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Trademark Appeal Case

称呼類似と周知商標

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号無効2019−890048(T2019−890048/J3)
審判種別無効
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第6080658号の指定役務中,第35類「運動・健康の分野における商品の展示会又は見本市の企画・運営,健康食品及び化粧品の販売促進のための展示会の企画・運営又は開催,健康管理の利用に関する統計の編集,健康食品・サプリメント・健康関連商品の販売に関する情報の提供,健康管理および美容に関する広告の企画又は助言」及び第44類「健康及び健康管理に関する情報の提供並びに指導及び助言,健康診断及びこれに関するコンサルティング,インターネットを利用した健康管理に関する情報の提供」についての登録を無効とする。
その余の指定役務についての審判請求は成り立たない。
審判費用は,その2分の1を請求人の負担とし,2分の1を被請求人の負担とする。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第6080658号商標(以下「本件商標」という。)は,別掲1のとおりの構成よりなり,平成29年11月21日に登録出願,第35類「運動・健康の分野における商品の展示会又は見本市の企画・運営,健康食品及び化粧品の販売促進のための展示会の企画・運営又は開催,健康管理の利用に関する統計の編集,健康食品・サプリメント・健康関連商品の販売に関する情報の提供,健康管理および美容に関する広告の企画又は助言,コンピュータによる利用者の健康情報のデータ管理」及び第44類「健康及び健康管理に関する情報の提供並びに指導及び助言,健康診断及びこれに関するコンサルティング,インターネットを利用した健康管理に関する情報の提供」を指定役務として,同30年9月4日に登録査定,同月14日に設定登録されたものである。

第2 引用商標

請求人が本件商標の無効の理由において引用する商標は,以下の3件であり,いずれも現に有効に存続しているものである。

1 登録第4971920号商標(以下「引用商標1」という。)は,別掲2のとおりの構成よりなり,平成17年12月1日に登録出願,第35類「広告,トレーディングスタンプの発行,職業のあっせん,競売の運営,輸出入に関する事務の代理又は代行,新聞の予約購読の取次ぎ,速記,筆耕,書類の複製,電子計算機・タイプライター・テレックス又はこれらに準ずる事務用機器の操作,建築物における来訪者の受付及び案内,広告用具の貸与,タイプライター・複写機及びワードプロセッサの貸与,求人情報の提供,自動販売機の貸与」及び第41類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として,同18年7月21日に設定登録されたものである。

2 登録第5453305号商標(以下「引用商標2」という。)は,別掲2のとおりの構成よりなり,平成23年3月31日に登録出願,第44類「介護に関する情報の提供,医療に関する情報の提供,医療情報の提供,栄養の指導,介護」のほか,第9類,第16類,第38類,第42類及び第45類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として,同年11月25日に設定登録されたものである。

3 登録第5866746号商標(以下「引用商標3」という。)は,別掲3のとおりの構成よりなり,平成28年1月22日に登録出願,第35類「戦略的な商品及びサービスの調達に関連する事業に関する指導及び助言,他人の事業のために行う物品の調達及びサービスの手配,市場戦略に関する企画,他人のための物品の調達に関する助言及び指導,商品の販売に関する情報の提供」を指定役務として,同年7月15日に設定登録されたものである。

以下,これらをまとめて「引用商標」という。

第3 請求人の主張

請求人は,本件商標の登録を無効とする,審判費用は被請求人の負担とする,との審決を求め,その理由を要旨次のように述べ,証拠方法として甲第1号証ないし甲第18号証を提出した。

1 請求の理由

本件商標は,商標法第4条第1項第11号及び同項第15号に該当するものであるから,同法第46条第1項第1号により,その登録を無効にすべきものである。

2 無効原因

(1)商標法第4条第1項第11号について

本件商標は,その構成中「SMS」の欧文字が顕著に表されており,これより「エスエムエス」の称呼が生じる。

他方,引用商標は,いずれも,その構成中「SMS」の欧文字が顕著に表されており,これより「エスエムエス」の称呼が生じる。

してみれば,本件商標と引用商標は,称呼において相紛れるおそれのある類似の商標であって,かつ,本件商標の指定役務は,引用商標の指定商品又は指定役務と同一又は類似のものである。

(2)商標法第4条第1項第15号について

請求人は,平成15年に設立されてから現在まで,キャリヤ分野(看護師向け人材紹介,介護職向け求人情報・人材紹介・人材派遣・資格講座等),介護事業者分野(介護事業者向け経営支援),海外分野(製薬会社向けマーケティング支援,グローバルキャリアビジネス等),事業開発分野(保健指導,重症化予防,健康相談,食事宅配検索,リフォーム事業者情報等)の事業を行っている(甲5)。

そして,請求人のハウスマークである引用商標1及び引用商標2は,請求人の事業を表示するものとして長年継続して使用されており,各種メディアにも頻繁に取り上げられている(甲6〜甲16)。

