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Trademark Appeal Case

使用証拠の有効性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2019−300412(T2019−300412/J2)
審判種別取消
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第2114945号商標の商標登録を取り消す。
審判費用は、被請求人の負担とする。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第2114945号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成からなり、昭和61年8月13日に登録出願、第21類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成元年2月21日に設定登録され、その後、同21年8月12日に指定商品を第3類「つけづめ,つけまつ毛」及び第18類「かばん類,袋物,携帯用化粧道具入れ」並びに第8類、第14類、第21類及び第26類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品とする指定商品の書換登録がされ、さらに、同31年3月19日に第3類及び第18類についてのみ商標権の存続期間の更新登録がされ、現に有効に存続しているものである。

そして、本件審判の請求の登録日は、令和元年6月17日であり、商標法第50条第2項に規定する「審判の請求の登録前3年以内」とは、平成28年6月17日から令和元年6月16日までの期間(以下「要証期間」という。)である。

第2 請求人の主張

請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第3号証を提出した。

1 請求の理由

被請求人は、本件商標をその指定商品について、継続して3年以上日本国内において使用していない。

また、本件商標の登録原簿(甲1)に示すとおり、本件商標についての専用使用権者又は通常使用権者は存在していない。

したがって、本件商標は、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれによっても、その指定商品につき使用されていないから、その登録は、商標法第50条第1項の規定により、取り消されるべきである。

2 答弁に対する弁駁

(1)乙第1号証について

乙第1号証は、本件商標に関して、被請求人と株式会社シャトレアン(以下「シャトレアン社」という。)との間で締結した「通常使用権許諾契約」であるとするが、第1条において、「・・・通常使用権を

に許諾する。」とされており、そもそも、シャトレアン社に対して通常使用権の許諾がされているものとはいえない。

また、契約期間について、第2条では本件商標の権利存続中と規定されているのに対し、第8条では、「契約期間は6ヵ年とする。(平成31年12月末日までとする。)」と規定されている。さらに、第8条本文に基づき契約期間を計算すると契約締結日から6年間なのに対し、同条括弧書きに基づき契約期間を計算すると契約締結日から7年間となっている。

加えて、シャトレアン社の登記情報をオンラインより取得したところ、本店所在地が「東京都港区南青山6−2−2」となっており(甲2)、本契約の住所とは異なっている。

よって、この観点からも、被請求人とシャトレアン社との間で適切に本契約が締結されたものとはいえない。

(2)乙第2号証及び乙第5号証について

乙第2号証がシャトレアン社によって発行された納品書とした場合、シャトレアン社が「rev k shop」に対して何らかの商品を販売したとも考えられる。

しかしながら、かかる場合であっても、乙第2号証に示す納品書には本件商標の表示がなく、実際に、乙第5号証に示す写真の商品が販売されたかは明らかとはいえない。

また、乙第5号証に示す写真において、商品の品名が表示されているが、その表示方法は手書きで紙に記載した簡易的なものであり、後から容易に準備することができる態様であるところ、実際に、乙第5号証に示す写真の商品が、乙第2号証の納品書に示す商品の品名を有することも明らかではなく、乙第2号証の納品書に示す商品の品名に対応しているかは明らかとはいえない。

よって、実際に、乙第5号証に示す写真の商品が販売されたかは明らかとはいえない。

そして、乙第5号証に示す5枚目の写真において、「RENE CAOVILLA 081−014−r」と紙に書かれている商品では、「A」の文字部分が不自然に紙からはみ出していることが明らかであり、あたかも後から合成して作成されたようにもうかがえる。

加えて、乙第5号証に示す商品の写真が撮影された日付及び場所が不明であることから、証明書に述べられた期間内に、「rev k shop」が写真に示す商品を陳列・販売していたかは明らかとはいえない。

(3)乙第3号証及び乙第6号証並びに乙第4号証及び乙第7号証について

上記(2)と同様に、乙第3号証及び乙第4号証に示す納品書には本件商標の表示がなく、実際に、乙第6号証及び乙第7号証に示す写真の商品が販売されたかは明らかとはいえない。

