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Trademark Appeal Case

漢字とカタカナの称呼・観念類似

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号無効2019−890029(T2019−890029/J3)
審判種別無効
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第6116373号の登録を無効とする。
審判費用は被請求人の負担とする。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第6116373号商標(以下「本件商標」という。)は,別掲のとおり,「無双」の漢字を横書きしてなり,平成30年5月11日に登録出願,第30類「あんの入っていない蒸しまんじゅうその他の蒸し菓子,菓子,中華蒸しパン」を指定商品として,同31年1月9日に登録査定,同月25日に設定登録されたものである。

第2 引用商標

請求人が,本件商標の登録の無効の理由について,本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当するとして引用する,登録第6088385号商標(以下「引用商標」という。)は,「ムソー」の文字を標準文字で表してなり,平成29年12月15日に登録出願,第30類「ココア,菓子,ピザ,香辛料,食用粉類」及び第29類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として,同30年10月12日に設定登録され,現に有効に存続しているものである。

第3 請求人の主張

請求人は,結論同旨の審決を求め,その理由を要旨以下のように述べ,証拠方法として甲第1号証ないし甲第5号証(枝番号を含む。)を提出した。

1 請求の理由

本件商標は,商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから,同法第46条第1項第1号の規定により,その登録を無効にすべきものである。

(1)本件商標

本件商標は,「無双」の文字よりなるものであり,その構成文字に相応して「ムソー」の称呼を生ずることは明らかである。また,第30類「あんの入っていない蒸しまんじゅうその他の蒸し菓子,菓子,中華蒸しパン」を指定商品とするものである。

(2)引用商標

引用商標は,「ムソー」の標準文字からなり,「ムソー」の称呼を生ずる。また,第29類「食用油脂」ほか,第30類「ココア,菓子,ピザ,香辛料,食用粉類」を指定商品とするものである。

(3)本件商標と引用商標との類否

ア 本件商標と引用商標とは,上記(1)及び(2)から,「ムソー」の称呼を共通にする類似の商標といわざるを得ない。

イ 本件商標と引用商標とは,上記(1)及び(2)のとおりの構成からなるものであり,外観を観察すれば同一といえないことは否定できない。

しかしながら,本件商標は漢字「無双」からなり,社会通念上「ムソー」以外の称呼が導き出されるものではなく,一方,引用商標は片仮名「ムソー」からなり,「ムソー」の称呼を生じるものであるから,両者は漢字と片仮名との違いがあるとはいえ,取引者,需要者に与える印象,記憶,連想等を同じくし,混同を生じやすいということができる。

さらに,請求人は1969年(昭和44年)2月に創業の,自然食品,有機食品,無添加食品の研究開発及び食品全般の問屋業を営む者であり,店舗数は約2000店である(甲3)。しかして,請求人の商号である「ムソー株式会社」の文字部分の構成中,「株式会社」の文字は,取引上省略されて,称呼される場合が決して少なくないところ,その略称である引用商標「ムソー」は,周知著名な商標である。

そして,本件商標と引用商標の指定商品が同一又は類似であること及び取引者,需要者を共通としていることから,本件商標と引用商標とは外観において相違しても,本件商標は,その指定商品に使用した場合,引用商標と商品の出所について誤認混同を生じるおそれのある類似の商標であるというべきである。

ウ 本件商標は,「ならぶもののないこと。二つとないこと。無比」(甲4)の観念を生ずる。一方,引用商標からも「国士無双」「三国無双」などの熟語に含まれる「無双」を連想し,本件商標と同様の観念を生じる。

よって,本件商標と引用商標とは,観念においても類似の商標というべきである。

エ 以上のとおり,本件商標と引用商標とはその外観において相違するとしても,共に「ムソー」の称呼を共通にし,かつ,観念についても共通する類似の商標であって,引用商標の周知著名性,両商標の指定商品の同一性,商品の需要者層の同一性等を総合的に判断すれば,本件商標は,引用商標と商品の出所について誤認混同を生じるおそれのある類似の商標である。

(4)本件商標と引用商標との指定商品の類否について

本件商標の指定商品と引用商標の指定商品中,第30類「菓子,ピザ」とは,同一又は類似の商品である。

よって,本件商標と引用商標とは指定商品においても同一又は類似のものである。

(5)小括

以上のとおり,本件商標と引用商標とは類似の商標であり,本件商標をその指定商品に使用した場合,引用商標と商品の出所について誤認混同を生じるおそれがある。

したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に該当する。

第4 被請求人の答弁

被請求人は,請求人の主張に対して何ら答弁していない。

第5 当審の判断

1 請求人適格について

請求人が本件審判を請求することの利害関係の有無については当事者間に争いがなく,また,当審は請求人が本件審判を請求する利害関係を有するものと認める。

2 商標法第4条第1項第11号該当性について

(1)本件商標

本件商標は,別掲のとおり,「無双」の文字よりなるところ,その構成文字に相応して「ムソー」の称呼を生ずるものである。また,「無双」の文字は,「ならぶもののないこと。二つとないこと。」の意味を表すもの(甲4)であることから,本件商標からは「ならぶもののないこと。二つとないこと。」の観念を生ずるものである。

(2)引用商標

引用商標は,「ムソー」の文字を標準文字で表してなるところ,その構成文字に相応して「ムソー」の称呼を生ずる。また,「ムソー」の文字は,「無双」の語の片仮名表記でもあって,「無双」を想起する場合も少なくないことから,引用商標からは,「ならぶもののないこと。二つとないこと。」の観念を生じ得るものである。

(3)本件商標と引用商標の類否

本件商標と引用商標を比較すると,外観については,漢字と片仮名で文字種が異なるものであるとしても,商標の構成文字を同一の称呼が生じる範囲内で漢字を平仮名,片仮名,ローマ字表記にしたり,あるいは,その逆にしたりという文字種の変換はごく普通に行われていることであるから,両商標は,特定の語を同一の称呼が生じる範囲内で文字種を変えた範ちゅうにとどまるとみるのが自然であり,かつ,両商標は,共に平易な書体からなるものであって,両商標の外観における差異は,取引者,需要者に対し,特段印象づけるものではない。

そして,称呼については,「ムソー」の称呼を共通にするものである。

さらに,観念については,「ならぶもののないこと。二つとないこと。」の観念を共通にする場合もある。

そうすると,本件商標と引用商標は,外観における差異はあるものの,その差異は特段印象づけるものではなく,また,称呼及び観念を共通にするものであるから,これらを総合勘案すれば,互いに紛れるおそれのある類似の商標というべきである。

(4)商品の類否について

本件商標の指定商品「あんの入っていない蒸しまんじゅうその他の蒸し菓子,菓子,中華蒸しパン」は,引用商標の指定商品中「菓子,ピザ」と同一又は類似の商品である。

(5)小括

以上より,本件商標は,引用商標に類似する商標であり,その指定商品と同一又は類似の商品に使用するものであるから,商標法第4条第1項第11号に該当する。

3 まとめ

以上のとおり,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に該当するものであり,その登録は,同条第1項の規定に違反したものであるから,同法第46条第1項の規定により,その登録を無効とすべきである。

よって,結論のとおり審決する。

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