現在に至っては,請求人の事業は,特にキャリヤ分野(看護師向け人材紹介,介護職向け求人情報・人材紹介・人材派遣・資格講座等)においてトップシェアを誇っている(甲17,甲18)。

このような状況から,引用商標1及び引用商標2は,その商品又は役務が請求人の業務に係るものであることを表示するものとして,遅くとも本件商標の登録出願日より前に,需要者の間に広く認識されていたと評価されるべきである。

そして,本件商標と引用商標1及び引用商標2とが類似するものであり,また,本件商標の指定役務は請求人の業務と関連を有するものである。

したがって,本件商標が,その指定役務について使用された場合は,需要者をして請求人の業務に係る商品又は役務であると誤認し,商品又は役務の出所について混同するおそれがあるといわざるを得ない。

第4 被請求人の答弁

被請求人は,本件審判請求は成り立たない,審判費用は請求人の負担とする,との審決を求め,その理由を要旨次のように述べ,証拠方法として乙第1号証を提出した。

1 商標法第4条第1項第11号について

本件商標が商標法第4条第1項第11号に該当するためには,本件商標の指定役務と請求人が引用する引用商標に係る指定商品又は指定役務が同一又は類似であって,かつ,本件商標と引用商標とが類似していることが必要である。

しかしながら,以下のとおり,本件商標と引用商標は非類似の商標である。

(1)本件商標

ア 商標

(ア)外観

本件商標は,同一の3つのハートが横一列に重なり合う図形部分の下に,同書同大の横書きで欧文字の「SMS」を書した文字部分を配してなるところ,図形部分は,中央のハートの右側上部と右手のハートの左側上部の各略円弧部分が,また同様に,中央のハートの左側上部と左手のハートの右側上部の各略円弧部分とが重なり合った,極めて独創的な形状である。

文字部分を構成する欧文字「S」,「M」及び「S」は,各ハートの下端先端の直下に一文字ずつ配置されており,また,文字部分の横幅と左右のハートの下端先端の間隔幅とは同一であって,構成上,図形部分と文字部分はバランスがよく一体的である。

加えて,全体が略同一の太さの線で描かれていることとも相まって,本件商標は全体でまとまりがよく,視覚的な一体性が強い。

(イ)観念

本件商標の文字部分「SMS」は,辞書に載録された言葉ではない(乙1)。

また,当該「SMS」は,「self maintenance station」の各単語の頭文字を並べたものであるが,このようにいわゆる複合語の略語として欧文字の組み合わせを用いることは一般的に行われている。

以上より,本件商標の文字部分「SMS」は,特定の単語として理解されることはなく,何かしらの略語として欧文字を並べた文字列として認識されると考えるのが自然であり,「SMS」は,特定の観念を一義的に表すものとして認識されない。

一方,図形部分は,我が国の国民に最も馴染みのある図形の一つといえるハートをモチーフにしたものであり,また,その特徴的な形状から需要者等に強い印象を与えるので,当該部分から「ハート」若しくは「3つのハート」の明確な観念が生じる。

以上を勘案すると,本件商標は,全体で一体的な態様であることも相まって,需要者等には図形も含めた全体が想起され,「ハートのSMS」又は「3つのハートのSMS」の観念が生じる。

(ウ)称呼

上記(ア)及び(イ)のとおり,本件商標は,全体で視覚的な一体性が強いことや,文字部分の「SMS」が欧文字を並べた文字列としてしか認識されないことを考えると,文字部分「SMS」だけで認識されるよりは,図形部分も含めた商標全体で認識,想起されると考えるのが自然である。

よって,本件商標からは,「ハートノエスエムエス」,「ミッツノハートノエスエムエス」又は「スリーハートノエスエムエス」の称呼が生じる。

イ 指定役務

本件商標の指定役務は,上記第1に記載のとおりである。

(2)引用商標

ア 引用商標1及び引用商標2

(ア)商標

a 外観

引用商標1及び引用商標2は,正方形を右又は左に45度傾けた態様の図形部分の右側に,同書同大の欧文字「SMS」を書した上段と,同書同大の欧文字「Best matching Best value」を書した下段とからなる文字部分を配してなる。

図形部分は,オレンジ色の小さな円をL字型に並べた形状と,同様の黄色のL字型の形状とを組み合わせて正方形となしており,特徴的である。

文字部分は,上段の「S」,「M」及び「S」の各文字が図形部分とほぼ同じ大きさであり大きいものの,上段と下段の横幅は同一であり,また,書体に統一感があることや,全て黒色で書されていることから,その一体性は強い。

b 観念

図形部分は幾何学模様であり,特に観念は生じない。

一方,文字部分上段の「SMS」については,本件商標と同様に,特定の観念を一義的に表すものとして認識できない。

下段の「Best matching Best value」については,我が国の国民に馴染みのある平易な英単語で構成されており,「最高のマッチング・最高の価値」といった観念が生じる。

