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Trademark Appeal Case

グリーンイノベーションの識別力と類否

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2020−12487(T2020−12487/J1)
審判種別不服
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

原査定を取り消す。
本願商標は、登録すべきものとする。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「TORAY GREEN INNOVATION」の欧文字を横書きしてなり、第1類、第3類、第7類、第9類、第10類、第11類、第12類、第16類、第17類、第18類、第19類、第22類、第23類、第24類、第25類、第27類、第36類、第40類及び第42類に属する願書記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務とし、平成30年10月5日に登録出願され、その後、指定商品及び指定役務については、原審における令和2年4月6日付け及び当審における同年9月7日付けの手続補正書により、別掲1のとおり補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点

原査定は、以下のとおり認定、判断し、本願を拒絶したものである。

(1)商標法第4条第1項第6号について

本願商標は、その構成中に、「GREEN INNOVATION」の欧文字を有してなるところ、当該文字の片仮名表記と認められる「グリーンイノベーション」の語は、「低炭素社会の実現を目指す技術的試み。および、低酸素産業を中心とした社会の在り方を変革し、発展・成長を遂げる戦略。」と理解されており、我が国において、新成長戦略として、グリーン・イノベーションの促進等が、2010年6月に閣議決定されている。そうすると、本願商標は、我が国が目指す新成長戦略である「グリーンイノベーション」の語と類似する商標であるから、商標法第4条第1項第6号に該当する。

(2)商標法第4条第1項第11号について

原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録商標(以下、これらをまとめていうときは「引用商標」という。)は、以下のとおりであり、登録第5322714号商標以外の登録商標は現に有効に存続しているものである。

なお、原査定は、本願商標の構成中「GREEN INNOVATION」の文字部分を分離、抽出し、これと引用商標とは類似するから、本願商標は商標法第4条第1項第11号に該当するとしたものである。

ア 登録第5322714号商標(以下「引用商標1」という。)

商標の構成:株式会社 グリーンイノベーションズ(標準文字)

指定商品・役務:第11類及び第35類に属する閉鎖商標原簿に記載のとおりの商品及び役務

登録出願日:平成21年8月27日

設定登録日:平成22年5月14日

イ 登録第5322715号商標(以下「引用商標2」という。)

商標の構成:Green Innovations(標準文字)

指定商品・役務:「家庭用電磁調理器,家庭用電気給湯器,家庭用電気温水器,家庭用電熱用品類,家庭用電気式衣類乾燥機,家庭用電気式食器乾燥機,家庭用電気式浴室暖房乾燥機,乾燥装置,換熱器,蒸煮装置,蒸発装置,蒸留装置,熱交換器,浄水装置,家庭用浄水器」を含む第11類及び「電気機械器具類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を含む第35類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務

登録出願日:平成21年9月7日

設定登録日:平成22年5月14日

ウ 登録第5444570号商標(以下「引用商標3」という。)

商標の構成:Green Innovations(標準文字)

指定役務:「家庭用電気マッサージ器・家庭用電磁調理器・家庭用電気給湯器・家庭用電気温水器・家庭用電熱用品類・家庭用電気式衣類乾燥機・家庭用電気式食器乾燥機・家庭用電気式浴室暖房乾燥機・電球類及び照明用器具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,乾燥装置・換熱器・蒸煮装置・蒸発装置・蒸留装置・熱交換器の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,浄水装置の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,ガス湯沸かし器・加熱器・調理台・流し台・氷冷蔵庫・家庭用浄水器の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,運動用サポーターの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,保温用サポーターの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,マッサージ機器の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,マッサージ具・つぼ刺激具・肩たたき具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を含む第35類及び第43類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務

登録出願日:平成22年5月27日

設定登録日:平成23年10月14日

エ 登録第6002707号商標(以下「引用商標4」という。)

商標の構成:GREEN INNOVATION(標準文字)

指定役務:「建築又は都市計画に関する研究,公害の防止に関する試験又は研究,電気に関する試験又は研究,土木に関する試験又は研究」を含む第42類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務

登録出願日:平成29年4月14日

設定登録日:平成29年12月8日

3 当審の判断

(1)商標法第4条第1項第6号該当性について

本願商標は、前記1のとおり、「TORAY GREEN INNOVATION」の欧文字からなるものである。

ところで、当審における職権調査によれば、平成22年6月18日に閣議決定された「新成長戦略 〜『元気な日本』復活のシナリオ〜」において、「第3章 7つの戦略分野の基本方針と目標とする成果」「強みを活かす成長分野」として「グリーン・イノベーションによる環境・エネルギー大国戦略」が挙げられているものの、「グリーンイノベーション」の文字自体は、「環境問題に関係する技術革新」ほどの意味合いをもって広く一般に使用されている実情がうかがえるものである(別掲2参照)。

そして、本願商標構成中の「GREEN INNOVATION」の文字及びその片仮名表記である「グリーンイノベーション(グリーン・イノベーション)」の文字が公益に関する事業であって営利を目的としないものを表示するものとして、我が国において著名の程度に至っていると認められる事実を見いだすことはできなかった。

そうすると、本願商標は、その構成中に「GREEN INNOVATION」の文字を有するとしても、商標法第4条第1項第6号にいう「公益に関する事業であって営利を目的としないものを表示する標章であって著名なものと同一又は類似の商標」ということはできない。

したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第6号に該当しない。

(2)商標法第4条第1項第11号該当性について

ア 本願商標と引用商標1との関係について

引用商標1の商標権は、閉鎖商標原簿の記載によれば、令和2年5月14日存続期間満了により消滅している。

したがって、本願商標が、引用商標1と類似するとして、商標法第4条第1項第11号に該当するとした拒絶の理由は、解消した。

イ 本願商標と引用商標2ないし4との関係について

本願商標は、前記1のとおり「TORAY GREEN INNOVATION」の欧文字からなるところ、その構成文字は、同書、同大で外観上まとまりよく一体的に表されており、構成文字全体から生じる「トーレグリーンイノベーション」の称呼も、やや冗長であるとしても、無理なく一連に称呼し得るものである。

そして、上記のような構成に係る本願商標に接する取引者、需要者が、殊更に、請求人の略称といえる「TORAY」の文字部分を捨象し、「GREEN INNOVATION」の文字部分のみをもって取引に当たるものとはいい難く、また、「GREEN INNOVATION」の文字部分のみが商品又は役務の出所識別標識として独立して認識されるとの特別の事情も見いだせない。

そうすると、本願商標は、その構成文字全体をもって、取引に資されるというのが相当である。

したがって、本願商標の構成中「GREEN INNOVATION」の文字部分のみを分離、抽出し、これを前提として本願商標と引用商標とが類似する商標であるとして、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するということはできない。

ウ 小括

以上のとおり、本願商標は、引用商標1との関係においては、拒絶の理由は解消し、引用商標2ないし4との関係においては、商標法第4条第1項第11号に該当しない。

(3)まとめ

以上によれば、本願商標が商標法第4条第1項第6号及び同項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、取消しを免れない。

その他、本願について拒絶の理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。

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