また、乙第6号証及び乙第7号証に示す写真において、商品の品名が表示されているが、その表示方法は手書きで紙に記載した簡易的なものであり、後から容易に準備することができる態様であるところ、実際に、乙第6号証及び乙第7号証に示す写真の商品が、乙第3号証及び乙第4号証の納品書に示す商品の品名を有することも明らかではなく、それらの納品書に示す商品の品名に対応しているかは明らかとはいえない。

よって、実際に、乙第6号証及び乙第7号証に示す写真の商品が販売されたかは明らかとはいえない。

さらに、乙第4号証及び乙第7号証におけるクリエーションは、甲第3号証に示すとおり、クリーニングを業としている事業者であるから、乙第7号証に示す商品をクリエーションが陳列・販売したものとは考えにくい。

(4)小括

以上から、被請求人が提出した各乙号証によっては、本件商標は、要証期間内において、被請求人又は通常使用権者による本件商標の指定商品についての使用事実は証明されていない。

3 被請求人の提出に係る回答書に対する意見

(1)納品書(控)について

「rev k shop」宛ての平成31年4月27日付け納品書(控)2通並びに「Cinderelle」宛ての平成31年4月27日及び同月29日付け納品書(控)各1通に本件商標の表示はなく、本件商標が使用された商品が販売されたという事実を証明するものではない。

(2)商品の写真について

前記納品書に記載の商品番号を記載したカードとともに撮影した種々の商品の写真及び乙第2号証に記載されている商品に関する写真の撮影日は明確ではないが、被請求人が「同じ商品を撮影依頼し」たと述べていることから、少なくとも、前記納品書が発行された平成29年又は平成31年当時に撮影されたものではない。すなわち、写真に示された商品は、前記納品書に記載された商品を特定したものではない。

第3 被請求人の答弁等

被請求人は、本件審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を要旨次の1のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第7号証を提出した。

また、被請求人は、合議体からの審尋に対し、その回答を要旨次の2のように述べ、証拠方法として、物件2、物件3、物件イないし物件オ、物件第2(1)及び物件第2(3)を提出した。

1(1)被請求人は、本件商標に関して、靴、バッグ卸商社であるシャトレアン社との間に平成25年1月1日付けで通常使用権許諾契約を結んでいる(乙1)。

シャトレアン社は、本件商標を付したかばん類を、東京都内に店舗を持つ靴・バッグ小売店「rev k shop」、「CINDERELLE」及び「CREATION」に平成26年9月頃より納入販売し、その後少なくとも平成26年3月1日頃に「rev k shop」に13本(乙2)、同年2月1日に「CINDERELLE」に4本(乙3)及び同27年10月頃に「CREATION」に4本(乙4)納入販売し、その後も各店に順次納入販売した。

シャトレアン社が各バッグ小売店に納入した本件商標を付したバッグは、平成26年2月1日頃より同31年4月30日までの間に「rev k shop」(乙5)、「CINDERELLE」(乙6)及び「CREATION」(乙7)の店内にて継続して一般消費者に販売された。

(2)以上の事実により、本件商標は、通常使用権者により、少なくとも、平成26年2月1日及び同29年9月1日に使用されていることが明らかであり、本件商標の登録は、商標法第50条第1項の取消要因に該当しない。

2 審尋に対する回答

(1)被請求人の知識不足により、「登録前3年」を「3年以上使用」と解釈していた。

(2)再度、平成31年4月27日及び同月28日分の納品書を提出する。

(3)シャトレアン社は、台東区浅草で設立された後、港区南青山6−2−2に移り、約7年前に現在の港区南青山6−9−2に移転した。

別件審判事件答弁書に添付されている靴専用納品書に当時の港区南青山6−2−2の記載があるので、提出する。

なお、登記所には、住所変更の手続をしていない。

(4)乙第5号証の写真の件については、被請求人の落ち度であり、シャトレアン社より「rev k shop」に問い合わせたところ、同じ商品があるので撮影依頼し、提出する。

(5)乙第3号証の納品書における「RC−123−198−r」の記載は、「RC−123−198−C」の誤記である。

(6)乙第7号証の写真の件については、被請求人の撮影ミスなので、シャトレアン社より「CREATION」に問い合わせたところ、同等の商品があるとのことなので、撮影して、提出する。

