結論テキスト
本願商標は,登録すべきものとする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 不服2020−15616(T2020−15616/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本願商標は,「瑪麗」の文字を標準文字で表してなり,第9類,第12類,第16類,第35類,第39類,第41類,第43類,第44類及び第45類に属する願書記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として,平成30年3月22日に登録出願されたものである。
本願は,平成30年12月5日付けで拒絶理由の通知がされ,同31年4月1日に意見書が提出されたが,令和2年8月5日付けで拒絶査定がされたものである。
これに対して令和2年11月11日に拒絶査定不服審判の請求がなされたものであり,指定商品及び指定役務については,原審における平成31年4月1日付け並びに当審における令和3年1月4日付け及び同年6月7日付け手続補正書により,第9類,第12類,第16類,第35類,第39類,第41類,第43類,第44類及び第45類に属する別掲1のとおりの商品及び役務に補正されたものである。
原査定は,以下のとおり認定,判断し,本願を拒絶したものである。
本願商標は,以下の理由により,商標法第3条第1項柱書の要件を具備していない。
(1)本願は,第16類及び第39類において,広い範囲にわたる商品及び役務を指定しているため,このような状況の下では,出願人が出願に係る商標をそれらの指定商品及び指定役務のすべてについて使用しているか又は近い将来使用をすることについて疑義がある。
(2)本願において指定している小売等役務(商標法第2条第2項に規定する役務)は,全く業種が異なり,類似の関係にもないものであるから,このような状況の下では,出願人が出願に係る商標をこれらの指定した小売等役務のいずれにも使用しているか又は近い将来使用をすることについて疑義がある。
(3)本願の指定役務のうち,「店舗における小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」は,一般的に百貨店,総合スーパー等の事業に関するものと認められるが,職権による調査では,出願人がこれらの事業を経営している事実を見いだすことができないため,出願人がその指定役務について出願に係る商標を使用しているか又は近い将来使用をすることについて疑義がある。
原査定において,本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして,本願の拒絶の理由に引用した登録商標は,以下に掲げるとおりであり,そのうちの(8)ないし(10)並びに(33)及び(34)を除き,現に有効に存続しているものである。
また,引用商標1ないし引用商標46をまとめて,以下「引用商標」という。
(1)登録第427170号商標(以下「引用商標1」という。)
商標の構成:別掲2のとおり
指定商品:第30類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品
(2)登録第609648号商標(以下「引用商標2」という。)
商標の構成:メリー
指定商品:第21類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品
(3)登録第636296号商標(以下「引用商標3」という。)
商標の構成:メリー
指定商品:第30類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品
(4)登録第651068号商標(以下「引用商標4」という。)
商標の構成:別掲3のとおり
指定商品:第25類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品
(5)登録第871846号商標(以下「引用商標5」という。)
商標の構成:「バリ」の文字と「BALI」の文字を二段に横書きしてなるもの
指定商品:第3類及び第30類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品
(6)登録第1050626号商標(以下「引用商標6」という。)
商標の構成:「MERRY」の文字と「メリー」の文字を二段に横書きしてなるもの
指定商品:第16類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品
(7)登録第1109011号商標(以下「引用商標7」という。)
商標の構成:別掲4のとおり
指定商品:第3類,第6類,第8類,第10類,第14類,第18類,第21類,第25類及び第26類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品
(8)登録第1343944号商標(以下「引用商標8」という。)
商標の構成:別掲5のとおり
指定商品:第4類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品
なお,引用商標8は,商標権の存続期間の満了により,その抹消の登録が令和元年5月29日にされたものである。
(9)登録第1344954号商標(以下「引用商標9」という。)
商標の構成:「BALLET」の文字と「バレー」の文字を二段に横書きしてなるもの
指定商品:第9類及び第14類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品
なお,引用商標9は,商標権の存続期間の満了により,その抹消の登録が令和元年6月26日にされたものである。
(10)登録第1363192号商標(以下「引用商標10」という。)
