあるものの、使用標章は付されていない。
(5)乙第7号証について
乙第7号証は、商標権者のウェブサイトの出力書面であるところ、当該書面にはレーザー墨出し器の画像及び使用標章の表示はあるものの、その出力日は2020年3月16日である。
2019年8月ないし2020年1月まで、商標権者宛てに取引先から墨出し器について複数の注文があったことがうかがえるが、その注文に係る墨出し器の詳細は不明であり、また、これらの注文に対し、商標権者が取引先へ商品を納品し、その代金を受領したといった、一連の取引が行われたことを客観的に証明する書類の提出はない。
また、商標権者は、使用標章を付したレーザー墨出し器のカタログを作成したことは推認できるものの、その作成日は不明であって、当該カタログを頒布した事実も見いだせない。
さらに、本件商標は、別掲のとおり、青色の円内中央に、白抜きで大きくデザイン化された欧文字「H」とその下に小さく「tec」の欧文字を配してなる図形(以下「本件図形部分」という。)とその右側に「LASERLINER」及び「レーザーライナー」の文字を二段に書した文字(以下「本件文字部分」という。)を配した構成からなるところ、商標権者がカタログ等に使用した使用標章は、本件商標の構成中の本件図形部分と構成を同じくするといい得るものの、使用標章と本件商標とは本件文字部分の有無において異なることから、本件商標と社会通念上同一と認められる商標とはいえない。
上記のとおり、被請求人が提出した証拠によっては、要証期間に、商品「レーザー墨出し器」について、本件商標(社会通念上同一と認められる商標を含む。)の商標法第2条第3項各号にいう使用があったことを認めるに足る事実を見いだせない。
以上のとおり、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者、通常使用権者又は専用使用権者のいずれかが、その請求に係る指定商品について、本件商標の使用をしていることを証明したということはできない。
また、被請求人は、本件商標の使用をしていないことについて正当な理由があることも明らかにしていない。
したがって、本件商標の登録は、その指定商品中、取消請求商品について、商標法第50条の規定により、取り消すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
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