第4 当審の判断

1 被請求人の主張によると、被請求人が立証しようとする本件商標の使用が、商標法第2条第3項各号のいずれの行為に該当するものであるのか必ずしも明確ではない。

しかしながら、被請求人の主張及び提出された証拠全体からすると、被請求人は、本件商標の通常使用権者であるシャトレアン社が要証期間内に本件商標の指定商品中「かばん」に本件商標を付したものを小売店である「rev k shop(南青山レヴィケーショップ)」(以下「rev k shop」という。)、「Cinderelle(シンデレラ、靴のシンデレラ)」(以下「Cinderelle」という。)及び「CREATION(クリエーション)」(以下「CREATION」という。)に対し譲渡したこと、すなわち「商品に・・・標章を付したものを譲渡・・・する行為」(商標法第2条第3項第2号)を立証しようとするものと解される。

2 通常使用権者について

(1)両当事者の提出に係る証拠及び被請求人の主張によれば、次の事実が認められる。

ア 本件商標の商標権者(以下、単に「商標権者」という。)は、平成25年1月1日にシャトレアン社との間で本件商標に係る通常使用権の許諾契約を交わした(乙1及び物件第2(1))。

当該通常使用許諾契約書には、第2条に「通常使用権の範囲は、次の通りとする。 期間 契約の日より権利存続中」と記載され、第8条に「契約期間は、6ヵ年とする。(平成31年12月末日までとする。)」と記載されており、また、シャトレアン社の所在地は、「東京都港区南青山6−9−2」(以下、単に「6−9−2」という。)と記載されている(乙1及び物件第2(1))。

イ シャトレアン社の登記情報には、会社成立の年月日は「昭和62年10月28日」と記載され、また、本店は「東京都港区南青山六丁目2番2号」(以下、単に「6−2−2」という。)と記載されている(甲2)。

ウ シャトレアン社は、約7年前(平成25年頃)に「6−2−2」から「6−9−2」へ移転したが、所在地変更の手続をしていない(被請求人の主張)。

エ 商標権者とシャトレアン社との間で平成17年4月1日付けで交わされた別件の登録商標に関する通常使用権許諾契約書並びにシャトレアン社が作成した同21年8月10日及び同22年2月10日付けの請求明細書には、シャトレアン社の所在地は、「6−2−2」と記載されている(物件3)。

オ 平成26年2月1日以降にシャトレアン社が作成した納品書において、シャトレアン社の所在地は、「6−9−2」と記載されている(乙2ないし乙4及び物件2)。

(2)判断

前記(1)アのとおり、商標権者は、平成25年1月1日にシャトレアン社との間で本件商標に係る通常使用権の許諾契約を交わしたところ、当該通常使用許諾契約書に記載されたシャトレアン社の所在地は「6−9−2」であり、前記(1)イのとおり、同社の登記情報における本店の「6−2−2」と相違している。

しかしながら、前記(1)ウのとおり、シャトレアン社は、約7年前(平成25年頃)に「6−2−2」から「6−9−2」へ移転しており、所在地変更の手続をしていないものの、一般に、登記上の所在地と実際の所在地が異なる会社はある程度存在するものである。

また、前記(1)エ及びオのとおり、平成22年2月10日以前に作成された通常使用権許諾契約書及び請求明細書に記載されているシャトレアン社の所在地は「6−2−2」であり、同26年2月1日以降に作成された納品書に記載されている同社の所在地は「6−9−2」であるから、約7年前(平成25年頃)に「6−2−2」から「6−9−2」へ移転したこととも矛盾はない。

そうすると、たとえ、通常使用許諾契約書に記載されたシャトレアン社の所在地と登記情報における同社の所在地とが異なっているとしても、平成25年1月1日に商標権者とシャトレアン社との間で交わされた本件商標に係る通常使用権の許諾契約が、適正に契約されたものではないということはできない。

また、前記(1)アのとおり、当該通常使用許諾契約書には、第2条に「通常使用権の範囲は、次の通りとする。 期間 契約の日より権利存続中」と記載され、第8条に「契約期間は、6ヵ年とする。(平成31年12月末日までとする。)」と記載されており、平成25年1月1日に契約が交わされたことからすると、「契約期間は、6ヵ年」との記載は平成30年12月末日までとなる。