商標の構成:メリー
指定商品:第20類,第27類及び第28類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品
なお,引用商標10は,商標権の存続期間の満了により,その抹消の登録が令和元年9月18日にされたものである。
(11)登録第1365845号商標(以下「引用商標11」という。)
商標の構成:「BALLY」の文字と「バリー」の文字を二段に横書きしてなるもの
指定商品:第14類,第18類及び第25類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品
(12)登録第1419915号商標(以下「引用商標12」という。)
商標の構成:別掲6のとおり
指定商品:第20類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品
(13)登録第1462677号商標(以下「引用商標13」という。)
商標の構成:「BALLY」の文字と「バリー」の文字を二段に横書きしてなるもの
指定商品:第25類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品
(14)登録第1593849号の1商標(以下「引用商標14」という。)
商標の構成:BALLY
指定商品:第6類,第8類,第9類,第15類,第18類,第19類,第20類,第21類,第22類,第25類,第27類,第28類及び第31類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品
(15)登録第1593849号の2商標(以下「引用商標15」という。)
商標の構成:BALLY
指定商品:第28類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品
(16)登録第1624906号商標(以下「引用商標16」という。)
商標の構成:別掲7のとおり
指定商品:第3類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品
(17)登録第1626848号商標(以下「引用商標17」という。)
商標の構成:バリ
指定商品:第30類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品
(18)登録第1637634号商標(以下「引用商標18」という。)
商標の構成:「MERRY」の文字と「メリー」の文字を二段に横書きしてなるもの
指定商品:第3類,第6類,第8類,第16類及び第21類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品
(19)登録第1670339号商標(以下「引用商標19」という。)
商標の構成:BARRY
指定商品:第7類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品
(20)登録第1851858号商標(以下「引用商標20」という。)
商標の構成:BALLY
指定商品:第3類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品
(21)登録第1938302号商標(以下「引用商標21」という。)
商標の構成:別掲8のとおり
指定商品:第3類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品
(22)登録第1965102号の1商標(以下「引用商標22」という。)
商標の構成:Bully
指定商品:第12類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品
(23)登録第1965102号の2商標(以下「引用商標23」という。)
商標の構成:Bully
指定商品:第12類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品
(24)登録第2345368号商標(以下「引用商標24」という。)
商標の構成:MERRY
指定商品:第23類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品
(25)登録第2345917号商標(以下「引用商標25」という。)
商標の構成:BALLY
指定商品:第14類,第18類,第25類及び第26類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品
(26)登録第2481130号商標(以下「引用商標26」という。)
商標の構成:バリ
指定商品:第30類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品
(27)登録第2575673号商標(以下「引用商標27」という。)
商標の構成:「バリ」の文字を縦書きに書してなるもの
指定商品:第30類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品
(28)登録第2666030号商標(以下「引用商標28」という。)
商標の構成:BALLY
指定商品:第5類,第9類,第10類,第16類,第17類,第20類,第21類,第22類,第24類及び第25類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品
(29)登録第2701060号商標(以下「引用商標29」という。)
商標の構成:「MERRY」の文字と「メリー」の文字を二段に横書きしてなるもの
指定商品:第11類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品
