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Trademark Appeal Case

同一商標の登録判断

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2017−900074(T2017−900074/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第5901727号商標の指定役務中「第38類 通信事業者への通信回線の提供及びこれに関する情報の提供および助言,インターネット上のプラットフォーム及びポータルへの接続用回線の提供,ウェブポータル・メールポータル及びニュースポータルへの接続用回線の提供,ビデオ共有ポータルへの接続用回線の提供,オンラインフォーラムへの接続用回線の提供,テレビジョン受信機を端末とした通信ネットワークへの接続の提供,コンピュータ端末による通信ネットワークへの接続の提供,電子計算機端末による通信ネットワークへの接続の提供,インターネット経由によって提供されるオーディオコンテンツへの電気通信接続用回線の提供,インターネット経由によって提供されるビデオコンテンツへの電気通信接続用回線の提供,質問を受け付けて掲示し当該質問に対する回答を募集し当該回答を掲示する電子掲示板通信,その他の電子掲示板による通信,電気通信(放送を除く。),データ通信その他の電気通信(放送を除く。)に関する情報の提供,電話番号情報の提供,放送,放送に関する情報の提供」についての商標登録を取り消す。
本件登録異議の申立てに係るその余の指定役務についての商標登録を維持する。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第5901727号商標(以下「本件商標」という。)は、「AMADEUS」の欧文字を標準文字で表してなり、平成28年5月19日に登録出願、第38類「通信事業者への通信回線の提供及びこれに関する情報の提供および助言,インターネット上のプラットフォーム及びポータルへの接続用回線の提供,ウェブポータル・メールポータル及びニュースポータルへの接続用回線の提供,ビデオ共有ポータルへの接続用回線の提供,オンラインフォーラムへの接続用回線の提供,テレビジョン受信機を端末とした通信ネットワークへの接続の提供,コンピュータ端末による通信ネットワークへの接続の提供,電子計算機端末による通信ネットワークへの接続の提供,インターネット経由によって提供されるオーディオコンテンツへの電気通信接続用回線の提供,インターネット経由によって提供されるビデオコンテンツへの電気通信接続用回線の提供,質問を受け付けて掲示し当該質問に対する回答を募集し当該回答を掲示する電子掲示板通信,その他の電子掲示板による通信,電気通信(放送を除く。),データ通信その他の電気通信(放送を除く。)に関する情報の提供,電話番号情報の提供,放送,放送に関する情報の提供,報道をする者に対するニュースの供給,電話機・ファクシミリその他の通信機器の貸与」を指定役務として、同年10月11日に登録査定、同年12月2日に設定登録されたものである。

第2 引用商標

登録異議申立人(以下「申立人」という。)が登録異議の申立ての理由において引用する国際登録第1321806号商標(以下「引用商標」という。)は、「AMADEUS」の欧文字を横書きしてなり、2015年12月23日にスペインにおいてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し、2016年(平成28年)6月22日に国際商標登録出願、第38類「Telecommunications services, including the transmission of voice, data, graphics, images, audio and video via telecommunications networks, wireless communications networks, the Internet and wireless telephony; telecommunications services for data exchange between airlines, airports and ground crews among others via a connectivity or shared platform; providing access to telecommunication networks and telecommunications infrastructures; providing access to a cloud computing network; providing access to computer networks and to computer databases, electronic and online; providing access to data, information and computer software on computer networks; rental of access time to a computer database in the field of travel information and reservations, namely for flights, trains, boats, cruises, hotels, restaurants, car rental and for cultural, entertainment, leisure and sports events; transmission of data, information and computer software via global computer networks; providing access to platforms on the Internet; providing access to e-commerce platforms on the Internet; electronic messaging services; information transmission for travelers relating to routes, flights, climate conditions, accommodation, destinations and events via electronic communications networks; electronic exchange of messages via chat lines, chat rooms and web forums; electronic bulletin board services [telecommunications services] and providing on-line forums for the transmission of messages in the field of travel, transportation and temporary accommodation; providing virtual private network (VPN) services; telecommunications services relating to operations and processes for the airline, airports, tourism and travel industries; information and advice relating to the foregoing services.」のほか、第9類、第35類、第36類、第39類、第41類、第42類、第43類及び第45類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、令和2年10月9日に設定登録されたものである。

第3 登録異議の申立ての理由

申立人は、「本件商標は、商標法第8条第1項の規定に違反して登録されたものであるから、その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきである。」と申立て、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証及び甲第2号証を提出した。