そうすると、当該契約の期間は、(ア)権利存続中、(イ)6か年(平成30年12月末日まで)及び(ウ)同31年12月末日まで、すなわち令和元年12月末日までの3種類が記載されていることとなり、当該契約は不明瞭なものといえなくもない。

しかしながら、前記(ア)及び(イ)と違って、前記(ウ)は、「平成31年12月末日まで」と明示的に日付を記載していることからすると、少なくとも令和元年12月末日までは当該契約の期間であるとみるのが相当である。

なお、請求人は、第1条において「・・・通常使用権を

に許諾する。」とされており、そもそも、シャトレアン社に対して通常使用権の許諾がされているものとはいえない旨主張している。

しかしながら、被請求人は、「・・・通常使用権を

に許諾する。」と訂正された通常使用許諾契約書を提出しているものである(物件第2(1))。

したがって、シャトレアン社は、平成25年1月1日から令和元年12月末日までの間、本件商標に係る通常使用権者であるということができる。

3 シャトレアン社から「rev k shop」への譲渡について

(1)被請求人の提出に係る証拠によれば、次の事実が認められる。

ア シャトレアン社は、「rev k shop」に対し、平成26年3月1日に品名「RC−00219−r」の商品、同27年2月1日に品名「RC−093−31−160」の商品、同29年9月1日に品名「RC−081−014−r」の商品並びに同31年4月27日に品名「RC−093−1−r」及び「RC−091−2−r」の商品をそれぞれ納品した(乙2及び物件2)。

イ 「rev k shop」は、令和元年7月20日付け証明書(以下「証明書1」という。)において、写真に示す商品は、平成25年9月1日頃から同31年4月20日頃までの間、店内に陳列し、継続して販売した商品の在庫であることを証明した(乙5)。

証明書1には、「RENE CAOVILLA」の文字からなる商標(以下「使用商標」という。)がそれぞれ内側に付された3種類の「かばん」及びこれらに添えられた手書きの文字が書かれたカードが写された写真が添付されている。

当該カードには、「093−31−160−r」、「RC−00219−r」又は「081−014−r」等の文字がそれぞれ記載されている。

そして、これらのカードのうち「081−014−r」の文字が記載されたカードは、1行目に「RENE CAOVILLA」の文字が記載されているところ、末尾の「A」の文字は、カードからはみ出て表示されており、また、下から1行目に「¥19,800−」の文字が記載されているところ、当該文字は、写真の底辺から少しはみ出た位置に表示されている。

ウ 「rev k shop」は、令和2年2月25日付け証明書(以下「証明書2」という。)において、写真に示す商品は、平成31年4月27日に店内に陳列し、継続して販売した商品であることを証明した(物件2)。

証明書2には、使用商標がそれぞれ内側に付された2種類の「かばん」及びこれらに添えられた手書きの文字が書かれたカードが写された写真が添付されている。

当該カードには、「RC−093−1−r」又は「RC−091−2−r」等の文字がそれぞれ記載されている。

(2)判断

ア 前記(1)アによれば、シャトレアン社は、「rev k shop」に対し、平成26年3月1日及び同27年2月1日に何らかの商品を納品、すなわち譲渡したことが認められるが、いずれも要証期間外である。

イ 前記(1)アによれば、シャトレアン社は、「rev k shop」に対し、平成29年9月1日に品名「RC−081−014−r」の商品を納品、すなわち譲渡したことが認められる。

また、前記(1)イによれば、「rev k shop」は、平成25年9月1日頃から同31年4月20日頃までの間、使用商標が内側に付された「かばん」を店内に陳列し、継続して販売していたことを証明書1により証明している。

しかしながら、当該「かばん」自体には、使用商標は付されているものの、品名は付されていない。

そして、証明書1に添付されている写真について、写真に写っている「かばん」の一つには、「081−014−r」等の文字が手書きで記載されたカードが添えられているところ、このカードに記載された文字のうち、1行目の「RENE CAOVILLA」の文字の末尾の「A」の文字及び下から1行目の「¥19,800−」の文字が、当該カード又は写真の底辺から少しはみ出た位置に表示されており、当該写真自体が不自然なものとなっている。