(30)登録第2701456号商標(以下「引用商標30」という。)
商標の構成:バリー
指定商品:第6類,第8類,第9類,第15類,第18類,第19類,第20類,第21類,第22類,第25類,第27類,第28類及び第31類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品
(31)登録第3334558号商標(以下「引用商標31」という。)
商標の構成:バーレイ
指定役務:第42類に属する商標登録原簿記載のとおりの役務
(32)登録第4175168号商標(以下「引用商標32」という。)
商標の構成:BARLI
指定商品:第1類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品
(33)登録第4203387号商標(以下「引用商標33」という。)
商標の構成:別掲9のとおり
指定商品:第25類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品
なお,引用商標33は,商標権の存続期間の満了により,その抹消の登録が令和元年6月26日にされたものである。
(34)登録第4424435号商標(以下「引用商標34」という。)
商標の構成:Varie
指定商品:第9類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品
なお,引用商標34は,商標権の存続期間の満了により,その抹消の登録が令和3年7月7日にされたものである。
(35)登録第4475424号商標(以下「引用商標35」という。)
商標の構成:別掲10のとおり
指定商品:第9類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品
(36)登録第4734373号商標(以下「引用商標36」という。)
商標の構成:バライ
指定商品:第18類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品
(37)登録第4734374号商標(以下「引用商標37」という。)
商標の構成:バライ
指定商品:第25類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品
(38)登録第4796160号商標(以下「引用商標38」という。)
商標の構成:BALI
指定商品:第25類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品
(39)登録第5025826号商標(以下「引用商標39」という。)
商標の構成:別掲11のとおり
指定商品:第27類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品
(40)登録第5133180号商標(以下「引用商標40」という。)
商標の構成:「BALLY」の文字と「バリー」の文字を二段に横書きしてなるもの
指定商品:第14類,第18類及び第25類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品
(41)登録第5282411号商標(以下「引用商標41」という。)
商標の構成:BULLY
指定商品:第9類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品
(42)登録第5294831号商標(以下「引用商標42」という。)
商標の構成:BULLY
指定商品及び指定役務:第9類及び第41類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品及び役務
(43)登録第5373721号商標(以下「引用商標43」という。)
商標の構成:別掲12のとおり
指定商品:第6類及び第7類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品
(44)登録第5386373号商標(以下「引用商標44」という。)
商標の構成:別掲13のとおり
指定役務:第35類及び第43類に属する商標登録原簿記載のとおりの役務
(45)国際登録第1145511号商標(以下「引用商標45」という。)
商標の構成:Meray
指定商品:第29類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿記載のとおりの商品
(46)国際登録第1342162号商標(以下「引用商標46」という。)
商標の構成:BALLY
指定商品:第25類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿記載のとおりの商品
当審において,審判請求書及び令和3年3月1日付け上申書により,「商標の使用を開始する意思を明記した書面」及び「事業計画書」が提出された結果,請求人が,本願商標をその指定商品及び指定役務について,使用する又は使用の意思があることについては,疑義がなくなった。
したがって,本願商標が商標法第3条第1項柱書の要件を具備しないとして本願を拒絶した原査定の拒絶の理由は,解消した。
(1)引用商標8ないし引用商標10並びに引用商標33及び引用商標34(以下「引用商標グループ1」という。)について
引用商標グループ1は,上記第2 2(8)ないし(10)並びに(33)及び(34)のとおり,すでにその抹消の登録がされているものである。
したがって,本願商標が,引用商標グループ1と類似するとして,商標法第4条第1項第11号に該当するとした拒絶の理由は,解消した。
(2)引用商標1,引用商標3ないし引用商標7,引用商標11ないし引用商標30,引用商標32,引用商標37,引用商標38,引用商標41,引用商標44ないし引用商標46(以下「引用商標グループ2」という。)について