上段の「SMS」からは一義的な観念が生じないことを考慮すると,引用商標1及び引用商標2の中で唯一観念を生じさせる「Best matching Best value」の存在は無視し得ない。

加えて,上述のとおり,文字部分は上下段が一体的な態様である。

したがって,引用商標1及び引用商標2からは「最高のマッチング・最高の価値のSMS」の観念が生じる。

c 称呼

文字部分については,全体が一体的な態様であることや,上段の「SMS」は,英文字を並べた文字列としてしか認識されないこと,さらには,下段の「Best matching Best value」からしか観念が生じないことなどを考慮すると,文字部分は一体不可分なものとして認識される。

したがって,文字部分の全体から「エスエムエスベストマッチングベストバリュー」の称呼が生じる。

一方,上記態様の図形部分からは特定の称呼は生じない。

よって,引用商標1及び引用商標2からは,「エスエムエスベストマッチングベストバリュー」の称呼が生じる。

(イ)指定商品及び指定役務

a 引用商標1の指定役務

引用商標1の指定役務は,上記第2の1に記載のとおりである。

b 引用商標2の指定商品及び指定役務

引用商標2の指定商品及び指定役務は,上記第2の2に記載のとおりである。

イ 引用商標3

(ア)商標

a 外観

引用商標3は,緑色の風船型の図形の上部を白抜きにし,当該白抜き部分に経線と緯線のみが描かれた青色の地球儀とおぼしき図形の下に,同書同大の欧文字の「SMS」を青色で書した上段と,同書同大の欧文字「International」を青色で書した下段からなる文字部分を配してなる。

文字部分の上段「S」,「M」及び「S」は,各文字が図形部分とほぼ同じ大きさであって,下段に比べ上段の方が各文字の表示は大きいものの,両段の横幅は同一であり,また,全て同一の青色で書されていることから,その一体性は強い。

b 観念

図形部分は幾何学模様であり,特定の観念を生じさせるものではない。

一方,文字部分の上段「SMS」については,本件商標と同様,特定の観念を一義的に表すものとして認識できない。

下段の「International」の文字からは,「国際的な,万国の」といった観念が生じる。

上段の「SMS」からは一義的な観念が生じないことを考慮すると,引用商標3の中で唯一観念を生じさせる「International」の文字の存在は無視し得ない。

加えて,上述のとおり,文字部分は構成上一体的である。

したがって,引用商標3からは「国際的なSMS」または「万国のSMS」の観念が生じる。

c 称呼

文字部分については,全体が一体的な態様であることや,上段の「SMS」の文字は,欧文字を並べた文字列としてしか認識されないこと,さらには,下段の「International」の文字からしか観念が生じないことなどを考慮すると,文字部分は一体不可分なものとして認識されると考えられる。

したがって,文字部分の全体から,「エスエムエスインターナショナル」の称呼が生じる。

一方,上記態様の図形部分からは特定の称呼は生じない。

よって,引用商標3からは,「エスエムエスインターナショナル」の称呼が生じる。

(イ)指定役務

引用商標3の指定役務は,上記第2の3に記載のとおりである。

(3)本件商標と引用商標の対比

本件商標及び引用商標の態様は,それぞれ上記したとおりである。

また,引用商標1及び引用商標2の態様は上記(2)ア(ア)a,引用商標3の態様は上記(2)イ(ア)aのとおりであるから,その構成は明らかに相違する。

また,本件商標から生じる観念は「ハートのSMS」若しくは「3つのハートのSMS」であって,ハートの観念を含むものであるのに対し,引用商標1及び引用商標2からは「最高のマッチング・最高の価値のSMS」の観念,引用商標3からは「国際的なSMS」又は「万国のSMS」の観念が生じる。

よって,本件商標と引用商標は,観念上相紛れるおそれのないものである。

さらに,本件商標から生じる「ハートノエスエムエス」,「ミッツノハートノエスエムエス」若しくは「スリーハートノエスエムエス」の称呼と,引用商標1及び引用商標2から生じる「エスエムエスベストマッチングベストバリュー」,引用商標3から生じる「エスエムエスインターナショナル」の称呼とを比較すると,これらは音構成において明確な差異を有するものである。

よって,本件商標と引用商標は,称呼上も相紛れるおそれのないものである。

請求人は,本件商標及び引用商標はいずれもその構成中に「SMS」が顕著に表されており,これによりいずれの商標からも「エスエムエス」の称呼が生じるので,本件商標と引用商標とは称呼において互いに相紛れるおそれがあると主張している。

しかしながら,欧文字の「SMS」は一義的な観念を生じされるものではなく,単に欧文字を並べたものとして認識されるものであって,識別力が強いものではない。

したがって,図形やその他の語などの複数の要素を含む結合商標においては,必ずしも独立した自他識別標識としての機能を強く発揮するものではないから,本件商標から「エスエムエス」の称呼が生じることはない。

