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Trademark Appeal Case

不使用取消審判

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2018−300394(T2018−300394/J2)
審判種別取消
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第5233833号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおり、「SOLO」の欧文字と「ソロ」の片仮名とを上下2段に書してなり、平成19年6月28日に登録出願、第35類「かばん類及び袋物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,せんすの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,茶・コーヒー及びココアの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,加工食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,しょうゆ・焼肉のたれ・うま味調味料・香辛料・食用油脂の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,手動利器(「魚ぐし・針類・刀剣」を除く。)及び手動工具(「すみつぼ類,皮砥,鋼砥,砥石」を除く。)の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,なべ類・食器類・水筒の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,せっけん類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,燃料の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を指定役務として、同21年5月29日に設定登録されたものである。

その後、指定役務については、第35類「サンドイッチ・肉まんじゅう・中華まんじゅう・ハンバーガー・ピザ・ホットドッグ・ミートパイの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」について取り消す旨の審決がされ、その確定審決の登録が令和元年6月6日にされているものである。

なお、本件審判の請求の登録は、平成30年6月25日であり、本件審判の請求の登録前3年以内の平成27年6月25日から同30年6月24日までを以下「要証期間」という。

第2 請求人の主張

請求人は、商標法第50条第1項の規定により、本件商標の指定役務中、第35類「茶・コーヒー及びココアの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,加工食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,しょうゆ・焼肉のたれ・うま味調味料・香辛料・食用油脂の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」(以下「請求に係る指定役務」という。)の登録を取消す、審判費用は、被請求人の負担とする、との審決を求め、審判請求書において、その理由として、本件商標は、その指定役務中、上記役務について、継続して3年以上日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである旨主張し、証拠方法として甲第1号証を提出した。

なお、請求人は、被請求人の答弁に対し、何ら弁駁していない。

第3 被請求人の主張

被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を答弁書及び回答書において要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第21号証(枝番号を含む。なお、枝番号を有する証拠において、枝番号の全てを引用する場合は、枝番号の記載を省略する。)を提出した。

1 答弁の理由

(1)被請求人の事業内容

被請求人は、セールスプロモーションの企画、日用品及び雑貨の製造・輸入・販売、各種イベント商品・ノベルティの企画・製造・輸入・販売を行う会社であり、本件商標は、被請求人が商品カタログ名として長年にわたり継続的に使用している。本件商標を付したカタログは主な顧客層である問屋に対し被請求人より定期的に提供し、注文を受注している。

(2)本件商標の使用状況等

ア 被請求人は、カタログ及びホームページのカタログ紹介の欄に本件商標と社会通念上同一と認められる商標を請求に係る指定役務について長年使用している。

イ 被請求人の具体的な使用実績については、被請求人のホームページにおいて、本件商標を付して商品を紹介しているほか、最新カタログとして本件商標を付したカタログ一覧が表示されている(乙1)。

そして、被請求人が顧客に定期的に配布しているカタログには表紙にカタログ名として本件商標が使用されており、裏表紙には被請求人である「株式会社エピオス」が発行人として紹介されている。

カタログに紹介されている商品はシーズンごとに内容が変化するものの、請求に係る指定役務に係る商品が多数販売されている。

(ア)被請求人発行のカタログ(2016年夏号 カタログNo.85)(乙4)は、「2016年4月〜2016年7月」をカタログ有効期間として発行されており、2頁において備蓄品3日分「レスキューライス(白米)×2」「レスキューライス(おかゆ)×2」が紹介されており、また9頁下段において「播州の糸(50g×14束)」「そうめん太郎(50g×6束)」「播州の糸つゆ付(そうめん50g×3束・つゆ20ml)」が紹介されているが、これは「加工食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」に該当する。

また、同頁には「麦茶(10g×1袋)」が紹介されており、これは「茶・コーヒー及びココアの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」に該当する。