本願の指定商品及び指定役務は,上記第1のとおり補正された結果,引用商標グループ2の指定商品又は指定役務と類似の商品及び役務はすべて削除されたと認められるものである。
その結果,本願の指定商品及び指定役務は,引用商標グループ2の指定商品又は指定役務と類似しない商品及び役務になったと認められるものである。
したがって,本願商標が,引用商標グループ2と類似するとして,商標法第4条第1項第11号に該当するとした拒絶の理由は,解消した。
(3)本願商標と引用商標2,引用商標31,引用商標35,引用商標36,引用商標39,引用商標40,引用商標42及び引用商標43(以下「引用商標グループ3」という。)について
ア 本願商標について
本願商標は,「瑪麗」の文字を標準文字で表してなるものである。
そして,本願商標を構成する漢字「瑪」の読みは,「バ」又は「メ」であり,また漢字「麗」の読みは,「レイ」,「ライ」又は「リ」である(いずれも「漢字源改訂第四版」株式会社学習研究社発行)。特に「瑪」の漢字は広辞苑や一般の辞書に採録がなく一般に慣れ親しまれた漢字とはいい難い上に,「麗」の漢字も複数種類の読み方があることからすると,本願商標から直ちに称呼を特定することは困難であるとしても,上記「瑪」及び「麗」の読みを組み合わせた「バレイ」,「バライ」,「バリ」,「メレイ」,「メライ」又は「メリ」の称呼が生じる余地があることから,本願商標と引用商標グループ3との類否について,以下検討する。
また,「瑪」及び「麗」の漢字を組み合わせた語は,辞書等に載録がなく,特定の意味合いを有するものとして使用又は認識されているといった事情も見当たらないことから,これらから構成される本願商標は,特定の観念を生じない。
イ 本願商標と引用商標2,引用商標35及び引用商標39の類否について
(ア)引用商標2は,「メリー」の文字を横書きしてなるところ,当該文字は「陽気な,楽しい」の意味を有する語(merry)の片仮名表記(広辞苑)であるから,引用商標2からは,その構成文字に相応して「メリー」の称呼が生じ,「陽気な,楽しい」の観念が生じる。
そこで,本願商標の称呼と引用商標2の称呼とを比較するに,本願商標から「メリ」の称呼が生じる余地があるとしても,引用商標2の称呼「メリー」とは,2音又は3音と極めて短い称呼において,長音の有無によって十分に聴別可能である。
(イ)引用商標35は,別掲10のとおり,「Merry」の欧文字を筆記体風に横書きしてなるところ,当該文字は,上記(ア)のとおり,「陽気な,楽しい」を意味する「メリー」の英語表記であるから,引用商標35からは,その構成文字に相応して「メリー」の称呼が生じるとともに,「陽気な,楽しい」の観念が生じる。
そこで,本願商標の称呼と引用商標35の称呼とを比較するに,本願商標から「メリ」の称呼が生じる余地があるとしても,引用商標35の称呼「メリー」とは,2音又は3音と極めて短い称呼において,長音の有無によって十分に聴別可能である。
(ウ)引用商標39は,別掲11のとおり,複数の黒色又は緑色の正方形又は長方形より構成されるひし形状の図形と,その上部に小さな文字で「TOLI TILE CARPET」及び「VARY SERIES」の文字を二段に横書きし,上記図形の下部にはひときわ大きな文字で「VARY」の文字を横書きし,さらに当該文字の下には小さな字で「ヴァリー」の文字を横書きしてなるものである。
そして,その構成中,「VARY」の文字が比較的大きく表されて注目を引きやすく,また,その下の「ヴァリー」の文字は,「VARY」の文字の読み方を表わしたものとみるのが自然である。さらに,「VARY」の文字は,「変わる,変化する」等の意味を有する英語である(「ジーニアス英和辞典第5版」株式会社大修館書店発行。以下,「ジーニアス」という。)。
以上よりすれば,引用商標39からは,「VARY」及び「ヴァリー」の文字部分に相応して「ヴァリー」の称呼が生じるとともに,「変わる,変化する」の観念が生じる。
そこで,本願商標の称呼と引用商標39の称呼とを比較するに,本願商標から「バリ」の称呼が生じる余地があるとしても,引用商標39の称呼「ヴァリー」とは,2音又は3音と極めて短い称呼において,長音の有無によって十分に聴別可能である。
(エ)本願商標と引用商標2,引用商標35及び引用商標39の類否を検討するに,本願商標と各引用商標の外観については,その構成全体が顕著に相違することから,判然と区別し得るものである。
次に,称呼については,上記(ア)ないし(ウ)のとおり,十分に聴別可能であり,紛れるおそれはない。
さらに,観念については,本願商標から特定の観念が生じない一方で,引用商標2及び引用商標35からは「陽気な,楽しい」の観念が生じ,引用商標39からは「変わる,変化する」の観念が生じるから,本願商標と各引用商標は観念において紛れるおそれはない。
以上よりすれば,本願商標と引用商標2,引用商標35及び引用商標39とは,外観,称呼,観念のいずれにおいても相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。
ウ 本願商標と引用商標31,引用商標40及び引用商標42との類否について
(ア)引用商標31は,「バーレイ」の文字を横書きしてなるところ,その構成文字に相応して「バーレイ」の称呼が生じる。また,「バーレイ」の文字は,辞書等に載録がなく,特定の意味合いを有するものとして認識されているといった特段の事情も見当たらないから,引用商標31から特定の観念は生じない。
そこで,本願商標の称呼と引用商標31の称呼とを比較するに,本願商標から「バレイ」の称呼が生じる余地があるとしても,引用商標31の称呼「バーレイ」とは,3音又は4音と極めて短い称呼において,長音の有無によって十分に聴別可能である。