引用商標に係る国際商標登録出願は、国際登録日である平成28年6月22日に出願されたものであるが、スペインの商標出願(出願番号:3592401)に基づくパリ条約による優先権を主張しているため、当該基礎出願の出願日である平成27年12月23日に出願されたものとみなされる。

一方、本件商標に係る商標登録出願の出願日は、平成28年5月19日である。

したがって、引用商標に係る国際商標登録出願は、本件商標に係る商標登録出願の先願に該当する。

本件商標は、標準文字にて「AMADEUS」の欧文字よりなり、引用商標も、一般的な書体にて「AMADEUS」の欧文宇よりなるから、本件商標が引用商標と同一又は類似であることは明らかである。

本件商標は、第38類「通信事業者への通信回線の提供及びこれに関する情報の提供および助言,インターネット上のプラットフォーム及びポータルへの接続用回線の提供,ウェブポータル・メールポータル及びニュースポータルへの接続用回線の提供,ビデオ共有ポータルへの接続用回線の提供,オンラインフォーラムへの接続用回線の提供,テレビジョン受信機を端末とした通信ネットワークへの接続の提供,コンピュータ端末による通信ネットワークへの接続の提供,電子計算機端末による通信ネットワークへの接続の提供,インターネット経由によって提供されるオーディオコンテンツへの電気通信接続用回線の提供,インターネット経由によって提供されるビデオコンテンツへの電気通信接続用回線の提供,質問を受け付けて掲示し当該質問に対する回答を募集し当該回答を掲示する電子掲示板通信,その他の電子掲示板による通信,電気通信(放送を除く。),データ通信その他の電気通信(放送を除く。)に関する情報の提供,電話番号情報の提供」(類似群38A01)及び同類「放送,放送に関する情報の提供」(類似群38B01)を指定している。

これらの役務は、同じく類似群38A01及び38B01を有する引用商標の第38類の指定役務と同一又は類似である。

したがって、本件商標は、商標法第8条第1項の規定により、商標登録を受けることができない商標に該当する。

第4 取消理由の通知

当審において、商標権者に対し、「本件商標は、先願である引用商標と類似するものであり、その指定役務中『通信事業者への通信回線の提供及びこれに関する情報の提供および助言,インターネット上のプラットフォーム及びポータルへの接続用回線の提供,ウェブポータル・メールポータル及びニュースポータルへの接続用回線の提供,ビデオ共有ポータルへの接続用回線の提供,オンラインフォーラムへの接続用回線の提供,テレビジョン受信機を端末とした通信ネットワークへの接続の提供,コンピュータ端末による通信ネットワークへの接続の提供,電子計算機端末による通信ネットワークへの接続の提供,インターネット経由によって提供されるオーディオコンテンツへの電気通信接続用回線の提供,インターネット経由によって提供されるビデオコンテンツへの電気通信接続用回線の提供,質問を受け付けて掲示し当該質問に対する回答を募集し当該回答を掲示する電子掲示板通信,その他の電子掲示板による通信,電気通信(放送を除く。),データ通信その他の電気通信(放送を除く。)に関する情報の提供,電話番号情報の提供,放送,放送に関する情報の提供』(以下『本件類似役務』ということがある。)と引用商標の指定商品及び指定役務中、第38類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載のとおりの役務とは、同一又は類似するものであるから、本件商標の指定役務中『本件類似役務』についての登録は、第8条第1項の規定に違反してされたものである。」旨の取消理由を令和2年10月29日付けで通知し、相当の期間を指定して意見を求めた。

第5 商標権者の意見

上記第4の取消理由に対し、商標権者は、何ら意見を述べるところがない。

第6 当審の判断

1 商標法第8条第1項について

商標法第8条第1項は、「同一又は類似の商品又は役務について使用をする同一又は類似の商標について異なつた日に二以上の商標登録出願があつたときは、最先の商標登録出願人のみがその商標について商標登録を受けることができる。」と規定している。

2 本件商標と引用商標の出願日について

本件商標は、商標登録原簿によれば、平成28年5月19日に登録出願、同年10月11日登録査定、同年12月2日に設定登録されたものである。

一方、引用商標は、国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿によれば、それ以前の2015年12月23日にスペインにおいてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し、2016年(平成28年)6月22日に国際商標登録出願されたものであるから、基礎出願の出願日である2015年(平成27年)12月23日に出願されたものとみなされる。

