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Trademark Appeal Case

商標使用の有無と取消

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2020−300293(T2020−300293/J2)
審判種別取消
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第5251839号商標の指定商品中、第9類「電気通信機械器具, 電子応用機械器具及びその部品」ついては、その登録は取り消す。
審判費用は、被請求人の負担とする。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第5251839号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成からなり、平成21年3月30日に登録出願、第9類「電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品」を含む商標登録原簿に記載の第9類に属する商品を指定商品として、同年7月24日に設定登録され、その後、令和2年2月5日に商標権の存続期間の更新登録がされたものである。

そして、本件審判の請求の登録日は、令和2年5月22日である。

また、本件審判の請求の登録前3年以内の期間である平成29年5月22日から令和2年5月21日までの期間を、以下「要証期間」という。

第2 請求人の主張

請求人は、結論同旨の審決を求め、審判請求書において、本件商標は、その指定商品中、第9類「電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品」(以下「本件審判請求に係る指定商品」という場合がある。)について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれによっても使用されていないものであるから、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきである旨を主張し、証拠方法として、甲第1号証及び甲第2号証を提出した。

なお、請求人は、被請求人が提出した令和2年7月13日付け審判事件答弁書(以下「答弁書」という。)に対し、何ら弁駁していない。

第3 被請求人の主張

被請求人は、本件取消審判の請求は成り立たない、審判費用は審判請求人の負担とする、との審決を求め、答弁書において、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第6号証を提出した。

1 商標の使用について

(1)FUSOエレクトロニクス株式会社が管理するWebページでの商標の使用

答弁書の提出日において閲覧可能なFUSOエレクトロニクス株式会社(以下「FUSO社」又は「商標権者」という場合がある。)の商品を紹介するWebサイトのトップページ(乙1)及び当該Webサイト内の商品情報のページ(乙2)には、「ベーシックシリーズ」として本件商標を付した商品である魚群探知機(NF602シリーズ)が紹介されている。さらに、NF602シリーズの詳細情報ページ(乙3)には、NF602シリーズの商品仕様とGPSアンテナを含む種々のオプション品が紹介されている。

(2)FUSO社が製造・販売する商品への商標の使用

乙第4号証は、NF602シリーズの写真であるが、本件商標が商品本体の左上に付されている。乙第5号証は、NF602シリーズの一販売例に対する請求書のコピーで、2019年6月7日に販売した商品に対するものである。乙第6号証は、過去に販売されたNF602シリーズ及びNF882シリーズの商品の写真及び2020年5月の修理依頼のリストである。このリストにおいてチェックを付した商品がNF602シリーズ及びNF882シリーズのものである。

(3)商標的使用態様での使用

乙第3号証及び乙第6号証に示すように、本件商標は商標権者が製造・販売する商品であるNF602シリーズ及びNF882シリーズの正面の見やすい位置に付されており、商標の機能を発揮できる状態での表示である。

したがって、本件商標は商標的使用態様で商品に使用されている。

2 「電気通信機械器具、電子応用機械器具及びその部品」への使用について

本件商標が使用されている商品(NF−602シリーズ及びNF−882シリーズ。以下「使用商品」という。)は魚群探知機であり、魚群探知機は「電子応用機械器具」に該当する。また、乙第3号証に示すように、NF−602シリーズの商品紹介ページにはこの商品のオプション部品が掲載されており、本件商標は「電子応用機械器具及びその部品」に使用されているといえる。さらに、当該使用商品はGPS機能を備え、通信衛星との通信によって位置情報の獲得が可能になっており、これらGPS装置及び通信用のアンテナは「電気通信機械器具」であり当該商品専用のものであるから、「電気通信機械器具」についても本件商標を使用している。

3 過去3年以内の商標の使用について

乙第1号証ないし乙第3号証に示すように、この答弁書提出の日において閲覧可能なFUSO社のWebページには、本件商標が使用された使用商品(NF602シリーズ)が販売目的のために掲載されており、本件商標は現在もFUSO社において使用されている。なお、乙第1号証の下方に(C)2014 FUSO ELECTRONICS Co.,Ltd.((C)は「C」を丸で囲んだ記号。以下同じ。)と記載されているように、このWebページは2014年から存在するから、いわゆる審判請求前の駆け込み使用ではない。