(イ)引用商標40は,「BALLY」の文字と「バリー」の文字を二段に横書きしてなるところ,下段の文字は上段の文字の読み方を表したものとみるのが自然である。また,「BALLY」の文字は,「ひどい[く]」等の意味を有する英語(イギリス英語の俗語)である(ジーニアス)ものの,その意味が我が国に一般的に認識されているとはいい難く,むしろ特定の観念を認識されることはないというのが相当である。
そうすると,引用商標40からは,その構成文字に相応して「バリー」の称呼が生じ,特定の観念は生じない。
そこで,本願商標の称呼と引用商標40の称呼とを比較するに,本願商標から「バリ」の称呼が生じる余地があるとしても,引用商標40の称呼「バリー」とは,2音又は3音と極めて短い称呼において,長音の有無によって十分に聴別可能である。
(ウ)引用商標42は,「BULLY」の文字を標準文字で表してなるところ,「弱い者いじめをする人」等の意味を有し,「ブリー」と発音する英語である(ジーニアス)ものの,その意味がその意味が我が国に一般的に認識されているとはいい難く,むしろ特定の観念を認識されることはないというのが相当である。そして,我が国になじみのない英語であっても,「bull」(ブル),「full」(フル),「fully」(フリー),「pull」(プル)等の一般に知られた英語読みに倣えば,引用商標42からは「ブリー」の称呼が生じるというのが相当であり,特定の観念は生じない。
そこで,本願商標の称呼と引用商標42の称呼とを比較するに,本願商標から「バリ」又は「メリ」の称呼が生じる余地があるとしても,引用商標42から生じる「ブリー」の称呼とは,明らかに相違するものである。
(エ)本願商標と引用商標31,引用商標40及び引用商標42の類否を検討するに,本願商標と各引用商標の外観については,その構成全体が顕著に相違することから,判然と区別し得るものである。
次に,称呼については,上記(ア)ないし(ウ)のとおり,十分に聴別が可能である等,紛れるおそれはない。
さらに,観念については,いずれも比較することはできない。
以上よりすれば,本願商標と引用商標31,引用商標40及び引用商標42とは,観念において比較できないとしても,外観において明らかに相違し,称呼においても紛れるおそれはないから,外観,称呼及び観念によって,取引者,需要者に与える印象,記憶,連想等を総合して全体的に考察すれば,相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。
エ 本願商標と引用商標36及び引用商標43との類否について
(ア)引用商標36は,「バライ」の文字を横書きしてなるところ,その構成文字に相応して「バライ」の称呼が生じる。また,「バライ」の文字は,辞書等に載録がなく,特定の意味合いを有するものとして認識されているといった特段の事情も見当たらないから,引用商標36から特定の観念は生じない。
(イ)引用商標43は,別掲12のとおり,デザインを施した「VALLI」の文字を横書きしてなるところ,当該文字は,辞書等に載録がなく,また,特定の意味合いを有するものとして認識されているといった特段の事情も見当たらない。そして,「valley」(バリー),「ballance」(バランス),「chilli」(チリ),「million」(ミリオン)等の一般に知られた英語読みに倣えば,引用商標43からは「バリ」の称呼が生じるというのが相当であり,特定の観念は生じない。
(ウ)本願商標と引用商標36及び引用商標43の類否を検討するに,本願商標と各引用商標の外観については,その構成全体が顕著に相違することから,判然と区別し得るものである。
次に,称呼についてみるに,本願商標から生じ得る「バライ」又は「バリ」の称呼と,引用商標36から生じる「バライ」の称呼及び引用商標43から生じる「バリ」の称呼は同一であるものの,上記アのとおり,本願商標から直ちに「バライ」又は「バリ」の称呼が生ずることには困難があるというべきであるから,本願商標と各引用商標における称呼上の共通性は,商標の類否を検討するにあたって大きな影響を及ぼすとはいい難いものである。
さらに,観念については,いずれも比較することはできない。
以上よりすれば,本願商標と引用商標36及び引用商標43とは,外観において明らかに相違し,称呼を共通にする場合があるとしても,その共通性は外観上の差異を凌駕するほど大きな影響を与えるものとはいえず,さらに,観念において比較することができないものであるから,外観,称呼及び観念によって,取引者,需要者に与える印象,記憶,連想等を総合して全体的に考察すれば,相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。
オ 小括
本願商標と引用商標グループ3は,上記イ〜エのとおり,非類似の商標であるから,本願商標の指定商品又は指定役務と引用商標グループ3の指定商品又は指定役務が類似するものであるとしても,本願商標は,商標法第4条第1項第11号に該当しない。
上記1のとおり,本願商標が商標法第3条第1項柱書の要件を具備していないとして本願を拒絶した原査定の拒絶の理由は,解消した。
また,上記2のとおり,引用商標グループ1及び引用商標グループ2との関係においては,本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定の拒絶の理由は,解消した。さらに,引用商標グループ3との関係においては,本願商標は,同号に該当するものではない。
したがって,本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は妥当ではなく,取消しを免れない。
その他,本願について拒絶の理由を発見しない。
よって,結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。