Trademark Appeal Case
「ミスジャパン」の慣用表現の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2020−15124(T2020−15124/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「MISS JAPAN」の文字と「ミスジャパン」の文字とを上下二段に横書きしてなり、第35類及び第41類に属する別掲1のとおりの役務を指定役務として、平成30年9月3日に登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶の理由の要点
本願商標は、「MISS JAPAN」の文字と「ミスジャパン」の文字とを上下二段に横書きしてなるところ、その構成中の「MISS」「ミス」の文字は、「代表的な美人として選ばれた未婚の女性」の意味を、「JAPAN」「ジャパン」の文字は、我が国の国名の欧文字表記及びその片仮名表記を理解させるから、本願商標は、「MISS」「JAPAN」「ミス」「ジャパン」の各文字を組み合わせたものと容易に看取されるものである。
そして、本願の指定役務の分野において、例えば、「ミス宮古島」「ミスおたる」のように、地域の魅力についての宣伝活動を行う、その地域を代表する女性を「ミス○○」又は「MISS○○」(○○は地域名)と指称し、これらの名称が各地域で使用されている実情がある。
そうすると、本願商標をその指定役務に使用した場合、これに接する需要者は、「日本を代表する女性」に関する役務であることを理解するにすぎず、本願商標は、自他役務の識別標識としての機能を有せず、需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができないものである。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。
3 当審においてした審尋
当審において、審判長は、請求人に対し、令和3年4月13日付けで、別掲2に示すとおりの事実を提示した上で、本願商標は商標法第3条第1項第6号に該当するとする旨の見解を示した審尋を発し、期間を指定して、これに対する回答を求めた。
4 審尋に対する請求人の回答
請求人は、前記3の審尋に対し、指定した期間を経過するも、何ら回答をしていない。
5 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第6号該当性について
本願商標は、前記1のとおり、「MISS JAPAN」の欧文字と「ミスジャパン」の片仮名とを上下二段に配してなるところ、下段の片仮名は、上段の欧文字の読みを表したものと理解されるものであり、また、本願商標の構成中の「MISS」及び「ミス」の文字は「未婚女性の姓または姓名に冠する敬称。お嬢さん。娘さん。代表的な美人として選ばれた未婚の女性」の意味を、「JAPAN」及び「ジャパン」の文字は「英語で、日本を呼ぶ称」の意味をそれぞれ有する一般によく知られた語(いずれも「広辞苑 第七版」岩波書店)である。
ところで、別掲2のとおり、各種ミスコンテストにおいて、世界大会に出場する日本代表を指称する語として、「MISS JAPAN」(小文字表記も含む)又は「ミスジャパン」の表記が広く一般に使用されている事実が見受けられることからすると、本願商標は、全体として、各種ミスコンテストの世界大会に出場する日本代表を認識、理解させるにとどまり、役務の出所を表示する標識又は自他役務の識別標識として認識されることはないとみるのが相当である。
そうすると、「MISS JAPAN」及び「ミスジャパン」の文字からなる本願商標を、その指定役務に使用しても、これに接する取引者、需要者をして、当該文字を、「各種ミスコンテストの日本代表」を表したものと認識させるにすぎず、需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができない商標と判断するのが相当である。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は、「MISS」の語は地名、職業、学校名などと組み合わせて、いわゆる美人コンテストの名称として使用されることから、本願商標は、商標全体で固有のミスコンテストの名称ないしコンテストで選抜された女性の名称と認識されるのが自然であり、また、「MISS JAPAN」ないし「ミスジャパン」の文字が具体的な役務の質や提供の場所を表示するものとして一般に使用されている事実もないことから、本願商標は十分に自他役務の識別力を有する旨主張する。
しかしながら、上記(1)のとおり、各種ミスコンテストにおいて「MISS JAPAN」(小文字表記も含む)又は「ミスジャパン」の文字が、世界大会に出場する日本代表を指称する語として広く一般に使用されている実情があることからすれば、本願商標に接する取引者、需要者は、これを役務の出所を識別するための標識と認識するというよりは、むしろ、各種ミスコンテストの世界大会に出場する日本代表を表すものとして理解、認識するにとどまるものというのが相当である。
したがって、請求人による上記主張は、採用することができない。
イ 請求人は、本願商標と同様の構成であるとして、「MISS WORLD」、「MISS UNIVERSE」、「ミス・インターナショナル」、「MISS TEEN JAPAN」等の既登録例を挙げつつ、これらの商標が登録された時期と、「ミス○○」に関する取引の実情は、特に大きな変化はなく、ことさら本願商標のみが商標法第3条第1項第6号に該当すると考えるべき合理的な理由は存在しない旨主張する。
しかしながら、登録出願に係る商標が商標法第3条第1項第6号に該当するものであるか否かの判断は、当該商標登録出願の査定時又は審決時において、当該商標の構成態様と指定役務の取引の実情等に基づいて、個別具体的に判断されるべきものであるから、請求人の挙げた商標登録例があるからといって、それらが本件における判断を左右するものではない。
したがって、請求人による上記主張は、採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当するものであるから、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
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