第4 審尋及び被請求人の回答

1 審尋

審判長は、令和2年11月18日付け審尋において、被請求人に対し、被請求人が提出した証拠によっては、被請求人が商標法第50条第2項に規定する本件商標を使用している事実を証明したものとは認めることができない旨の合議体の暫定的見解に対する回答を求めた。

2 被請求人の回答

被請求人は、上記1の審尋に対し何らの応答もしていない。

第5 当審の判断

1 事実認定

被請求人の主張及びその提出した証拠によれば、以下のとおりである。

(1)乙第1号証について

乙第1号証の左下には、「(C)2014 FUSO ELECTRONICS Co,Ltd.」の記載及び右下には「FUSOエレクトロニクス株式会社」の記載がある。

また、本号証の上部から下部にかけて、「FUSOELE」、「やっぱり見る!探す!釣る!FUSOの魚探!!」、「FUSO機種の修理については、下記までご連絡ください。」、「対象機種:」、「・NFUSO一部 NF−602 NF−652 NF−882 NF−1000」、「FUSOELEの商品ラインアップ」及び「ベーシックシリーズ」の記載がある。

また、「ベーシックシリーズ」の記載の右には、魚群探知機と思しき商品の画像があるが不鮮明なため、商品に付されている標章は確認できない。

さらに、本号証には、ウェブサイトのアドレス情報及び掲載日は記載されていない。

(2)乙第2号証について

乙第2号証の3葉目の左下には、「(C)2014 FUSO ELECTRONICS Co,Ltd.」の記載、右下には「FUSOエレクトロニクス株式会社」及び連絡先の電話番号の記載がある。

また、本号証の1葉目の上部から下部にかけて、「商品情報」の見出しの下、「商品一覧」、「ベーシックシリーズ」の項に、「NF−602α (詳細)」との記載がある。

そして、「NF−602α(詳細)」の記載の上には、NF−602αと思しき商品の画像があるが、不鮮明なため、商品に付されている標章は確認できない。

さらに、本号証の2葉目の下部に「FUSOエレクトロニクスの最新カタログはこちらからダウンロードできます。」及び「※NEW 2018年バージョン」の記載がある。

なお、本号証には、ウェブサイトのアドレス情報及び掲載日は記載されていない。

(3)乙第3号証について

乙第3号証の3葉目の左下には、「(C)2014 FUSO ELECTRONICS Co,Ltd.」の記載、右下には「FUSOエレクトロニクス株式会社」及び連絡先の電話番号の記載がある。

また、本号証の1葉目の上部に、「5.6型LEDカラー液晶GPS・ブロッタ・魚探」、「NF−602α」及び「ベーシックなデジタル魚探。」の記載がある。そして、「NF−602α」の記載の右下には、NF−602αと思しき商品の画像があるが不鮮明なため、商品に付されている標章は確認できない。

さらに、本号証の2葉目の下部に、「オプション」の記載及びその下に「GPS18 GPSアンテナ」の記載がある。

なお、本号証には、ウェブサイトのアドレス情報及び掲載日は記載されていない。

(4)乙第4号証について

乙第4号証は、左上に、「NFUSO NF−602」の標章が付された商品の写真である。

なお、本号証の商品の写真は、撮影日が不明である。また、当該写真は、商品の正面のみの写真であるため、当該商品が、魚群探知機であることは確認できない。

(5)乙第5号証について

乙第5号証は、FUSO社が発行した請求明細書である。

本号証の右上には、「2019年6月30日」、「FUSOエレクトロニクス株式会社」、連絡先の記載があり、その左側には、「大阪府」を除いて墨消しされた取引先の宛先の記載がある。

また、中央に、「商品名」の欄に「NF−602α」の記載がある。

(6)乙第6号証について

乙第6号証の1葉目は、左上に、「NFUSO NF−602α」の標章が付された商品の写真であると認められる。

また、本号証の2葉目は、左下に、「NFUSO NF−882α」の標章が付された商品の写真であると認められる。

さらに、本号証の3葉目の上部には、手書きで「当店での修理機種明細です。」、「(FUSOエレクトロニクス様)」及び「マーキングは“NFUSO”商品です。」との記載、その下には、「受付日」、「機種」等の項目が記載されたリストがあり、「機種」が「NF882」又は「NF882α」である対象については、列の左側にレ点が付されていること及びリスト内の対象の「受付日」の期間が2020年(令和2年)5月であることが看取できる。

