結論テキスト
審判費用は、被請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 平成11年審判第31584号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本件登録第2473864号商標(以下、「本件商標」という。)は、別掲のとおり、「MOSAIQE」の文字(「I」の文字の上部にウムラウト記号「 ̈」が付されているが、該記号は省略する。以下、「MOSAIQE」又は「MOSAI」の表記において同じ。)を横書きしてなり、昭和63年4月20日に登録出願され、第21類「かばん類、袋物」を指定商品として、平成4年11月30日に設定登録され、現に有効に存続するものである。
請求人は、結論同旨の審決を求めると申し立て、その理由及び被請求人の答弁に対する弁駁を次のように述べ、証拠方法として甲第1号証を提出している。
被請求人は、本件商標に関し、登録商標そのままであるところの「MOSAIQE」の態様での使用を立証すること無く、つまり、半ばいわゆる不使用であることを認めつつ、乙第1ないし第3号証に記す態様(「MOSAIQUE」)で指定商品中の「バッグ」に使用していることを以って、本件審判請求は成り立たないと主張している。
しかしながら、乙第1ないし第3号証は、本件審判請求書の副本が被請求人に送達された後である「平成12年5月11日」に撮影されたバッグの写真であるにすぎない。しかも、この写真に表れるバッグは、下げ札に「MOSAIQUE」の欧文字が記されているものであるとはいえ、製造者表示等、商品の販売に際して必要とされる表記が一切存在しない。また、当該バッグに関し、本件審判請求前に商品流通過程において商取引されていたと認めるに足りる客観的思料もまったく存在しないし、請求人の主張内容につき、特許庁において顕著な事実であるとも考えられない。つまり、乙第1ないし第3号証によっては、ここに示されるバッグが具体的に商取引対象となり、かつ、その取引において「MOSAIQUE」が商品の識別標識として機能していたとは認められない。
さらに、本件商標「MOSAIQE」と乙第1ないし第3号証の写真に表れる下げ札に記されている「モザイク/MOSAIQUE」とは、その外観において相違し、かつ、観念、称呼において明らかに相違しているものであると認められる。つまり、その欧文字同士を比較した場合において、両者は「U」の有無で外観(構成文字)が相違し、かつ、その称呼についても前者は「モザイケ」、後者は「モザイク」である。さらに、「MOSAIQE」は格別の観念を生じさせることが無いいわゆる造語であるのに対して、「MOSAIQUE」は周知のように格別の意味合いを生じさせる外来語である。
要するに、「MOSAIQE」と「モザイク/MOSAIQUE」は同一性の範疇に属するものであるとは認められない。したがって、前記「モザイク/MOSAIQUE」により、本件「MOSAIQE」の不使用を免れることはできないと確信するものである。
ちなみに、上記請求人の主張は、「登録商標『アスティーム』と使用商標『アステーム』とは、構成文字を異にし、社会通念上、同一の範囲のものとは認められない。」、となした昭和56年審判第10360号審決(昭和62年11月24日審決)によっても十分に理解されるものである。
以上説明したように、被請求人の主張はことごとく理由が無い。
被請求人は、本件審判請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求めると答弁し、その理由を次のように述べ、証拠方法として乙第1ないし第3号証を提出している。
しかし、本件商標の「MOSAIQE」における「MOSAI」 は「モザイ」と自然に称し「Q」が「ク」と発音するのが通例であることから本件商標は「U」がなくても「モザイク」と自然に称呼するものと思料する。
また、本件商標の構成が7字と比較的長いため、かつ「U」は頭から(前から)7字目にあり「QU」も「ク」と発音するから「U」があるか否かで称呼が異なることはなく本件商標の自然称呼は「モザイク」である。
したがって、本件商標は観念も「モザイク」でありその他の観念は生じない。 また、外観においても前述の如く商標の構成が7字と比較的長いこと、「QU」も「Q」も「ク」と発音することが出来ることから「U」があるか否かで外観、形態の同一性が害されることはない。してみると、取引市場において、本件商標と乙第1ないし第3号証にて使用されている商標とは、ほとんど同一の商標であると認識されるものである。
被請求人は、その提出に係る乙第1ないし第3号証をもって、本件商標をその指定商品に使用している旨主張しているので、該証拠について検討する。
乙第1ないし3号証は、いずれも「登録商標の使用説明書」であり、本件商標が商品「バッグ」について使用されている事実を示す写真が貼付されていることが認められる。
しかしながら、上記写真は、本件審判の請求後である平成12年5月11日に撮影されたものであるから、この写真をもって、本件商標が本件審判請求の登録前3年以内の期間内に使用されていたものと認めることはできない。
さらに、上記写真に表された下げ札及びプレートには「mosaiQue」の文字が付されていることが認められるが、これも以下の理由により本件商標の使用とは認められないものである。
すなわち、本件商標は別掲のとおりの構成からなるところ、これを構成する綴り字は英和辞典、仏和辞典、独和辞典等には見られないものであり、一見して直ちに称呼することは困難であるが、敢えて称呼するとすれば「モザイケ」の如くに称呼されるものといえる。
この点に関し、被請求人は、本件商標の語尾部分に「U」の文字がなくても「Q」の文字は「ク」と発音するのが通例であると主張しているが、本件商標中の「QE」の文字部分は「E」の文字があることにより、「ク」よりも「ケ」と発音されるとみるのが自然であるから、被請求人の主張は採用できない。
他方、上記使用に係る標章「mosaiQue」の綴り字は、仏和辞典に見出せるものであり(ただし、その構成中の「i」の文字の上部にウムラウト記号が付されている。)、「モザイク」と無理なく称呼し得るものである。
してみれば、本件商標と上記使用に係る「mosaiQue」の標章とは、その綴り字を異にすること、及び前者には「I」の文字部分にウムラウト記号が付されているのに対し後者には該記号がないことにより、外観が相違するばかりでなく、その称呼も異にするものであるから、社会通念上同一のものということはできない。
この点に関し、被請求人はパリ条約第5条C(2)の規定を引用して主張するところがあるも、上記のように、本件商標は上記使用に係る標章とは外観、称呼を異にするものであって、商標の識別性に影響を与える変更に相当するものというべきであるから、被請求人の主張は採用できない。
その他、本件商標がその指定商品について使用されていることを示す証拠はない。また、被請求人は本件商標の使用をしていないことについて正当な理由があることを明らかにしていない。
したがって、本件商標は、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において被請求人、専用使用権者又は通常使用権者のいずれによっても、その指定商品について使用されていなかったものといわざるを得ないから、商標法第50条の規定により、その登録を取り消すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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