この不自然な点について、合議体は、被請求人に対し釈明を求めたが、前記第3の2(4)のとおり、被請求人は、「rev k shop」が作成した証明書1の内容であるにもかかわらず、被請求人の落ち度である旨述べるにとどまり、なぜ不自然なものとなったのかについて、何ら釈明していない。

そうすると、「rev k shop」による証明書1の内容は、信用性に乏しいものといわなければならない。

してみると、たとえ、シャトレアン社が、「rev k shop」に対し、平成29年9月1日に品名「RC−081−014−r」の商品を譲渡したことが認められるとしても、当該商品が、証明書1に添付の写真に写されている、「081−014−r」等の文字が手書きで記載されたカードが添えられている「かばん」であると認めることはできない。

なお、被請求人は、前記第3の2(4)のとおり、シャトレアン社より「rev k shop」に問い合わせたところ、同じ商品があるので撮影依頼し提出すると述べ、修正分の写真を提出している(物件ウ)。

しかしながら、修正分として提出された写真には、使用商標が内側に付された「かばん」が写っているが、当該「かばん」自体には、品名は付されていない。

そして、修正分として提出された写真は、「かばん」及びこれに添えられた手書きの文字が書かれたカードという構図であり、修正前の不自然な写真と同様の構図である。

そうすると、たとえ、修正分として提出された写真に、「RC−081−014−r」の文字が記載されたカードが写っているとしても、当該写真の「かばん」が、シャトレアン社が「rev k shop」に対し平成29年9月1日に譲渡した品名「RC−081−014−r」の商品であるとは、認めることはできない。

ウ 前記(1)アによれば、シャトレアン社は、「rev k shop」に対し、平成31年4月27日に品名「RC−093−1−r」及び「RC−091−2−r」の商品をそれぞれ納品、すなわち譲渡したことが認められる。

また、前記(1)ウによれば、「rev k shop」は、平成31年4月27日に、使用商標が内側に付された「かばん」を店内に陳列し、販売したことを証明書2により証明している。

しかしながら、当該「かばん」自体には、使用商標は付されているものの、品名は付されていない。

そして、証明書2に添付されている写真は、「かばん」及びこれに添えられた手書きの文字が書かれたカードという構図であり、証明書1に添付された写真と同様の構図である。また、証明書2に記載されている内容は、証明書1のそれとは、日付に関する記載以外はほぼ同様である。

そうすると、前記イのとおり、証明書1の内容が信用性に乏しいことを踏まえると、証明書2の内容は、証明書1の内容と同様に信用性の乏しいものと判断するのが相当である。

してみると、たとえ、シャトレアン社が、「rev k shop」に対し、平成31年4月27日に品名「RC−093−1−r」及び「RC−091−2−r」の商品を譲渡したことが認められるとしても、当該商品が、証明書2に添付の写真に写されている、「RC−093−1−r」又は「RC−091−2−r」等の文字が手書きで記載されたカードが添えられている「かばん」であると認めることはできない。

エ 前記アないしウによれば、シャトレアン社が、要証期間内に、本件商標の指定商品中「かばん」に使用商標を付したものを「rev k shop」に対し譲渡したということはできない。

4 シャトレアン社から「Cinderelle」への譲渡について

(1)被請求人の提出に係る証拠によれば、次の事実が認められる。

ア シャトレアン社は、「Cinderelle」に対し、平成26年2月1日に品名「RC−983−61−C」の商品、同27年1月10日に品名「RC−101−C」の商品、同29年9月1日に品名「RC−123−198−r」の商品、同31年4月27日に品名「RC−335−C」の商品及び同月29日に品名「RC−446−C」の商品をそれぞれ納品した(乙3及び物件2)。

イ 「Cinderelle」は、令和元年7月23日付け証明書(以下「証明書3」という。)において、写真に示す商品は、平成25年9月1日頃から同31年4月30日頃までの間、店内に陳列し、継続して販売した商品の在庫であることを証明した(乙6)。

証明書3には、使用商標がそれぞれ内側に付された3種類の「かばん」及びこれらに添えられた手書きの文字が書かれたカードが写された写真が添付されている。

当該カードには、「RC−983−61−C」、「RC−101−C」又は「RC−123−198−C」等の文字がそれぞれ記載されている。

ウ 「Cinderelle」は、令和2年2月25日付け証明書(以下「証明書4」という。)において、写真に示す商品は、平成31年4月27日及び同月29日に店内に陳列し、継続して販売した商品の在庫であることを証明した(物件2)。