(イ)被請求人発行のカタログ(2016年秋冬号 カタログNo.86)(乙5)は、「2016年7月〜2017年1月」をカタログ有効期間として発行されており、74頁において備蓄品3日分「レスキューライス(白米)×2」「レスキューライス(おかゆ)×2」が紹介されており、これらが「加工食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」に該当する。

(ウ)被請求人発行のカタログ(2016年冬号 カタログNo.87)(乙6)は、「2016年10月〜2017年1月」をカタログ有効期間として発行されており、39頁には、「備蓄品3日分」として、「レスキューライス(白米)×2」「レスキューライス(おかゆ)×2」が紹介されている。これらは「加工食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」に該当する。

(3)実際の取引

乙第9号証ないし乙第13号証は、被請求人がそれぞれ要証期間内である2016年5月30日、同年7月7日、同年8月5日、同年10月18日及び2017年1月6日に発行した納品書(控)であり、販売した商品は「備蓄品3日分」、「つるつるそうめんP50人用」及び「つるつるそうめんP100人用」である。商品名の上の欄にある最初の「S」は「SOLO」のカタログ販売であることを示し、その後ろの番号は、乙第4号証ないし乙第6号証に掲載された上記商品の商品番号に「0」を付けたものであり、末尾の「0」は被請求人の商品管理の便宜のために付されている数字である。

(4)商品カタログを通じた取引の流れ

ア 納品書(乙9〜乙13)と発注書又はピッキングリスト(指示書)(乙14の1、乙15の1、乙16の1、乙17の1、乙18の1)及び売上管理画面(乙14の2、乙15の2、乙16の3、乙17の2、乙18の2)の伝票番号及び納品書(乙9〜乙13)と売上管理画面(乙14の2、乙15の2、乙16の3、乙17の2、乙18の2)のお客様コードもそれぞれ一致していることから一連の取引に係る証拠である。

(5)納品書(控)についての追加説明

商品番号については、システム上、各商品15桁となっており取引先において確認が容易なように一部のみの表記となっている。商品コードの「S」は、セット商品の資材としてのみ販売する商品であることを示すものとして管理上ついているアルファベットであり、商品番号と異なる末尾の「0」は、消費税増税時にシステム会社に伝票フォーマットを作成依頼した際に従前の5桁表記が6桁表記になったものによるものである。

また、「P100人用(50人用)」については、システム上、規定の文字数に収める必要があり「プレゼント」を「P」と表記している。商品コードの「S」は、カタログ掲載中の商品をその他の資材等と区別する内部処理のために付けている。

さらに、消費税については納品書を販売管理システムでデータ管理している関係上、証拠提出にあたり印刷した際に印刷時に被請求人が使用している納品書のフォーマットで印刷されてしまうことによるシステム上の問題である。

(6)商品カタログの作成経緯

ア 乙第19号証は、カタログ(乙4)に係る請求書であり、K印刷株式会社から平成28年3月31日付で被請求人宛にソロカタログVol85(乙4)について、計5,100冊分の印刷代金が請求されているところ、カタログ(乙4)の有効期間は、2016年4月〜2016年7月であり矛盾はない。

イ 乙第20号証は、カタログ(乙5)に係る請求書であり、K印刷株式会社から平成28年6月30日付で被請求人宛にSOLONo.86カタログ(乙5)について、計5,540冊分の印刷代金が請求されているところ、カタログ(乙5)の有効期間は2016年7月〜2017年1月であり矛盾はない。

ウ 乙第21号証は、カタログ(乙6)に係る請求書であり、K印刷株式会社から平成28年9月30日付で被請求人宛にSOLOカタログNo.87(乙6)について、計5,400冊分の印刷代金が請求されているところ、カタログ(乙6)の有効期間は2016年10月〜2017年1月であり矛盾はない。

