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Trademark Appeal Case

称呼・役務の類否と先願

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号無効2020−890055(T2020−890055/J3)
審判種別無効
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第5784568号の指定役務中、第35類「広告業,経営の診断又は経営に関する助言,市場調査又は分析,商品の販売に関する情報の提供,ホテルの事業の管理,家具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,建具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,畳類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」及び第36類「全指定役務」についての登録を無効とする。
その余の指定役務についての審判請求は成り立たない。
審判費用は、その2分の1を請求人の負担とし、2分の1を被請求人の負担とする。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第5784568号商標(以下「本件商標」という。)は、「Houzz」の文字を標準文字で表してなり、平成27年3月23日に登録出願、第35類「広告業,経営の診断又は経営に関する助言,市場調査又は分析,商品の販売に関する情報の提供,ホテルの事業の管理,職業のあっせん,競売の運営,建築物における来訪者の受付及び案内,家具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,建具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,畳類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」及び第36類「生命保険契約の締結の媒介,生命保険の引受け,損害保険契約の締結の代理,損害保険に係る損害の査定,損害保険の引受け,保険料率の算出」を指定役務として、同年7月10日に登録査定され、同年8月7日に設定登録されたものである。

なお、本件商標は、後期分割登録料等の納付がなかったことにより、その商標権は令和2年8月7日に消滅したものとみなされている。

第2 引用商標

請求人が、本件商標が商標法第8条第1項の規定に違反して登録されたとして引用する国際登録第1259531号商標(以下「引用商標」という。)は、「HOUZZ」の文字を横書きしてなり、2014年10月10日にUnited States of Americaにおいてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し、同月13日に国際商標登録出願され、第35類「Online retail services for woven fabrics and beddings; online retail services for personal articles; online retail store services for furniture; online retail store services for joinery fittings; online retail store services for bladed or pointed hand tools, hand tools, hardware; online retail store services for kitchen equipment, cleaning tools and washing utensils; online retail store services for cosmetics, toiletries, dentifrices, soaps and detergents; online retail store services for printed matter; online retail store services for paper and stationery; online retail store services for clocks, watches and spectacles [eyeglasses and goggles]; retail store services for building materials; operating an online marketplace for sellers and purchasers of consumer goods including home interior and exterior furnishings, products and accessories; promoting home design and decorating products of others by providing hypertext links to the web sites of others; promoting home design, decorating, and remodeling services of others by providing contact information and hypertext links to service provider's websites.」、第36類「Financing and loan services; insurance consultancy and advisory services; providing advice in the field of property insurance.」、並びに第9類及び第42類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、平成30年5月18日に日本国において設定登録されたものであり、現に有効に存続しているものである。

第3 請求人の主張

請求人は、本件商標の登録を無効とする、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第3号証を提出した。

1 本件商標について

本件商標は、欧文字「Houzz」を標準文字で書してなり、第35類「広告業」等及び第36類「生命保険契約の締結の媒介」等を指定役務として平成27年3月23日に登録出願(先願権発生日)、同年8月7日に設定登録されたものである。

2 引用商標について

引用商標は、欧文字「HOUZZ」を書してなり、第9類、第35類「Online retail services for woven fabrics and beddings」等、第36類「Financing and loan services」等、第42類を指定商品及び指定役務として、平成26年10月13日に国際登録(先願権発生日:平成26年10月10日)、平成30年5月18日に日本国内で設定登録されたものである。また、引用商標は、請求人の所有に係るものである。

3 最先の商標登録出願人について

本件商標の先願権発生日は平成27年3月23日であるのに対して、引用商標の先願権発生日は平成26年10月10日である。

したがって、最先の商標登録出願人は引用商標に係る出願人(請求人)である。

4 本件商標と引用商標との類否について

本件商標は欧文字「Houzz」を書してなり、引用商標は欧文字「HOUZZ」を書してなるため、両商標の外観は極めて類似し、両商標の称呼「ハウズ」は同一である。したがって、両商標は類似の商標である。

また、両商標に係る第35類及び第36類の指定役務は、提供手段、目的若しくは提供場所等において共通性を有するため、同一又は類似のものである。

5 むすび

本件商標と引用商標とは、同一又は類似の役務について使用をする類似の商標であって、最先の商標登録出願人が引用商標に係る出願人(請求人)であるのにもかかわらず、本件商標は設定登録された。

よって、本件商標は、商標法第8条第1項に違反して登録された商標であるから、商標法第46条第1項第1号により、無効にすべきである。

第4 被請求人の主張

審判長は、請求書の副本を被請求人に送達し、相当の期間を指定して答弁書を提出する機会を与えたが、被請求人は何ら答弁していない。

第5 当審の判断

1 請求人適格について

請求人が本件審判を請求する利害関係を有することについては、被請求人は何ら争っておらず、また、当審は請求人が本件審判を請求する利害関係を有するものと認める。

以下、本案に入って審理する。

2 商標法第8条第1項該当性について

(1)商標法第8条第1項は、「同一又は類似の商品又は役務について使用をする同一又は類似の商標について異なつた日に二以上の商標登録出願があつたときは、最先の商標登録出願人のみがその商標について商標登録を受けることができる。」と規定しているので、以下、各要件について検討する。