また,仮に,本件商標及び引用商標から同一の称呼「エスエムエス」が生じるとしても,欧文字「SMS」の識別力は極めて弱いものである一方で,本件商標の図形部分は特徴的であることから,本件商標において需要者等に強い印象を与えるのは図形部分である。

そうすると,需要者等が図形部分を捨象して欧文字「SMS」のみに着目してこれを抽出するとは考え難い。

すなわち,仮に本件商標から「エスエムエス」の称呼が生じるとしても,それは常にその特徴のあるハートの図形とともに想起されるとういうべきである。

また,万一,「エスエムエス」の称呼が共通するとしても,これを上回る外観上,観念上の顕著な差異を凌駕するものではない。

商標法第4条第1項第11号の立法趣旨は,商品又は役務の出所の混同防止であるから,本件商標がこれに該当するかどうかは,本件商標をその指定役務に使用したとき,引用商標を使用した商品又は役務との間に出所について誤認混同を生じさせるおそれがあるか否かによって判断されなければならない。

これまで述べてきたとおり,本件商標と引用商標とは,外観,観念及び称呼のいずれにおいても著しく相違し,需要者等に与える印象が全く異なるものである。

以上を総合的に勘案すれば,本件商標と引用商標とは,商品・役務の出所の混同を生じるおそれはなく,互いに相紛れるおそれのない非類似の商標であることは明らかである。

(4)小括

以上のとおり,本件商標は,引用商標1ないし引用商標3のいずれとも非類似の商標であるから,商標法第4条第1項第11号に該当しない。

2 商標法第4条第1項第15号について

請求人は,本件商標をその指定役務について使用すると,需要者をして請求人の業務に係る商品又は役務であると誤認し,商品又は役務の出所について混同するおそれがあるといわざるを得ないと主張する。

しかしながら,本件商標をその指定役務に使用しても,出所の混同を生じるおそれはない。

(1)引用商標1及び引用商標2の周知性について

請求人は,甲第5号証ないし甲第18号証を根拠に,引用商標1及び引用商標2は,その商品又は役務が請求人の業務に係るものであることを表示するものとして,遅くとも本件商標の登録出願日より前に,需要者の間に広く認識されていたと評価されるべきものであると主張している。

しかしながら,以下のとおり,上記証拠によっては,引用商標1及び引用商標2が,請求人が主張するような周知性を獲得していたことは立証されていない。

ア 甲各号証について

(ア)甲第5号証

甲第5号証に,事業内容として,キャリア分野(看護師向け人材紹介,介護職向け求人情報・人材紹介・人材派遣・資格講座等),介護事業者分野(介護事業者向け経営支援),海外分野(製薬会社向けマーケティング支援,グローバルキャリアビジネス等),事業開発分野(保健指導,重症化予防,健康相談,食事宅配検索,リフォーム事業者情報等)の記載があることから,請求人がこれらに関する何かしらの事業を行っていることは推認できるものの,請求人が提供する具体的な商品や役務に関する記述はないため,請求人の業務内容は不明である。

また,甲第5号証には,引用商標1及び引用商標2のいずれも表示されておらず,甲第5号証のいずれの記載によって,引用商標1及び引用商標2の周知性が証明されるのかについても不明である。

さらに,甲第5号証からは,請求人が提供する具体的な商品若しくは役務との関係で引用商標1及び引用商標2が使用されていることも確認できない。

以上より,甲第5号証によっては,引用商標1及び引用商標2の周知性は立証されない。

(イ)甲第6号証

甲第6号証には,左下に小さく引用商標1及び引用商標2を黒色で表したとおぼしき標章の表示はあるが,不鮮明なため詳細を確認することができず,引用商標1及び引用商標2の使用とは認められない。

また,仮に図形の形状や文字内容が同一であっても,色彩が異なるため,引用商標1及び引用商標2の使用とは認められない。

さらに,甲第6号証に係る広告が,実際に「シルバー新報」に掲載されたかどうかは不明であり,たとえ,広告が掲載されていたとしても,いつ,だれに対し,どのように頒布されたかなどの詳細は一切不明である。

以上より,甲第6号証によっては,引用商標1及び引用商標2の周知性は立証されない。

(ウ)甲第7号証及び甲第10号証

甲第7号証及び甲第10号証には,引用商標1及び引用商標2の文字部分とおぼしき標章は表示されているが,不鮮明なため詳細を確認することができず,引用商標1及び引用商標2の使用とは認められない。

また,これらの証拠は不鮮明なため,記事内容を判読できない上,これらの証拠の記事が,実際に請求人が掲載されたとする媒体に掲載されたかどうかも不明であって,たとえ,掲載されていたとしても,いつ,だれに対し,どのように頒布されたかなどの詳細は一切不明である。