エ カタログについては、被請求人ホームページに掲載して商品を紹介する以外に、紙媒体のものは全国の顧客に配布し、顧客が配布されたカタログに基づいて被請求人に発注する。社名有と社名無が存在するのは、直接被請求人にエンドユーザーが発注する以外に、顧客が顧客名で注文を取りまとめて被請求人宛に発注を掛ける場合があるためである。

(7)商標法第2条第3項各号のいずれの行為に該当するものであるか

乙第1号証は、被請求人ホームページであり、ホームページ上でカタログ販売を行っていることを示している。

乙第2号証ないし乙第8号証は、いずれも被請求人カタログであり、指定役務についてカタログを通じて登録商標を使用している旨を証明するものである。

乙第9号証ないし乙第18号証は、納品書等であり、被請求人が指定役務について実際に取引実態が存在することを証明するものである。

乙第19号証ないし乙第21号証は、カタログに係る請求書であり、登録商標を付したカタログが毎号5,000冊以上印刷され頒布されていることを証明するものである。

したがって、乙各号証は、いずれも商標法第2条第3項第8号の行為に該当する。

2 まとめ

以上より、本件商標は、通常使用権者により、請求に係る指定役務について、日本国内において、本件審判の予告登録日前3年以内に使用されているものである。

第4 当審の判断

1 被請求人の提出に係る乙各号証及び同人の主張によれば、以下の事実が認められる。

(1)本件商標権者のホームページ(乙1)によれば、「エピオスは、イベント、ノベルティ等のSP向け商品を企画・輸入・販売している会社です。」(乙1の1)の記載があり、「カタログ紹介」の見出しの下、「発刊時期 年4回」「最新カタログ(94号)」の記載とともに、商品カタログとおぼしき写真が掲載され、その表紙に「SOLO」の表示がある(乙1の2)。

(2)本件商標権者に係る商品カタログ(乙4)によれば、当該商品カタログの表紙の上部に、別掲2のとおり、青色で「SOLO」の欧文字及び「ソロ」の片仮名(以下「使用商標」という。)が横並びで表示され、右下部には、「夏のオススメ商品満載!」の記載、「2016 夏号\カタログNo.85」(審決注:「\」は改行を示す。以下同じ。)、「カタログ有効期限:2016年4月〜2016年7月」の記載がある。

また、同商品カタログの2頁目に「備蓄品3日分」、「商品番号 6706」、「セット内容」として「レスキューライス(白米)×2・レスキューライス(おかゆ)×2」の記載とともに、当該商品の写真が掲載され、「¥12,300」の価格表示があり、同商品カタログの9頁目に「つるつるそうめんプレゼント」、「50人用\商品番号 6701」、「100人用\商品番号 6702」、「セット内容」として「2等 播州の糸(50g×14束)」、「3等 そうめん太郎(50g×6束)」、「5等 麦茶(10g×1袋)」の記載とともに、当該商品の写真が掲載され、それぞれ「¥25,000」、「¥32,300」等の価格表示がある。

さらに、裏表紙に、「お気軽にご相談ください。お見積りいたします。」の記載、「株式会社エピオス」の記載とともに本件商標権者及び本件商標権者の東京支店の住所、電話番号及びFAX番号が記載されている。

(3)乙第4号証に係る納品書(乙9〜乙11)、発注書(乙14の1、乙15の1)、ピッキングリスト(指示書)及び在庫確認の連絡文書(乙16の1)、直送伝票と送り状(乙16の2)、本件商標権者の売上管理画面(乙14の2、乙15の2、乙16の3)、商品カタログ印刷請求書(乙19)によれば、以下のとおりである。

ア 乙第4号証に対応する納品書(乙9)には、左上に取引の相手先とおぼしき記載があり、会社名及び「京都府京都市西京区」以降の住所の一部はマスキングされているが、右上に「株式会社エピオス」の記載とともに本件商標権者及び本件商標権者の東京支店の住所、電話番号及びFAX番号が記載され、伝票日付欄に「2016/5/30」の記載、伝票番号欄に「00001420」の記載、お客様コード欄に「K2002」の記載があり、商品名欄に「S67060」「備蓄品3日分」の記載、数量欄に「3」の記載がある。