なお、本号証の1葉目及び2葉目の商品写真は、その撮影日が不明であり、当該写真は、商品の正面のみの写真であるため、当該商品が、魚群探知機であることは確認できない。

また、本号証の3葉目のリストは、手書きで「修理機種明細」と書かれているが、具体的にどのようなリストであるか不明であり、かつ、作成者が不明である。

2 上記1からすれば、次のとおり判断できる。

(1)使用者について

乙第1号証ないし乙第3号証の記載から、商標権者であるFUSO社が、NF−602α等を含む「魚群探知機」(以下「使用商品」という。)を製造・販売している事実は確認できる。

したがって、使用者は、商標権者であると認められる。

(2)使用商品について

使用商品である「魚群探知機」は、本件審判請求に係る指定商品中の「電子応用機械器具及びその部品」の範ちゅうに属するものである。

(3)商標の使用について

乙第1号証及び乙第3号証には、魚群探知機の画像が掲載されているものの、当該画像は不鮮明であるから、当該商品にどのような商標が使用されているのか不明である。

また、乙第4号証及び乙第6号証の1葉目及び2葉目の商品の写真には、「NFUSO NF−602」、「NFUSO NF−602α」又は「NFUSO NF−882α」の標章が付されていると認められるものの、当該写真は、商品の正面のみの写真であるため、この商品が魚群探知機であることは確認できない。

さらに、他の証拠から上記写真が、魚群探知機であることは確認できない。

したがって、上記「NFUSO NF−602」、「NFUSO NF−602α」又は「NFUSO NF−882α」が、魚群探知機について使用されている商標であるとは認めることができない。

その他、被請求人が提出した全証拠を確認しても、本件商標の商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが、要証期間に日本国内において、本件商標又は本件商標と社会通念上同一の商標を使用したことは確認できない。

(4)商標の使用時期について

乙第1号証ないし乙第3号証は、それらの掲載日が不明であるため、使用商品が要証期間に取引されていた事実を確認できない。

また、乙第5号証は、商標権者が作成したものであるが、取引先が墨消しされていること、当該取引先が発行した商品受領書等の証拠が提出されていないことから、乙第5号証のみでは使用商品が要証期間に実際に取引されたか確認することができない。

その他、被請求人が提出した全証拠を確認しても、本件商標の商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが、要証期間に、本件商標又は本件商標と社会通念上同一の商標を商標法第2条第3項各号に掲げる使用行為をしたことは確認できない。

(5)小括

上記のとおり、被請求人が提出した乙各号証によって、商標権者が、「魚群探知機」を製造・販売していること、及び、「魚群探知機」が本件審判請求に係る指定商品中の「電子応用機械器具及びその部品」の範ちゅうに属することは認められるものの、「魚群探知機」に本件商標又は本件商標と社会通念上同一の商標を使用していることが確認することができず、また、要証期間に、当該商品についての譲渡や販売を目的とした広告等が行われた事実が確認できないため、商標権者が、要証期間に、本件審判請求に係る指定商品について、商標法第2条第3項各号に掲げる使用行為をしたとは認めることができない。

その他、被請求人が提出した全証拠によっては、被請求人は、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが、要証期間に日本国内において本件審判請求に係る指定商品について、本件商標又は本件商標と社会通念上同一の商標を使用したことを証明していない。

3 被請求人の主張について

被請求人は、商標権者は、本件審判請求にかかる指定商品について実質的に本審判の登録前3年以内に本件商標を日本国内で使用しており、かつ、その使用は審判請求前の駆け込み使用ではないから、本件商標については不使用を理由に取り消されるべきものではない旨を主張する。

しかしながら、上記2のとおり、商標権者が、要証期間に、本件審判請求に係る指定商品について、商標法第2条第3項各号に掲げる使用行為をしたとは認めることができず、その他、被請求人が提出した全証拠によっても、被請求人は、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが、要証期間に日本国内において本件審判請求に係る指定商品について、本件商標又は本件商標と社会通念上同一の商標を使用したことを証明していない。

したがって、被請求人の主張は採用することができない。

4 まとめ

以上のとおり、被請求人は、要証期間に日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが本件審判請求に係る指定商品について、本件商標を使用していたことを証明したものと認めることはできない。

また、被請求人は、本件審判請求に係る指定商品について本件商標を使用していないことについて正当な理由があることも明らかにしていない。

したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、その指定商品中、第9類「電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品」については、その登録は取り消すべきものである。

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