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Trademark Appeal Case

商標使用証拠の有効性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2020−300562(T2020−300562/J2)
審判種別取消
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第1652398号商標の指定商品中、第5類「薬剤,ガーゼ,カプセル,ばんそうこう,包帯」についての商標登録を取り消す。
審判費用は、被請求人の負担とする。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第1652398号商標(以下「本件商標」という。)は、「ズバット」の文字を表してなり、昭和55年12月9日に登録出願、第1類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同59年1月26日に設定登録され、平成16年2月4日に指定商品を第3類、第5類及び第30類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品とする指定商品の書換登録がされた。その後、商標登録の取消し審判により、指定商品中第3類「家庭用帯電防止剤,家庭用脱脂剤,さび除去剤,染み抜きベンジン,洗濯用柔軟剤,洗濯用漂白剤」について登録を取り消すべき旨の審決がされ、同20年11月28日にその確定審決の登録がされたものである。さらに、同26年1月28日に第5類についてのみ存続期間の更新登録がされた結果、本件商標は、第5類「薬剤,医療用油紙,衛生マスク,オブラート,ガーゼ,カプセル,眼帯,耳帯,生理帯,生理用タンポン,生理用ナプキン,生理用パンティ,脱脂綿,ばんそうこう,包帯,包帯液,胸当てパッド,歯科用材料」を指定商品として、現に有効に存続しているものである。

なお、本件審判の請求の登録日は、令和2年8月31日であり、本件審判の請求の登録前3年以内の平成29年8月31日ないし令和2年8月30日の期間を、以下「要証期間」という。

第2 請求人の主張

請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証及び甲第2号証を提出した。

1 請求の理由

本件商標は、その指定商品中、第5類「薬剤,ガーゼ,カプセル,ばんそうこう,包袋」(以下「請求に係る指定商品」という。)について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用をしていないものであるから、その登録は商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきである。

2 答弁に対する弁駁

請求人は、被請求人の答弁に対して、何ら弁駁していない。

第3 被請求人の答弁

被請求人は、本件審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を要旨次のように答弁し、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第3号証(枝番号を含む。)を提出した。

1 本件商標権者(被請求人)は、本件商標を、請求に係る指定商品中の「カプセル」に使用している。かかる事実は、当該カプセルの商品写真(パッケージ)及びリーフレットにより明らかである(乙1、乙2)。

2 商品パッケージ表面とその中身の商品、そして、リーフレットにあるとおり、商品「ズバット」は、苦い・臭いがある・むせて飲みにくい等の薬剤や食品を、その中に詰めることによって飲み込み易くするカプセルである(乙1の2、乙2の2)。

3 商品パッケージ裏面下部に「2021.3」と記載されているように、2021年3月がカプセルの使用期限であること、また、リーフレット下部に「2018.10」と記載されているように、リーフレットが2018年10月に印刷されたものであることからすれば、商品「ズバット」が要証期間に販売されていたことは明らかである(乙1の3、4、乙2の2)。

4 商品「ズバット」の販売者の住所は,商標登録原簿の本件商標権者の住所とは異なっているが、これは本件商標権者の富山本部の住所である(乙3の2)。

第4 審尋及び被請求人の回答

1 審尋

審判長は、令和3年4月19日付け審尋において、被請求人に対し、被請求人が提出した証拠によっては、被請求人が商標法第50条第2項に規定する本件商標の使用をしている事実を証明したものとは認めることができない旨の合議体の暫定的見解に対する回答を求めた。

2 被請求人の回答

被請求人は、上記1の審尋に対し、何らの応答もしていない。

第5 当審の判断

1 被請求人の提出に係る証拠及び同人の主張によれば、以下の事実が認められる。

(1)商品名を「ズバット カプセル」、名称を「ゼラチン加工食品(カプセル)」とするパッケージの表面には、「ズバット」の文字とそれよりやや小さい「カプセル」の文字が2段に表示されている。そして、その裏面には、販売者として本件商標権者の名称及び「2021.3」の表示がある(乙1の2〜4)。

(2)商品のリーフレットとする書証には、「ズバット」の文字とそれよりやや小さい「カプセル」の文字、「※この製品は、中身が入っていないカプセルです。」の文字及び販売者として本件商標権者の名称が表示されている。そして、当該リーフレット下部には、「2018.10 ZR02(F)」の表示がある(乙2の2)。

2 判断

(1)被請求人は、本件商標権者が要証期間内に、商品パッケージに本件商標(社会通念上同一のものを含む、以下同じ。)を付した「カプセル」を販売し、又は本件商標を付した当該カプセルのリーフレットを頒布した旨主張するので、これについて検討する。

ア 前記1(1)から、本件商標権者が、商品「カプセル」のパッケージに、本件商標と同一の文字構成からなる「ズバット」の文字を表示していたことはうかがえるとしても、当該カプセルが要証期間に製造された事実あるいは譲渡又は引き渡し(販売)された事実を客観的に確認できる証拠の提出はなく、本件商標権者が要証期間に当該カプセルを製造し、あるいは譲渡又は引き渡したものとは認められない。

イ 前記1(2)から、本件商標権者が、商品「カプセル」のリーフレットに、本件商標と同一の文字構成からなる「ズバット」の文字を表示していたことはうかがえるとしても、当該リーフレットが要証期間に頒布された事実を客観的に確認できる証拠の提出はなく、本件商標権者が要証期間に当該カプセルのリーフレットを頒布したものとは認められない。

ウ したがって、本件商標権者が要証期間に、商品「カプセル」について、本件商標を使用したものとは認められない。

(2)その他、被請求人の提出する証拠によっては、本件商標の、要証期間における請求に係る指定商品のいずれかについての使用を確認できない。

(3)してみれば、被請求人は、本件商標について、日本国内において、要証期間に、本件審判請求に係る指定商品について、本件商標を使用していた事実を証明していない。

3 被請求人の主張について

被請求人は、「カプセル」の商品パッケージの裏面の「2021.3」の表示が当該カプセルの使用期限であるから、当該カプセルが要証期間に販売されていたこと及びリーフレットの「2018.10 ZR02(F)」の表示より,当該リーフレットが2018年10月に印刷されたものであることをもって、本件商標が要証期間に使用された旨主張する。

しかしながら、上記2のとおり、被請求人は当該カプセルが要証期間に製造され及び販売されたことを証する証拠並びに当該リーフレットが要証期間に頒布された証拠を提出していないから、被請求人の主張は採用できない。

4 まとめ

以上のとおり、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが、請求に係る指定商品のいずれかについて、本件商標の使用をしていた事実を証明したものとは認められない。

また、被請求人は、本件審判の請求に係る指定商品について、本件商標の使用をしていないことについて正当な理由があることも明らかにしていない。

したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により指定商品中「結論掲記の指定商品」についての登録を取り消すべきものである。

よって、結論のとおり審決する。

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