また、乙第9号証に対応する発注書であるFAXの写し(乙14の1)には、S社のFAX送信情報、その情報の上に(株)エピオス 東京支店 本社御中 03 3661 5866」の記載、左上に「(株)エピオス\下記のとおり発注します」の記載、右上に「平成28年5月24日」、「納品書・請求書送付先\〒615−8301京都市西京区(略)」及び「K社」の名称、商品名欄に「備蓄品3日分」、数量欄に「3」、下部に手書きで「6706」、「1420」の記載がある。

さらに、本件商標権者の売上管理画面の写し(乙14の2)には、上部に、「会社名[エピオス]」の記載、伝票日付欄に「平成28年5月30日」、伝票番号欄に「00001420」、得意先欄及び請求先欄に「K2002」及びK社の名称、商品欄に「備蓄品3日分」、数量欄に「3」の記載がある。

以上より、2016年(平成28年)5月24日付けでK社から本件商標権者に対して、商品カタログ(乙4)掲載の商品「備蓄品3日分」(白米及びおかゆをセット内容とする商品)について3個の発注があり(乙14の1)、上記発注に係る商品名及び個数は、納品書(乙9)及び売上管理画面(乙14の2)と一致し、また、納品書(乙9)及び売上管理画面(乙14の2)に記載されたお客様コードである「K2002」が一致していることから、本件商標権者は、2016年(平成28年)5月30日付けで、K社に対して、発注書に対応した商品を納品していることが確認できる。

イ 乙第4号証に係る納品書(乙10)、乙第10号証に対応する発注書であるFAXの写し(乙15の1)及び被請求人の売上管理画面の写し(乙15の2)によれば、2016年(平成28年)8月4日付けでD社から本件商標権者に対して、商品カタログ(乙4)掲載の商品「つるつるそうめんプレゼント100人用」(そうめんと麦茶をセット内容とする商品)について1個の発注があり(乙15の1)、上記発注に係る商品名及び個数は、納品書(乙10)及び売上管理画面(乙15の2)と一致し、また、納品書(乙10)及び売上管理画面(乙15の2)に記載されたお客様コードが一致していることから、本件商標権者は、2016年(平成28年)8月5日付けで、D社に対して、発注書に対応した商品を納品しているという上記アと同様の流れが確認できる。

ウ 乙第4号証に係る納品書(乙11)、乙第11号証に対応するピッキングリスト(指示書)及び在庫確認の連絡文書(乙16の1)及び売上管理画面の写し(乙16の3)によれば、2016年(平成28年)7月4日付けでT社を介してR社から本件商標権者に対して、商品カタログ(乙4)掲載の商品「つるつるそうめんプレゼント50人用」(そうめんと麦茶をセット内容とする商品)について1個の発注があり(乙16の1)、上記発注に係る商品名、個数は、納品書(乙11)及び売上管理画面(乙16の3)と一致し、また、納品書(乙11)及び売上管理画面(乙16の3)に記載されたお客様コードが一致していることから、本件商標権者は、2016年(平成28年)7月7日付けで、T社に対して、発注書に対応した商品を納品しているという上記アと同様の流れが確認できる。

エ 乙第4号証のカタログの印刷請求書(乙19)には、右上にK印刷会社の名称、左上に「能美郡川北町田子島は44番地\株式会社エピオス」の記載、上部中央に「締日\平成28年3月31日」、品名欄に「ソロカタログ Vol85\(社名有900冊・社名無 4200冊)」、数量欄に「5,100冊」の記載があり、品名欄に記載された「ソロカタログ Vol85」の記載は、商品カタログ(乙4)の表紙に記載された「2016 夏号\カタログNo.85」の表示と一致するものであるから、商品カタログ(乙4)は、本件商標権者からの依頼に応じて、K印刷会社によって、平成28年3月31日(乙19)までに5,100冊印刷されたことが推認できる。

