結論テキスト
本願商標は、登録すべきものとする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 不服2020−650015(T2020−650015/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本願商標は、「MARTIN」の欧文字を表してなり、第7類、第11類、第37類及び第42類に属する日本国を指定する国際登録において指定された商品及び役務を指定商品及び指定役務として、2018年(平成30年)5月8日に国際商標登録出願(事後指定)されたものである。その後、指定商品及び指定役務については、原審における令和元年10月21日付けの手続補正書及び当審における2020年(令和2年)5月26日付けで国際登録簿に記録された限定の通報があった結果、最終的に、第11類「Feeding devices for heating equipment,heating equipments,hot water or steam boilers,other than parts of machines,for thermal power plants;dust−removing installations and the components thereof.」、第37類「Installation of combustion grates and ventilation systems for waste incineration plants for thermal power plants.」及び第42類「Studies relating to industrial plants or installations and the components thereof.」とされた。
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録商標は、以下のとおりであり、現に有効に存続しているものである。
(1)引用商標1
国際登録第1098555号商標は、別掲1のとおりの構成よりなり、2011年9月8日にUnited States of Americaにおいてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し、2011年(平成23年)10月18日に国際商標登録出願、第7類及び第37類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、平成25年6月7日に設定登録されたものである。その後、指定商品及び指定役務については、2014年(平成26年)3月7日付けで基礎出願又は基礎登録の効力の一部終了の結果、別掲3のとおりとされた。
(2)引用商標2
国際登録第1102444号商標は、別掲2のとおりの構成よりなり、2011年9月8日にUnited States of Americaにおいてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し、2011年(平成23年)10月18日に国際商標登録出願、第7類及び第37類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、平成25年6月7日に設定登録されたものである。その後、指定商品及び指定役務については、2014年(平成26年)3月7日付けで基礎出願又は基礎登録の効力の一部終了の結果、別掲3のとおりとされた。
以下、これらをまとめていうときは、単に「引用商標」という。
(1)本願商標について
本願商標は、「MARTIN」の欧文字を表してなるところ、その構成文字に相応して「マーチン」の称呼を生じるものである。また、当該文字は「マーチン(ニシイワツバメ(house〜)・ショウドウツバメ(sand〜)など)」(出典:ジーニアス英和辞典第5版)を意味する英単語として英和辞典に載録があるものの、我が国における英語の普及の程度に鑑みても、平易で一般に広く慣れ親しまれたものとまではいい難く、容易に特定の意味合いを理解するということはできないから、これより特定の観念は生じないと判断するのが相当である。
(2)引用商標について
引用商標1は、別掲1のとおりの構成よりなるところ、その商標全体の配列やデザインの程度からすると、構成の一部において「t」の横線と「i」の上方点部分をつなげて一本の横線にデザインしたものと容易に看取され、無理なく「martin」の文字を表したものと理解できるから、これより「マーチン」の称呼を生じるものである。
引用商標2は、上段に大きくややデザイン化した「m」の文字を配し、下段に引用商標1と同様の「martin」の欧文字を、上段と同じ横幅に収まるよう配した構成からなるところ、上段の「m」は、下段の「martin」の頭文字を表出したと認識されるものであることから、下段の「martin」の文字が独立して自他商品及び自他役務の出所表示として捉えられ得るといえ、構成全体から生じる「エムマーチン」の称呼に加え、下段の文字部分から「マーチン」の称呼をも生じるものである。
また、引用商標1及び引用商標2からは、いずれも前記(1)と同様の理由から、特定の観念は生じない。
(3)本願商標と引用商標の比較
本願商標と引用商標を比較すると、文字のデザインの差異等を有するものの「MARTIN」と「martin」との綴り字を同一にし、外観において似通った印象を与えるものであり、いずれも「マーチン」の称呼を共通にするものである。
そうすると、本願商標と引用商標は、観念において比較することができないとしても、外観において似通った印象を与え、称呼を共通にする類似の商標というべきである。
(4)本願の指定役務と引用商標の指定役務の比較
本願商標の指定商品及び指定役務中、第37類の役務「Installation of combustion grates and ventilation systems for waste incineration plants for thermal power plants.」と、引用商標の指定商品及び指定役務中、第37類の役務「Installation and maintenance of bulk material conveyor belt equipment,bulk material transfer chutes,and bulk material storage hoppers and silos;alignment of belt components in bulk material conveyor belt transfer systems.」を比較する。
本願商標の上記指定役務は、「地熱式発電所用の廃棄物焼却プラント用の熱膨張格子及び換気システムの設置工事」であり、地熱式発電所において廃棄物焼却プラントの一部に必要な設備(熱膨張格子及び換気システム)を設置する工事であるのに対し、引用商標の上記指定役務は、「バルク材料コンベヤーベルト用装置・バルク材料搬送用シュート並びにバルク材料保存用ホッパー及びサイロの設置及び保守,バルク材料コンベヤーベルト用搬送システムのベルト構成部品の調整」であり、バルク材料に特化した搬送装置、保存設備を設置し、その構成部品の調整(保守)を行うものと解される。
また、前者は主として築炉工事業者や発電設備工事業者等により提供される役務と考えられるのに対し、後者は、主として運搬機器設置工事業者等により提供される役務と考えられる。
そうすると、両役務は、共に設備工事をその役務内容とするものではあるが、その役務の提供の手段、目的、場所、関連する物品、需要者の範囲等を異にしているばかりでなく、その役務の提供の事業者も相違するといい得るから、両役務が競合するとみることは困難であり、両商標がそれぞれ上記の指定役務について使用されたとしても、その役務が同一営業主の提供に係る役務であると誤認混同されるおそれがあるということはできず、両役務は互いに類似するものではないというのが相当である。
また、本願商標の上記以外の指定商品及び指定役務と、引用商標の上記以外の指定商品及び指定役務とは類似しないこと明らかである。
(5)まとめ
してみれば、本願商標と引用商標が類似するとしても、互いの指定商品及び指定役務において類似するといえない以上、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものではないというべきである。
したがって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとした原査定の理由をもって、本願を拒絶すべきものとすることはできない。
その他、本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。