さらに,これらの証拠からは,請求人が提供する具体的な商品若しくは役務との関係で引用商標1及び引用商標2が使用されていることも確認できない。

以上より,甲第7号証及び甲第10号証によっては,引用商標1及び引用商標2の周知性は立証されない。

(エ)甲第8号証,甲第11号証ないし甲第14号証及び甲第16号証

甲第8号証,甲第11号証ないし甲第14号証及び甲第16号証には,引用商標1及び引用商標2とおぼしき標章が表示されているが,不鮮明なため詳細を確認することができず,引用商標1及び引用商標2の使用とは認められない。

また,これらの証拠は不鮮明なため,記事内容を判読できず,これらの証拠の記事が,実際に請求人が掲載されたとする媒体に掲載されたかどうかも不明である上,掲載されていたとしても,いつ,だれに対し,どのように頒布若しくは公開されたかなどの詳細は一切不明である。

さらに,これらの証拠からは,請求人が提供する具体的な商品若しくは役務との関係で引用商標1及び引用商標2が使用されていることも確認できない。

以上より,甲第8号証,甲第11号証ないし甲第14号証及び甲第16号証によっては,引用商標1及び引用商標2の周知性は立証されない。

(オ)甲第9号証

甲第9号証には,引用商標1及び引用商標2とおぼしき標章が表示されているが,不鮮明なため詳細を確認することができず,引用商標1及び引用商標2の使用とは認められない上,甲第9号証が,実際に,請求人が掲載されたとする媒体に掲載されたかどうかも不明である。

また,掲載されていたとしても,いつ,だれに対し,どのように頒布若しくは公開されたかなどの詳細は一切不明である。

さらに,甲第9号証からは,請求人が提供する具体的な商品若しくは役務との関係で引用商標1及び引用商標2が使用されていることも確認できない。

以上より,甲第9号証によっては,引用商標1及び引用商標2の周知性は立証されない。

(カ)甲第15号証

甲第15号証には引用商標1及び引用商標2の表示はなく,また,引用商標1及び引用商標2と請求人の業務との関連性も不明である。

また,甲第15号証がいつ,だれに対し,どのように公開されたかなどの詳細も全く不明である。

以上より,甲第15号証によっては,引用商標1及び引用商標2の周知性は立証されない。

(キ)甲第17号証及び甲第18号証

甲第17号証及び甲第18号証のいずれの記載によって,請求人の事業が,請求人がいうところのキャリア部門においてトップシェアを誇っていることを証明するのかについては不明である。

また,甲第17号証及び甲第18号証には,引用商標1及び引用商標2のいずれも表示されておらず,これらのいずれの記載によって,引用商標1及び引用商標2の周知性が証明されるのかについても不明である。

さらに,甲第17号証及び甲第18号証からは,請求人が提供する具体的な商品若しくは役務との関係で引用商標1及び引用商標2が使用されていることも確認できない。

以上より,甲第17号証及び甲第18号証によっては,引用商標1及び引用商標2の周知性は立証されない。

イ 小括

以上のとおり,甲第5号証ないし甲第18号証によっては,請求人が主張する「引用商標1及び引用商標2がハウスマークであること」,「当該引用商標1及び引用商標2を請求人の事業を表示するものとして長年継続して使用していること」,「各種メディアに頻繁に取り上げられていること」及び「請求人の事業がトップシェアを誇っていること」などは明らかになっていない。

したがって,引用商標1及び引用商標2が,本件商標の登録出願時及び登録査定時において,請求人の業務に係る役務を表示するものとして需要者等の間に広く知られていたことを認めることはできない。

(2)出所の混同のおそれについて

上記のとおり,引用商標1及び引用商標2は,本件商標の登録出願時及び登録査定時において,請求人の業務に係る役務を表示するものとして,需要者等の間に広く知られていたと認めることができない。

また,上記1で述べたとおり,本件商標と引用商標1及び引用商標2とは,非類似の商標である

加えて,欧文字を並べた文字列を複合語の略語として用いることなどは一般的に行われており,欧文字「SMS」の独創性は高いものとはいえない。

そうすると,引用商標1及び引用商標2の使用に係る商品又は役務は明らかになっていないものの,万一,本件商標の指定役務とそれらが同一又は類似であって,需要者等を共通にするものであるとしても,本件商標の指定役務に使用したときに,これに接する需要者等が引用商標1又は引用商標2を連想若しくは想起することはなく,その役務が請求人又は請求人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る役務であるかのように,その役務の出所について混同を生じさせるおそれはない。

(3)小括

以上のとおり,本件商標は,請求人の業務に係る商品又は役務と混同を生じるおそれがあるものではないことは明らかである。

よって,本件商標は,商標法第4条第1項第15号に該当する商標ではない。

3 むすび

以上のとおり,本件商標は,商標法第4条第1項第11号及び同項第15号のいずれにも該当しない。

第4 当審の判断

1 商標法第4条第1項第11号該当性について

(1)本件商標について

本件商標は,別掲1のとおり,3つのハートとおぼしき図形を一筆書き風に表した図形(以下「本件図形部分」という。)と「SMS」の欧文字(以下「本件文字部分」という。)の結合商標からなるところ,本件図形部分と本件文字部分とは,視覚上分離して看取し得るものであって,また,両者の間に観念上のつながりもなく,本件図形部分と本件文字部分とを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているとはいえないものである。