(2)指定役務の類否について

本件商標又は引用商標の指定役務は、前記第1又は第2のとおりであるところ、本件商標の指定役務中、第35類「広告業,経営の診断又は経営に関する助言,市場調査又は分析,商品の販売に関する情報の提供,ホテルの事業の管理,家具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,建具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,畳類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」及び第36類「生命保険契約の締結の媒介,生命保険の引受け,損害保険契約の締結の代理,損害保険に係る損害の査定,損害保険の引受け,保険料率の算出」と、引用商標の指定役務中、第35類「online retail store services for furniture; online retail store services for joinery fittings; operating an online marketplace for sellers and purchasers of consumer goods including home interior and exterior furnishings, products and accessories; promoting home design and decorating products of others by providing hypertext links to the web sites of others; promoting home design, decorating, and remodeling services of others by providing contact information and hypertext links to service provider's websites.」(参考訳「家具のオンラインによる小売店の業務において行われる顧客に対する便益の提供,建具のオンラインによる小売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,消費者向け商品(家庭用内装用及び外装用家具・製品及び付属品を含む)の販売者及び購入者のためのオンライン市場の運営,他人のウェブサイトへのハイパーテキストリンクの提供による他人の家の設計用及び装飾用製品の販売促進,サービスプロバイダーのウェブサイトへの連絡先情報及びハイパーテキストリンクの提供による住宅の設計・装飾及び改装に関する他人の役務の販売促進」)及び第36類「insurance consultancy and advisory services; providing advice in the field of property insurance.」(参考訳「保険に関する助言,財産保険の分野における助言」)とは、提供手段、目的、提供場所等において共通性を有するため、同一又は類似の役務と認められる。

(3)商標の類否について

ア 本件商標は、前記第1のとおり「Houzz」の文字を標準文字で表してなるところ、該構成文字に相応して「ハウズ」の称呼を生じるものである。

また、本件商標と同じ綴り字の「houzz」は、一般的な辞書等に採録のない語であって、特定の意味を有しない一種の造語というべきであるから、本件商標から特定の観念は生じないものというのが相当である。

イ 引用商標は、前記第2のとおり「HOUZZ」の文字を横書きしてなるところ、該構成文字に相応して「ハウズ」の称呼を生じるものであって、前記アと同様に特定の観念は生じないものというのが相当である。

ウ そこで、本件商標と引用商標とを比較すると、両商標は、外観において、小文字又は大文字の差異はあるものの綴りを共通にするものであるから類似し、「ハウズ」の称呼を同じくするものであり、観念において比較することはできない。

そうすると、本件商標と引用商標とは、観念においては比較することができないとしても、外観において類似し、称呼が同一であることからすれば、互いに紛れるおそれのある類似のものと判断するのが相当である。

してみれば、本件商標と引用商標とは、類似の商標というべきである。

(4)最先の出願人について

本件商標は、前記第1のとおり平成27年3月23日に登録出願されたものであり、引用商標は、前記第2のとおり2014年(平成26年)10月10日にした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し国際商標登録出願されたものであるから、本件商標よりも引用商標が先願と認められる。

そうすると、引用商標に係る商標登録出願人が最先の商標登録出願人といわなければならず、かつ、同人と本件商標に係る商標登録出願人(本件商標権者)とは同一人ではない。

(5)小括

以上のとおりであるから、本件商標は、その指定役務中、第35類「広告業,経営の診断又は経営に関する助言,市場調査又は分析,商品の販売に関する情報の提供,ホテルの事業の管理,家具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,建具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,畳類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」及び第36類「生命保険契約の締結の媒介,生命保険の引受け,損害保険契約の締結の代理,損害保険に係る損害の査定,損害保険の引受け,保険料率の算出」について、同一又は類似の役務について使用をする同一又は類似の商標について異なった日に二以上の商標登録出願があったときに、最先の商標登録出願人でない者(本件商標権者)が商標登録を受けたものといわざるを得ず、商標法第8条第1項の規定に違反して登録されたものである。

3 まとめ

以上のとおり、本件商標の登録は、その指定役務中、第35類「広告業,経営の診断又は経営に関する助言,市場調査又は分析,商品の販売に関する情報の提供,ホテルの事業の管理,家具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,建具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,畳類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」及び第36類「生命保険契約の締結の媒介,生命保険の引受け,損害保険契約の締結の代理,損害保険に係る損害の査定,損害保険の引受け,保険料率の算出」については、商標法第8条第1項の規定に違反してされたものであるから、同法第46条第1項の規定により、その登録を無効とすべきものである。

しかしながら、本件商標は、その指定役務中の上記以外の指定役務については、商標法第8条第1項の規定に違反して登録されたものではないから、同法第46条第1項の規定に基づき、その登録を無効にすべき限りではない。

よって、結論のとおり審決する。

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