sokuhyo

Trademark Appeal Case

品質表示の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2020−1998(T2020−1998/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

第1 本願商標

本願商標は、別掲1のとおり、「極やわインナーキャップ」の文字を横書きし、その構成中の「極」の文字の上に「ごく」の振り仮名を付した構成よりなり、第26類「かつら用ネット」を指定商品として、令和元年10月2日に登録出願されたものである。

第2 原査定の拒絶の理由の要点

原査定は、「本願商標は、『極やわインナーキャップ』の文字を表し、その構成中の『極』の文字の上に、『ごく』の振り仮名を付した構成からなるところ、その構成中の『極』の文字(語)が『最も。きわめて。この上なく』等の意味を、『やわ』の文字(語)が『やわらかい。』等の意味を、それぞれ有するから、『極やわ』の文字部分については、『きわめてやわらかい』ほどの意味合いを理解させ、「極やわ」及び当該文字を漢字で表した「極柔」の文字が、柔らかい肌触りであることを強調するために一般に用いられる実情がうかがえる。また、『インナーキャップ』の文字(語)は、『ウィッグ用ネット』を指称するものとして使用され、さらに、当該商品の品質の一つとして「柔らかい」ことが挙げられている事情がうかがえる。これらの実情を踏まえると、本願商標をその指定商品に使用するときは、これに接する取引者・需要者が、当該商品を『きわめてやわらかいかつら用ネット』であると容易に認識し得るものであって、商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であるから、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定判断し、本願を拒絶したものである。

第3 当審における審尋と請求人の回答

本願商標の商標法第3条第1項第3項該当性について、職権に基づく証拠調べを実施し、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき、請求人に対し、令和3年3月29日付けの審尋で、その結果を通知するとともに、下記第4と同旨の暫定的見解について通知したが、請求人からは、何ら回答(応答)がなかった。

第4 当審の判断

1 商標法第3条第1項第3号該当性

(1)本願商標は 上記第1のとおり、「極やわインナーキャップ」の文字を横書きし、その構成中の「極」の文字の上に、「ごく」の振り仮名を付した構成よりなるものである。

(2)本願商標の構成中、「極」の文字(語)は「きわめて。この上なく。」(広辞苑第7版)の意味を、また、「やわ」の文字は、「やわらかなさま。」の意味を表す「柔」(前掲書)の平仮名表記であることから、その構成中、「極やわ」の文字部分については、「極めてやわらかい」ほどの意味合いを容易に認識させるものである。

そして、職権による調査によれば、「極やわ」の文字及びその漢字表記といえる「極柔」の文字は、別掲2のとおり、被服や衛生用品など、身に付けて使用する商品をはじめとする様々な商品において、商品の特徴として、着け心地、着心地及び肌触りが「やわらかい」商品であることを強調する語として、商品説明等において多数使用されている実情が認められ、また、別掲3(1)ないし(4)及び(8)のとおり、本願の指定商品である「かつら用ネット」を取り扱う分野において「やわらかい」ことが商品の品質の一つとして表されている実情が認められる。

そうすると、本願商標の構成中、「極やわ」の文字は、構成する文字から認識される意味合い及び取引の実情をふまえると、取引者、需要者をして、「極めてやわらかい」という商品の品質を表したものと理解されるにとどまるものというのが相当である。

(3)また、本願商標の構成中、「インナーキャップ」の文字については、別掲3(1)、(2)及び(5)ないし(8)のとおり、本願の指定商品「かつら用ネット」との関係においては、商品そのものを表す語として多数使用されていることから、当該文字部分は、指定商品の名称を表したと理解されるものというべきである。

(4)そうすると、本願商標は、これをその指定商品に使用した場合、これに接する取引者、需要者をして、「極めてやわらかい商品」であるという商品の品質を表したものと認識するにすぎないものといえる。

また、本願商標の構成中、「極」の文字の上に「ごく」と付された平仮名は、漢字に対する振り仮名を付す方法として広く一般にみられる手法に準じて表されているにすぎず、本願商標に接する取引者、需要者をして、特段の特徴を有するものとして認識されるとはいい難いものであるから、本願商標は、普通に用いられる方法の域を脱しない方法で表示するものというのが相当である。

したがって、本願商標は、商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標というべきであるから、商標法第3条第1項第3号に該当する。

2 請求人の主張について

請求人は、「極やわ」(「極」の文字の上に「ごく」と振り仮名を付している。)の構成よりなる、商標登録第5387131号商標の登録例を挙げ、当該商標の設定登録が平成23年であり、これを「審査時期が相当前」と認定することは許されないから、同様の事情には当然に同様の判断がなされるべきである旨を主張する。

しかしながら、請求人が挙げた登録例については、指定商品が異なるものであるから、事案を異にし、同一に論じることはできないものである。そして、登録出願に係る商標が商標法第3条第1項第3号に該当するか否かは、当該商標の査定時又は審決時において、商標の構成、指定商品又は指定役務、取引の実情等を踏まえて、当該商標ごとに個別具体的に判断されるべきものであるところ、本願商標については、上記1のとおり判断するのが相当であって、請求人が挙げる登録例の存在をもって、上記判断が左右されるものではない。

3 まとめ

以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものであるから、登録することができない。

よって、結論のとおり審決する。

Next Action

次の一手につながるサービス

類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。

次の一歩へ

商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。