そして,本件商標は,本件図形部分と本件文字部分がそれぞれが独立して自他役務の識別標識としての機能を果たす要部として認識され,その構成中の「SMS」の欧文字部分を要部として抽出し,これを引用商標と比較して商標そのものの類否を判断することも許されるものである。

そうすると,本件商標は,その要部である「SMS」の欧文字に相応して,「エスエムエス」の称呼を生じるものであって,また,観念については,当該文字は一般的な辞書等に掲載されていないものであり,一種の造語とみるのが相当であるから,特定の観念を生じないものである。

(2)引用商標について

ア 引用商標1及び引用商標2について

引用商標1及び引用商標2は,オレンジ色の小さな円をL字型に並べた形状と,同様の黄色のL字型の形状とを組み合わせた正方形を45度傾けた態様の図形部分(以下「引用1及び引用2図形部分」という。)の右側に,上段に「SMS」の欧文字,下段に上段の文字に比して極めて小さく「Best matching Best value」の欧文字(以下「引用1及び引用2文字部分」という。)を二段書きしてなる結合商標よりなるところ,引用1及び引用2図形部分と引用1及び引用2文字部分とは,視覚上分離して看取し得るものであり,また,両者の間に観念上のつながりもなく,引用1及び引用2図形部分と引用1及び引用2文字部分とを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているとはいえないものである。

そして,引用商標1及び引用商標2は,引用1及び引用2図形部分と引用1及び引用2文字部分がそれぞれが独立して自他役務の識別標識の機能を有しているといえるものである。

さらに,引用1及び引用2文字部分について,上段の「SMS」の欧文字部分と,下段の「Best matching Best value」の欧文字部分とは,両者の間に観念上のつながりもなく,上段の文字部分と下段の文字部分とを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているとはいえない上,その文字の大きさも顕著な差異を有するものであるから,その構成中,顕著に表された「SMS」の欧文字部分を要部として抽出し,この部分だけを他人の商標と比較することも許されるものである。

そうすると,引用商標1及び引用商標2は,その要部である「SMS」の欧文字部分に相応して,「エスエムエス」の称呼を生じるものであって,また,観念については,上記(1)と同様に,当該文字は一般的な辞書等に掲載されていないものであり,一種の造語とみるのが相当であるから,特定の観念を生じないものである。

イ 引用商標3について

引用商標3は,上部に青色の地球儀とおぼしき図形を配した左右で濃淡の差がある緑色のしずく形の図形(以下「引用3図形部分」という。)の下に,上段に大きく青色で「SMS」の欧文字を表し,下段に,上段の文字に比して小さく「International」の欧文字(以下「引用3文字部分」という。)を横書きしてなる結合商標からなるところ,引用3図形部分と引用3文字部分とは,視覚上分離して看取し得るものであり,また,両者の間に観念上のつながりもなく,引用3図形部分と引用3文字部分とを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているとはいえないものである。

そして,引用商標3は,引用3図形部分と引用3文字部分がそれぞれ独立して自他役務の識別標識の機能を有しているといえるものである。

さらに,引用3文字部分について,上段の「SMS」の欧文字部分と,下段の「International」の欧文字部分とは,両者の間に観念上のつながりもなく,上段の文字部分と下段の文字部分とを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているとはいえない上,その文字の大きさも顕著な差異を有するものであるから,その構成中,顕著に表された「SMS」の欧文字部分を要部として抽出し,この部分だけを他人の商標と比較することも許されるものである。

そうすると,引用商標3は,その要部である「SMS」の欧文字部分に相応して,「エスエムエス」の称呼を生じるものであって,また,観念については,上記(1)と同様に,当該文字は一般的な辞書等に掲載されていないものであり,一種の造語とみるのが相当であるから,特定の観念を生じないものである。

(3)本件商標と引用商標との類否について

本件商標と引用商標の類否について検討すると,本件商標と引用商標は,それぞれ,上記(1)及び(2)のとおりの構成からなるところ,外観においては,両者は,全体の外観において差異を有するものであるが,両者の要部である「SMS」の欧文字部分について,そのつづりを共通にするものであるから,外観上近似する印象を与えるものである。

また,両者は,「エスエムエス」の称呼を同一にするものであり,観念においては,ともに特定の観念を生じないものであるから,比較することができない。

そうすると,本件商標と引用商標とは,観念において比較することはできないとしても,外観において近似する印象を与えるものであり,称呼を同一にするものであるから,これらを総合して考察すれば,本件商標と引用商標とは互いに相紛れるおそれのある類似の商標と判断するのが相当である。