(4)ア 乙第5号証の本件商標権者に係るカタログによれば、商品カタログの表紙の上部に別掲2と同じ態様で白色の使用商標が表示され、右下部に、「秋冬のオススメ商品満載!」の記載、「2016 秋冬号\カタログNo.86」、「カタログ有効期限:2016年7月〜2017年1月」の記載があり、当該カタログには、「備蓄品3日分」(白米及びおかゆをセット内容とする商品)の写真とともに、「¥12,300」の価格表示があり、裏表紙に、「株式会社エピオス」の記載とともに、本件商標権者及び本件商標権者の東京支店の住所、電話番号及びFAX番号が記載されている。

イ 乙第5号証に係る納品書(乙12)、発注書(乙17の1)、及び本件商標権者の売上管理画面(乙17の2)によれば、上記(3)において認定した、乙第4号証の商品カタログに掲載された商品の発注から納品までの流れと同様の流れを確認することができ、2016年(平成28年)10月13日付けでK社から本件商標権者に対して、商品カタログ(乙5)掲載の商品「備蓄品3日分」(白米及びおかゆをセット内容とする商品)について1個の発注があり(乙17の1)、上記発注に係る商品名及び個数は、納品書(乙12)及び売上管理画面(乙17の2)と一致し、また、納品書(乙12)及び売上管理画面(乙17の2)に記載されたお客様コードが一致していることから、本件商標権者は、2016年(平成28年)10月18日付けで、K社に対して、発注書に対応した商品を納品していることが推認できる。

ウ カタログ印刷請求書(乙20)の品名欄に記載された「SOLO No.86 カタログ」の記載は、商品カタログ(乙5)の表紙に記載された「2016 秋冬号\カタログNo.86」の表示と一致するものであり、数量欄には、合計で「5,540冊」の冊数となる記載があることから、商品カタログ(乙5)は、本件商標権者からの依頼に応じて、K印刷会社によって、2016年(平成28年)6月30日までに5,540冊印刷されたことが推認できる。

(5)ア 乙第6号証の本件商標権者に係るカタログによれば、商品カタログの表紙の上部に別掲2と同じ態様で紺色の使用商標が表示され、右下部に、「冬のオススメ商品満載!」の記載、「2016 冬号\カタログNo.87」、「カタログ有効期限:2016年10月〜2017年1月」の記載があり、当該カタログには、「備蓄品3日分」(白米及びおかゆをセット内容とする商品)の写真とともに、「¥12,300」の価格表示があり、裏表紙に、「お気軽にご相談ください。お見積りいたします。」の記載、「株式会社エピオス」の記載とともに本件商標権者及び本件商標権者の東京本社の住所、電話番号及びFAX番号が記載されている。

イ 乙第6号証に係る納品書(乙13)、発注書(乙18の1)、及び本件商標権者の売上管理画面(乙18の2)によれば、上記(3)において認定した、乙第4号証の商品カタログに掲載された商品の発注から納品までの流れと同様の流れを確認することができ、2016年(平成28年)12月9日付けでK社から本件商標権者に対して、商品カタログ(乙6)掲載の商品「備蓄品3日分」(白米及びおかゆをセット内容とする商品)について1個の発注があり(乙18の1)、上記発注に係る商品名及び個数は、納品書(乙13)及び売上管理画面(乙18の2)と一致し、また、納品書(乙13)及び売上管理画面(乙18の2)に記載されたお客様コードが一致していることから、本件商標権者は、2017年(平成29年)1月6日付けで、K社に対して、発注書に対応した商品を納品していることが推認できる。

ウ カタログ印刷請求書(乙21)の品名欄に記載された「SOLOカタログ No.87」の記載は、商品カタログ(乙6)の表紙に記載された「2016 冬号\カタログNo.87」の表示と一致するものであり、数量欄には、合計で「5,400冊」の冊数となる記載があることから、商品カタログ(乙6)は、本件商標権者からの依頼に応じて、K印刷会社によって、2016年(平成28年)9月30日までに5,400冊印刷されたことが推認できる。