証明書4には、使用商標がそれぞれ内側に付された2種類の「かばん」及びこれらに添えられた手書きの文字が書かれたカードが写された写真が添付されている。

当該カードには、「RC−446−C」又は「RC−335−C」等の文字がそれぞれ記載されている。

(2)判断

ア 前記(1)アによれば、シャトレアン社は、「Cinderelle」に対し、平成26年2月1日及び同27年1月10日に何らかの商品を納品、すなわち譲渡したことが認められるが、いずれも要証期間外である。

イ 前記(1)アによれば、シャトレアン社は、「Cinderelle」に対し、平成29年9月1日に品名「RC−123−198−r」の商品を納品、すなわち譲渡したことが認められる。

また、前記(1)イによれば、「Cinderelle」は、平成25年9月1日頃から同31年4月20日頃までの間、使用商標が内側に付された「かばん」を店内に陳列し、継続して販売していたことを証明書3により証明している。

しかしながら、証明書3において証明している「かばん」には、品名「RC−123−198−r」に相当するものは含まれていない。

そうすると、シャトレアン社が「Cinderelle」に対し平成29年9月1日に譲渡した商品がいかなる商品であるのか不明であり、また、当該商品に使用商標が付されているのか不明であるといわなければならない。

この不明な点について、合議体は、被請求人に対し追加の証拠の提出を求めたが、前記第3の2(5)のとおり、被請求人は、納品書における「RC−123−198−r」の記載は、「RC−123−198−C」の誤記である旨述べるにとどまり、これを裏付ける証拠の提出はない。

してみると、たとえ、シャトレアン社が、「Cinderelle」に対し、平成29年9月1日に品名「RC−123−198−r」の商品を譲渡したことが認められるとしても、当該商品が「かばん」であるとは認められず、また、当該商品に使用商標が付されていたと認めることもできない。

ウ 前記(1)アによれば、シャトレアン社は、「Cinderelle」に対し、平成31年4月27日に品名「RC−335−C」の商品及び同月29日に品名「RC−446−C」の商品をそれぞれ納品、すなわち譲渡したことが認められる。

また、前記(1)ウによれば、「Cinderelle」は、平成31年4月27日及び同月29日に、使用商標が内側に付された「かばん」を店内に陳列し、継続して販売したことを証明書4により証明している。

しかしながら、当該「かばん」自体には、使用商標は付されているものの、品名は付されていない。

そして、証明書4に添付されている写真は、「かばん」及びこれに添えられた手書きの文字が書かれたカードという構図であり、証明書1に添付された写真と同様の構図である。また、証明書4に記載されている内容は、証明書1のそれとは、日付に関する記載以外はほぼ同様である。

そうすると、前記3(2)イのとおり、証明書1の内容が信用性に乏しいことを踏まえると、証明書4の内容は、証明書1の内容と同様に信用性の乏しいものと判断するのが相当である。

してみると、たとえ、シャトレアン社が、「Cinderelle」に対し、平成31年4月27日に品名「RC−335−C」の商品及び同月29日に品名「RC−446−C」の商品をそれぞれ譲渡したことが認められるとしても、当該商品が、証明書4に添付の写真に写されている、「RC−335−C」又は「RC−446−C」等の文字が手書きで記載されたカードが添えられている「かばん」であると認めることはできない。

エ 前記アないしウによれば、シャトレアン社が、要証期間内に、本件商標の指定商品中「かばん」に使用商標を付したものを「Cinderelle」に対し譲渡したということはできない。

5 シャトレアン社から「CREATION」への譲渡について

(1)被請求人の提出に係る証拠によれば、次の事実が認められる。

ア シャトレアン社は、「CREATION」に対し、平成27年10月1日に品名「RC−312−358−T」の商品及び同29年9月30日に品名「RC−043−22−T」の商品をそれぞれ納品した(乙4)。

イ 「CREATION」は、令和元年7月20日付け証明書(以下「証明書5」という。)において、写真に示す商品は、平成25年9月1日頃から同31年4月20日頃までの間、店内に陳列し、継続して販売した商品の在庫であることを証明した(乙7)。