(4)本件商標の指定役務と引用商標の指定役務の類否について

ア 本件商標の指定役務と引用商標1の指定役務の類否について

本件商標の指定役務中,第35類「運動・健康の分野における商品の展示会又は見本市の企画・運営,健康食品及び化粧品の販売促進のための展示会の企画・運営又は開催,健康管理および美容に関する広告の企画又は助言」と引用商標1の指定役務中,第35類「広告」は,ともに広告代理店や広告制作会社が広告主の依頼に基づいて提供する役務であるから,その役務の目的,需要者の範囲等を共通にする同一又は類似する役務である。

イ 本件商標の指定役務と引用商標2の指定役務の類否について

本件商標の指定役務中,第44類「健康及び健康管理に関する情報の提供並びに指導及び助言,健康診断及びこれに関するコンサルティング,インターネットを利用した健康管理に関する情報の提供」と引用商標2の指定役務中,第44類「医療に関する情報の提供,医療情報の提供,栄養の指導」は,ともに医療に関する役務であるから,その役務の目的,需要者の範囲等を共通にする同一又は類似する役務である。

ウ 本件商標の指定役務と引用商標3の指定役務の類否について

本件商標の指定役務中,第35類「健康管理の利用に関する統計の編集,健康食品・サプリメント・健康関連商品の販売に関する情報の提供」と引用商標3の第35類の指定役務「戦略的な商品及びサービスの調達に関連する事業に関する指導及び助言,他人の事業のために行う物品の調達及びサービスの手配,市場戦略に関する企画,他人のための物品の調達に関する助言及び指導,商品の販売に関する情報の提供」は,ともに事業の管理,運営に関する役務であるから,その役務の目的,需要者の範囲等を共通にする同一又は類似の役務である。

(5)小括

以上のとおり,本件商標は,引用商標と類似する商標であり,かつ,本件商標の指定役務中,第35類「運動・健康の分野における商品の展示会又は見本市の企画・運営,健康食品及び化粧品の販売促進のための展示会の企画・運営又は開催,健康管理の利用に関する統計の編集,健康食品・サプリメント健康関連食品の販売に関する情報の提供,健康管理および美容に関する広告の企画又は助言」及び第44類「健康及び健康管理に関する情報の提供並びに指導及び助言,健康診断及びこれに関するコンサルティング,インターネットを利用した健康管理に関する情報の提供」と引用商標1の指定役務中,第35類「広告」,引用商標2の指定役務中,第44類「医療に関する情報の提供,医療情報の提供,栄養の指導」及び引用商標3の第35類の指定役務「戦略的な商品及びサービスの調達に関連する事業に関する指導及び助言,他人の事業のために行う物品の調達及びサービスの手配,市場戦略に関する企画,他人のための物品の調達に関する助言及び指導,商品の販売に関する情報の提供」とは,同一又は類似の役務であるから,商標法第4条第1項第11号に該当する。

しかしながら,本件商標は,その指定役務中,第35類「コンピュータによる利用者の健康情報のデータ管理」については,引用商標の指定役務とは類似するものではないから,商標法第4条第1項第11号に該当しない。

2 商標法第4条第1項第15号該当性について

(1)引用商標1及び引用商標2の周知・著名性について

請求人の提出に係る証拠及び同人の主張によれば,以下のとおりである。 ア 請求人について

「請求人の有価証券報告書の抜粋」(甲5)の「2【沿革】」の項目の「年月」に対応する「事項」において,「平成15年4月」には「東京都町田市において,株式会社エス・エム・エスを設立」,「平成15年5月」には「ケアマネジャー向け人材紹介『ケア人材バンク(キャリア分野)』を運営開始」,「平成17年9月」には「看護師向け人材紹介『ナース人材バンク(キャリア分野)を運営開始』」等の記載がある。

また,「3【事業の内容】」の項目の「事業分野」に対応する「主な事業内容」において,「キャリア分野」には「看護師向け人材紹介,介護職向け求人情報・人材紹介・人材派遣・資料講座等」,「介護事業者分野」には「介護事業者向け経営支援」,「海外分野」には「製薬会社向けマーケティング支援,グローバルキャリアビジネス等」,「事業開発分野」には「保健指導,重症化予防,健康相談,食事宅配検索,リフォーム事業者情報等」の記載がある。

イ 請求人の事業シェアついて

(ア)「株式会社シェアードリサーチ作成の投資家用レポートの抜粋」(甲17)において,「事業概要」の見出しのもと,「介護キャリア(2018年3月期売上高構成比21.9%)では,・・・同社によれば,介護職の年間転職者数に占める同社転職サービスへの登録者の比率は60%であり,介護求人情報での同社のシェアはトップである。(同社推定)」,「医療キャリア(2018年3月期売上構成比41.4%」では,主に看護師を対象として人材紹介および求人メディアの運営を行っている。看護師人材紹介における同社のシェアは約30%でトップである(同社推定)。また,全国約8,400病院中,70%が取引先となっている。」等の記載がある。