2 判断

(1)使用者について

使用商標が表示された商品カタログ(乙4〜乙6)の裏表紙に、「株式会社エピオス」の記載とともに、本件商標権者の住所と一致する住所が記載されていることからすれば(上記1(2)、(4)ア及び(5)アの認定事実)、当該商品カタログを作成し、頒布する者は、本件商標権者といえるから、使用商標の使用者は、本件商標権者といえる。

(2)使用商標について

使用商標は、商品カタログ(乙4〜乙6)の表紙に、別掲2のとおり、「SOLO」の欧文字及び「ソロ」の片仮名が横並びで表示されているものであり(上記1(2)、(4)ア及び(5)アの認定事実)、本件商標は、別掲1のとおり、「SOLO」の欧文字及び「ソロ」の片仮名を二段書きしてなるところ、両者は、色彩の有無、横並びか二段書きという点、「SOLO」の欧文字の書体に多少の違いはあるものの、「SOLO」の欧文字及び「ソロ」の片仮名の構成文字を同一にするものであるから、使用商標は本件商標と社会通念上同一の商標と認められる。

(3)使用時期について

上記(2)のとおり、本件商標と社会通念上同一の商標と認められる使用商標が表示された商品カタログ(乙4〜乙6)の表紙に記載されたカタログ有効期限(上記1(2)、(4)ア及び(5)アの認定事実)、上記カタログの印刷時期及び数量(上記1(3)エ、(4)ウ及び(5)ウの認定事実)、並びに上記カタログに掲載された商品が発注・納品されたこと(上記1(3)ア〜ウ、(4)イ及び(5)イの認定事実)を合わせみれば、要証期間内である2016年(平成28年)4月から2017年(平成29年)1月頃にかけて、当該商品カタログが頒布されたことが認められる。

(4)使用役務について

上記1(1)の認定事実によれば、本件商標権者は、イベント、ノベルティ等の商品を企画・輸入・販売している会社であり、表紙に「SOLO」の表示のあるカタログを年4回発行している(乙1)。

上記1(2)、(4)ア及び(5)アの認定事実からすると、商品カタログ(乙4〜乙6)は、「そうめんのめん、おかゆ及び麦茶」といった商品について、その商品の内容、価格、広告、商品を注文できる期間及び問い合わせ先といった各種情報を与えるものであるということができる。

そして、上記商品のうち「そうめんのめん」及び「おかゆ」は、請求に係る指定役務中の「加工食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」の取扱商品に含まれ、また、「麦茶」は、請求に係る指定役務中の「茶の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」に係る取扱商品に含まれるものである。

そうすると、上記商品カタログは、「そうめんのめん及びおかゆの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」(以下「使用役務1」という。)に関する広告、又は、「麦茶の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」(以下「使用役務2」という。)に関する広告ということができ、使用役務1は、請求に係る指定役務中の「加工食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」の範ちゅうに、使用役務2は、請求に係る指定役務中の「茶・コーヒー及びココアの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」の範ちゅうに、それぞれ属する役務と認められる。

(5)小括

上記(1)ないし(4)によれば、本件商標権者は、要証期間に日本国内において、請求に係る指定役務中、「加工食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,茶・コーヒー及びココアの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」の範ちゅうに含まれる「そうめんのめん及びおかゆの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,麦茶の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」に関する商品カタログ(広告)に、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を付して、頒布した(商標法第2条第3条第8号)と認めることができる。

3 むすび

以上のとおり、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者が請求に係る指定役務中、「加工食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,茶・コーヒー及びココアの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」の範ちゅうに含まれる、「そうめんのめん及びおかゆの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,麦茶の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」について、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を使用していたことを証明したものと認められる。

したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、取り消すことができない。

よって、結論のとおり審決する。

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