証明書5には、使用商標がそれぞれ内側に付された2種類の「かばん」及びこれらに添えられた手書きの文字が書かれたカードが写された写真が添付されている。

当該カードには、「RC−312−358−T」又は「RC−043−22−T」等の文字がそれぞれ記載されている。

そして、これらのカードのうち「RC−043−22−T」の文字が記載されたカードは、当該「RC−043−22−T」の文字の末尾の「T」の文字がカードからはみ出て表示されており、また、下から1行目に「¥14,800−」の文字が記載されているところ、当該文字もカードからはみ出て表示されている。

(2)判断

ア 前記(1)アによれば、シャトレアン社は、「CREATION」に対し、平成27年10月1日に何らかの商品を納品、すなわち譲渡したことが認められるが、要証期間外である。

イ 前記(1)アによれば、シャトレアン社は、「CREATION」に対し、平成29年9月30日に品名「RC−043−22−T」の商品を納品、すなわち譲渡したことが認められる。

また、前記(1)イによれば、「CREATION」は、平成25年9月1日頃から同31年4月20日頃までの間、使用商標が内側に付された「かばん」を店内に陳列し、継続して販売していたことを証明書5により証明している。

しかしながら、当該「かばん」自体には、使用商標は付されているものの、品名は付されていない。

そして、証明書5に添付されている写真について、写真に写っている「かばん」の一つには、「RC−043−22−T」等の文字が手書きで記載されたカードが添えられているところ、このカードに記載された文字のうち、当該「RC−043−22−T」の文字の末尾の「T」の文字及び下から1行目の「¥14,800−」の文字が当該カードからはみ出た位置に表示されており、当該写真自体が不自然なものとなっている。

この不自然な点について、合議体は、被請求人に対し釈明を求めたが、前記第3の2(6)のとおり、被請求人は、「CREATION」が作成した証明書5の内容であるにもかかわらず、被請求人の撮影ミスである旨述べるにとどまり、なぜ不自然なものとなったのかについて、何ら釈明していない。

そうすると、「CREATION」による証明書5の内容は、信用性に乏しいものといわなければならない。

してみると、たとえ、シャトレアン社が、「CREATION」に対し、平成29年9月30日に品名「RC−043−22−T」の商品を譲渡したことが認められるとしても、当該商品が、証明書5に添付の写真に写されている、「RC−043−22−T」等の文字が手書きで記載されたカードが添えられている「かばん」であると認めることはできない。

なお、被請求人は、前記第3の2(6)のとおり、シャトレアン社より「CREATION」に問い合わせたところ、同等の商品があるので撮影して提出すると述べ、修正分の写真を提出している(物件オ)。

しかしながら、修正分として提出された写真には、使用商標が内側に付された「かばん」が写っているが、当該「かばん」自体には、品名は付されていない。

そして、修正分として提出された写真は、「かばん」及びこれに添えられた手書きの文字が書かれたカードという構図であり、修正前の不自然な写真と同様の構図である。

そうすると、たとえ、修正分として提出された写真に、「RC−043−22−T」の文字が記載されたカードが写っているとしても、当該写真の「かばん」が、シャトレアン社が「CREATION」に対し平成29年9月30日に譲渡した品名「RC−043−22−T」の商品であるとは、認めることはできない。

ウ 前記ア及びイによれば、シャトレアン社が、要証期間内に、本件商標の指定商品中「かばん」に使用商標を付したものを「CREATION」に対し譲渡したということはできない。

6 まとめ

以上のとおり、被請求人の提出に係る証拠によっては、本件商標の通常使用権者であるシャトレアン社が要証期間内に本件商標の指定商品中「かばん」に使用商標を付したものを「rev k shop」、「Cinderelle」又は「CREATION」に対し譲渡したものと認めることはできない。

その他、本件商標が、要証期間に、本件商標の指定商品について使用をされていることを証明する証拠の提出はない。

以上により、被請求人が、要証期間内に日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが請求に係る商品についての本件商標の使用をしていることを証明したとはいえず、また、当該使用をしていないことについて正当な理由があることを明らかにしたともいえない。

したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、取り消すべきものである。

よって、結論のとおり審決する。

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