(イ)「ドイツ銀行グループ作成の投資家用レポートの抜粋」(甲18)において,5葉目の上部に「2019年4月17日/サービス/SMS」の記載があり,また,「キャリア分野」の項目に「キャリア分野は,同社の主力事業であり,主に介護,医療分野の人材紹介サービスと求人サービスから構成される。同社は,設立当初からキャリア分野に参画していたこともあり,看護師向けの人材紹介において,約30%と業界1位のシェアを有する。」等の記載がある。

ウ 上記ア及びイによれば,請求人は,平成15年(2003年)4月に設立された,看護師向け人材紹介,介護職向け求人情報・人材紹介・人材派遣・資料講座,介護事業者向け経営支援等の事業(以下「請求人使用役務」という。)を行っている企業である。

エ 引用商標1及び引用商標2の各メディアへの掲載について

週刊タブロイド紙「シルバ−新報」(甲6),月刊誌「日経マネー」(甲7),2016年(平成28年)11月17日の日付けの「リファイドニュース」(甲8),「一般社団法人Business IT 推進協会」(甲9),映画「ケアニン〜あなたでよかった〜」の公式ウェブサイト(甲11),「週刊ダイアモンド」(甲12),「日経デジタルヘルス」(甲13),「Seleck」(甲14)及び「wevox」(甲16)のウェブサイト及び2016年(平成28年)3月23日のテレビ番組「バイキング」(甲15)において,引用商標1及び引用商標2とおぼしき商標が見受けられるとしても,これらメディアのうち,雑誌においては,発行部数,配布期間,配布範囲等,ウェブサイトにおいては,掲載期間,ウェブサイトの閲覧数,テレビ番組においては放映時間,視聴率,放映地域等が不明であって,また,広告宣伝費等について量的に把握する証拠の提出はない。

オ 上記エのとおり,各メディアにおいて,引用商標1及び引用商標2とおぼしき商標が見受けられるとしても,これらの証拠によっては,引用商標1及び引用商標2を請求人使用役務にどのように使用していたか提出された証拠からは把握することができない。

また,引用商標1及び引用商標2とおぼしき商標が掲載された各メディアについて,その事実を量的に把握することができる証拠は何ら提出されていない。

その他,引用商標1及び引用商標2の周知性を客観的に判断するための証拠の基礎となる,例えば,引用商標1及び引用商標2の使用期間,使用地域,広告宣伝の期間,地域及び規模,広告宣伝費等を示す具体的な証拠の提出はない。

そうすると,請求人提出の甲各号証によっては,引用商標1及び引用商標2が,本件商標の登録出願時及び登録査定時において,請求人使用役務を表示する商標として,我が国の需要者の間に広く認識されていたと認めることはできない。

(2)引用商標1及び引用商標2と本件商標の類似性の程度について

上記1(3)のとおり,引用商標1及び引用商標2と本件商標は類似の商標といえるから,類似性の程度は高いといえる。

(3)出所の混同のおそれについて

引用商標1及び引用商標2は,上記(1)のとおり,請求人使用役務を表示するものとして,本件商標の登録出願時及び登録査定時において,我が国の需要者の間に広く認識されていたと認めることができないものである。

そうすると,引用商標1及び引用商標2は,本件商標と類似の程度が高いとしても,上記(1)のとおり,引用商標1及び引用商標2は,我が国の需要者の間に広く認識されていたと認めることができないものであるから,本件商標は,これに接する取引者,需要者が引用商標1及び引用商標2又は申立人等を連想又は想起するようなことはないというべきである。

してみると,本件商標は,これをその指定役務について使用しても,その取引者,需要者をして,当該役務が他人(請求人)又は同人と業務上何らかの関係を有する者の業務に係る役務であるかのように,その出所について混同を生じるおそれはないものと判断するのが相当である。

その他,本件商標が出所の混同を生じさせるおそれがあるというべき事情も見いだせない。

したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第15号に該当しない。

3 まとめ

以上によれば,本件商標の登録は,その指定役務中,第35類「運動・健康の分野における商品の展示会又は見本市の企画・運営,健康食品及び化粧品の販売促進のための展示会の企画・運営又は開催,健康管理の利用に関する統計の編集,健康食品・サプリメント・健康関連商品の販売に関する情報の提供,健康管理および美容に関する広告の企画又は助言」及び第44類「健康及び健康管理に関する情報の提供並びに指導及び助言,健康診断及びこれに関するコンサルティング,インターネットを利用した健康管理に関する情報の提供」については,商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから,同法第46条第1項の規定により,その登録を無効にすべきものである。

しかしながら,本件商標は,その指定役務中,第35類「コンピュータによる利用者の健康情報の管理」については,商標法第4条第1項第11号及び同項第15号のいずれにも違反して登録されたものではないから,同法第46条第1項の規定により,その登録を無効とすることはできない。

よって,結論のとおり審決する。

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