そうすると、引用商標は、本件商標との関係においては、先願ということになる。

3 本件商標と引用商標の類否について

(1)本件商標

本件商標は、上記第1のとおり、「AMADEUS」の欧文字を標準文字で表してなるところ、当該文字は、「1979年初演のピーター・シェイファーによる戯曲。原題《Amadeus》。楽聖ウォルフガング・アマデウス・モーツァルトと宮廷音楽家サリエリの確執を描いた作品。1981年に第35回トニー賞(演劇作品賞)を受賞。1984年に映画化された。」(デジタル大辞泉)のように、戯曲の原題を表す語として辞書類に載録されているとしても、一般に親しまれた語ともいえず、直ちに当該意味合いを表示する語として理解されるものとはいい難く、むしろ一種の造語として認識されるものとみるのが相当である。

そうすると、本件商標は、その構成文字に相応して、「アマデウス」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。

(2)引用商標

引用商標は、上記第2のとおり、「AMADEUS」の欧文字を書してなるものであるから、本件商標と同様の理由により、その構成文字に相応して、「アマデウス」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。

(3)本件商標と引用商標との類否

本件商標と引用商標とを比較すると、いずれも「AMADEUS」の欧文字よりなるものであるから、両者は、外観上、類似するものである。

そして、両者は、「アマデウス」の称呼を共通にするものであり、いずれも特定の観念を生じないものであるから、観念において比較することはできない。

そうすると、本件商標と引用商標とは、観念において比較することができないとしても、外観において類似するものであって、「アマデウス」の称呼を共通にするものであるから、取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合的に考察すれば、両者は相紛れるおそれのある類似の商標というのが相当である。

4 本件商標の指定役務と引用商標の指定役務の類否について

本件商標の指定役務中「本件類似役務」と、引用商標の指定商品及び指定役務中、第38類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載のとおりの役務とは、同一の事業者によって提供される場合が多く、また、需要者及びその役務の内容を共通にするものであるから、両者は、同一又は類似の役務というのが相当である。

5 まとめ

上記3のとおり、本件商標と引用商標は類似し、上記4のとおり、本件商標の指定役務中「本件類似役務」と引用商標の指定商品及び指定役務中、第38類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載のとおりの役務とは、互いに類似する役務である。

そして、引用商標は、上記2のとおり、本件商標との関係においては先願であり、最先の商標登録出願人である引用商標の商標権者と本件商標権者は、同一人ではない。

してみれば、本件商標は、同一又は類似の役務について使用をする類似の商標について異なった日に二以上の商標登録出願があった、最先の商標登録出願人でない本件商標権者が商標登録を受けたものと認められるから、上述のとおり、本件商標が先願である引用商標と類似するものであり、その指定役務中「本件類似役務」と、引用商標の指定商品及び指定役務中、第38類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載のとおりの役務も同一又は類似するものである以上、同条項により先願である引用商標が優先し、本件商標の指定役務中「本件類似役務」については商標登録の余地がないといわざるを得ない。

6 むすび

以上のとおり、本件商標の指定役務中「通信事業者への通信回線の提供及びこれに関する情報の提供および助言,インターネット上のプラットフォーム及びポータルへの接続用回線の提供,ウェブポータル・メールポータル及びニュースポータルへの接続用回線の提供,ビデオ共有ポータルへの接続用回線の提供,オンラインフォーラムへの接続用回線の提供,テレビジョン受信機を端末とした通信ネットワークへの接続の提供,コンピュータ端末による通信ネットワークへの接続の提供,電子計算機端末による通信ネットワークへの接続の提供,インターネット経由によって提供されるオーディオコンテンツへの電気通信接続用回線の提供,インターネット経由によって提供されるビデオコンテンツへの電気通信接続用回線の提供,質問を受け付けて掲示し当該質問に対する回答を募集し当該回答を掲示する電子掲示板通信,その他の電子掲示板による通信,電気通信(放送を除く。),データ通信その他の電気通信(放送を除く。)に関する情報の提供,電話番号情報の提供,放送,放送に関する情報の提供」についての登録は、商標法第8条第1項の規定に違反してされたものと認められるから、商標法第43条の3第2項の規定により、取り消すべきものである。

しかしながら、本件商標のその余の指定役務「報道をする者に対するニュースの供給,電話機・ファクシミリその他の通信機器の貸与」については、その登録を取り消すべき理由がないから、同法第43条の3第4項の規定により、登録を維持すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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